社会保険労務士法 第25条の15(業務を執行する権限)
クイックジャンプ
- 社会保険労務士法人の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- 2.紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人における紛争解決手続代理業務については、前項の規定にかかわらず、特定社会保険労務士である社員(以下「特定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
この条文の基本情報
業務を執行する権限とは何ですか?
定義業務を執行する権限とは、社会保険労務士法第25条の15に定められた規定で、「社会保険労務士法人の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第25条の15(業務を執行する権限)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第25条の15の条文原文は「社会保険労務士法人の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。」で始まります。
- 社会保険労務士法第25条の15は第四章の二に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第25条の15の前の条は社会保険労務士法第25条の14です。
- 社会保険労務士法第25条の15の次の条は社会保険労務士法第25条の15の2です。
- 社会保険労務士法第25条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/25_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法25条の18は、社労士法人の社員は原則全員が業務執行権を持つと定める一方、紛争解決手続代理業務は特定社員のみが執行できると限定している。
Q · 社労士法人に頼めば、どの社労士でも労働局のあっせんで代理人になってくれるの?
代理を執行できるのは特定社労士である社員だけです
社会保険労務士法25条の18第1項により、社労士法人の社員は定款に別段の定めがなければ全員が業務執行権を持ちます。しかし第2項は「前項の規定にかかわらず」と定め、紛争解決手続代理業務(労働局のあっせん等での代理)を執行できるのは特定社会保険労務士である社員(特定社員)のみとしています。定款で他の社員に権限を広げることはできません。
解説
社労士法人の看板を掲げる事務所に労務トラブルを持ち込むとき、依頼者が見るのは法人名だけで、中にいる誰に何をする権限があるかまでは見ない。本条の第1項は、法人の社員(出資者兼経営者である社会保険労務士)は、定款に別段の定めがなければ全員が業務執行権を持ち、執行義務も負うと定める。合名会社と同じで、社員一人ひとりが法人の顔になる仕組みである。重要なのは第2項だ。都道府県労働局のあっせんなど、紛争解決手続代理業務(労使トラブルの話し合い型手続で依頼者の代理人として動く仕事)を担当できるのは、研修と試験を経て付記を受けた「特定社会保険労務士」である社員、つまり特定社員だけである。「前項の規定にかかわらず」とあるので、定款で別の社員に権限を与えることもできない。解雇や残業代のあっせんを頼む前に、担当者の名刺に「特定社会保険労務士」とあるか確かめる。その数秒の確認で、手続の途中で代理人が不適格だったと判明する事態は避けられる。
法的な位置づけ
社会保険労務士法25条の18は、社会保険労務士法人の社員の業務執行権を定める規定である。第1項は社員全員が業務執行の権利義務を負うことを原則とし、定款による別段の定めを許容する。第2項は紛争解決手続代理業務に限り、定款自治を排除して特定社会保険労務士である社員(特定社員)のみに業務執行権を認める。
手順
- 1.担当予定者が特定社員か確認する あっせん等の代理を依頼する前の初回面談で、担当予定者の名刺に「特定社会保険労務士」の表記があるか、法人の社員か使用人かを確認する。
- 2.法人の特定社員の人数を聞く 特定社員が一人しかいない法人では退社や病気で代理業務が止まる。特定社員の人数と、担当者が抜けた場合の対応を契約前に確認する。
- 3.委任状の受任者欄を確認する 委任状の受任者が法人名か個人名か、期日に代理人として出席する特定社員の氏名が明記されているかを確認してから署名する。
- 4.紛争額と共同受任の要否を確認する 民間の認証ADRで紛争の目的の価額が120万円を超えそうな場合、弁護士との共同受任が必要になるかを事前に法人へ確認する。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士法人の特定社員とは?
特定社会保険労務士である社労士法人の社員のことです。社会保険労務士法25条の18第2項で定義され、紛争解決手続代理業務を執行できるのはこの特定社員だけです。
Q2特定社労士と普通の社労士の違いは?
