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法人税法 第61条の11

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  1. 内国法人(普通法人又は協同組合等に限る。)がその有する譲渡損益調整資産(固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で政令で定めるもの以外のものをいう。以下この条において同じ。)を他の内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係がある普通法人又は協同組合等に限る。)に譲渡した場合には、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額(その譲渡に係る収益の額が原価の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。以下この条において同じ。)又は譲渡損失額(その譲渡に係る原価の額が収益の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。以下この条において同じ。)に相当する金額は、その譲渡した事業年度(その譲渡が適格合併に該当しない合併による合併法人への移転である場合には、次条第二項に規定する最後事業年度)の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する。
  2. 2.内国法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき前項の規定の適用を受けた場合において、その譲渡を受けた法人(以下この条において「譲受法人」という。)において当該譲渡損益調整資産の譲渡、償却、評価換え、貸倒れ、除却その他の政令で定める事由が生じたときは、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該内国法人の各事業年度(当該譲渡利益額又は譲渡損失額につき次項又は第四項の規定の適用を受ける事業年度以後の事業年度を除く。)の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
  3. 3.内国法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき第一項の規定の適用を受けた場合(当該譲渡損益調整資産の適格合併に該当しない合併による合併法人への移転により同項の規定の適用を受けた場合を除く。)において、当該内国法人が当該譲渡損益調整資産に係る譲受法人との間に完全支配関係を有しないこととなつたとき(次に掲げる事由に基因して完全支配関係を有しないこととなつた場合を除く。)は、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額(その有しないこととなつた日の前日の属する事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額又は損金の額に算入された金額を除く。)は、当該内国法人の当該前日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
  4. 当該内国法人の適格合併(合併法人(法人を設立する適格合併にあつては、他の被合併法人の全て。次号において同じ。)が当該内国法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものに限る。)による解散
  5. 当該譲受法人の適格合併(合併法人が当該譲受法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものに限る。)による解散
  6. 4.第六十四条の十一第一項(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)に規定する内国法人、第六十四条の十二第一項(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)に規定する他の内国法人又は第六十四条の十三第一項(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)に規定する通算法人が時価評価事業年度(第六十四条の十一第一項に規定する通算開始直前事業年度、第六十四条の十二第一項に規定する通算加入直前事業年度又は第六十四条の十三第一項に規定する通算終了直前事業年度をいう。以下この項において同じ。)以前の各事業年度において譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき第一項の規定の適用を受けた法人である場合には、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額に相当する金額(当該時価評価事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額又は損金の額に算入された金額を除く。以下この項において「譲渡損益調整額」という。)は、譲渡損益調整資産のうち譲渡損益調整額が少額であるものその他の政令で定めるものに係る譲渡損益調整額(同条第一項に規定する通算法人のうち同項第二号に掲げる要件に該当するものにあつては、当該政令で定めるものに係る譲渡損益調整額及び次に掲げる要件のいずれかに該当しない譲渡損益調整額)を除き、当該時価評価事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
  7. 十億円を超えること。
  8. 譲渡損失額に係るものであること。
  9. 当該譲渡損益調整資産に係る譲受法人において当該譲渡損益調整資産の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他の政令で定める事由が生ずることが見込まれていること又は当該通算法人が当該譲渡損益調整資産に係る譲受法人との間に完全支配関係を有しないこととなること(前項各号に掲げる事由に基因して完全支配関係を有しないこととなることを除く。)が見込まれていること。
  10. 5.内国法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき第一項の規定の適用を受けた場合において、当該内国法人が適格合併(合併法人(法人を設立する適格合併にあつては、他の被合併法人の全て)が当該内国法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものに限る。)により解散したときは、当該適格合併に係る合併法人の当該適格合併の日の属する事業年度以後の各事業年度においては、当該合併法人を当該譲渡利益額又は譲渡損失額につき同項の規定の適用を受けた法人とみなして、この条の規定を適用する。
  11. 6.内国法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき第一項の規定の適用を受けた場合において、当該譲渡損益調整資産に係る譲受法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(法人を設立する適格合併、適格分割又は適格現物出資にあつては、他の被合併法人、他の分割法人又は他の現物出資法人の全て)が当該譲受法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものに限る。)により合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人(以下この項において「合併法人等」という。)に当該譲渡損益調整資産を移転したときは、その移転した日以後に終了する当該内国法人の各事業年度においては、当該合併法人等を当該譲渡損益調整資産に係る譲受法人とみなして、この条の規定を適用する。
  12. 7.適格合併に該当しない合併に係る被合併法人が当該合併による譲渡損益調整資産の移転につき第一項の規定の適用を受けた場合には、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額に相当する金額は当該合併に係る合併法人の当該譲渡損益調整資産の取得価額に算入しないものとし、当該譲渡損益調整資産に係る譲渡損失額に相当する金額は当該合併法人の当該譲渡損益調整資産の取得価額に算入するものとする。
  13. 8.通算法人が譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額又は譲渡損失額につき第一項の規定の適用を受けた場合において、当該譲渡損益調整資産の譲渡が他の通算法人(第六十四条の五(損益通算)の規定の適用を受けない法人として政令で定める法人及び通算親法人を除く。)の株式又は出資の当該他の通算法人以外の通算法人に対する譲渡であるときは、当該譲渡損益調整資産については、第二項から前項までの規定は、適用しない。
  14. 9.前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点法人税法 61 条の 11 は、完全支配関係にある内国法人間の譲渡損益調整資産の譲渡について、譲渡利益額も譲渡損失額もその期の益金・損金に算入せず繰り延べると定める。

Q · 100% 子会社に含み損のあるビルを売れば、今期の特別損失にできますか?

