大気汚染防止法 第36条
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十三条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 大気汚染防止法第36条は、日本の大気汚染防止法に含まれる条文です。
- 大気汚染防止法第36条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十三条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、そ…」で始まります。
- 大気汚染防止法第36条は第六章 罰則に置かれています。
- 大気汚染防止法の公布日は昭和43年6月10日です。
- 大気汚染防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 大気汚染防止法第36条の前の条は大気汚染防止法第35条です。
- 大気汚染防止法第36条の次の条は大気汚染防止法第37条です。
- 大気汚染防止法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000097 - 本サイト収録
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000097/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点大気汚染防止法第36条は両罰規定であり、従業者が業務に関し第33条から第35条の違反をしたとき、行為者に加えて法人または事業主にも各本条の罰金刑を科す。
Q · 工場の担当者が大気汚染防止法に違反したら、会社も罰せられるの?
はい。行為者に加え会社にも同じ上限の罰金刑が科されます
大気汚染防止法第36条は両罰規定です。従業者などが業務に関し第33条から第35条の違反をしたとき、行為者本人を処罰したうえで、法人または個人事業主にも各本条と同じ上限の罰金刑を科します。判例は事業主の選任・監督上の過失を推定するため、会社側が注意を尽くしたことを証拠で立証しない限り、責任を免れるのは困難です。法人には拘禁刑は科されず、罰金刑のみとなります。
解説
罰を受けるのは、手を動かした一人だけではない。工場のボイラー担当者が排出基準を超えるばい煙を出した。解体現場の職長が、吹付け石綿を隔離しないまま剥がした。そうした場合、刑事責任はその従業者本人に加えて、雇っている会社や個人事業主にも及ぶ。本条はいわゆる「両罰規定」である。第33条から第35条までの違反が「業務に関し」行われたとき、行為者を罰したうえで、法人または事業主(人)にも各本条と同じ上限の罰金刑を科す。見落とされやすい点が二つある。一つ目は、法律上の義務を負うのは本来「事業者」だという点だ。本条があることで、義務を負っていない現場の社員も「行為者」として処罰の対象になる。二つ目は、会社側が「社員が勝手にやった」と主張しても通りにくい点だ。判例は、事業主が従業者の選任・監督について注意を尽くしたことを自ら立証しない限り、責任を免れないという立場をとっている。社長のあなたには、事故が起きる前の書類が必要になる。現場のあなたは、「会社の指示だった」と言っても自分の刑事責任は消えないと覚えておくべきである。
法的な位置づけ
大気汚染防止法第36条は、法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関し同法第33条から第35条までの違反行為をした場合に、行為者本人を処罰するとともに、その法人または人(事業主)に対しても各本条の罰金刑を科すことを定める両罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反したとき、行為者本人に加えて、雇用主である法人や個人事業主も処罰する規定です。大気汚染防止法では第36条がこれにあたります。
Q2大気汚染防止法 両罰規定の対象になる違反は?
第33条から第35条までの違反行為です。改善命令違反、排出基準違反、届出違反、報告拒否・虚偽報告などが含まれます。
Q3アスベスト 解体 違反 会社も処罰される?
されます。作業基準違反などが業務に関して行われれば、作業した職長等に加え、雇用する会社にも第36条により罰金刑が科されます。
Q4個人事業主にも両罰規定は適用される?
適用されます。条文は「法人又は人」と定めており、法人化していない事業主個人も、従業者の違反について罰金刑の対象となります。
Q5両罰規定で会社は免責されることがある?
判例上、事業主が従業者の選任・監督に注意を尽くしたことを立証すれば免責の余地があります。ただし実際に認められた例は少なく、事前の記録が不可欠です。
Q6法人に拘禁刑は科される?
科されません。法人は身体を拘束できないため、第36条が法人に科すのは各本条の罰金刑のみです。拘禁刑の対象は行為者個人です。
Q7大気汚染防止法違反 書類送検されたらどうなる?
検察官が起訴・不起訴を判断します。改善措置の迅速さや平時の管理体制を示す書類が、処分判断の情状として考慮されることがあります。
Q8下請の違反で元請会社も罰せられる?
第36条の両罰は、違反者を雇う法人・事業主に及ぶのが原則です。元請の担当者が違反を指示した場合は、共犯として別途責任を問われる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1現場の社員が勝手にやったことでも、会社まで罰せられるんですか?
原則として罰せられる。本条は、業務に関して行われた第33条から第35条の違反について、法人にも罰金を科すと定めている。判例は、事業主に選任・監督上の過失があることを推定し、事業主の側が注意を尽くしたと立証しない限り、責任を免れないとしている(最大判昭和32.11.27、最判昭和40.3.26)。実務のポイント:免責が認められた例は非常に少ない。実際の勝負は、起訴するかどうかの段階で、平時の管理体制を示す書類を検察官に見せられるかどうかで決まる
Q2会社が罰金を払ったら、担当者の自分は処罰されずに済みますか?
済まない。本条は「行為者を罰するほか」と定めており、あなた自身が第33条から第35条の罰則を受ける。拘禁刑が定められている条文の違反であれば、罰金ではなく拘禁刑になる可能性もある。実務のポイント:会社と担当者の弁護人を一人にまとめると、「会社の指示だった」という担当者の主張と、「本人が勝手にやった」という会社の主張がぶつかる。担当者が自分で弁護人を立てるかどうかは、最初の取調べの前に決めておくべきである
Q3法人には何倍も重い罰金が科されるんですか?
