都市計画法 第58条の7(遊休土地である旨の通知)
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- 市町村長は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示の日の翌日から起算して二年を経過した後において、当該遊休土地転換利用促進地区内の土地を所有している者のその所有に係る土地(国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第二十八条第一項の規定による通知に係る土地及び国又は地方公共団体若しくは港務局の所有する土地を除く。)が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、当該土地の所有者(当該土地の全部又は一部について地上権その他の政令で定める使用又は収益を目的とする権利が設定されているときは、当該権利を有している者及び当該土地の所有者)に当該土地が遊休土地である旨を通知するものとする。
- 一その土地が千平方メートル以上の一団の土地であること。
- 二その土地の所有者が当該土地を取得した後二年を経過したものであること。
- 三その土地が住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていないことその他の政令で定める要件に該当するものであること。
- 四その土地及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図るため、当該土地の有効かつ適切な利用を特に促進する必要があること。
- 2.市町村長は、前項の規定による通知をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
この条文の基本情報
遊休土地である旨の通知とは何ですか?
定義遊休土地である旨の通知とは、都市計画法第58条の7に定められた規定で、「市町村長は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第58条の7(遊休土地である旨の通知)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第58条の7の条文原文は「市町村長は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 都市計画法第58条の7は第五節 遊休土地転換利用促進地区内における土地利用に関する措置等に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第58条の7の前の条は都市計画法第58条の6です。
- 都市計画法第58条の7の次の条は都市計画法第58条の8です。
- 都市計画法第58条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第58条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/58_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法58条の7は、遊休土地転換利用促進地区内で1,000平方メートル以上・取得から2年経過・未利用の土地について、市町村長が所有者に遊休土地である旨を通知すると定める。
Q · 使っていない広い土地を持っていると、市役所から「遊休土地です」という通知が届くことがあるって本当ですか?
四要件を満たせば通知が届き、届出義務が始まります
都市計画法58条の7により、遊休土地転換利用促進地区の都市計画告示の翌日から2年経過後、①1,000平方メートル以上の一団の土地、②取得から2年経過、③住宅・事業施設等の用に供されていない、④有効利用の促進が特に必要、という四要件に該当すると市町村長が認めれば、所有者(地上権等が設定されていればその権利者も)に遊休土地である旨が通知されます。通知は終点ではなく起点で、第58条の8の利用計画の届出義務、第58条の9の買取り協議へと続きます。
解説
駅前の再開発予定エリアに、雑草の生えた1,500平方メートルの空き地がある。持ち主は地価が上がるのを待っているだけだ。この条文は、そういう土地の所有者の郵便受けに、市町村長が「あなたの土地は遊休土地である」と書いた通知を放り込む権限を与えている。要件は四つ。1,000平方メートル以上の一団の土地であること、取得から2年経っていること、住宅にも事業施設にも使われていないこと、周辺の計画的土地利用のため有効利用を特に促進する必要があること。しかも通知の対象はあなただけとは限らない。その土地に地上権などを設定していれば、権利者も一緒に通知を受ける。この通知は単なるお知らせではない。届いた瞬間から、あなたには利用計画の届出義務(第58条の8)が発生し、その先には市町村による買取り協議(第58条の9)が待っている。塩漬けにしていた土地が、行政の手続の線路に乗せられる第一歩がここにある。
