社会保険労務士法 第25条の42(秘密を守る義務等)
クイックジャンプ
- 試験事務に従事する連合会の役員若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2.前項に規定する連合会の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密を守る義務等とは何ですか?
定義秘密を守る義務等とは、社会保険労務士法第25条の42に定められた規定で、「試験事務に従事する連合会の役員若しくは職員(試験委員を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第25条の42(秘密を守る義務等)は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第25条の42の条文原文は「試験事務に従事する連合会の役員若しくは職員(試験委員を含む。」で始まります。
- 社会保険労務士法第25条の42は第四章の三に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第25条の42の前の条は社会保険労務士法第25条の41です。
- 社会保険労務士法第25条の42の次の条は社会保険労務士法第25条の43です。
- 社会保険労務士法第25条の42には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の42 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第25条の42(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/25_42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法第25条の56は、社労士試験の事務に従事する連合会の役員・職員・試験委員に退任後も続く守秘義務を課し、刑法上は公務員とみなすと定める。
Q · 社労士試験の試験委員や連合会の職員は、辞めた後なら試験のことを話してもいいの?
非公開の情報は辞めた後も漏らせない
社会保険労務士法25条の56第1項は、試験事務に従事する連合会の役員・職員・試験委員だけでなく「これらの職にあつた者」にも守秘義務を課しています。退任後も、試験事務に関して知り得た非公開の秘密を漏らすことはできません。一方、公表済みの問題・正答・合格基準点は秘密に当たりません。また現職の役員・職員は第2項により刑法上の公務員とみなされ、職務に関する金品の授受には収賄罪・贈賄罪が成立しえます。
解説
社労士試験の問題を作り、採点し、合否を管理しているのは国の役所ではない。全国社会保険労務士会連合会という、社労士自身の団体である。国家試験の中枢を民間団体に任せる以上、法律は二本の鍵をかけた。第一に、試験事務に関わった役員・職員・試験委員は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。しかもこの義務は職を離れた後も消えない。第二に、試験事務に従事する役員・職員は、刑法その他の罰則の適用上「法令により公務に従事する職員」、つまり公務員とみなされる(みなし公務員:民間人だが刑法上は公務員と同じ扱いを受ける者)。結果として、試験委員に金品を渡して出題の傾向を聞き出そうとすれば、受け取った側に収賄罪(刑法197条)、渡した側に贈賄罪(刑法198条)が成立しうる。「民間団体の内部規律の問題にすぎない」という感覚は、ここでは通用しない。受験生、予備校講師、元試験委員の知人、どの立場であっても、この線がどこに引かれているかを知っていれば、口にする言葉が変わる。
法的な位置づけ
社会保険労務士法25条の56は、社会保険労務士試験の試験事務を担う全国社会保険労務士会連合会の役員・職員(試験委員を含む)およびその職にあった者に、試験事務に関して知り得た秘密の保持義務を課す規定である。あわせて現職の役員・職員を、刑法その他の罰則の適用上、法令により公務に従事する職員とみなす擬制規定を置く。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士試験の守秘義務は誰が負うの?
試験事務に従事する全国社会保険労務士会連合会の役員・職員・試験委員と、その職にあった者です。受験生自身は本条の義務の主体ではありません。
Q2社労士試験の合格基準点は秘密ですか?
公表された合格基準点・問題・正答は秘密に当たりません。秘密になりうるのは、発表前の合否情報など公表されていない試験事務上の情報です。
Q3社労士試験の試験委員にお歳暮を贈ってもいい?
避けるべきです。試験委員は刑法上公務員とみなされ、職務に関する贈り物と評価されれば贈賄罪(刑法198条)が成立しうるためです。
Q4試験事務の守秘義務は退職後いつまで続く?
期限はありません。条文が「これらの職にあつた者」と定めるため、退任から何年経っても試験事務で知り得た秘密を漏らすことは禁じられます。
Q5社労士試験の内部情報をSNSで拡散したら違法?
本条の義務を負うのは試験事務の従事者で、拡散者が直ちに本条違反となるわけではありません。ただし虚偽情報なら別の法的責任が問題になりえます。
Q6元試験委員が開く講座は違法?
講座を開くこと自体は違法ではありません。公表済み情報や一般的知見の解説は可能ですが、在任中に知った非公開情報を語れば第1項違反になりえます。
Q7社労士会連合会の職員は公務員ですか?
身分は民間団体の職員ですが、試験事務に従事する役員・職員は刑法その他の罰則の適用上「法令により公務に従事する職員」とみなされます。
Q8社労士試験の合格発表前の情報は秘密?
発表前の合否や合否判定に関する情報は、試験事務に関して知り得た秘密に当たりえます。発表とともに公表された内容は秘密ではなくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1元試験委員に過去の採点のことを聞くのって、アウトなんですか?
本条は聞く側を処罰する規定ではない。守秘義務を負うのは話す側で、第1項により退任後も続く。また、公表済みの問題・正答・合格基準点は秘密に当たらない。実務のポイント:慎重な元委員ほど、公表物の範囲でしか話さない。部分点の付け方などを具体的に語り出す講師がいたら、その講座の情報管理全体を疑う合図である
Q2連合会の職員にお礼を渡したら、本当に賄賂扱いになるんですか?
試験事務に従事する役員・職員は第2項で公務員とみなされる。職務に関する金品であれば、受け取った側には刑法197条の収賄罪、渡した側には198条の贈賄罪が成立しうる。実務のポイント:第2項が及ぶのは現職だけだが、在職中に請託を受けて不正をした場合、退職後に金品を受け取れば事後収賄(刑法197条の3第3項)が問題になる。退職後なら安全という逃げ道はない
Q3もし漏らしてしまったら、実際どれくらいの罰になりますか?
