要点法人税法57条の2は、株式の50%超取得で特定支配関係が生じた赤字会社について、支配日から五年間に事業や人員を入れ替えると繰越欠損金を使えなくする規定である。
Q · 赤字の会社を買って、その繰越欠損金でうちの黒字を消せるって本当?
買収後の行動次第で欠損金は消えます
繰越欠損金の引き継ぎ自体は可能ですが、株式の50%超を取得して特定支配関係を作ると、支配日から五年間、法人税法57条の2の監視下に入ります。この間に休眠会社の事業開始、旧事業廃止と五倍超の資金注入、役員総退任かつ従業員二割減などの該当事由が生じると、それ以前の繰越欠損金は繰越控除できなくなります。法は買収自体を咎めず、買った後に中身を入れ替えて赤字だけを利用する動きを封じています。
累積赤字を抱えた会社を安く買い、その繰越欠損金で自社の黒字を圧縮する。節税の世界では古典的な手口だ。あなたがその手を思いついたなら、法人税法57条の2はまさにあなたを待ち構えている。この条文は、誰かが会社の株式の50%超を握って支配関係を作った瞬間から、五年間その会社を監視下に置く。その間に、休眠会社が突然事業を始めたり、元の事業を畳んで五倍超の資金を借り入れたり、役員を総入れ替えして従業員の二割以上を切ったりすると、それまでの繰越欠損金は問答無用で使えなくなる。つまり法は「赤字会社を買うこと」自体は咎めない。買った後にあなたが中身を入れ替えて赤字だけを利用しようとする動きを封じている。買収の契約書にサインする前に、五年カレンダーと事業計画を照らし合わせなければ、狙った節税は水泡に帰す。
欠損等法人とは、他の者による特定支配関係(発行済株式の50%超保有等)が生じた事業年度に繰越欠損金または評価損資産を有する内国法人をいう。法人税法57条の2は、この法人につき支配日から五年間、事業・資金・人員の連続性が断たれる所定の該当事由が生じた場合に、繰越欠損金の繰越控除を不適用とする租税回避防止規定である。
他の者による特定支配関係(株式50%超保有等)が生じた事業年度に繰越欠損金や評価損資産を有する内国法人です。法人税法57条の2の監視対象となり、支配日から五年間の該当事由で欠損金が使えなくなります。
他の者が内国法人の発行済株式の総数または総額の50%超を直接・間接に保有する関係等をいいます。この関係が生じた日が「支配日」となり、五年間の監視期間の起点になります。
株式譲渡による引き継ぎ自体は可能ですが、特定支配関係が生じると支配日から五年間57条の2の制限を受けます。事業や人員を大きく入れ替えると遡って繰越控除が不適用になります。
特定支配関係を有することとなった支配日が起点です。支配日以後五年を経過する日の前日までが監視期間で、この間の該当事由で欠損金の繰越しが打ち切られます。
支配日の直前に事業を営んでいない会社が支配後に事業を開始すると、それだけで第一号の該当事由となり、繰越欠損金の繰越しが不適用になります。器だけの赤字会社利用が最初に塞がれます。
①休眠会社の事業開始、②旧事業廃止と五倍超の資金受入れ、③特定債権取得下での五倍超資金受入れ、④適格合併等、⑤役員総退任かつ従業員二割減、⑥政令で定める類似事由の六類型です。
発動します。同条は納税者の主観的目的を要件とせず、事業再開や五倍超の資金受入れといった客観的事実の有無だけで判断します。正当な事業統合でも要件に触れれば欠損金は消えます。
対象会社の欠損金の額と発生事業年度、支配日を起点とする五年カレンダー、買収後に予定する事業転換・資金注入・人員刷新が該当事由に触れないかを精査します。触れれば節税効果は前提から消えます。
繰越欠損金の引き継ぎ自体は可能です。ただし株式の50%超を取得して支配関係を作ると、その日から五年間、法人税法57条の2の監視下に入ります。この間に事業の入れ替えや五倍超の資金注入、役員・従業員の大幅入れ替えを行うと、欠損金は遡って使えなくなります。業界裏話ヒント:実務では「買っただけ」では否認されません。否認の引き金は買収後のあなたの行動です。だから節税目的で買うなら、五年間は対象会社の事業と人員をできるだけそのまま維持する、という逆説的な自制が要ります
五年以内でも、政令で定める除外要件に該当すれば適用を免れる余地があります。また、そもそも特定支配関係(50%超保有)に至らない持分設計にすれば57条の2の対象外です。業界裏話ヒント:欠損金の温存と事業の早期再建は、多くの場合トレードオフです。税理士が本当に価値を出すのは、欠損金をいくら守るために事業再編をどこまで遅らせるか、という経済計算をあなたの資金繰りと突き合わせて設計する部分。ここを丸投げすると数億円単位で結果が変わります
消える可能性があります。57条の2は納税者の主観的な目的を要件にしていません。休眠会社の事業再開、旧事業の廃止かつ五倍超の資金受入れ、役員全員退任かつ従業員二割減など、条文が並べる客観的事実に当てはまれば発動します。業界裏話ヒント:「目的は正当だ」という主張は、この条文にはほぼ効きません。争うなら目的論ではなく、「おおむね五倍」「おおむね二割」といった数値要件を自社が満たしていない、という事実ベースの反論を組む方が実戦的です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 57条の2:欠損等法人の繰越控除を制限する租税回避防止規定 | — |
| 発動の基準 | 支配日から五年内の客観的該当事由(事業・資金・人員の連続性の断絶) | — |
| 主観目的の要否 | 不要(客観要件で発動、動機を問わない) | — |
| 適用の効果 | 適用事業年度以後、それ以前の繰越欠損金を繰越控除不適用 | — |
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