法的な位置づけ
都市計画法58条の7は、遊休土地の通知手続を定める規定である。市町村長は、遊休土地転換利用促進地区の都市計画告示の翌日から2年経過後、面積1,000平方メートル以上、取得後2年経過、未利用、有効利用の促進の必要という四要件を満たす土地について、所有者および使用収益権者に遊休土地である旨を通知し、その旨を都道府県知事に通知する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.地区指定の有無と告示日を確認する 市町村の都市計画担当課または都市計画図で、対象地が遊休土地転換利用促進地区(都市計画法10条の3)に含まれるかを確認する。含まれる場合は、都市計画法20条1項による告示の日を特定し、その翌日から起算して2年が経過しているかを計算する
- 2.自分の取得日と面積を登記で裏取りする 登記事項証明書で所有権取得の日を確認し、取得から2年を経過しているかを判定する。あわせて地積と隣接所有地を確認し、1,000平方メートル以上の一団の土地に当たるかを、隣接地との一体評価も含めて検討する
- 3.利用実態を記録に残る形で作る(通知前の最善手) 四要件のうち自分でコントロールできるのは「供されていないこと」だけである。暫定利用、着工、賃貸借契約のいずれでも、契約書・写真・請負契約・開発許可申請など客観的な記録を残す。判断に迷う暫定利用は、自己判断せず担当課に事前相談し、相談記録を残す
- 4.通知書が届いたら記載内容を検証する 通知書に記載された土地の特定(地番・地積)と要件該当の理由を精査する。面積の一体評価や取得日に事実誤認があれば、速やかに書面で担当課に申し入れる。地上権者等がいる場合は、相手方にも通知が届いているかを確認し、利用計画の方針をすり合わせる
- 5.第58条の8の届出期限から逆算して利用計画を作る 通知を受けた者には利用計画の届出義務が生じる。期限は通知書の記載と担当課への確認で必ず特定し、そこから逆算して計画を作成する。自己利用、賃貸、売却、買取り協議への応諾のそれぞれについて、税負担と資金計画を並べて比較する
- 6.第58条の9の買取り協議に備える 買取り協議は協議であって強制ではない。応諾する場合は価格算定の根拠(近隣売買事例、鑑定評価)を用意し、応諾しない場合は自己利用の具体的な工程表を示して協議に臨む。いずれにせよ協議の経緯を書面で残す
よくある質問 AI による整理
Q1遊休土地とは?
都市計画法58条の7では、遊休土地転換利用促進地区内にあり、1,000平方メートル以上の一団で、取得から2年経過し、住宅や事業施設の用に供されていない土地を指します。単なる空き地一般とは異なります。
Q2遊休土地の通知はいつ届く?
地区に関する都市計画の告示の日の翌日から起算して2年を経過した後、かつ所有者の取得から2年経過していることが前提です。二つのタイマーが両方切れて初めて通知の射程に入ります。
Q3何平方メートルから対象になる?
1,000平方メートル以上の一団の土地が要件です。隣接地と合わせて一団と評価される可能性があるため、単独筆の面積だけで判断せず、市町村の都市計画担当課で確認してください。
Q4国や自治体の土地も通知される?
されません。国、地方公共団体、港務局が所有する土地は本条1項の括弧書きで除外されています。国土利用計画法28条1項の通知に係る土地も同様に除かれます。
Q5土地を借りている人にも通知は来る?
地上権その他政令で定める使用収益を目的とする権利が設定されている場合、その権利者と所有者の双方に通知されます。借りている側が先に知るケースもあり得ます。
Q6遊休土地の通知に罰則はある?
通知自体に直接の罰則はありません。ただし通知を受けた者には第58条の8による利用計画の届出義務が生じ、その先に第58条の9の買取り協議が控えています。
Q7遊休土地の通知を受けたら売らないといけない?
売る義務はありません。第58条の9は買取りの「協議」であって収用ではなく、合意しなければ所有権は移りません。ただし協議の場には出ることになります。
Q8遊休土地転換利用促進地区はどこで調べられる?
市町村の都市計画図および都市計画担当課の窓口で確認できます。告示日は都市計画法20条の告示によって公になっており、通知の2年の起算点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも遊休土地転換利用促進地区って、うちの市にもあるんですか?
全国どこにでもあるものではない。市街化区域内で、計画的な土地利用を特に促進する必要があるエリアに限って都市計画で定められる(都市計画法10条の3)。実際の指定件数は多くない。実務のポイント:指定の有無は市町村の都市計画図で確認でき、窓口でも閲覧できる。不動産業者が重要事項説明で触れる範囲を超えて、地区指定の検討段階にあるかどうかまでは説明されないことが多い。再開発の話が出ている地域の土地なら、先に都市計画課で今後の指定方針を聞いておく価値がある
Q2通知を無視したらどうなりますか?