できません。その損失は繰り延べられ、その期の損金にはなりません。

できません。法人税法 61 条の 11 により、完全支配関係にある内国法人間で譲渡損益調整資産を譲渡した場合、譲渡損失額も譲渡利益額も譲渡した事業年度の損金・益金に算入されません。繰り延べられた損益は、譲受法人がその資産を外部へ譲渡・償却・評価換え・貸倒れ・除却したとき(2 項)、または売主と譲受法人の完全支配関係が消滅したとき(3 項)に戻し入れられます。損失の実現時期は自社では選べず、譲受法人の行動や資本構成の変化に左右されます。

解説

赤字の子会社に、含み損を抱えた本社ビルを売却する。特別損失を計上して今期の着地を赤字に持っていき、法人税を圧縮する。100%子会社どうしなら資産は自由に動かせるはずだ。この節税設計が、法人税法61条の11の壁に正面から衝突する。グループ法人税制のもとでは、完全支配関係(原則100%保有)にある内国法人どうしで一定の資産(固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産などで政令の除外物を除いたもの、いわゆる譲渡損益調整資産)を売買しても、そこで生じた譲渡益も譲渡損も、その期には損金にも益金にも算入されない。いったん凍結される。あなたが狙った損失計上は空振りに終わる。凍結が解けるのは、譲り受けた側がその資産を外部に売る、償却する、除却する、あるいは売り手と買い手の完全支配関係が切れたときだ。つまり損益の実現タイミングは、あなたの手を離れて、他社の行動や資本構成の変化に握られる。

法的な位置づけ

法人税法 61 条の 11 は、グループ法人税制における譲渡損益の繰延べを定める規定である。完全支配関係にある内国法人間で譲渡損益調整資産が譲渡された場合、譲渡利益額および譲渡損失額は譲渡事業年度の益金・損金に算入されず、譲受法人における譲渡・償却・評価換え・貸倒れ・除却等の事由、または完全支配関係の消滅が生じた事業年度において戻し入れられる。

試算與流程

AI 輔助整理,以條文原文為準

よくある質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1譲渡損益調整資産とは?

固定資産、土地(固定資産に該当しないもの)、有価証券、金銭債権、繰延資産のうち、政令で除外されたもの以外の資産をいいます。完全支配関係にある内国法人間で譲渡された場合に損益が繰り延べられます。

Q2譲渡損益の繰延べは選択できる?

選択できません。要件を満たせば強制適用です。有利不利にかかわらず、譲渡した事業年度の損金・益金に算入することはできず、譲渡損益調整勘定として管理する義務が生じます。

Q3譲渡損益調整勘定はどう管理する?

資産ごとに繰延額と戻入れ状況を追跡する明細を作り、法人税申告書の調整明細書に記載します。譲渡法人と譲受法人の間には該当性や取戻し事由に関する通知の仕組みもあり、連携を怠ると申告漏れになります。

Q4適格合併で解散したら繰延損益はどうなる?

完全支配関係にある内国法人を合併法人とする適格合併で譲渡法人が解散した場合、合併法人が繰延べの適用を受けた法人とみなされ、繰延損益は合併法人に引き継がれます(61 条の 11 第 5 項)。

Q5譲受法人がさらにグループ内で資産を動かしたら?

譲受法人が適格合併・適格分割・適格現物出資・適格現物分配により資産を移転した場合、移転先を譲受法人とみなして本条を適用します(同 6 項)。繰延べは終了せず、追跡先が移るだけです。

Q6非適格合併で移した資産の取得価額は?

繰り延べた譲渡利益額は合併法人の取得価額に算入せず、譲渡損失額は取得価額に算入します(同 7 項)。合併法人側の簿価を通じて調整される仕組みです。

Q7グループ通算制度に入ると繰延損益は戻る?

通算開始・加入・離脱の直前事業年度で原則として戻し入れられます(同 4 項)。ただし少額のものなど政令で定めるものは除かれ、一定の通算法人では 10 億円超・譲渡損失額であることなどの要件で扱いが分かれます。

Q8外国子会社への譲渡にも適用される?

適用されません。本条は内国法人(普通法人または協同組合等に限る)から、完全支配関係のある他の内国法人への譲渡が対象です。外国法人への譲渡は通常どおりその期に損益を計上します。

この条文についての質問 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

Q1100%子会社って書いてあるけど、99%だとこの制度は使えないんですか?

