都市計画法 第10条の3(遊休土地転換利用促進地区)
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- 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めることができる。
- 一当該区域内の土地が、相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていないことその他の政令で定める要件に該当していること。
- 二当該区域内の土地が前号の要件に該当していることが、当該区域及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となつていること。
- 三当該区域内の土地の有効かつ適切な利用を促進することが、当該都市の機能の増進に寄与すること。
- 四おおむね五千平方メートル以上の規模の区域であること。
- 五当該区域が市街化区域内にあること。
- 2.遊休土地転換利用促進地区については、都市計画に、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
この条文の基本情報
遊休土地転換利用促進地区とは何ですか?
定義遊休土地転換利用促進地区とは、都市計画法第10条の3に定められた規定で、「都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第10条の3(遊休土地転換利用促進地区)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第10条の3の条文原文は「都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めることができる。」で始まります。
- 都市計画法第10条の3は第一節 都市計画の内容に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第10条の3の前の条は都市計画法第10条の2です。
- 都市計画法第10条の3の次の条は都市計画法第10条の4です。
- 都市計画法第10条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第10条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第10条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/10_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法10条の3は、市街化区域内でおおむね五千平方メートル以上の未利用地の区域を、遊休土地転換利用促進地区として都市計画に定められると規定する。指定後は届出義務が生じる。
Q · 遊休土地転換利用促進地区に指定されると、土地の所有者は何をしなければならないの?
市街化区域内の大規模未利用地を指定する都市計画の制度です
都市計画法10条の3は、市街化区域内にあり、おおむね五千平方メートル以上で、相当期間いずれの用途にも供されていない土地の区域を、遊休土地転換利用促進地区として都市計画に定められると規定します。指定されただけでは直ちに義務は生じませんが、市町村長から遊休土地である旨の通知(法58条の6)を受けると、その日から六週間以内に利用または処分に関する計画を届け出る義務が生じます(法58条の7)。計画が著しく不適当なら勧告(法58条の8)、さらに買取り協議(法58条の9)へ進みます。強制取得の仕組みではありません。
解説
土地を持っているだけで、役所から「使う計画を出せ」と迫られることがある。都市計画法10条の3が定める遊休土地転換利用促進地区は、市街化区域内にあり、おおむね五千平方メートル以上あり、相当期間なんの用途にも供されていない土地の区域を、都市計画そのものとして指定する仕組みだ。五つの要件(未利用であること、それが周辺の計画的な土地利用の増進の著しい支障になっていること、有効利用が都市機能の増進に寄与すること、おおむね五千平方メートル以上、市街化区域内)をすべて満たす必要がある。指定されると、あなたの土地には別の歯車が噛み合う。市町村長から「この土地は遊休土地である」という通知が届き、そこから六週間以内に利用または処分の計画を届け出る義務が生じ(法58条の7)、その計画が著しく不適当と判断されれば勧告、さらに買取りの協議へ進む。所有権が「使わない自由」を無制限に含むという前提は、市街化区域では完全ではない。
法的な位置づけ
都市計画法10条の3は、遊休土地転換利用促進地区を定める規定である。市街化区域内にあり、おおむね五千平方メートル以上の規模を有し、相当期間いずれの用途にも供されていないことが当該区域及び周辺の計画的な土地利用の増進を図る上で著しい支障となっている土地の区域について、都市計画として当該地区を定めることができる。名称・位置・区域は必要的記載事項とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の土地の区域区分と規模を確認する 市町村の都市計画情報システムまたは都市計画課で、対象地が市街化区域内かを確認し、登記情報と測量図で面積を把握する。隣接する未利用地と合わせて一つの区域になり得るかも地図上で確認する
- 2.都市計画の案の縦覧期間に意見書を出す 遊休土地転換利用促進地区の案が公告・縦覧されたら、二週間の縦覧期間内に意見書を提出する(法17条)。単なる反対ではなく、具体的な利用計画とスケジュールを添えて、区域指定の必要性を争う
- 3.通知を受けたら六週間の期限を即日カレンダーに入れる 遊休土地である旨の通知(法58条の6)を受けた日から起算して六週間が届出期限。相続未了や共有の場合は、期限から逆算して共有者間の協議日程を先に確定させる
- 4.利用または処分に関する計画を届け出る 六週間以内に、利用または処分に関する計画を市町村長へ届け出る(法58条の7)。売却、暫定利用(駐車場・資材置場)、事業者への定期借地など、実行可能で時期の特定された内容にする
- 5.勧告を受けたら買取り協議までの条件を組み立てる 計画が著しく不適当として勧告(法58条の8)を受けた場合、買取り協議(法58条の9)は協議であって強制取得ではない。並行して民間売却先や事業パートナーを確保し、価格交渉の代替案を持ったうえで協議に臨む
よくある質問 AI による整理
Q1遊休土地転換利用促進地区とは何ですか?
