要点法人税法64条の10は、グループ通算制度の取りやめには、やむを得ない事情と国税庁長官の承認が必要と定める。業績悪化などの事情は原則として承認されない。
Q · 一度グループ通算に入ったら、損だと分かっても自分でやめられないの?
原則やめられない。国税庁長官の承認が必要で、損失だけでは認められない
法人税法64条の10により、グループ通算制度の取りやめには、やむを得ない事情がある場合に限り、通算法人全ての連名による申請と国税庁長官の承認が必要です。業績悪化や想定より不利になったという事情は「やむを得ない事情」に当たらず、実務上、任意の取りやめはほぼ認められません(同条3項)。一方で、親法人の解散、他社による完全支配関係の発生、青色申告の承認取消しなどが起きると、意思にかかわらず通算承認が各事由に定める日から自動的に失効します。入口は届出、出口は承認とM&A次第という非対称が特徴です。
グループ通算制度に加入した。損益通算で税負担が下がる、そう聞いて届出を出した。ところが数年後、グループ内の一社が大幅黒字、他社は赤字続きで、通算している方がかえって不利になった。「じゃあやめよう」。ここであなたは壁にぶつかる。法人税法64条の10は、通算制度をやめるには国税庁長官の承認が必要で、しかも「やむを得ない事情」がなければ承認しないと定める。業績が悪化した、想定より不利だった、これらは「やむを得ない事情」に当たらない。実務上、任意の取りやめはほぼ認められない。一方で、あなたが望まなくても承認が自動で失効する場面がある。親法人が解散した、他社に買収されて完全支配された、青色申告の承認を取り消された。これらが起きた瞬間、グループ全体の通算承認は日付を区切って効力を失う。入口は届出一枚、出口は国税庁長官の一存とM&A次第。この非対称を知らずに加入すると、逃げ場のない部屋に自分から入ることになる。
法人税法64条の10は、グループ通算制度の取りやめを定める規定であり、通算法人はやむを得ない事情がある場合に国税庁長官の承認を受けて適用をやめることができる。あわせて、通算親法人の解散、完全支配関係の変動、青色申告の承認取消し等の事実が生じたときは、承認が各事由に定める日から自動的に失効する旨を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
やむを得ない事情があることを前提に、通算法人全ての連名で理由等を記載した申請書を提出し、国税庁長官の承認を受ける必要があります(法人税法64条の10第1項・2項)。
個別の明文列挙はありませんが、業績悪化や想定より不利になったという理由は該当しないのが実務の相場です。該当性は税理士と精査し、最新の取扱いを国税庁に確認するのが安全です。
任意取りやめの承認なら、承認を受けた日の属する事業年度終了の日の翌日から失効します(4項)。青色取消しなら通知を受けた日、親法人解散などは各事由に定める日から失効します。
通算親法人が解散すると、その解散の日の翌日(合併なら合併の日)から、グループ全体の通算承認が自動的に失効します(6項1号)。子法人の意思とは無関係です。
青色申告の承認取消しの通知を受けた法人については、その通知を受けた日から通算承認が失効します(5項)。一社の経理不備がその社の通算離脱を招きます。
通算法人全ての連名で作成し、通算親法人の納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官に提出します(2項)。子法人が単独で提出する制度ではありません。
失効事由が生じると、その失効日で事業年度が区切られ、みなし事業年度(法人税法14条)としての申告期限が到来します。区切り後の申告スケジュール管理が実務の時間圧です。
加入は原則として届出により行われ、出口の取りやめに比べて手続が軽いのが特徴です。この入口と出口の非対称を理解した上で加入判断をすることが重要です。
任意にはほぼ抜けられません。法人税法64条の10は、取りやめに国税庁長官の承認を求め、しかも「やむを得ない事情」がなければ却下します(同条3項)。業績が不利になった程度では該当しません。業界裏話ヒント:実務では任意の取りやめが認められた例はほとんど聞きません。だからこそ加入判断が事実上の一発勝負です。税理士は加入前に不利化シナリオを試算しますが、この非対称を口頭で強調しない担当者もいる。加入前に『やめる場合の要件』を必ず確認する。
通算親法人が他の内国法人(普通法人等)に完全支配されると、その生じた日でグループ全体の通算承認が失効します(64条の10第6項)。子法人が親との通算完全支配関係を失った場合は、その子法人だけが失効します。業界裏話ヒント:M&Aの税務デューデリで対象会社の通算ステータスと失効日を確認しないと、買収後に繰越欠損金や損益通算の前提が崩れる。クロージング日の一日のズレが期ズレを生み、税額に効く。契約書の実行日設計に税務を早期に噛ませる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 局面 | 64条の10:通算制度の取りやめ・失効 | — |
| 要件・引き金 | やむを得ない事情+国税庁長官の承認、または法定の自動失効事由 | — |
| 主導権 | 任意取りやめは国税庁長官、自動失効は資本関係の事実 | — |
| 効力発生時期 | 承認は事業年度末の翌日、自動失効は各事由に定める日 | — |
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