使えません。61条の11は「完全支配関係」、原則100%の株式保有(直接・間接を含む、法人税法2条の定義)を要件とし、99%では通常の売買として損益がその期に確定します。業界裏話ヒント:完全支配関係の判定には、一の者による間接保有や自己株式を除いた計算など細かいルールがある。従業員持株会が1%持つだけで関係が切れ繰延べが使えなくなる一方、逆に意図的に完全支配を外して損益を実現させる設計も理論上ありうる

Q2繰り延べた損益って、結局いつ課税されるんですか?

譲受法人がその資産を外部へ譲渡・償却・評価換え・貸倒れ・除却したとき(61条の11第2項)、または売主と譲受法人の完全支配関係が切れたとき(同3項)に戻し入れられます。業界裏話ヒント:厄介なのは減価償却も取戻し事由になる点。譲受側が毎期償却するたび、対応する繰延損益が少しずつ戻る。売った資産の帳簿がもう自社にないのに、他社の償却スケジュールに合わせて自社の益金・損金が毎期動く。この勘定管理を怠ると申告漏れが静かに積み上がる

Q31000万円未満の資産でも、この繰延べは必要ですか?

不要です。譲渡直前の帳簿価額が1000万円未満の資産は、政令(法人税法施行令122条の12)により譲渡損益調整資産から除外され、通常どおり損益を計上します。業界裏話ヒント:この少額基準は資産の一単位ごとに判定する。大型設備を意図的に単位分割して1000万円未満に落とせば回避できるように見えるが、税務上は一体として機能する一単位で見られ否認されうる。基準ギリギリの設計は調査で狙われる(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

  • 「100%グループ内なら資産を自由に売買して損益を調整できる」とまでは知っている経営者でも、繰延べが『取戻し』される事由の広さは知らない。譲受側が減価償却しただけ、評価換えしただけでも、繰り延べた損益が期をまたいで少しずつ戻ってくる(61条の11第2項)。売った資産がもう自社の帳簿にないのに、他社の償却スケジュールが自社の税額を毎期揺らし続ける
  • 「含み損資産を子会社に移して今期の利益と相殺する」という設計そのものが、問いの立て方から間違っている。61条の11は譲渡損失額も譲渡利益額も等しく繰り延べる。損だけ先に出して益は残す、という都合のよい非対称は、条文の入口で封じられている
  • 「繰延べだから、いつかは損を引ける。急がなくていい」と構えていると足をすくわれる。譲渡した側と譲受法人の完全支配関係が崩れた瞬間(株式の一部売却、グループ外への持分移動)、繰り延べた損益が一括で戻し入れられる(同3項)。実現のタイミングは自分では選べず、資本構成の変化が勝手に引き金を引く
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適用場面61 条の 11:完全支配関係にある内国法人間での譲渡損益調整資産の譲渡
損益の扱い譲渡利益額・譲渡損失額をともに益金・損金不算入とし繰り延べる
実現時期を決める要素譲受法人の処分・償却等(2 項)、完全支配関係の消滅(3 項)、通算制度の開始・加入・離脱(4 項)
納税者の選択余地要件を満たせば強制適用、選択の余地なし

想定される場面と対応 AI による整理(2026-05-19T15:00:00+09:00 時点)

こんなときに使う

  • もし決算期末に、含み損のある本社ビルを100%子会社に売却して特別損失を計上し、赤字着地で節税しようとしたら? その譲渡損は損金不算入で凍結される(61条の11第1項)。狙った税圧縮は成立せず、譲渡損益調整勘定という繰延べの管理義務だけが残る
  • グループ再編で、事業用の機械設備一式を兄弟会社(同一親会社の100%子会社)に移した。譲渡益が出たが、この時点では課税されない。ところが2年後、譲受側がその設備を除却した瞬間、繰り延べた譲渡益が自社に戻り課税される。移転から数年後の他社の処分行動が、自社の納税義務を起動させる
  • 100%子会社を外部ファンドに売却することになった。その子会社に過去移した資産の繰延損益が、売却日の前日に一括で戻る。想定外の益金が決算を直撃する。
  • 税務調査で「この譲渡損は繰延対象だ、損金算入は否認」と指摘された。修正申告に応じるか、更正処分を待って争うか。判断まで実質数週間。過少申告加算税と延滞税が日々積み上がっていく
  • 買収先の会社が、過去にグループ内で含み損資産を動かしていた。その譲渡損益調整勘定が、買収後にあなたの手元で戻し入れられ課税される。買収価格の交渉で、この簿外の税負担を織り込めるかどうかで数千万円が動く

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

事実サマリー

以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。

  1. 法人税法第61条の11は、日本の法人税法に含まれる条文です。
  2. 法人税法第61条の11の条文原文は「内国法人(普通法人又は協同組合等に限る。」で始まります。
  3. 法人税法第61条の11は第五目に置かれています。
  4. 法人税法の公布日は昭和40年3月31日です。
  5. 法人税法第61条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。