通知自体に直接の罰則はないが、通知を受けた者には第58条の8により利用計画の届出義務が生じ、その先に市町村等による買取り協議(第58条の9)がある。無視は次の手続を止めない。実務のポイント:この制度の実際の運用件数は全国的に少ない。だからこそ、通知が出たということは、その土地について自治体側に具体的な利用促進の意図があるというシグナルである。単なる事務処理ではなく、交渉のテーブルが開いたと読むべき場面だ
Q3土地の一部だけ人に貸している場合も通知の対象になりますか?
本条は地上権その他の政令で定める使用収益を目的とする権利が設定されている場合、権利者と所有者の双方に通知すると定めている。一部利用の評価は、政令で定める要件(1項3号)の当てはめの問題になる。実務のポイント:通知が所有者と権利者の双方に届く構造は、当事者間の情報格差をなくす一方で、相手方が先に自治体と接触する余地も生む。賃借人や地上権者がいる土地なら、地区指定の情報は自分から共有しておいたほうが交渉の主導権を保てる
間違えやすい点 AI による整理
- 「遊休土地の通知は、単に役所が現況を確認しただけのお知らせ」と受け取る人がいるが、深刻度が違う。通知は第58条の8の届出義務と第58条の9の買取り協議へ連鎖する手続の起点で、通知を受けた時点で法的義務のスイッチが入る。無視して済む紙ではない
- 「自分の土地をどう使おうと自由、憲法で財産権は保障されている」という前提そのものがずれている。財産権は保障されているが、憲法29条2項は「公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」と書いている。都市計画法はその法律であり、所有権を奪わずに利用の促進だけを迫る設計になっている。問うべきは「自由か否か」ではなく「どこまで手続に付き合わされるか」である
- 「駐車場にしておけば使っているうちに入る」と考える人がいるが、該当要件の詳細は政令に委ねられている。青空駐車場や資材置場のような暫定利用がどこまで「供されている」と評価されるかは、実務上、判断が分かれうる部分である。自己判断で安心せず、市町村の都市計画担当に事前に確認する意味がここにある
- 「通知が来たら土地を取り上げられる」と怯える人もいるが、本条にも続く条文にも収用の効果はない。買取り協議は協議であって、合意しなければ売る義務はない。ただし協議に応じないまま放置すれば、その土地は次の都市計画の検討材料として行政の視野に残り続ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行政の動作 | 58条の7:市町村長が遊休土地である旨を通知する | 58条の8:通知を受けた者が利用計画を届け出る 58条の9:市町村等が買取りを協議する |
| 誰が動くか | 行政(市町村長)が起点。所有者は受け身 | 土地所有者・権利者が能動的に届出 行政と所有者の双方が協議の当事者 |
| 発動の前提 | 告示から2年 + 取得から2年 + 1,000平方メートル以上 + 未利用 + 促進の必要 | 58条の7の通知を受けたこと 利用計画の届出または届出がないこと |
| 所有権への効果 | なし。情報的介入にとどまる | なし。手続義務が発生するのみ 合意した場合のみ移転。収用の効果はない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は空地に対して「限期建築」を命じ、期限内に建築しない場合は空地税の加徴、さらに強制買収まで踏み込む。日本の通知・届出・協議という段階的で柔らかい設計に比べ、経済的制裁がより直接的である
中国は出譲契約の約定期日から1年未着工で閑置費を徴収し、2年未着工で土地使用権を無償回収できる。土地所有権が国家にあるため、日本より強力な回収手段を持つ
ドイツは自治体が所有者に対し建築命令(Baugebot)を発することができ、従わない場合は収用に至る経路もある。日本の58条の7が「通知」にとどまるのと対照的に、義務づけの強度が高い
フランスは建築可能な未建築地への固定資産税の割増という税制上の圧力と、都市先買権(droit de préemption urbain)による取得を組み合わせる。行政通知ではなく税と先買権が中心である
