都市計画法 第58条の3(建築等の許可)
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- 市町村は、条例で、地区計画の区域(地区整備計画において第十二条の五第七項第四号に掲げる事項が定められている区域に限る。)内の農地の区域内における第五十二条第一項本文に規定する行為について、市町村長の許可を受けなければならないこととすることができる。
- 2.前項の規定に基づく条例(以下この条において「地区計画農地保全条例」という。)には、併せて、市町村長が農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するために必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる旨を定めることができる。
- 3.地区計画農地保全条例による制限は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するため合理的に必要と認められる限度において行うものとする。
- 4.地区計画農地保全条例には、第五十二条第一項ただし書、第二項及び第三項の規定の例により、当該条例に定める制限の適用除外、許可基準その他必要な事項を定めなければならない。
この条文の基本情報
建築等の許可とは何ですか?
定義建築等の許可とは、都市計画法第58条の3に定められた規定で、「市町村は、条例で、地区計画の区域(地区整備計画において第十二条の五第七項第四号に掲げる事項が定められている区域に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第58条の3(建築等の許可)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第58条の3の条文原文は「市町村は、条例で、地区計画の区域(地区整備計画において第十二条の五第七項第四号に掲げる事項が定められている区域に限る。」で始まります。
- 都市計画法第58条の3は第四節 地区計画等の区域内における建築等の規制に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第58条の3の前の条は都市計画法第58条の2です。
- 都市計画法第58条の3の次の条は都市計画法第58条の4です。
- 都市計画法第58条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/58_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法58条の3は、市町村が条例で地区計画区域内の農地における52条1項の行為を市町村長の許可制にできると定める。条例がなければ許可は不要である。
Q · 市街化区域の畑に小屋や家を建てるのに、市長の許可が要る場合があるって本当?
市町村が条例を定めていれば要る。なければ不要
都市計画法58条の3は、市町村が条例で、地区整備計画に12条の5第7項4号の農地の区域が定められた場所について、52条1項本文の行為(建築物の建築、工作物の建設、土地の形質の変更、物件の堆積など)を市町村長の許可制にできると定めています。つまり本条自体は許可制を作っておらず、作る権限を市町村に渡しただけです。条例がなければ許可は一切不要で、結論は市町村の例規集と都市計画決定図書を見ないと分かりません。条例がある場合も、制限は合理的に必要な限度に限られ(3項)、適用除外と許可基準が条例に明記されます(4項)。
解説
相続した畑に家を建てようとして市役所に行くと、「うちは地区計画農地保全条例があるので市長の許可が要ります」と言われることがある。都市計画法58条の3は、その許可制を市町村に作らせる授権規定である。押さえるべきは三点。第一に、条例がなければ許可は一切不要。全国一律ではなく、あなたの土地がある市町村が条例を制定しているかどうかで結論が反転する。第二に、条例が及ぶのは地区整備計画で12条の5第7項4号の農地の区域が定められた場所だけで、都市計画図と決定図書で確定できる。第三に、4項は条例に「適用除外」と「許可基準」を必ず書けと命じている。つまり基準は公開されていて、あなたは申請前に読める。そのうえ3項は制限を「合理的に必要と認められる限度」に縛る。不許可や重い条件を突きつけられたとき、この一文があなたの反論の足場になる
法的な位置づけ