市街化区域内の大規模な未利用地の区域を、有効利用へ転換させるために都市計画で定める地域地区です。都市計画法10条の3が根拠で、指定後は通知・届出・勧告・買取り協議という段階的手続が用意されています。
Q2都市計画法10条の3の要件は何ですか?
五つすべてを満たす必要があります。相当期間いずれの用途にも供されていないこと、それが周辺の計画的な土地利用の増進の著しい支障であること、有効利用が都市機能の増進に寄与すること、おおむね五千平方メートル以上、市街化区域内にあることです。
Q3自分の土地が市街化区域かどうかはどこで調べますか?
土地が所在する市町村の都市計画課、または自治体が公開する都市計画情報の地図システムで確認できます。登記簿には区域区分の記載がないため、登記情報だけを見ていると市街化区域かどうかは分かりません。
Q4遊休土地である旨の通知が届いたらどうすればいいですか?
通知を受けた日から起算して六週間以内に、利用または処分に関する計画を市町村長へ届け出ます(法58条の7)。売却、暫定利用、定期借地による貸付けなど、実行可能な内容であれば計画になり得ます。
Q5届出をしないとどうなりますか?
計画が届け出られない、または著しく不適当と判断されると、市町村長から利用・処分に関する勧告が行われ(法58条の8)、その先に買取り協議(法58条の9)が控えます。届出義務の違反に対する制裁の有無は最新の条文をご確認ください。
Q6相続した更地も対象になりますか?
なり得ます。要件は所有の経緯ではなく土地の現況と区域の要件です。市街化区域内で規模要件を満たし、相当期間いずれの用途にも供されていなければ、相続直後の土地でも区域に含まれる可能性があります。
Q7遊休土地転換利用促進地区は実際に指定されていますか?
指定例はごく限られており、制度は事実上ほとんど発動されていないと評価されています。ただし条文は現に有効であり、自治体がこの手続を持ち出すときは相当の政策的決断を伴っていると見るべきです。
Q8国土利用計画法の遊休土地制度と何が違いますか?
都市計画法は都市計画決定で区域を定めてから通知へ進む建付けで、対象は市街化区域内に限られます。国土利用計画法の遊休土地通知は届出・許可を経た取得土地を起点とする別系統の制度です(現行の効力と運用は要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1土地を持ってるだけで、本当に役所から使えって言われるんですか?
全国どこでもではない。遊休土地転換利用促進地区として都市計画決定された区域内の土地に限られ、さらに法58条の6の通知要件を満たす必要がある。ただし指定されて通知が届けば、六週間以内の届出は法律上の義務(法58条の7)。実務のポイント:この地区の指定例は全国でもごく限られ、制度は事実上眠っている。逆に言えば、自治体がこれを持ち出してきたときは相当の覚悟で動いているサインだ
Q2勧告に従わなかったら、土地を強制的に取られちゃいますか?
