要点法人税法 80 条は、青色申告の中小企業が当期の赤字について前期に納めた法人税の還付を受けられる欠損金の繰戻し還付を定める。確定申告書と還付請求書の同時提出が要件となる。
Q · 赤字が出たら、去年払った法人税って戻ってくるの?
前期が黒字なら青色申告の中小企業は繰戻還付で取り戻せます
法人税法 80 条により、青色申告の内国法人は当期に生じた欠損金額について、確定申告書と還付請求書を同時に提出することで、前一年以内の黒字事業年度に納めた法人税の還付を請求できます。将来の黒字と相殺する繰越控除(法人税法 57 条)と異なり、過去に払った税金を現金で回収できる制度です。ただし資本金 1 億円超の大企業は租税特別措置法で通常の適用が停止されており、原則使えるのは中小企業と、規模を問わない災害損失欠損金・解散等の場合に限られます。
決算を締めたら大きな赤字。多くの社長はここで『繰越して来年の黒字と相殺しよう』と考える。だが前期が黒字で法人税を納めていたなら、もう一つの道がある。法人税法80条の欠損金の繰戻し還付だ。去年払った法人税を、今年の赤字に応じて現金で取り戻せる。条件は青色申告を連続して出していること、そして赤字の確定申告書と還付請求書を期限内に同時に出すこと。ただし落とし穴がある。資本金1億円超の大企業は、租税特別措置法で長年この制度を止められていて使えない。使えるのは中小企業と、規模を問わず認められる災害損失だけ。繰越が『未来の黒字に賭ける』選択なら、繰戻還付は『過去に払った税金を今すぐ現金化する』選択だ。資金繰りが苦しい局面で、この二枚目のカードを知っているかどうかが会社の体力を左右する。
法人税法 80 条は欠損金の繰戻し還付を定める規定であり、青色申告の内国法人が当期に生じた欠損金額について、確定申告書と還付請求書を同時に提出することで、前一年以内の黒字事業年度に納付した法人税の還付を請求できる制度を規定する。将来の黒字と相殺する繰越控除(法人税法 57 条)に対する、過去の納税を現金で回収する代替制度として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
青色申告の内国法人が当期の赤字について、前一年以内の黒字事業年度に納めた法人税を現金で還付請求できる制度です。法人税法 80 条が根拠で、確定申告書と還付請求書の同時提出が要件です。
還付請求書提出後、税務署が欠損金額を調査したうえで支払決定します。還付が請求日等の翌日から 3 か月を経過してもされない場合、その超過期間について還付加算金が付きます(80 条 11 項)。
通常の欠損金は前 1 年以内ですが、災害損失欠損金は青色申告なら前 2 年以内まで遡って還付を受けられます(80 条 5 項)。震災・風水害・火災等が対象です。
納税地の所轄税務署長に提出します(80 条 9 項)。還付を受けようとする法人税額とその計算の基礎、財務省令で定める事項を記載した還付請求書が必要です。
新型コロナ対応の特例で、通常は不適用の資本金 10 億円以下の法人にも一時的に繰戻し還付が解禁されました。大きな経済危機時には特例で対象が拡大されることがあります。
つきます。国税通則法 58 条に基づき、還付請求日等の翌日以後 3 か月を経過した日から支払決定日等までの期間について還付加算金(利息相当)が計算されます(80 条 11 項)。
できます。解散・事業全部の譲渡・更生手続開始等が生じた場合、その事実発生日から 1 年以内に還付請求できます(80 条 4 項)。連続青色申告が条件です。
原則無理です。80 条は還付所得事業年度から欠損事業年度前まで連続して青色申告書を提出していることを要件とします(80 条 3 項)。白色申告では通常適用できません。
資金繰りに余裕があり将来の黒字が見込めるなら繰越(法人税法57条)、今すぐ現金が必要なら繰戻還付(80条)です。繰戻は去年払った税金が現金で戻り、繰越は将来の黒字を待つ必要があります。業界裏話ヒント:税理士が繰越を勧めがちなのは、繰戻還付を請求すると税務署が必ず調査に入るから(80条10項)。調査対応の手間とリスクを避けたい事務所ほど、繰戻を積極的には提案しない傾向がある。
本当です。法人税法80条10項は、税務署長が還付請求の基礎となった欠損金額その他必要な事項を調査すると定めています。繰戻還付は中身を精査される前提の制度です。業界裏話ヒント:調査といっても必ず実地調査になるわけではなく、書面確認で済むことも多い。赤字の計算根拠と帳簿が整っていれば恐れる必要はない。逆に根拠が曖昧なまま請求すると否認され、加算税まで負うことになる。
通常の赤字では原則使えません。租税特別措置法により、中小企業者等以外の法人はこの制度が長年停止されています(条番号は最新の改正状況をご確認ください)。ただし例外が二つ、解散・事業譲渡等(80条4項)と災害損失欠損金(80条5項)は規模を問わず使えます。業界裏話ヒント:コロナ禍では資本金10億円以下まで一時解禁されたように、大きな経済危機のたびに特例で復活する。危機の局面では『今なら使えるか』を必ず確認する。
受けられません。繰戻還付は前1年以内の黒字(所得)に対して払った法人税を取り戻す制度なので、繰戻す先の黒字と納税がなければ請求する原資がありません(80条1項)。その場合は繰越(法人税法57条)で将来の黒字と相殺するしかありません。業界裏話ヒント:黒字から赤字の順番でしか使えないため、創業初年度が黒字で2年目に大型投資で赤字になったスタートアップと、この制度は相性が良い。設立直後の黒字は繰戻の絶好の原資になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 現金化のタイミング | 80 条 繰戻し還付:前期の納税を今すぐ現金で回収 | — |
| 適用対象 | 青色申告の中小企業者等(大企業は租特で原則停止) | — |
| 絶対要件 | 連続青色申告+確定申告書と還付請求書の同時提出 | — |
| 税務調査リスク | 還付請求で欠損金額を必ず調査(80 条 10 項) | — |
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