要点法人税法 61 条の 10 は、為替予約差額を契約締結日から決済日までの各事業年度に配分して益金・損金に算入すると定める。決済期限一年以内の短期資産等は一括計上を選択できる。
Q · 為替予約でヘッジしたときの差額は、いつ損金・益金にできるんですか?
原則は決済日までの期間配分、一年以内の短期なら一括も選べます
法人税法 61 条の 10 第 1 項は、先物外国為替契約等で円換算額を確定させた外貨建資産等について、確定円換算額と取引時レートによる換算額との差額(為替予約差額)を、契約締結日の属する事業年度から決済日の属する事業年度までの各事業年度に政令の計算で配分し、益金または損金に算入すると定めます。ただし決済期限が事業年度終了日の翌日から一年以内に到来する短期外貨建資産等については、第 3 項により当期に一括計上することを選択できます。この選択は政令所定の手続を要し(第 5 項)、確定申告で確定します。
為替の変動が怖くて、輸入代金の支払いを先物予約でヘッジした。これで為替リスクは消えた、と経理担当のあなたは安心する。ところが税務上の話はそこで終わらない。予約レートで固定した円換算額と、取引時の為替相場で換算した金額との差、つまり為替予約差額を、あなたは一度に損金や益金へ落とせない。原則は、予約を結んだ日から決済で円を受け払いする日までの各事業年度に、政令の計算式で按分して配分する(第1項)。ここに落とし穴と抜け道が同居している。決済期限が1年以内の短期資産等なら、按分せず当期に一括計上する道を選べる(第3項)。この選択一つで、今期の課税所得が動く。ヘッジを組んだ時点ではなく、決済期限が1年の内か外かで、あなたの申告書の数字が変わるのだ。
法人税法 61 条の 10 は、為替予約差額の期間配分を定める規定である。先物外国為替契約等により円換算額を確定させた外貨建資産等について、確定円換算額と取引時の為替相場による換算額との差額を為替予約差額といい、契約締結日から決済日までの各事業年度に政令の計算により配分して益金または損金に算入する。決済期限が一年以内の短期外貨建資産等は一括計上を選択できる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
先物外国為替契約等で確定させた円換算額と、外貨建取引を行った時の為替相場で換算した金額との差額をいいます。法人税法 61 条の 10 第 1 項が定義しています。
外貨建取引の円換算額を先物外国為替契約等の予約レートで確定させる処理です。法人税法 61 条の 8 第 2 項が根拠で、この適用を受けた場合に本条の配分が動きます。
原則は契約締結日の属する事業年度から決済日の属する事業年度までの各事業年度に配分します。決済期限一年以内の短期外貨建資産等のみ当期一括を選べます。
第 1 項が政令に委任しており、契約締結日から決済日までの期間に対応させて各事業年度分を算出します。具体的な計算式は法人税法施行令の定めに従います。
必要です。第 5 項が第 3 項の適用を受けようとする場合の手続を政令に委任しています。手続を欠けば原則の期間配分が適用されます。
対象外です。第 1 項の括弧書きが 61 条の 3 第 1 項第 1 号の売買目的有価証券を除いています。こちらは時価評価による評価損益の処理となります。
適用されません。本条は「内国法人が」と規定する法人税法の条文です。個人の外貨建取引は所得税法の規定によって処理されます。
短期外貨建資産等に当たらなければ、税務調査で計上時期を否認され各事業年度への配分に引き直されます。過大計上した期は減額、他の期は増額の是正となります。
予約で固定したのは円換算額であって、その損益をいつの期間に帰属させるかは別問題だからです。第61条の10第1項は、予約差額を契約日から決済日までの各事業年度に政令の式で按分せよと定めます。為替予約は将来の決済までの期間にわたる取引だからです。業界裏話ヒント:この期間配分を知らずに全額当期計上すると、税務調査で計上時期を否認され是正を迫られる。原則は配分、一括は例外という順序を押さえているかで、調査官への説明の説得力が変わる
決済期限が決算日翌日から1年以内の短期外貨建資産等なら、第61条の10第3項で一括計上を選べます。当期が黒字で費用を寄せたいなら一括で当期に、逆に翌期以降に損益を残したいなら配分を維持、といった課税所得の平準化に使えます。業界裏話ヒント:この選択は政令所定の手続を要し(第5項)、確定申告で固まると後戻りできない。決算を締める前に一括か配分かをシミュレーションしないと、有利な方を選ぶ機会を逃す
適格分割・適格現物出資で外貨建資産等と先物予約契約を一緒に移せば、分割日の前日を期末とみなして計算した為替予約差額配分額が移転元で益金・損金に算入されます(第2項)。適格合併等で受け入れた側は、振当処理を引き継いだものとみなされます(第4項)。業界裏話ヒント:組織再編のデューデリでは簿価の含み損益だけ見て、この繰延中の配分額を見落としがち。移転する契約一覧に先物予約が入っているか、スキームを組む段階で必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる損益 | 61 条の 10:予約レートと取引時レートの差(為替予約差額) | — |
| 計上のタイミング | 契約締結日から決済日までの各事業年度に期間配分(原則) | — |
| 前提となる処理 | 61 条の 8 第 2 項の振当処理の適用を受けていること | — |
| 納税者の選択余地 | 決済期限一年以内の短期なら当期一括を選択可(第 3 項・第 5 項の手続) | — |
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