取られない。勧告(法58条の8)の先にあるのは買取りの協議(法58条の9)であり、協議が成立しなければ買取りは行われない。土地収用法のような強制取得の仕組みではない。実務のポイント:強制力がないからこそ、この制度は使われてこなかった。実務で本当に土地を動かしているのは固定資産税の負担、相続時の分割圧力、近隣からの苦情の三つ。条文より税金と家族会議の方が強い
Q3うちの土地が指定されそうだと分かったら、何ができますか?
都市計画の案は二週間縦覧され、その期間中に意見書を提出できる(法17条)。指定後に争うより、この段階で出す方が圧倒的に効く。実務のポイント:同種の地域地区の指定について、最高裁は処分性を否定する立場を取ってきた(用途地域の指定に関する最判昭和57.4.22)。決まってから取消訴訟で覆すのは極めて困難で、勝負は縦覧期間の二週間で決まる
Q4五千平方メートルって、どのくらいの広さですか?
およそ七十メートル四方。サッカーコート(約七千百四十平方メートル)よりやや小さい程度で、閉鎖した工場跡地、廃業したロードサイド店舗の敷地、相続で分散した農地の集合はこの規模に届く。実務のポイント:要件は「土地の区域」であって一筆ごとではない。複数の所有者の土地をまとめて一つの区域として指定できるので、「うちは三千平方メートルだから関係ない」は成り立たない
間違えやすい点 AI による整理
- 「指定されたら強制的に売らされるのか」という問いの立て方自体がずれている。この制度に収用権はない。勧告(法58条の8)の先にあるのは買取りの「協議」(法58条の9)であり、協議が成立しなければ買取りは行われない。恐れるべきは強制力ではなく、勧告を受けた土地として記録が残り、以後の交渉で立場が弱くなることだ
- 五千平方メートルという数字は覚えていても、「おおむね」の一語を軽く見ている人が多い。おおむねとある以上、四千八百平方メートルでも区域の引き方次第で内側に入りうる。面積で安心している所有者ほど、線の引かれ方一つで対象になる
- あなたから見れば「将来の値上がりを待っている資産」だが、都市計画から見れば「当該区域及びその周辺における計画的な土地利用の増進を図る上で著しい支障」(1項2号)。待つという行為そのものが、法律上は指定理由の側に数えられる。この視点の落差が、通知が届いた日の驚きを生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の位置づけ | 10条の3:都市計画として区域を指定する入口 | 58条の7:通知後六週間以内の届出義務 58条の9:勧告後の買取り協議 |
| 所有者に生じる効果 | 指定のみでは直ちに個別の義務は生じない | 利用または処分に関する計画の届出義務 買取り協議に応じるか否かの判断(成立しなければ買取りなし) |
| 争う場(実質的な反論機会) | 都市計画の案の二週間の縦覧期間中の意見書(法17条) | 届出内容そのもので対抗(実行可能な計画の提出) 価格・条件の交渉、代替の民間売却先の確保 |
| 強制力 | 区域指定に収用権は伴わない | 届出は法律上の義務 協議が不成立なら買取りは行われない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は空地に対し期限を定めて建築を命じ、従わない場合に空地税の加徴や照価収買という経済的・強制的手段まで踏み込む。日本の協議止まりの設計より前に出ている
取得後に着工しない土地について土地遊休費の徴収、さらに長期放置では無償回収まで制度化されている。国有土地使用権という前提の違いが強制力の差に直結する
ドイツは建築命令により、地区詳細計画に適合する建築を所有者に義務づけ得る。経済的に受忍し難い場合は自治体による買取請求の道が開く点で、日本の買取り協議と発想が近い
フランスは都市計画的な命令よりも、建築可能な未利用地への固定資産税割増という税制ルートで保有コストを上げ、利用転換を促す設計を採る
連邦法ではなく自治体条例のレベルで、空地・空家の登録義務と年次手数料、維持管理義務を課す方式が中心。制度の強弱は市ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、相続した駅近の六千平方メートルの更地に、ある日「遊休土地である旨の通知」が届いたら? 期限は六週間。その間に利用または処分の計画を書いて市町村長に届け出なければ、次は勧告の段階へ進む。相続登記も終わっていない、兄弟間で方針も決まっていない、その状態で六週間はあまりに短い