都市計画法58条の3は、地区計画農地保全条例の授権規定である。市町村は条例により、地区整備計画で農地の保全に関する事項が定められた区域内の農地について、52条1項本文に規定する行為を市町村長の許可にかからしめることができる。制限は農業の利便の増進と調和した良好な居住環境の確保に合理的に必要な限度で行われる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.都市計画決定図書で農地の区域指定を確認 市町村の都市計画課で、対象地が地区計画の区域内か、地区整備計画に12条の5第7項4号(農地の保全に関する事項)が定められた農地の区域が含まれるかを、計画図と計画書で確認する
- 2.市町村の例規集で地区計画農地保全条例の有無を調べる 市町村の例規集(多くはウェブ公開)で「農地保全」「地区計画」を検索する。条例が存在しなければ本条に基づく許可は一切不要で、ここで手続は終わる
- 3.条例の適用除外と許可基準を先に読む 条例には4項により52条1項ただし書・2項・3項の例による適用除外と許可基準が必ず定められている。通常の管理行為・軽易な行為などの適用除外に当たれば許可不要。当たらない場合は許可基準に適合する形で計画を設計し直す
- 4.事前相談で条件案を引き出す 申請前に都市計画課へ事前相談し、許可基準を条番号で引きながら計画を説明する。付されうる期限その他の条件(2項)の案をこの段階で把握し、受け入れ可能な形に調整する
- 5.許可申請と並行して農地法の手続を進める 農地法4条・5条の転用許可は別系統の手続であるため、農業委員会への申請を並行して進める。二本の許可の取得見込み時期を工程表に落とし、着工日と決済日を逆算する
- 6.売買を伴う場合は契約書に停止条件を入れる 条例に基づく許可の取得を売買契約の停止条件とし、不許可の場合の手付返還と白紙解除を明記する。この一文がないと、不許可時に手付放棄か許可の見通しなき所有権移転かの二択になる
よくある質問 AI による整理
Q1地区計画農地保全条例とは何ですか?
都市計画法58条の3に基づき市町村が定める条例で、地区計画区域内の農地での建築や土地の形質変更を市町村長の許可制にするものです。制定している市町村はごく少数です。
Q2都市計画法58条の3の許可はいつ必要ですか?
地区整備計画に12条の5第7項4号の農地の区域が定められ、かつ市町村が条例を制定している場合に限られます。両方が揃って初めて許可が必要になります。
Q3自分の市に条例があるか調べる方法は?
市町村の例規集で「農地保全」「地区計画」を検索し、都市計画課で地区整備計画の農地の区域指定を確認します。条番号を挙げて問い合わせると確実です。
Q4農地転用許可を取れば市町村長の許可は不要ですか?
不要にはなりません。農地法4条・5条は農業サイドの規制、58条の3の条例は都市計画サイドの規制で別系統です。両方それぞれ必要になります。
Q5許可に条件を付けられたら従うしかない?
2項が期限その他必要な条件の根拠ですが、3項の合理的に必要と認められる限度を超える条件は違法となりうるため、根拠条文と基準を突き合わせて争う余地があります。
Q6不許可になったら審査請求はいつまで?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)です。処分の日から1年でも締め切られます。
Q7市街化区域の農地でも許可が必要ですか?
必要になる場合があります。用途地域だけでは判定できず、地区整備計画の農地の区域指定と条例の有無で決まります。用途地域図のみの判断は危険です。
Q8条例は市町村が自由に厳しくできますか?
できません。3項が土地利用の状況等を考慮した合理的に必要な限度に縛り、4項が適用除外と許可基準の明記を義務づけています。基準なき条例は4項違反です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの市にこの条例があるかどうか、どこで調べればいいんですか?
市町村の例規集(多くはウェブ公開)で「農地保全」「地区計画」を検索し、あわせて都市計画課で地区整備計画に12条の5第7項4号の農地の区域があるかを確認します。条例と区域指定の両方が揃って初めて許可が必要になります。実務のポイント:この条例を制定している市町村は全国でごく少数です。だから窓口担当者でも即答できないことがある。「都市計画法58条の3に基づく条例はありますか」と条番号で聞くと、調べ直してもらえる確率が上がる
Q2不許可になったら、もう諦めるしかないですか?
