要点法人税法23条は、内国法人が受け取る配当等の一定割合を益金に算入しない制度で、持株比率により不算入割合が20%から100%まで四段階に分かれる。明細書の添付が適用条件となる。
Q · 会社が受け取った配当って、法人税は全部かからないの?
いいえ、持株比率で20%から100%まで変わります
法人税法23条により、内国法人が受け取る配当等の一定割合が益金不算入となります。ただし全額不算入は完全子法人株式等(100%保有)と関連法人株式等(3分の1超)だけで、それ以外の株式等は50%、非支配目的株式等(5%以下)はわずか20%です。さらに23条7項により、確定申告書等に明細書を添付しなければ制度は一切適用されず、記載した金額が不算入の上限になります。持株比率の一段の差と明細書の添付漏れが、税額を数百万円単位で左右します。
別の会社の株を持つ会社が、その会社から配当を受け取る。受け取った側で満額の法人税をかければ、配当を出した会社がすでに法人税を払った利益に、もう一度課税されることになる。法人税法23条は、この二重課税を止めるために、法人が受け取る配当の一定割合を「益金」から外す、つまり課税所得から除外する。だが本当の勝負は割合の階段構造にある。100%子会社(完全子法人株式等)なら全額不算入、3分の1超を持つ関連法人株式等なら負債利子を差し引いた額、どちらにも当たらない株式等は50%、5%以下の非支配目的株式等はわずか20%。持株比率が一段動くだけで、課税所得が数千万円変わる。さらに7項の落とし穴、確定申告書に明細書を添付しなければ、この特典は一円も使えず、しかも記載した金額が不算入の上限になる。
法人税法23条にいう受取配当等の益金不算入とは、内国法人が他の法人から受ける剰余金の配当等について、その一定割合を各事業年度の所得計算上の益金に算入しない制度をいう。法人段階での二重課税を排除する趣旨に基づき、株式等を完全子法人株式等・関連法人株式等・その他の株式等・非支配目的株式等の四類型に区分し、持株比率に応じて不算入割合を段階的に定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
内国法人が受け取る配当等の一定割合を課税所得(益金)から除外する制度です。法人段階の二重課税を防ぐ趣旨で、持株比率に応じ不算入割合が四段階に定められています(法人税法23条)。
配当等の計算期間を通じて発行会社との間に完全支配関係(100%保有)がある株式等をいいます(23条5項)。この区分に当たれば配当は全額が益金不算入となり、負債利子控除もありません。
自社と、自社と完全支配関係にある法人の持株を合算し、発行会社の発行済株式総数の3分の1超かで判定します(23条4項)。単体の持株だけで判断すると区分を誤ります。
持株が発行済株式の5%以下の株式等は非支配目的株式等となり、不算入割合はわずか20%です(23条1項・6項)。上場株を少額保有するだけの会社は配当の8割が課税されます。
受取配当を四区分に仕分け、区分ごとの配当額と不算入額、関連法人株式等の負債利子控除額を記載します。記載した金額が不算入の上限になるため、漏れなく記入し確定申告書に添付します(23条7項)。
基準日以前1か月以内に取得し、基準日後2か月以内に譲渡した株式等の配当は益金不算入の適用対象外です(23条2項)。配当取りと譲渡益の両取りを狙う節税を封じる規定です。
関連法人株式等の配当額から、政令で定める負債利子相当額を控除した額が不算入となります。令和2年改正で配当額の一定割合とする簡素な方式に改められました(23条1項、施行令19条)。
24条により配当等の額とみなされる金額も原則23条の対象ですが、自己株式取得等が予定された株式の取得に係る一定のみなし配当は適用除外です(23条3項)。個別区分の判定が必要です。
持株が発行済株式の5%以下なら非支配目的株式等に当たり、不算入は20%だけ、残り80%は課税されます(23条1項・6項)。少し持っているだけでは、ほとんど二重課税が残るのが現実です。業界裏話ヒント:5%ラインは銘柄ごとに判定しますが、自社との間に完全支配関係があるグループ会社の持株を合算して判定します。単体だけ見て区分を決めると、判定を誤って追徴されます
その通り、部分的な二重課税は制度上あえて残されています。全額不算入は完全子法人株式等(100%)と関連法人株式等(3分の1超)だけで、それ以外は割合がカットされます(23条1項)。業界裏話ヒント:平成27年(2015年)改正前は持株25%以上で全額不算入でしたが、改正で3分の1超に厳格化され、50%区分と20%区分が新設されました。古い節税本のまま判断すると区分を丸ごと間違えます
23条7項は明細書の添付を不算入の絶対条件とし、記載した金額を限度とすると定めています。ただし更正の請求で救済される余地はあります(23条7項)。業界裏話ヒント:添付漏れの宥恕をめぐっては裁決例・裁判例で判断が分かれており(実務上、解釈が分かれている)、当初申告要件と厳格に解する立場もあります。安易に後からの救済を当てにしないのが鉄則です
法人経由なら受取配当の相当部分が益金不算入になり、個人で直接配当を受けるより有利になる場合があります(23条)。ただし法人の維持コストや、最終的に個人へ資金を移す出口課税も併せて考える必要があります。業界裏話ヒント:富裕層が株を法人名義で持つ最大の理由の一つがこの23条ですが、100%不算入になるのは完全子法人株式等に限られる点は見落とされがちです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる配当 | 23条:内国法人から受ける剰余金の配当等 | — |
| 不算入・課税の扱い | 持株比率で20%〜100%を益金不算入 | — |
| 適用のカギ | 四区分の判定+明細書添付(7項) | — |
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