都市計画法 第10条の4(被災市街地復興推進地域)
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- 都市計画区域については、都市計画に、被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定による被災市街地復興推進地域を定めることができる。
- 2.被災市街地復興推進地域については、都市計画に、名称、位置及び区域のほか、別に法律で定める事項を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
- 3.被災市街地復興推進地域内における建築物の建築その他の行為に関する制限については、別に法律で定める。
この条文の基本情報
被災市街地復興推進地域とは何ですか?
定義被災市街地復興推進地域とは、都市計画法第10条の4に定められた規定で、「都市計画区域については、都市計画に、被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定による被災市街地復興推進地域を定めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 都市計画法第10条の4(被災市街地復興推進地域)は、日本の都市計画法に含まれる条文です。
- 都市計画法第10条の4の条文原文は「都市計画区域については、都市計画に、被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定による被災市街地復興推進地域を定めることができる。」で始まります。
- 都市計画法第10条の4は第一節 都市計画の内容に置かれています。
- 都市計画法の公布日は昭和43年6月15日です。
- 都市計画法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 都市計画法第10条の4の前の条は都市計画法第10条の3です。
- 都市計画法第10条の4の次の条は都市計画法第11条です。
- 都市計画法第10条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第10条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100 - 本サイト収録
都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第10条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000100/10_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点都市計画法10条の4は、被災市街地復興推進地域を都市計画に定められると規定する。区域内では建築に市町村長の許可が必要で、制限期間は災害発生日から最長2年である。
Q · 被災して家を建て直したいのに、役所から「区域に入っています」と言われました。もう建てられないんですか?
原則2年間、市町村長の許可がなければ建築できません
都市計画法10条の4により、都市計画区域には被災市街地復興推進地域を定めることができます。区域内の建築制限は被災市街地復興特別措置法7条が定め、災害発生日から起算して最長2年の間、建築には市町村長の許可が必要です。ただし階数2以下・地階なし・木造等で移転や除却が容易な建築物であれば市町村長は許可しなければならず、許可を受けられない場合は土地の買取りを申し出ることができます(同法8条、9条)。禁止ではなく、着工時期の調整です。
解説
地震で自宅が全焼し、火災保険金も下りた。さあ建て直そうという段階で、役所から一枚の告示が届くことがある。ここは被災市街地復興推進地域です、と。都市計画法10条の4は、災害で相当数の建築物が失われた市街地について、この地域を都市計画に定められると規定する。定められた瞬間、あなたの土地は「自分の判断で建て直せる土地」ではなくなる。建築には市町村長の許可が要り、その期間は災害発生日から起算して最長2年(被災市街地復興特別措置法7条)。ただし、これは没収ではない。階数2以下・地階なし・木造等で移転や除却が容易な建物であれば、市町村長は許可しなければならない。そして許可を受けられなければ、あなたは土地の買取りを申し出る権利を持つ。条文の顔は「地域を定めることができる」という静かな授権だが、その裏側には、あなたの再建の速度と街全体の区画整理の速度を同期させるための時間装置が仕込まれている。
法的な位置づけ
都市計画法10条の4は、被災市街地復興推進地域に関する授権規定である。都市計画区域について、被災市街地復興特別措置法5条1項の被災市街地復興推進地域を都市計画に定めることができるとし、名称・位置・区域のほか別に法律で定める事項を定めるものとする。区域内における建築物の建築その他の行為の制限は、別に法律で定められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.都市計画図で区域内か・満了日はいつかを確認する 市町村の都市計画課で告示済みの都市計画図と決定内容を取得し、自分の土地が被災市街地復興推進地域に含まれるか、建築行為等の制限がいつまでかを確認する。罹災証明書の取得と並行して最初に行う
- 2.許可基準に合う設計案を先に作る 設計事務所に「階数2以下・地階なし・木造等で移転または除却が容易」の要件で成立する案を作らせる。基準を満たせば市町村長は許可しなければならないため、設計段階で基準に寄せた側だけが待たずに済む
- 3.市町村長に建築許可を申請する 都市計画課または建築指導課の窓口へ許可申請を行う。窓口で復興計画の確定まで待つよう求められても、それは行政指導であって処分ではなく、従わないことを理由に不利益な取扱いをしてはならない(行政手続法32条2項)
- 4.許可が受けられない場合は買取りを申し出る 不許可となり土地の利用が著しく妨げられる場合、市町村長に対して土地の買取りを申し出る(被災市街地復興特別措置法9条、原則として時価)。塩漬けを受け入れる前に、必ずこのルートの有無を窓口で確認する
- 5.不許可処分に不服なら期間内に審査請求する 不許可通知書の教示欄を読み、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う(行政不服審査法18条)。取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。期間を過ぎると内容の当否を問わず争えなくなる
よくある質問 AI による整理
Q1被災市街地復興推進地域とは?
災害で相当数の建築物が失われた市街地について、緊急に復興を推進する必要があるとして都市計画に定められる地域です。根拠は都市計画法10条の4と被災市街地復興特別措置法5条です。
Q2建築制限はいつまで続きますか?
