内国法人に対して課する各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の額は、各対象会計年度の課税標準国際最低課税額に百分の九十・七の税率を乗じて計算した金額とする。
要点法人税法 82 条の 5 は、国際最低課税額に対する法人税を課税標準国際最低課税額の 90.7% と定める。残り 9.3% は地方法人税として別途課される。
Q · 国際最低課税額に対する法人税って、税率 90.7% で計算するんですか?
はい。ただし利益ではなく上乗せ税額に掛けます
法人税法 82 条の 5 により、国際最低課税額に対する法人税は、課税標準国際最低課税額に 90.7% を乗じて計算します。ここで課税標準は会社の利益ではなく、GloBE ルールで算出した「15% に届くまでの不足税額」です。残りの 9.3% は地方法人税法により地方法人税として課され、二つを足して上乗せ税額の全体になります。対象は連結総収入 7.5 億ユーロ超の多国籍企業グループに限られます。
決算書に「国際最低課税額」という見慣れない行が立つ会社は、日本ではまだ一握りだ。連結総収入金額 7.5 億ユーロを超える多国籍企業グループ。そこに軽課税国の子会社が一つでもあれば、この条文があなたの会社の税額を書き換える。仕組みはこうだ。GloBE ルールで「各国の実効税率が 15% に届くまでの不足分」を計算し、それが課税標準国際最低課税額になる。本条は、その金額に 90.7% を掛けたものを法人税として国に納めさせる。ここで多くの担当者が引っかかる。なぜ 100% ではなく 90.7% なのか。答えは、残り 9.3% が地方法人税法で別に課されるからだ。二つを足して初めて、国が取るべき上乗せ税額の全体になる。片方だけ計算して安心すると、申告漏れになる。
法人税法 82 条の 5 は、内国法人に対する各対象会計年度の国際最低課税額に係る法人税の税率を定める規定であり、その額は課税標準国際最低課税額に 90.7% を乗じて算出される。これは OECD/G20 の BEPS 2.0 第 2 の柱(グローバル・ミニマム課税)の所得合算ルールを国内法化したものである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
多国籍企業グループの各国実効税率を最低 15% まで底上げする国際ルールです。OECD の BEPS 2.0 第 2 の柱で合意され、日本では法人税法 82 条の 2 以下で国内法化されました。
直前の複数対象会計年度のうち一定年以上で連結総収入金額が 7.5 億ユーロ以上の多国籍企業グループに限られます。単体の中小企業や国内完結の企業は対象外です。
令和 6 年(2024 年)4 月 1 日以後に開始する対象会計年度から適用されます。所得合算ルール(IIR)を先行導入し、その後の改正で対象を拡充しています。
グローバルミニマム課税の適用対象グループが各構成会社の実効税率や上乗せ税額の計算根拠を提出する情報申告です。税額計算の前提となる基礎資料になります。
各国が自国で適格国内最低課税額(QDMTT)を先に課していれば、その分だけ課税標準国際最低課税額が圧縮され、日本で課される 90.7% 部分もゼロに近づきます。
移行期 CbCR セーフハーバー等の要件を満たせば、その国の上乗せ税額をゼロとみなせます。適用初年度は特に判定を固めることで課税標準を立てずに済む余地があります。
国税の法人税(90.7%)と地方法人税(9.3%)で申告が二本立てになります。片方だけ提出して他方を失念すると申告漏れになるため、両方の提出が必要です。
各対象会計年度終了の日の翌日から原則 1 年 3 月以内です。適用初年度は経過措置で 1 年 6 月以内とされており、最新の改正状況の確認が必要です。
いいえ、そこが最大の誤解です。90.7% は会社の利益に掛ける率ではありません。まず GloBE ルールで『15% に足りない分の上乗せ税額』を計算し(法人税法 82条の4 の課税標準国際最低課税額)、その金額に本条の 90.7% を掛けます。課税標準そのものが利益ではなく上乗せ税額なので、利益の 9 割が消えるわけではない。業界裏話ヒント:実は多くのケースで、各国が自国で最低税(QDMTT)を先に課していれば、この課税標準はゼロに圧縮される。『税率 90.7%』の見出しに驚く前に、まず課税標準が立つのかを確認するのが実務の勘所
地方法人税法へ回ります。国が徴収すべき上乗せ税額のうち、本条の法人税が 90.7%、残りの 9.3% を『特定基準法人税額に対する地方法人税』として課します(地方法人税法の該当規定、現行の条番号は要確認)。この 90.7 対 9.3 は、既存の法人税と地方法人税の取り分比率をそのまま写したものです。業界裏話ヒント:申告書が二枚に分かれるため、片方だけ出して他方を失念する申告漏れが制度初期には起きやすい。国税と地方の二本立てだと最初から知っておくと事故が防げる
原則、関係ありません。この制度の対象は、直前の複数対象会計年度のうち一定年以上で連結総収入金額が 7.5 億ユーロ以上の多国籍企業グループに限られます(法人税法 82条の2 等、最新の要件をご確認ください)。単体の中小企業は入りません。業界裏話ヒント:ただし、あなたの会社がそうした巨大グループに買収されて連結の一員になった瞬間、話が変わる。親会社の申告のために、あなたの会社の実効税率データの提出を求められることがある。M&A で資本構成が変わったら、この制度の射程に入ったかを真っ先に確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 82 条の 5:税率(90.7%)を定める | — |
| 扱う対象 | 課税標準に乗じる率と税額の確定 | — |
| 誤ると起きること | 9.3% の地方法人税を失念し申告漏れ | — |
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