要点法人税法 31 条は、減価償却資産の償却費を損金経理額のうち償却限度額まで損金算入できると定める。法人は任意償却で、ゼロから限度額までの範囲を自ら選べる。
Q · 減価償却って、法人でも毎年必ずやらないといけないんですか?
任意償却なので、法人はゼロから限度額まで自分で選べます
法人税法 31 条により、法人の減価償却は損金経理をした金額のうち償却限度額に達するまでが損金になります。毎年一定額を強制される個人事業主(所得税法 49 条)と違い、法人はゼロから償却限度額までの範囲で計上額を自分で選べる任意償却です。黒字の年は限度額まで取って節税し、赤字の年は見送って未償却額を翌年以降に繰り越せます(31 条 4 項)。この一往復が毎期の納税額と資金繰りを左右します。
決算が近づき、思ったより利益が出た。このままでは法人税で大きく持っていかれる。そんなとき、あなたの会社の帳簿には合法的に使える調整弁が一つある。減価償却だ。法人税法31条は、機械や建物、社用車といった減価償却資産の費用を、毎年いくらまで損金にできるか(償却限度額)を定める。だが本当の勘所はその手前にある。個人事業主が強制償却で毎年決まった額を必ず計上させられるのに対し、法人は「損金経理(会計帳簿に費用として実際に計上すること)をした金額のうち償却限度額に達するまで」、つまりゼロから上限までの範囲で自分で金額を選べる。任意償却だ。黒字の年は限度額まで取って節税し、赤字の年は見送って未償却分を翌年に繰り越す。この一文を知っているかどうかで、あなたの会社の毎期の納税額は変わる。
法人税法 31 条は、内国法人の減価償却資産の償却費の損金算入を定める規定である。損金経理をした金額のうち、選定した償却方法に基づき政令で計算した償却限度額に達するまでの金額を、当該事業年度の損金の額に算入する。法人は限度額の範囲内で計上額を任意に選択でき、これを任意償却という。
AI 輔助整理,以條文原文為準
機械や建物などの資産の取得費を、耐用年数にわたって各期の費用(損金)に配分する会計・税務上の手続です。法人税法 31 条が損金算入のルールを定めます。
法人が償却額をゼロから償却限度額までの範囲で自由に選べる仕組みです。31 条 1 項の『達するまでの金額』が根拠で、計上を見送っても未償却額は翌年以降に繰り越せます。
定額法は毎年同額を償却し、定率法は初年度ほど多く逓減させる方法です(施行令)。定率法は早期に多く損金化でき、資金の薄い時期の節税に向きます。
取得価額・法定耐用年数・償却方法をもとに施行令の計算式で求めます。期中に事業供用した資産は月割りで按分されます。
30 万円未満の資産を全額当期の損金にできる特例で、租税特別措置法 67 条の 5 が根拠です(中小企業者等、年間合計 300 万円まで。最新の適用状況をご確認ください)。
適格分割等の日以後 2 か月以内に、期中損金経理額等を記載した書類を所轄税務署長へ提出しないと期中の償却が損金になりません(31 条 3 項)。
確定した決算で費用として実際に会計帳簿に計上することです。法人税法 31 条は損金経理を損金算入の要件としており、これが確定決算主義の表れです。
特別償却は費用を前倒しして課税を繰り延べ、税額控除は税額そのものを直接減らします。租税特別措置法 42 条の 6 等の対象設備で選択でき、状況により有利さが変わります。
いいえ。法人は任意償却なので、ゼロから償却限度額までの範囲で当期の計上額を自分で決められます(31条1項の『達するまでの金額』)。毎年必ず計上させられる個人事業主とは正反対です。業界裏話ヒント:見送った未償却分は消えず、31条4項で翌年以降の損金経理額に繰り越せます。税理士が『今期は償却を止めましょう』と言うのは、この繰越しを使った合法的な利益調整です
本当です。中古資産は法定耐用年数より短い年数を使え、定率法(31条1項、施行令48条の2)なら初年度に取得価額の大きな割合を償却できます。ただし事業供用が要件です。業界裏話ヒント:決算月に買っても月割りで数か月分しか取れません。同じ車でも期首近くに買うほど当期に落ちる額が増える。買うなら期末の駆け込みより期首が効きます
法人なら心配いりません。損金経理しなかった償却不足額は31条4項で翌年以降の損金経理額に含められ、消えません。ただし過去の期に遡って増やすのは損金経理が要件なので、更正の請求では原則取り戻せません。業界裏話ヒント:逆に限度額を超えて償却した償却超過額も、当期否認のうえ翌期以降に自動で認容される。不足も超過も耐用年数の中で最終的に精算される仕組みです
変えられますが、所轄税務署長の承認が必要です。方法を選定・届出しないと法定償却方法(施行令53条、多くは定率法)が自動で固定されます。建物などは定額法が強制されるなど資産で異なります。業界裏話ヒント:定率法から定額法への変更は利益が出る局面で狙われますが、合理的理由がないと承認されにくい。設立時の選定届出を出し忘れると、その資産は法定方法に縛られ続けます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 償却の性質 | 法人税法 31 条:任意償却(ゼロ〜限度額を選択) | — |
| 損金算入の入口 | 損金経理額のうち償却限度額まで | — |
| 未償却額の扱い | 見送り分は翌年以降の損金経理額に繰越(31 条 4 項) | — |
| 利益調整の余地 | あり(黒字年に取り赤字年に見送る設計が可能) | — |
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