災害発生の日から起算して2年以内で、都市計画に定められた日までです(被災市街地復興特別措置法7条)。満了日は区域ごとに異なるため、告示された都市計画の内容を必ず確認してください。
Q3自分の土地が区域内かどうかの調べ方は?
市町村の都市計画課で都市計画図を閲覧するか、自治体の都市計画情報サイトで確認します。告示日と制限の満了日が都市計画の内容として定められているため、あわせて確認してください。
Q4無許可で建築したらどうなりますか?
無許可の建築行為は是正命令の対象となり、原状回復を命じられることがあります。命令に従わなければ罰則の適用もあり得ます。自分の所有地であることは抗弁になりません。
Q5応急仮設建築物にも許可は必要ですか?
非常災害の応急措置として行う行為は許可が不要です。建築基準法85条の応急仮設建築物であれば、本設を待たずに当面を凌ぐ実務上の選択肢になります。
Q6区域内の土地は売却できますか?
売却自体は制限されません。制限されるのは建築その他の行為です。ただし宅地建物取引業者は重要事項説明で区域指定と建築制限を説明する義務があり、価格形成にも影響します。
Q7区域指定に不服がある場合は争えますか?
都市計画の決定自体を直接争うのは一般に困難ですが、個別の不許可処分に対しては審査請求や取消訴訟が可能です。通知書の教示欄に記載された期間を必ず確認してください。
Q8区域指定は誰がいつ決めるのですか?
都市計画の決定権者(都道府県または市町村)が決定し、告示によって効力が生じます(都市計画法20条)。決定前には案の縦覧と意見書提出の手続があります(同法17条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の土地なのに、どうして役所の許可がいるんですか?
本条3項が制限の中身を別の法律に委ね、被災市街地復興特別措置法7条が期間内の建築等に市町村長の許可を要求しているためである。ただし非常災害の応急措置として行う行為、都市計画事業の施行として行う行為、政令で定める軽易な行為は許可が不要。実務のポイント:実務でまず検討されるのは本設ではなく、建築基準法85条の応急仮設建築物で当面を凌ぐ道である。この選択肢を最初に提示するかどうかで、設計事務所の力量が分かる
Q22年も待てません。抜け道はないんですか?
抜け道ではなく、正面の道が二本ある。許可基準(階数2以下・地階なし・木造等で移転除却が容易)に合わせて設計し許可を取る道と、許可を受けられない場合に買取りを申し出る道である(被災市街地復興特別措置法8条、9条、現行効力を要確認)。実務のポイント:基準を満たせば許可は義務であり裁量で断れない。窓口で「復興計画が固まるまで待ってほしい」と言われても、それは行政指導であって処分ではなく、従わないことを理由に不利益な扱いをしてはならない(行政手続法32条2項)
Q3指定されると土地の値段が下がりますよね。補償はあるんですか?
制限そのものに対する直接の金銭補償制度はない。代わりに、許可を受けられなかった土地の所有者が買取りを申し出れば、原則として時価で買い取るものとされている(被災市街地復興特別措置法9条)。実務のポイント:この区域はその後、被災市街地復興土地区画整理事業へ移行することが多い。そこから先は換地と清算金の世界になり、評価の基準日が変わる。売るか残すかの判断は、事業計画の決定前と後で別物になる
Q4アパートが全壊しました。入居者との契約や敷金はどうなりますか?
建物が全部滅失して使用収益ができなくなった場合、賃貸借は当然に終了する(民法616条の2)。終了すれば敷金の返還義務が生じる(民法622条の2)。実務のポイント:再建が最長2年止まる区域では、敷金返還と入居者の住み替え支援を先に片付けたオーナーほど、再建後の入居者確保で強い。被災直後の対応の記憶が、2年後の入居申込みの列の長さになって返ってくる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「自分の土地に自分の家を建てる」だけの話だが、法律から見れば、その一軒がこれから数十年の道路幅と避難路の形を固定する。個人の再建が速いほど街全体は次の災害に弱くなる。この落差こそが、最長2年という制限の正体である
- 「どうすれば指定を外してもらえるか」と考える人がいるが、問いの立て方が誤っている。区域は個別の土地ではなく街区単位でかかり、自分の土地だけ解除する制度は存在しない。実際に効くのは、許可基準(階数2以下・地階なし・木造等で除却容易)に合わせて設計を作り替え、正面から許可を取りに行く動きだ
- 建築制限があること自体は知っていても、その深刻度が読めていない人が多い。止まるのは工事だけではない。金融機関の建築資金の実行、火災保険金の使い道、賃貸事業の再開時期、そのすべてが後ろへずれる。2年は「待つ2年」ではなく「キャッシュフローが止まる2年」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 区域を定める目的 | 10条の4:災害で失われた市街地の緊急かつ計画的な復興の推進 | 10条の2:市街地開発事業等の促進(未利用地の計画的市街化) 10条の3:遊休土地の転換利用の促進 |
| 発動の前提 | 災害により相当数の建築物が滅失した市街地であること | 市街化区域内で計画的市街化を図るべき区域であること 土地が相当期間遊休状態にあること |
| 私人が受ける制約 | 建築その他の行為に市町村長の許可が必要(災害発生日から最長2年) | 一定期間内に事業を施行すべき義務が関係権利者に生じる 有効利用の勧告、買取り協議の対象となる |