許可も不許可も行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、審査請求(行政不服審査法、知った日の翌日から3か月)と取消訴訟(行政事件訴訟法14条、6か月)で争えます。武器は3項の「合理的に必要と認められる限度」と、4項に基づき条例が定めた許可基準です。実務のポイント:行政手続法8条により拒否処分には理由の提示が必要。条例の基準に書かれていない理由での不許可は、それだけで覆る余地がある。まず不許可通知の理由欄と条例の基準を一行ずつ突き合わせる
Q3許可に「期限つき」みたいな条件が付きました。これって従うしかないんですか?
2項が「期限その他必要な条件」を付す根拠です。ただし条件は許可に付された付款であり、3項の限度を超えることはできません。目的と無関係な負担や過重な条件は違法となりうる。条件部分だけを取り出して争えるかは実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:条件の中身は事前相談の段階でほぼ固まる。書面化された後に争うより、条件案の提示を受けた時点で調整する方が圧倒的に早く安い
Q4条例で許可制にできるなら、市町村は好きなだけ厳しくできるんですか?
できません。3項が、土地利用の状況等を考慮し、農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するため合理的に必要と認められる限度で行うと縛っています。さらに4項で、52条1項ただし書・2項・3項の例による適用除外と許可基準を定めることが義務づけられています。実務のポイント:条例に許可基準や適用除外が書かれていなければ、4項違反としてその条例の適法性自体を争える。条例本文を最初に読むべき理由がここにある
間違えやすい点 AI による整理
- 「都市計画法58条の3で許可が要るのか」という問いの立て方自体が誤っている。本条は許可制そのものを作っていない。作る権限を市町村に渡しただけだ。答えは国の法令データベースではなく、あなたの市町村の例規集と都市計画決定図書の中にある
- あなたから見れば「自分の土地の自分の畑をどう使おうと自由」だが、法律から見れば、その農地は地区整備計画で「農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するため必要な農地」として都市計画に組み込まれた装置である。個人の資産と都市の装置、二つの顔を持つ土地に、あなたは固定資産税を払い続けている。この落差に気付かないまま計画を進めた人が、設計費を払った後で止まる
- 「農地法の転用許可さえ取れば建てられる」と思われがちだが、二つは別系統の規制である。農地法4条・5条は農業サイドから農地の減少を抑える仕組み、58条の3に基づく条例は都市計画サイドから居住環境を守る仕組み。片方が下りても、もう片方で止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の作られ方 | 58条の3:市町村の条例により許可制を創設(条例がなければ規制なし) | 52条:田園住居地域内で法律により直接許可制 58条の2:地区計画区域内の行為の届出・勧告制(法律により直接) |
| 対象となる土地 | 地区整備計画に12条の5第7項4号の農地の区域が定められた区域内の農地 | 田園住居地域内の農地の区域 地区計画の区域全般(農地に限らない) |
| 手続の重さ | 市町村長の許可(不許可・条件付与がありうる) | 市町村長の許可(不許可・条件付与がありうる) 着手30日前までの届出+計画不適合なら勧告 |
| 争い方 | 3項の合理的限度と4項の許可基準を根拠に審査請求・取消訴訟 | 52条2項の許可基準を根拠に審査請求・取消訴訟 勧告は行政指導のため処分性が原則なく訴訟になじみにくい |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も地方政府が自治法規で土地使用分区管制を細分化できる構造を持つ。ただし農地の保全は農業発展条例による全国一律の管制が主軸で、日本のように地区計画レベルで条例スイッチを置く方式とは粒度が異なる
韓国は地区単位計画と開発行為許可を法律が直接規律し、許可権者は市長・郡守。条例は基準の細目を定める役割で、規制の創設自体を条例に委ねる日本型の構造ではない
ドイツは Bebauungsplan(地区詳細計画)で農業用地を指定し、計画自体が市町村の条例(Satzung)形式で制定される。規制の発動が自治体の計画策定にかかる点は日本と共通するが、計画=条例という一体構造である