大気汚染防止法第36条は「各本条の罰金刑」と定めているので、法人に科される罰金の上限は、個人に対する罰金と同じ額である。独占禁止法などの一部の法律にある、法人だけ罰金を大幅に重くする仕組み(法人重課)は、本条にはない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:額が小さいからといって安心できない。指名停止や取引停止といった、罰金以外のペナルティのほうが経営への打撃は大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が罰金を払えば、担当者個人は守られる」と考えがちだが、実際は逆である。本条は「行為者を罰するほか」と定めており、まず手を動かした個人が処罰され、そのうえで法人にも罰金が科される。会社の代わりに責任を負う仕組みではなく、個人と会社の両方が処罰される仕組みである
- 「従業員が勝手にやったことだと説明すれば、会社は無罪になる」という見方は、問題の立て方がずれている。判例の考え方では、事業主の過失は推定される。問われるのは違反を知っていたかどうかではない。選任・監督に注意を尽くしたことを、会社側が証拠で示せるかどうかである。事故が起きてから慌てて作った研修記録は、ほとんど証拠として役に立たない
- 罰金の額は数十万円程度であり、会社にとっては大した負担ではないと見られがちである。しかし本当のダメージは額ではない。罰金刑を受けた事実は、多くの自治体の指名停止措置要領で入札参加停止の理由になりうる。報道されれば、取引先のコンプライアンス審査でも照会される。罰金そのものより、その後の信用低下のほうが長く続く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 第36条:法人・事業主への罰金刑を定める両罰規定 | 第33条:命令違反などを処罰する直接の罰則 第35条:報告拒否・虚偽報告などの罰則 |
| 処罰される者 | 行為者に加え、その法人または人(事業主) | 違反行為をした行為者 違反行為をした行為者 |
| 科される刑 | 事業主には各本条の罰金刑のみ(拘禁刑なし) | 条文所定の拘禁刑または罰金 条文所定の刑(罰金中心) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も法人・自然人に対する両罰規定を置き、従業者の違反について事業主に罰金を科す構造をとる
韓国も両罰規定を置き、事業主が相当の注意・監督を怠らなかった場合は免責する旨を条文で明記している
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料(Geldbuße)と監督義務違反により対応する
米国は法人も刑事罰の対象となり、使用者責任(respondeat superior)により従業員の行為が法人に帰属する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ホテルの地下にある大型ボイラーの燃焼管理を、設備担当の契約社員に任せきりにしていた。煤塵濃度が排出基準を超えていることが立入検査で見つかり、担当者だけでなくホテルを運営する法人も書類送検された。経営陣は、ボイラーが大気汚染防止法の「ばい煙発生施設」にあたることを、そのとき初めて知った
- 工期に追われた解体工事の元請が、下請の職長に「養生は簡単でいい」と指示した結果、吹付け石綿を隔離しないまま除去してしまった。職長は行為者として処罰され、下請の会社にも罰金刑が及ぶ。指示を出した元請の担当者は、共犯として責任を問われる余地がある
- もし会社で自主測定の記録を担当しているあなたが、上司に「数字を少し丸めておいて」と言われたら、どうなるか? 記録の改ざんは罰則の対象であり、手を動かしたあなた自身が行為者になる。会社の罰金とは別に、あなたの名前で前科がつく
- 立入検査の報告徴収への回答期限まで、残りは5日。総務部は測定データを探しても見つけられない。報告をしない、あるいは虚偽の報告をすれば、それ自体が罰金の対象になり、会社にも罰金が科される。今夜のうちに、どこまで事実を把握できているかを整理する必要がある
- 個人経営のクリーニング工場で起きた違反でも、「人」として事業主個人が罰金を受ける。法人を作っていないから大丈夫、という理屈は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の工場や解体現場から粉じんや煤煙が出ていると感じたら、日時・写真・動画・風向きを記録する2. 都道府県または政令市の大気担当課に通報し、立入検査を求める(大気汚染防止法第26条の報告・検査権限) 3. 健康被害がある場合は医療記録を残し、刑事手続とは別に民法709条で損害賠償を検討する4. 事業者が法人であれば、賠償を請求する相手として会社本体を視野に入れる
訴えられた側:1. 検査で指摘を受けたら、すぐに違反状態を止めて改善し、その経過を記録する2. 行為者として取り調べを受ける担当者は、会社の弁護士とは利害が対立しうるため、自分の弁護人を検討する3. 会社側は、担当者の選任理由・教育・監査の記録を集め、選任・監督に注意を尽くしたことを立証できるよう準備する4. 報告徴収には期限内に正確に回答する。虚偽の回答は別の犯罪になる
時効(請求できる期限):公訴時効は、行為者・法人ともに3年が基本となる(刑事訴訟法第250条第2項第6号:長期5年未満の拘禁刑または罰金)。起算点は犯罪行為が終わった時である(同法第253条)。継続的な排出違反であれば、排出が止まった時点から数える。法人の時効期間の基準については議論があるため、実務上は個別に確認すべきである(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定は事業主の選任・監督上の過失を推定するものであり、事業主が注意を尽くしたことを立証すれば免責される。責任主義と違反予防の要請を調和させる解釈とされる。
無過失責任説(旧説):事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする見解。刑法の責任主義に反するとの批判を受け、判例は過失推定説に移行した。
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