| 救済ルート | 許可基準を満たせば許可は義務/不許可なら買取りの申出(別法8条・9条) | 事業施行の申出・都市計画事業への移行 買取り協議の成立による売却 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も都市計画の迅行変更にあたり計画地区の範囲を先行指定し、その建築使用を制限する仕組みを持つ。制限期間の上限を法定し、解除後に本計画へ移行する構造は日本と近い
韓国は開発行為許可の制限として、都市管理計画の樹立中の区域について一定期間の行為制限を認める。災害復興に特化した独立法ではなく、一般の都市計画法制の中で処理する点が異なる
ドイツは地区詳細計画の策定中に変更禁止を課し、期間は原則2年(延長可)。期間を超えた制限には補償が予定されており、期間と補償を連動させる発想は日本の買取り申出と機能的に対応する
米国は連邦法が財政支援を担い、建築の一時停止は自治体条例で行う。停止が長期化すると regulatory taking として第5修正の補償問題になり、期間の合理性が司法審査の焦点となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 罹災証明書を取り、保険金が振り込まれ、工務店との契約は来週。そこへ区域指定の告示が出る。工務店は「許可が下りるまで着工できません」と言う。2年待つか、許可基準に合う木造2階建てへ設計を作り替えるか、決断の猶予は工務店の空き枠が埋まるまでしかない
- もし許可が下りなかったら、その土地はただ塩漬けになるのか。ならない。許可を受けられなかった土地の所有者は、市町村長に買取りを申し出ることができる(被災市街地復興特別措置法9条、原則として時価での買取り)
- 許可を取らないまま基礎工事を始めてしまった側の話。近隣の通報で市の職員が現れ、工事の中止を求められる。無許可の建築行為は是正命令の対象で、命令に従わなければ罰則もありうる。「自分の土地だから」という理屈は、この区域では通らない
- 不動産業者として被災地の土地を仲介する場面。重要事項説明(宅地建物取引業法35条)で区域指定と建築制限に触れなければ、説明義務違反を問われる。買主は「あと1年半、原則として本設の建物が建たない土地」を、そうと知らずに買うことになる
- アパートを持っていて、入居者は全員退去済み。早く建て直して家賃収入を戻したいが、区域内。許可基準(2階建て以下・地階なし・除却容易)は、あなたが建てたい鉄筋コンクリート3階建てとは噛み合わない。仮設で凌ぐか、区画整理の完了を待って本設で建てるか、事業計画がここで二つに割れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の都市計画課で告示された都市計画図を取得し、自分の土地が区域内か、制限期間の満了日がいつかを確認する(満了日は都市計画に定められる事項) 2. 設計事務所に「階数2以下・地階なし・木造等・除却容易」で成立する案を作らせ、許可申請を先に通す3. 許可が受けられない場合は買取りの申出を検討(被災市街地復興特別措置法9条) 4. 不許可処分には審査請求・取消訴訟の道がある。通知書の教示欄を必ず読む
訴えられた側:1. 無許可で着工してしまったら、まず工事を止めて事実関係を整理する。是正命令が出てから争うより、自主的な中止の方が立場は軽い2. 応急仮設建築物など許可不要の例外に該当しないか確認する(建築基準法85条、非常災害の応急措置等) 3. 許可基準に合う設計へ変更し、追認的に許可を取れないか窓口と協議する4. 命令や処分を受けたら、教示された期間内に審査請求を行う
時効(請求できる期限):建築行為等の制限は、災害発生の日から起算して2年以内で都市計画に定められた日まで(被災市街地復興特別措置法5条、7条)。都市計画案への意見書は縦覧期間の2週間内(都市計画法17条)。不許可処分への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:被災市街地復興推進地域の建築制限は、財産権を剥奪するものではなく行使の時期を一時的に調整するにとどまり、期間が2年以内に限定され、許可の羈束性と買取請求という緩和装置が置かれていることから、財産権に内在する社会的制約の範囲内と解される。
有力説:制限が長期化し、あるいは代替手段を欠く個別事案では、憲法29条3項にいう特別の犠牲に当たり損失補償を要する場合があり得るとして、買取りの申出制度を補償に代わる仕組みとして位置づけつつ、その運用の実効性を問う立場がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)新設 阪神・淡路大震災を受けて制定された被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)に伴い、都市計画の内容として被災市街地復興推進地域を定められる旨を新設した
- 平成23年(2011年)第2次一括法 都市計画に定める事項のうち政令で定める事項について、「定めるものとする」から「定めるよう努めるものとする」へ改め、地方公共団体の裁量を広げた
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:阪神・淡路大震災を受けて制定された被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)に伴い、都市計画の内容として被災市街地復興推進地域を定められる旨が新設された
- 2.平成23年(2011年) 改正:第2次一括法により、都市計画に定める事項のうち政令で定める事項について「定めるものとする」から「定めるよう努めるものとする」へ改められ、地方公共団体の裁量が広げられた
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