本条第1項違反には、社会保険労務士法の罰則規定で刑事罰が定められている(最新の改正状況をご確認ください)。金品が絡めば刑法197条の収賄罪となり、5年以下の拘禁刑、請託を受けていれば7年以下の拘禁刑である。実務のポイント:実務上、刑事罰より重くのしかかるのは事実上の制裁である。社労士業界は狭く、試験の秘密を漏らした人物という評判は登録後の仕事にも影響し続ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「連合会は民間団体だから、職員が謝礼を受け取っても社内処分で終わる」と思われがちだが、実際は違う。試験事務に従事する役員・職員は第2項により刑法上の公務員とみなされるため、職務に関する金品の授受には収賄罪・贈賄罪がそのまま適用されうる
- 守秘義務があること自体は誰でも想像がつく。見落とされやすいのはその長さである。条文は「これらの職にあつた者」と明記しており、退任して何年経っても義務は続く。数年後の飲み会での自慢話も、内容が非公開の試験情報なら違反になりうる
- 受験生から見れば「去年の試験の雰囲気を聞いただけ」でも、法律から見れば「試験事務に関して知り得た秘密」に触れる会話になりうる。一方で、すでに公表された問題・正答・合格基準点は秘密ではない。争点は聞いた行為ではなく、話した内容が公表済みかどうかにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 試験事務に従事する連合会の役員・職員・試験委員と、その職にあった者 | 社労士法21条:社会保険労務士と、社会保険労務士でなくなった者 |
| 保護される秘密 | 試験事務に関して知り得た秘密(漏洩の禁止) | 業務に関して知り得た秘密(漏洩・盗用の禁止) |
| 刑法上の扱い | 現職の役員・職員は罰則の適用上、公務員とみなされる(第2項) | みなし公務員規定はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は刑法総則で「委託を受けて公共事務に従事する者」を公務員と定義し、個別法ではなく一般規定で民間受託者を公務員犯罪の対象とする点が日本と異なる
中国も「依法従事公務的人員」を国家工作人員として扱う一般規定を置き、受託者による収賄を処罰対象とする
ドイツは「公行政の任務を委託された者」を Amtsträger とする一般定義により、民間受託者にも公務員収賄罪を適用する
フランスは「公役務の任務を負う者」を公務員と並べて収賄罪の主体とし、民間受託者も処罰対象とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 予備校の講師が元試験委員を勉強会に招き、「去年の採点、部分点はどこで付けていましたか」と尋ねたらどうなる? 元委員が非公開の採点実務を具体的に話せば、職を離れた後であっても第1項の守秘義務違反になりうる。それを教材に転載して販売すれば、講座の信用そのものが火種になる
- あなたは連合会の職員として合否データの入力を手伝っている。親戚の受験生から「点数だけでも先に教えて」と頼まれた。発表前に一言でも漏らせば、本条違反として罰則の対象になる。親切のつもりの一言が、あなたの職歴を終わらせる
- 合格を願って試験委員にお中元を贈った。下心は確かにあった。それだけで、あなたは贈賄罪の入口に立っている
- 合格発表まであと3日。SNS に「連合会の中の人から聞いた、今年の合格基準点は○点」という投稿が拡散している。投稿者が本物の内部者なら守秘義務違反であり、偽物ならただのデマである。リポストする前に、どちらであっても真偽不明の情報で転職や退職の計画を動かす危険を考えておきたい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 内部情報の漏洩や不正の疑いを見つけたら、投稿の URL・スクショ・日時を保存する2. 拡散に加担せず、全国社会保険労務士会連合会の試験センターと厚生労働省に情報提供する3. 試験関係者から金品を求められた場合は、やり取りを記録したうえで警察に相談する。みなし公務員による収賄(刑法197条)に当たる可能性がある4. 自分の合否に不正が影響したと考える場合は、記録を持って弁護士に相談する
訴えられた側:1. 情報を漏らした、または漏らすよう頼まれた事実に気付いたら、それ以上の発言を止め、連合会の内部窓口へ早めに申告する2. 受け取った金品はすぐに返還し、返還の記録を残す3. 捜査が始まったら、供述の前に弁護士へ相談する4. 話した内容がすでに公表されていた情報かどうかは重要な争点になるため、公表資料と照らし合わせて整理しておく
時効(請求できる期限):本条自体には時効の定めがない。守秘義務は退職後も期限なく続く。違反した場合の刑事責任は公訴時効(刑事訴訟法250条)に服し、期間は法定刑によって決まる。収賄罪(刑法197条1項前段、5年以下の拘禁刑)なら5年。本条第1項違反の罰則に対応する時効は、社会保険労務士法の罰則規定の法定刑に従う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:みなし公務員規定は、民間人の身分を変えるものではなく、罰則の適用場面に限って刑法上の公務員概念を拡張する擬制である。これにより収賄罪・贈賄罪・公務執行妨害罪などの公務員関連犯罪が適用可能となる
一般的理解:守秘義務の対象となる「秘密」は、一般に知られておらず、秘匿することに実質的な利益がある事項と解されるのが一般的である。公表済みの問題・正答・合格基準点はこれに当たらない
- 社会保険労務士法 第10条の2連合会への試験事務委託の根拠(現行効力を要確認)
- 社会保険労務士法 第21条社労士本人の秘密保持義務との対比
- 刑法 第197条みなし公務員に適用される収賄罪
- 刑法 第198条試験事務従事者への贈賄罪
- 刑法 第95条試験事務妨害への公務執行妨害罪の適用
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める