要点法人税法 72 条は、上半期 6 か月を一事業年度とみなす仮決算で中間申告できる制度。実際の所得で申告でき赤字ならゼロにできるが、税額が予定申告額を超える場合は選べない。
Q · 上半期が赤字なのに、去年の税額の半分を中間申告で払わないといけないの?
仮決算を選べば上半期の実績で申告でき、赤字ならゼロにできます
何もしなければ予定申告(法人税法 71 条)が適用され、前期税額の半分を中間納税させられます。しかし法人税法 72 条の仮決算方式を選べば、事業年度開始後 6 か月を一事業年度とみなして実際の所得で中間申告でき、赤字なら中間納税をゼロにもできます。ただし仮決算の税額が予定申告額を超える場合は使えず(1 項ただし書)、貸借対照表・損益計算書の添付が必須(2 項)で半期本決算の手間がかかります。提出期限は事業年度開始後 6 か月経過日から 2 か月以内です。
あなたの会社の売上が今期の上半期で去年より大きく落ち込んだとする。それでも何もしなければ、税務署はあなたに去年の法人税額のちょうど半分を、6か月経過後2か月以内に前払いさせる(予定申告、71条)。去年が絶好調で今年が急降下でも、前払い額は去年基準のまま。資金繰りが一番苦しい時期に、払い過ぎになる税金を先に取られる。72条はこの流れを断ち切る切り札だ。上半期の6か月を一つの事業年度とみなして仮の決算を組み、その実際の所得で中間申告できる。赤字ならば中間納税はゼロにもなる。ただし条件がある。仮決算の税額が予定申告額を超える場合は使えない(1項ただし書)。つまり税額を下げる方向にしか効かない。さらに貸借対照表と損益計算書の添付が必須(2項)で、半期分の決算を実際に締める手間とコストがかかる。この手間と資金繰り改善を天秤にかけるのが、経営者の判断だ。
法人税法 72 条は、仮決算による中間申告を定める規定である。内国普通法人が事業年度開始後 6 か月を一事業年度とみなして課税標準である所得金額を計算し、その税額を記載した中間申告書を提出できる。予定申告(71 条)に代わる選択肢であり、期間末日の貸借対照表および損益計算書の添付を要件とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
事業年度開始の日以後 6 か月を経過した日から 2 か月以内が提出期限です。決算期 3 月なら 11 月末までで、この期限を過ぎると仮決算方式は選べず予定申告として扱われます。
予定申告(71 条)は前期税額の半分を機械的に払う方式、仮決算(72 条)は上半期の実際の所得で計算する方式です。仮決算は税額を下げる方向にしか使えません。
無申告でも法律上は予定申告書が提出されたものとみなされ、前期税額の半分の納付義務が生じます。放置すると延滞税がかかるため、納付か仮決算かの判断が必要です。
前事業年度の確定法人税額を基礎に計算した予定申告額が 10 万円以下の場合、中間申告義務そのものがありません(71 条ただし書)。設立初年度も原則対象外です。
損しません。中間で少なく納めても年間の確定税額は変わらず、確定申告で精算されるだけです。仮決算は税額を減らす制度ではなく資金の前払いを止める制度です。
72 条 4 項により、災害損失金額や控除しきれない外国税額控除・所得税額控除の枠を中間申告に上乗せして記載できます。被災企業の資金繰りを守る特則です。
72 条 5 項の特則により、通算法人グループ全体の合計額で仮決算の可否を判定します。自社単体が赤字でもグループ合計が予定申告額を超えれば使えません。
得か損かではなく手間に見合うかの問題です。半期本決算の作成コストと、上半期利益が予定申告額を超えて使えないリスク(1 項ただし書)を天秤にかけて判断します。
仮決算方式(72条)を選べば、上半期の実際の所得で申告できるので、赤字なら中間納税はゼロにできます。ただし何もしないと予定申告(71条)が適用され、去年の税額の半分を払わされます。業界裏話ヒント:予定申告額が10万円以下なら、そもそも中間申告義務がありません(71条ただし書)。去年の税額が小さい零細企業は、仮決算の手間をかける前にこの閾値を確認する。義務がないのに払っている会社は意外に多い
戻ってきます。中間で払い過ぎても、確定申告で年間税額と精算され、超過分は還付されます(74条)。だから仮決算は税額そのものを減らす制度ではなく、還付を待たずに資金を手元に残す資金繰りの制度です。業界裏話ヒント:還付は確定申告後さらに1〜2か月かかることが多い。上半期の過大な前払いが実際に戻るのは1年近く先。金利より資金繰りが命の局面では、その時間差こそが仮決算を選ぶ本当の理由になる
その通りで、上半期末の貸借対照表と損益計算書の添付が必須(2項)、半期の本決算を組むのと同じ手間です。だから減る税額(=資金繰り改善効果)が作成コストを上回るかで判断します。業界裏話ヒント:上半期に大きな設備投資や赤字があり、かつ下半期に資金需要が集中する年ほど効果が大きい。逆に業績が安定した年に毎期仮決算を組むのは税理士報酬だけかさむ悪手。発動は業績が急変した年に絞るのが定石
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 計算の基礎 | 72 条:上半期 6 か月の実際の所得(仮決算) | — |
| 位置づけ | 予定申告に代わる選択的な中間申告 | — |
| 赤字時の効果 | 中間納税をゼロにもできる | — |
| 手続コスト・制約 | 貸借対照表・損益計算書の添付必須、予定申告額を超えると不可 | — |
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