要点法人税法 61 条の 9 は、外貨建資産等を期末に円換算する方法を定める。外国通貨など期末時換算法によるものは、換金していなくても為替換算差額が当期の益金・損金になる。
Q · ドルを売ってもいないのに、円安になっただけで法人税が増えることがあるの?
ある。期末時換算法の資産は含み益でも課税される
法人税法 61 条の 9 は、事業年度終了時に保有する外貨建資産等を、区分に応じ発生時換算法または期末時換算法で円換算すると定めます。期末時換算法が適用されるもの(外国通貨は強制、その他は選定次第)は、換算額と帳簿価額の差である為替換算差額が、売却も換金もしていなくても当期の益金または損金に算入されます(同条 2 項)。選定の届出をしなければ政令の法定換算方法が自動的に適用されます。
決算を締めたら、売った覚えもないドル建て社債に含み益が乗っていて、それだけで法人税が増えていた。多くの経営者が最初に面食らうのがこの瞬間だ。法人税法61条の9は、事業年度末に外貨建ての債権・債務・有価証券・預金・現金(外貨建資産等)を持っている内国法人に、期末の為替レートで円に換算し直すことを求める。換算後の金額と帳簿価額の差、つまり為替換算差額は、実際に円に替えていなくても、その期の益金または損金に算入される。厄介なのは、資産の種類ごとに「発生時換算法」と「期末時換算法」のどちらを使うかが変わる点だ。短期債権や外国通貨は原則として毎期評価替え、長期のものは選択制。この選択を届け出るかどうかで、円安の年にあなたの会社の課税所得が数百万円単位で動く。テンプレの決算処理だと思って税理士に任せきりにしていると、払わなくてよかった税金を払うことになる。
法人税法 61 条の 9 は、外貨建資産等の期末換算を定める規定である。内国法人が事業年度終了の時に保有する外貨建債権債務、外貨建有価証券、外貨預金および外国通貨について、区分に応じ発生時換算法または期末時換算法により円換算額を算定し、期末時換算法によるものは帳簿価額との差額である為替換算差額を当該事業年度の益金または損金に算入するものとする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
法人税法 61 条の 9 が対象とする、外貨建債権・外貨建債務・外貨建有価証券・外貨預金・外国通貨の総称です。事業年度終了時に保有していれば円換算の対象になります。
期末時換算法は期末レートで換算し直して差額を毎期損益に取り込む方法、発生時換算法は取得時のレートによる帳簿価額を据え置く方法です。含み損益を毎期課税するかどうかが分かれます。
その外貨建資産等を取得した事業年度の確定申告書の提出期限までに選定して届け出ます。期限内に選定しなければ、政令が定める法定換算方法が自動的に適用されます。
選べません。外国通貨は期末時換算法によることとされており、口座に寝かせているだけでも期末レートでの評価替えが毎期強制されます。
期末時換算法によるものについて、事業年度終了の時の換算額と帳簿価額との差額が、その事業年度の所得計算上、益金または損金に算入されます(61 条の 9 第 2 項)。
適格分割・適格現物出資・適格現物分配で期末時換算法の外貨建資産等を移転する場合、分割等の日の前日を期末とみなして計算した為替換算差額を、その事業年度の益金または損金に算入します(同条 3 項)。
外国為替の売買相場が著しく変動した場合の換算については、同条 4 項の委任を受けた政令に定めがあります。要件と変動率の判定は最新の政令をご確認ください。
期末時換算法で計上した為替換算差額の翌事業年度における処理は、同条 4 項の委任により政令で定められています。実務では洗替えの扱いとなるため、二重計上にならないよう確認が必要です。
本当だ。外国通貨や期末時換算法が適用される外貨建資産等は、期末のレートで換算し直した金額と帳簿価額の差(為替換算差額)が、換金していなくてもその期の益金・損金になる(法人税法61条の9第2項)。業界裏話ヒント:外国通貨と短期の外貨建債権債務は原則として期末時換算法が強制で、選択の余地がない。ドルを口座に寝かせているだけの会社が円安の年に想定外の課税所得を出すのはこのため。含み益に課税されるのに現金は入ってこないので、資金繰りを別途手当てしておく必要がある
自由には変えられない。換算方法の変更には税務署長の承認申請が必要で、相当の理由がなければ認められず、採用後は継続適用が求められる(法人税法61条の9第1項、政令)。業界裏話ヒント:多くの中小企業は取得初年度に届出を出しておらず、政令の法定換算方法が自動で当てはまっている。つまり「選べたのに選ばなかった」状態だ。円相場が動いてから変えようとしても承認のハードルが高いので、外貨建て資産を持つと決めた最初の年に方針を固めておくのが実務の勘所(最新の要件をご確認ください)
期末時換算法が適用される資産・負債なら、為替換算差損はその期の損金に算入できる(法人税法61条の9第2項)。ドル建て債務を抱える輸入業などは、円安で債務の円換算額が膨らみ含み損が損金になる。業界裏話ヒント:相場が著しく変動した年(概ね15%以上)は、発生時換算法の資産でも期末レートで評価替えできる特例が政令にある。含み損を早く取り込みたい年に使える場面があるので、変動率の要件を税理士に確認する価値がある(最新の政令の要件をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 61 条の 9:事業年度終了時に保有する外貨建資産等の期末換算 | — |
| 適用レート | 期末時換算法なら事業年度終了時のレート、発生時換算法なら取得時のレート | — |
| 損益の計上時期 | 期末時換算法なら未実現でも当期の益金・損金(2 項) | — |
| 選択の余地 | 外国通貨は期末時換算法を強制、その他は申告期限までの選定次第 | — |
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