要点法人税法 62 条は、合併・分割による資産や負債の移転を時価での譲渡とみなし、含み益を所得に算入すると定める。適格組織再編成に該当すれば、簿価引継ぎで課税が繰り延べられる。
Q · 合併や会社分割で資産を移すと、現金が動いていなくても税金がかかるの?
原則かかる。適格組織再編成なら課税は繰り延べられる
法人税法 62 条により、合併や分割で資産・負債を移転すると、その時の時価で譲渡したものとみなして所得を計算します。帳簿価額 1 億円の土地の時価が 5 億円なら、差額 4 億円が譲渡利益額として最後事業年度の益金に算入されます。現金が一円も動いていなくても課税されるのが原則です。ただし 62 条の 2 以下の適格組織再編成に該当すれば、帳簿価額のまま引き継ぎ、課税は繰り延べられます。
創業した会社を別会社と合併させる、事業の一部を切り出して子会社に移す。経営判断としては前向きな一手だが、税務の世界では別の顔を見せる。法人税法 62 条は、合併や分割で資産や負債を移すと、それを「時価で売却した」とみなして所得を計算せよと命じる。帳簿に 1 億円で載っていた土地の時価が 5 億円なら、差額 4 億円が譲渡益として一気に課税対象になる。実際には現金が一円も動いていないのに、だ。ここで多くの経営者が凍りつく。だが 62 条は物語の半分でしかない。もう半分、62 条の 2 以下の「適格組織再編成」に該当すれば、この含み益への課税は繰り延べられ、帳簿価額のまま引き継げる。同じ合併でも、適格か非適格かで税額が数億円変わる。その分岐点に立っているのが、あなたの再編スキームの設計そのものだ。
法人税法 62 条は、合併または分割による資産・負債の移転を、その時の価額による譲渡とみなして所得を計算する原則規定である。移転により生じた譲渡利益額または譲渡損失額は、被合併法人の最後事業年度の益金または損金に算入される。62 条の 2 以下の適格組織再編成に該当する場合は、帳簿価額による引継ぎとなり課税が繰り延べられる。
適格要件を満たさない合併のことです。法人税法 62 条の原則どおり、移転資産を時価で譲渡したとみなし、含み益が最後事業年度の益金に算入されます。
被合併法人の合併の日の前日が属する事業年度、いわゆる最後事業年度です(62 条 2 項)。期末直前の駆け込み合併は、この年度に巨額の益金が乗ります。
非適格合併等で交付対価が移転純資産の時価を超える部分です。法人税法 62 条の 8 が規律し、原則 60 か月で均等に損金算入されます。
課税されます。62 条 1 項は無対価分割に該当する分割型分割のうち政令で定めるものも射程に置き、株式交付が省略されたとみなして処理します。
非適格合併や分割型分割で、交付金銭等が資本金等の額を超える場合です。法人税法 24 条によりその超過部分が配当とみなされ、株主側に課税されます。
平成 13 年(2001 年)の組織再編税制創設が起点と解されています。62 条の時価譲渡原則と、62 条の 2 以下の適格再編の課税繰延べが同時に整備されました。
合併・分割の効力発生時を基準に判定し、その後の事業継続や従業者引継ぎの実態も見られます。実行後に組み直すことはできません。
法人税の更正・決定の期間制限は原則 5 年、偽りその他不正の行為がある場合は 7 年です(国税通則法 70 条)。最新の改正状況をご確認ください。
原則かかります。法人税法 62 条は、合併で資産を移すと時価で譲渡したとみなし、含み益を所得に算入します。ただし 62 条の 2 以下の適格合併に該当すれば簿価で引き継ぎ、課税は繰り延べられます。業界裏話ヒント:中小企業の合併の多くはグループ内再編なので、支配関係要件さえ整えれば適格になりやすい。実務では、適格にするために合併の前段階で株式を移して支配関係を作り込むことが日常的に行われている
類型によりますが、要件は一体で判定され、主要な要件が欠ければ全体が非適格に転落します(法人税法 2 条 12 号の 8、62 条の 2)。従業者の概ね 8 割引継ぎや主要事業の継続が代表的な落とし穴です。業界裏話ヒント:税務署が最も突いてくるのが事業継続要件。合併後すぐに移した事業を廃止・縮小すると、遡って非適格と認定されるリスクがある。合併直後のリストラは税務上の爆弾になりうる
違います。分割型分割は分割対価が株主に交付され、みなし配当(法人税法 24 条、62 条 1 項)や株主課税が絡みます。分社型分割は法人に対価が入るので株主課税は生じません。業界裏話ヒント:同じ「事業を切り出す」でも、どちらの型を選ぶかで株主の課税が変わる。オーナー企業では、オーナー個人への配当課税を避けるために分社型を選ぶ設計が定石になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 資産の移転価額 | 法人税法 62 条:合併・分割の時の価額(時価)による譲渡とみなす | — |
| 含み益への課税 | 譲渡利益額が最後事業年度の益金に算入され即時課税 | — |
| 適用の前提 | 原則規定。適格要件を満たさない全ての合併・分割に適用 | — |
| のれん・株主課税との接続 | 非適格なら 62 条の 8 の資産調整勘定、24 条のみなし配当が連動 | — |
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