社会保険労務士法 第2条の2
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- 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。
- 2.前項の陳述は、当事者又は代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 社会保険労務士法第2条の2は、日本の社会保険労務士法に含まれる条文です。
- 社会保険労務士法第2条の2の条文原文は「社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士で…」で始まります。
- 社会保険労務士法第2条の2は第一章 総則に置かれています。
- 社会保険労務士法の公布日は昭和43年6月3日です。
- 社会保険労務士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 社会保険労務士法第2条の2の前の条は社会保険労務士法第2条です。
- 社会保険労務士法第2条の2の次の条は社会保険労務士法第3条です。
- 社会保険労務士法第2条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第2条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089 - 本サイト収録
社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第2条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC1000000089/2_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点社会保険労務士法第2条の2は、社労士が労務・社会保険の事項について、弁護士である代理人とともに裁判所に出頭し、補佐人として陳述できると定める。
Q · 社労士に裁判へ一緒に出てもらって、法廷で説明してもらうことはできる?
弁護士の代理人と一緒なら補佐人として陳述できる
社会保険労務士法第2条の2により、社労士は労務管理や労働社会保険に関する事項について、弁護士である訴訟代理人とともに裁判所に出頭し、補佐人として陳述できます。民事訴訟法60条の一般の補佐人と異なり裁判所の許可は不要と解されています。ただし単独での出頭や本人訴訟での利用はできず、陳述は当事者本人の陳述とみなされるため、不用意な発言は代理人が直ちに取り消さない限り自白として扱われうる点に注意が必要です。
解説
労働裁判で最も手薄になりやすいのは、法律論ではなく現場の数字である。就業規則の変更経緯、36協定の届出、割増賃金の計算式、標準報酬月額の決まり方。弁護士はこうした論点を一から調べ直すことが多いが、社会保険労務士はこれを日常業務として扱っている。本条は平成26年(2014年)改正で新設され、社労士が「補佐人」として法廷に立てるようにした。ただし条件が二つある。第一に、単独では出頭できず、弁護士である訴訟代理人と一緒に出頭する必要がある。第二に、陳述できる範囲は労務管理と社会保険に関する事項に限られる。また、民事訴訟法60条の一般の補佐人と違い、裁判所の許可は要らない。注意したいのは第2項である。社労士の陳述は当事者本人が述べたものとみなされる。弁護士がその場で直ちに取り消すか訂正しない限り、不用意な一言がそのままあなたの主張として確定する。補佐人を入れる手が持つ力も危うさも、この2項に集約されている
法的な位置づけ
社会保険労務士法第2条の2は、社会保険労務士の補佐人制度を定める規定である。社会保険労務士は、労務管理その他の労働に関する事項および労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項に限り、弁護士である代理人とともに裁判所へ出頭して陳述することができ、その陳述は当事者または代理人が自らしたものとみなされる。
よくある質問 AI による整理
Q1社労士の補佐人とは?
社労士が弁護士である訴訟代理人とともに裁判所へ出頭し、労務管理や労働社会保険に関する事項について陳述できる制度です(社会保険労務士法2条の2)。
Q2社労士の補佐人制度はいつから始まった?
平成26年(2014年)の社会保険労務士法改正で新設され、平成27年(2015年)4月1日から施行されています。
Q3補佐人になれるのは特定社労士だけ?
条文上の主体は「社会保険労務士」であり、ADR代理を行う特定社会保険労務士に限られません。登録を受けた社労士であれば補佐人として出頭できます。
Q4簡易裁判所の事件でも社労士補佐人は使える?
条文は「裁判所において」としていますが、「弁護士である代理人とともに」出頭することが要件です。認定司法書士が代理人の事件や本人訴訟では使えません。
Q5労災の不支給決定の取消訴訟でも社労士補佐人は使える?
労災保険は労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項にあたるため、弁護士の代理人がいれば社労士が補佐人として陳述できます。
Q6社労士補佐人の報酬はいくら?
法令で報酬額は決まっておらず、社労士との個別契約で定めます。弁護士費用とは別にかかることが多いため、依頼前に見積もりを取るのが安全です。
Q7相手方にも社労士の補佐人が付くことはある?
あります。原告側・被告側を問わず利用できる制度です。相手方の社労士の陳述も相手方当事者の陳述とみなされるため、その発言は反論材料になります。
Q8社労士補佐人は控訴審でも出頭できる?
条文は審級を限定しておらず「裁判所において」と定めています。控訴審でも、弁護士である代理人とともにであれば出頭・陳述が可能と考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社労士さんに裁判を全部お願いすることってできないの?
できない。訴訟代理は原則として弁護士の仕事であり、社労士は本条により弁護士と一緒に出頭する補佐人として陳述できるだけである。ただし特定社労士は個別労働紛争の ADR で代理ができる(社会保険労務士法2条1項1号の4以下)。実務のポイント:訴訟に進む前に ADR の段階で特定社労士と一緒に解決を探ると、弁護士費用をかけずに済むことがある
Q2補佐人に出てもらうのに、裁判所の許可っているんですか?
本条による社労士の補佐人には許可は不要と解されている。民事訴訟法60条の一般の補佐人が裁判所の許可を要するのとは異なる。実務のポイント:許可が不要でも、事前に裁判所と相手方へ補佐人の出頭を伝えておくと期日進行が円滑になる。労働審判手続でも使えるかについては、実務上解釈が分かれているので、個別に確認する
Q3社労士が法廷で言い間違えたら、こっちが不利になる?