- あなたが市の都市計画担当だとする。駅前の一等地が二十年放置され、周辺の再開発が一歩も進まない。収用はできず、買収交渉にも応じてもらえない。10条の3はその膠着を動かすために用意された数少ない手札だが、指定には都市計画決定の手続(法16条、17条)を丸ごと通す必要があり、決断には年単位の覚悟が要る
- 隣の広大な空き地に雑草が生い茂り、不法投棄が続く。市に相談したら「民有地ですので」と言われた。市街化区域で五千平方メートル級なら、話の持っていき方が一つ増える
- 友人が「地方の土地なんて寝かせておけば固定資産税だけで済む」と言ってきた。市街化区域内でまとまった面積なら、その前提は崩れうる。使わないこと自体が行政手続の入口になる区域が、制度としては存在する
- 不動産投資で市街化区域の大型未利用地を仕込んだ。登記簿と現況写真しか見ていないなら、都市計画図の確認が抜けている。すでに地区指定されている区域なら、塩漬けにした先に通知と届出義務が待つ(通知の具体的要件は法58条の6および政令を要確認)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象地が市街化区域内か、規模がおおむね五千平方メートル以上あるかを都市計画図と登記情報で確認2. 一筆で足りなくても、周辺の未利用地を合わせて一つの区域として成立するかを図面上で描く3. 市町村の都市計画担当へ、10条の3の地区指定の検討可否として持ち込む。ごみや雑草の苦情ではなく「周辺の計画的な土地利用の増進の著しい支障」という条文の言葉で説明する4. 並行して空家等対策の窓口、道路管理者、保健部局など、実際に動く可能性が高いルートも同時に叩く
訴えられた側:1. 自分の土地が指定区域内かを都市計画図で確認。指定がなければ法58条の6以下の義務は発生しない2. 都市計画の案の縦覧が始まっていれば、期間内に意見書を提出(法17条)。ここが実質的に唯一の反論の場3. 通知を受けたら六週間以内に利用または処分の計画を届け出る(法58条の7)。売却、暫定利用の駐車場、資材置場、事業者への定期借地、いずれも計画になりうる4. 白紙で放置すると勧告と買取り協議へ進み、条件交渉の主導権を失う
時効(請求できる期限):遊休土地である旨の通知を受けた日から起算して六週間以内に、利用または処分に関する計画を市町村長へ届出(法58条の7)。指定前の段階では、都市計画の案の二週間の縦覧期間中に意見書提出(法17条)。10条の3自体に特定の時効はない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解(行政計画法):本条は所有権を剥奪せず、通知・届出・勧告・買取り協議という段階的な手続負荷によって土地利用の転換を誘導する誘導型の規制と位置づけられる。憲法29条との衝突を避けた反面、最終手段が協議にとどまるため実効性は自治体の政策判断に依存する。
制度不発動をめぐる評価:指定には都市計画決定手続を丸ごと通す必要があり、行政コストと政治的摩擦が大きい一方、得られる効果は協議止まりである。この費用対効果の非対称が、制度がほとんど使われないまま残存している主因と説明されることが多い。
改正沿革 AI による整理
- 平成2年(1990年) 遊休土地転換利用促進地区を新設。前年の土地基本法制定を受けた土地政策の一環として、市街化区域内の大規模未利用地を都市計画で捕捉し、通知と届出、勧告、買取り協議へつなぐ枠組みを創設した
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:都市計画法が全部改正により制定(昭和43年法律第100号)。区域区分(線引き)と地域地区の枠組みが整備され、後の促進地区制度の土台となった
- 2.平成2年(1990年) 新設:遊休土地転換利用促進地区を新設。前年の土地基本法制定を受けた土地政策の一環として、市街化区域内の大規模未利用地を都市計画で捕捉し、通知・届出・勧告・買取り協議へつなぐ枠組みを創設した
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