特定社労士は特別研修を修了し紛争解決手続代理業務試験に合格して、登録に付記を受けた社労士です。あっせん等の代理ができる点が普通の社労士と異なります。
Q3社労士法人の社員は全員業務を執行できる?
原則としてできます。25条の18第1項により、定款に別段の定めがなければ社員全員が業務執行の権利と義務を持ちます。ただし紛争代理業務は特定社員に限られます。
Q4社労士法人 定款で業務執行社員を限定できる?
通常業務についてはできます。第1項が「定款で別段の定めがある場合を除き」と定めているためです。ただし紛争代理業務を特定社員以外に広げることはできません。
Q5特定社員がいない社労士法人はあっせん代理できる?
できません。紛争解決手続代理業務は特定社員がいる法人でなければ法人の業務として行えず(25条の9)、執行も特定社員に限られます(25条の18第2項)。
Q6社労士法人の「社員」は従業員のこと?
違います。社労士法人の社員は出資者兼経営者である社会保険労務士を指し、雇用されている使用人の社労士とは法的な立場が異なります。
Q7特定社労士かどうか調べる方法は?
名刺や委任状の「特定社会保険労務士」表記を確認するほか、全国社会保険労務士会連合会の登録情報で確認できます。依頼前に確認するのが確実です。
Q8社労士のあっせん代理に金額の上限はある?
民間の認証ADRでは紛争の目的の価額が120万円を超える場合、弁護士との共同受任が必要です(社労士法2条1項1号の6)。最新の改正状況は要確認です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社労士法人に頼んだら、担当が「特定」じゃない人でした。このままで大丈夫?
紛争解決手続代理業務を法人として執行できるのは特定社員だけです(社会保険労務士法25条の18第2項)。就業規則の作成や助成金の申請なら問題ありませんが、あっせんの代理人となると話が変わります。実務のポイント:相談や書類作成は一般の社労士、期日の代理は特定社員という分業は珍しくありません。「期日に代理人として出るのは誰か」と具体的に聞くと、法人側の体制がはっきり見えます
Q2定款に書けば、特定社労士じゃない社員にもあっせん代理を担当させられますか?
できません。第1項は定款で業務執行社員を絞ることを認めていますが、第2項は「前項の規定にかかわらず」と定め、紛争解決手続代理業務は特定社員のみと固定しています。定款で広げることは不可能です。実務のポイント:小規模な法人ほど、特定社員一人に紛争案件が集中します。開業時に複数の社員が付記を取っておくかどうかで、その後に受けられる案件の幅が変わります
Q3特定社員が辞めたら、進行中のあっせん案件はどうなる?
特定社員がいなくなれば、その法人は紛争解決手続代理業務を法人の業務として行えなくなります(社会保険労務士法25条の9、25条の18第2項)。後任の確保や別の代理人への引継ぎが必要になります。実務のポイント:依頼者への通知が遅れると、期日の直前に代理人がいない状態になりかねません。依頼する側も、契約時に「担当者が抜けた場合の対応」を確認しておくと安心です
間違えやすい点 AI による整理
- 「社労士法人に頼めば、どの社労士でも労使トラブルの代理をしてくれる」と思われがちだが、紛争解決手続代理業務を法人として執行できるのは特定社員だけである(本条2項)。そもそも特定社員がいない法人は、この業務を法人の業務として行えない(社会保険労務士法25条の9)
- 「社員」という言葉を「従業員」と同じ意味で受け取ると、本条が読めなくなる。ここでいう社員は法人の出資者兼経営者であり、雇われている使用人の社会保険労務士とは立場が違う。法人に在籍している特定社労士が使用人の場合に代理業務をどう担当するかは、法人の受任形態や事務所の運用によって扱いが異なるため、個別に確認が必要である
- 紛争代理の限界は、誰が担当するかだけでは終わらない。民間の認証ADRでは紛争の目的の価額が120万円を超える場合、弁護士との共同受任が必要になる(社会保険労務士法2条1項1号の6、最新の改正状況をご確認ください)。担当者の資格と事件の規模、この二つの関門が別々に存在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 25条の18:法人内部で誰が業務を執行できるか | 25条の9:法人として行える業務の範囲(紛争代理は特定社員がいる法人に限る) 25条の19:法人を外部に対して代表する権限 |