米国は州の授権法(zoning enabling act)に基づき郡・市が農地保全ゾーニング条例を制定する。規制の存否が自治体ごとに大きく分かれる点で日本の本条と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが買おうとしている郊外の土地の一部が現況農地だったら? 農地法4条・5条の転用許可が下りても、市の地区計画農地保全条例に基づく市町村長の許可が別系統で必要になる場合がある。二本の許可を別々の窓口で取る前提で工程を組まないと、着工予定日は確実にずれる
- 決済まであと10日。売主から「農地部分の手続きは買主側でお願いします」と言われたが、条例に基づく許可は事前相談から処分まで一か月以上かかることも珍しくない。契約書に許可取得の停止条件を入れていなければ、手付を捨てるか、許可の見通しがないまま所有権だけ移すかの二択に追い込まれる
- 畑の隅に農機具小屋を建てた。条例区域内で無許可なら、工事の停止や是正を求められることがある。「小屋くらい」という感覚が通じない場所が、市街化区域の中にも存在する
- あなたが売主側に立った場面。買主から「条例の許可が下りなかったので白紙解除したい」と通告された。停止条件を書き込んだ契約書なら手付は返還して終わるが、書いていなければ債務不履行か危険負担かで泥沼になる。契約書の一文を誰が起案したかが、そのまま責任の所在になる
- 友人が「市街化区域の農地なんだから自由に建てられるはずだ」と言い張っている。地区計画と条例が組み合わさると、市街化区域でも市町村長の許可が必要になる。用途地域図だけを見て判断している人ほど、この穴に落ちる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都市計画課で二点を確認する。地区整備計画に12条の5第7項4号の農地の区域が定められているか、地区計画農地保全条例が制定されているか。両方揃わなければ許可は不要2. 条例本文の許可基準と適用除外を先に読み、通る形に計画を設計し直す3. 売買を伴うなら契約書に許可取得の停止条件と、不許可時の手付返還を明記する4. 不許可や重い条件が付いたら、処分理由と条例の基準を並べて突き合わせ、審査請求の3か月を意識して動く
訴えられた側:1. まず工事を止め、着手前後の現況を日付入りで撮影して記録する2. 条例が52条1項ただし書の例により定めた適用除外(通常の管理行為、軽易な行為など)に該当しないかを確認する。該当すれば許可不要と主張できる3. 該当しないなら、追完の許可申請が可能か窓口に相談し、自主的な是正計画を提出する。これは処分の軽減材料になる4. 停止や是正を求められたら、その根拠が条例のどの条文かを特定する。根拠条文を示せない要求に従う義務はない
時効(請求できる期限):本条自体に権利行使の時効はない。期限が効くのは争う側である。許可・不許可・条件付与を知った日の翌日から審査請求3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟6か月(行政事件訴訟法14条)、処分の日から1年で原則として締め切られる。申請側の標準処理期間は各市町村が行政手続法6条に基づき定めるので、条例・要綱で事前に確認する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条例授権型規制の通説的理解:本条は全国一律の規制を課すのではなく、規制の創設自体を市町村の条例に委ねる授権規定であると解される。したがって条例が制定されていない市町村では本条に基づく行為制限は発生せず、規制の存否は自治体ごとに分かれる。
比例原則による限界論:3項の「合理的に必要と認められる限度」は、条例の内容と個別処分の双方を規律する。4項が適用除外と許可基準の明記を義務づけることと併せ、財産権制限の予測可能性を確保する仕組みと理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)都市緑地法等の一部を改正する法律 新設。田園住居地域の創設(52条)にあわせ、地区計画の区域内に残る農地についても、市町村が条例で市町村長の許可制を導入できる仕組みを設けた。施行は平成30年(2018年)4月1日
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:都市緑地法等の一部を改正する法律により新設。田園住居地域の創設(52条)にあわせ、地区計画の区域内に残る農地についても市町村が条例で許可制を導入できる仕組みを整備した。施行は平成30年(2018年)4月1日
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