米国は連邦統一の制度を持たず、自治体条例による空き地の登録義務・手数料と、ランドバンクによる税滞納物件の取得・再利用が中心。日本のような都市計画法上の全国一律手続は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続で受け継いだ駅前の1,200平方メートルの土地を、税金だけ払って放置していた。3年前に遊休土地転換利用促進地区の都市計画が告示されていたことを知らなかった。ある日届いた市町村長名の通知書。これを読み飛ばすと、次は6週間以内の利用計画届出義務が走り出す
- あなたが土地を買う側だとしたら? 遊休土地転換利用促進地区内の広い更地を安く仕入れて転売益を狙う戦略は、取得から2年で通知の射程に入る。買う前に地区指定の有無を都市計画課で確認しないと、出口戦略ごと組み替えられる
- 工場を閉鎖して更地にしたまま2年。「いずれ売る」と思っていたが、その土地は地区内だった。使っていない、が要件そのものである
- 地区の都市計画告示から2年が経過する月。あなたの土地はまだ何にも使っていない。着工でも暫定利用でも、記録に残る形で動かすなら残り時間はもうない
- 地上権を設定して太陽光発電業者に貸している土地。所有者であるあなたと、地上権者である業者、両方に通知が届く。相手方に先に届いた場合、あなたが事情を知らないまま事業者側だけが動き出す可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の都市計画担当課で、対象地が遊休土地転換利用促進地区に含まれるか、地区の都市計画告示日はいつかを確認2. 登記事項証明書で自分の取得日を確認し、告示日から2年、取得から2年の両方を満たすか計算3. 面積が1,000平方メートル以上の一団の土地に当たるか、隣接地との一体評価も含めて確認4. 該当しそうなら、通知が来る前に暫定利用でも売却でも具体的な方針を決め、担当課に相談して協議の記録を残す
訴えられた側:1. 通知書を受け取ったら、まず記載された土地の特定(地番、面積)と要件該当の理由を確認、事実誤認があれば速やかに担当課へ書面で申し入れる2. 地上権等の権利者がいる場合、相手方にも通知が行っているかを確認し、利用計画の方針をすり合わせる3. 第58条の8の利用計画届出の期限を担当課で確認し、逆算して計画を作成4. 買取り協議(第58条の9)に進んだ場合も、協議であって強制ではない。売却か自己利用か、税負担も含めて比較検討する余地がある
時効(請求できる期限):通知の前提となる期間は、遊休土地転換利用促進地区の都市計画の告示日の翌日から起算して2年、かつ所有者の土地取得から2年(本条1項各号)。通知を受けた後の利用計画の届出期限は第58条の8に定めがあるため、通知書の記載と担当課への確認で必ず特定すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政法・都市計画法学):本条の通知は、所有権を剥奪せず利用計画の届出義務と買取り協議という手続の場へ所有者を引き出す情報的・誘導的な行政手法として位置づけられる。収用や課税強化に比べて侵害の程度が小さく、憲法29条2項の公共の福祉による財産権の制約として許容されると理解されている。
実務上の指摘:遊休土地転換利用促進地区の指定件数自体が全国的に少なく、本条の通知の運用例も限られる。そのため通知が発出された事実は、当該自治体に具体的な土地利用促進の意図があることの強いシグナルとして読むべきだと実務上指摘される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法(昭和43年法律第100号)制定。市街化区域・市街化調整区域の区分、開発許可制度など現行都市計画制度の骨格が成立。本条はこの時点では存在しない
- 2.平成4年(1992年) 新設:都市計画法改正により遊休土地転換利用促進地区の制度が創設され、地区の都市計画(10条の3)、遊休土地である旨の通知(58条の7)、利用計画の届出(58条の8)、買取りの協議(58条の9)が一体の手続として導入された。バブル期の土地の投機的保有と市街地の低未利用地問題への対応が背景にある
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