| 紛争解決手続代理業務の扱い | 特定社員のみが執行権を持つ(定款で変更不可) | 特定社員が存在しなければ法人業務として行えない 代表権の所在を定める(業務執行権とは別の問題) |
| 個人の資格要件 | 法人の社員であり、かつ特定社会保険労務士であること | 法人単位の要件(特定社員の在籍) 14条の11の3:特別研修修了・試験合格・登録への付記 |
他国ではどう定めているか 2 か国
韓国は公認労務士の法人形態として労務法人を認める。日本の特定社労士のような紛争代理専用の付記資格による内部限定とは設計が異なる
ドイツの専門職パートナーシップでは、職業業務そのものの遂行から個々のパートナーを契約で排除できないとされ、資格と業務の結びつきを契約自治より優先させる点で本条2項と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不当解雇のあっせんを社労士法人に頼んだところ、打合せに来た社員の名刺には「社会保険労務士」としか書かれていなかった。この人があっせん期日にあなたの代理人として座ってよいのか? 第2項によれば、紛争解決手続代理業務を執行できるのは特定社員だけである。委任状の受任者欄を、契約前に必ず確認する
- あなたは二人で社労士法人を立ち上げた共同経営者で、特定社労士の付記を持っているのは相方だけ。顧問先からハラスメントのあっせん代理を急に頼まれ、相方は出張中。自分が引き受けたくなるが、定款をどう書いても第2項の壁は越えられない
- 特定社員だった唯一の社員が来月末で退社する。期日が入っているあっせん案件は残り3件。後任の特定社員を確保するか、依頼者に事情を説明して別の代理人へ引き継ぐか、退社日までに決めなければならない
- 定款で「業務執行社員は代表社員に限る」と定めた法人で、代表ではない社員が顧問先の就業規則改定を独断で受注した。法人の内部ではルール違反だが、外の依頼者との関係で契約がどう扱われるかは別の問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あっせん等の代理を依頼する前に、担当予定者が特定社会保険労務士である社員か確認する。全国社会保険労務士会連合会の登録検索も使える2. 委任状の受任者欄が法人名か個人名か、担当の特定社員名が明記されているかを見る3. 紛争の目的の価額が120万円を超えそうな場合は、弁護士との共同受任が必要になるか事前に聞く4. 適格に疑問があれば、期日前に法人へ書面で説明を求める
訴えられた側:1. 法人の社員構成と各社員の付記の有無を一覧にし、紛争代理案件の受付時に担当の特定社員を必ず割り当てる2. 定款で業務執行社員を限定している場合は、内部の承認フローを書面化する3. 特定社員の退社予定が分かった時点で、係属中の案件の引継ぎ先と依頼者への説明方針を決める4. 疑義を指摘されたら、担当体制を文書で示して速やかに是正する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし依頼の原因となる労働紛争には個別の時効が付く。たとえば未払賃金の請求権は、当分の間3年で消滅する(労働基準法115条・附則143条、最新の改正状況をご確認ください)。代理人選びに迷っている間も時効は進む
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:社会保険労務士法人制度の創設に伴い、法人社員の業務執行権に関する規定が設けられた
- 2.平成17年(2005年) 改正:特定社会保険労務士制度の創設に伴い、紛争解決手続代理業務を特定社員のみが執行する旨の規律が加えられた
- 社会保険労務士法 第2条紛争解決手続代理業務の定義と範囲
- 社会保険労務士法 第14条の11の3特定社会保険労務士の付記要件
- 社会保険労務士法 第25条の9法人の業務範囲、特定社員の存在要件(現行効力を要確認)
- 社会保険労務士法 第25条の19法人の代表権との区別(現行効力を要確認)
- 会社法 第590条持分会社の業務執行の母型規定
- 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律 第5条労働局あっせん、代理業務の主要な場
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める