なりうる。本条2項により、その陳述は当事者または代理人がしたものとみなされる。代理人弁護士が直ちに取り消すか訂正すれば効力は生じないが、時間がたつと難しくなる。実務のポイント:経験のある弁護士は、社労士の役割を数字と制度の説明に限定し、事実の認否は自分が答える分担を事前に決めておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「社労士は裁判に出られない」と思われがちだが、本条の補佐人として出頭し陳述できる。逆に「社労士に訴訟を任せられる」というのも誤りである。代理人にはなれず、弁護士と一緒に出頭する補佐人にとどまる。できることの上限と下限を両方とも取り違えている人が多い
- 「社労士が法廷で話すのは参考意見だろう」という見方は前提から誤っている。第2項により、その陳述は当事者または代理人が自ら述べたものとみなされる。参考意見ではなく、あなたの主張そのものである。事実を認める発言をすれば、自白として不利に働きうる
- 依頼者から見れば、社労士は顧問として何でも知っている頼れる存在である。しかし法律の目で見ると、補佐人として陳述できるのは労務管理と労働社会保険に関する事項に限られ、それ以外の法律論を補佐人の立場で述べる根拠は本条にない。この認識の差を埋めておかないと、期日当日に役割分担が崩れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 活動の場 | 社労士法2条の2:裁判所(訴訟) | 社労士法2条1項1号の4以下:個別労働紛争のADR手続 民事訴訟法60条:裁判所(訴訟一般) |
| 立場 | 補佐人(弁護士である代理人とともに出頭) | 特定社労士による代理(一定の範囲で単独可) 一般の補佐人(当事者・代理人とともに出頭) |
| 裁判所の許可 | 不要と解される | 該当なし(ADR機関での手続) 必要 |
| 対象事項 | 労務管理等の労働に関する事項・労働社会保険に関する事項 | 個別労働関係紛争(紛争の目的価額による制限あり) 限定なし |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は労働事件で労働者が工会等の選任した者を輔佐人として同伴できる特則を置き、一般の輔佐人は審判長の許可を要する。士業資格に結びつけた日本の方式とは設計が異なる
ドイツは労働裁判所で労働組合・使用者団体の代表による訴訟追行を認め、専門団体が直接手続に関与する構造をとる
フランスは労働審判所(conseil de prud'hommes)で組合系の défenseur syndical が当事者を補佐・代理できる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 残業代請求で訴えられた中小企業の社長。顧問弁護士は労働時間の計算方法と固定残業代の有効性で苦戦している。顧問社労士を補佐人として同席させれば、賃金台帳と勤怠記録の矛盾をその場で説明できる。書面のやり取りで何か月も空回りしていた論点が、一回の期日で動くことがある
- 労災の不支給決定に納得できず、取消訴訟を起こしたいとしたら、障害等級や業務起因性の資料を誰が読み解くのか? 原処分から審査請求まで伴走してきた社労士が、補佐人として訴訟でも引き続き陳述できる。事情を知る人が交代しないことの価値は大きい
- あなたは会社側の社労士として補佐人で出頭した。尋問の流れで「たしかに休憩は実際には取れていなかった」と口にしてしまう。代理人弁護士がその場で取り消さなかったため、会社の自白として扱われうる。帰りの電車で青ざめても、もう遅い
- 第一回期日まであと10日。依頼した弁護士は労働事件の経験が少なく、社会保険の資格喪失日をめぐる論点を理解していない。今から社労士を補佐人として加えれば、裁判所の許可申請を待たずに次の期日から同席させられる
- 本人訴訟で戦っている従業員が、知り合いの社労士に「隣に座って説明してほしい」と頼んだ。本条では無理である。弁護士の代理人がいないため、本条の補佐人にはなれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 労働者側で未払賃金や労災の訴訟を起こすなら、まず弁護士を代理人に立てる。本人訴訟では本条を使えない2. 計算や社会保険の資格をめぐる論点が多い場合、事情に詳しい社労士を補佐人に加えるよう弁護士に提案する3. 出頭前に三者で陳述範囲を確認し、事実を認める発言は弁護士の判断を経る取り決めにしておく4. 社労士の報酬は弁護士費用とは別にかかることが多いので、事前に見積もる
訴えられた側:1. 会社側で訴えられたら、給与計算や就業規則を担当してきた社労士に補佐人を依頼できるか確認する2. 補佐人の陳述は会社の主張とみなされる(本条2項)ため、勤怠管理の不備など不利な事実の扱いは弁護士と事前に方針を決める3. 期日に不用意な発言があれば、代理人弁護士がその場で直ちに取り消すか訂正する4. 相手方の社労士の陳述にも同じ効力があるため、その発言は記録して反論の材料にする
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお、賃金請求権は当分の間3年(労働基準法115条、143条3項)、労災保険給付の不支給決定に対する取消訴訟の出訴期間は原則として処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)である(最新の改正状況をご確認ください)。第2項の取消し・更正は陳述後「直ちに」でなければ効力がない
学説
実務上の一般的理解:本条の補佐人は民事訴訟法60条の一般補佐人と異なり裁判所の許可を要しないと解される。他方、陳述範囲は労務管理・労働社会保険の事項に限られ、事実の認否等は代理人弁護士が統制すべきとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(平成27年4月1日施行) 社会保険労務士法の一部を改正する法律により新設。社労士が弁護士である代理人と一緒に、裁判所で補佐人として出頭し陳述できる制度を設けた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:社会保険労務士法の一部を改正する法律により新設(平成27年4月1日施行)。社労士が弁護士である代理人とともに補佐人として出頭・陳述できる制度を設けた
- 社会保険労務士法 第2条社労士の業務範囲の基本規定
- 社会保険労務士法 第1条制度目的、労働者等の福祉向上
- 社会保険労務士法 第27条非社労士の業務制限
- 民事訴訟法 第60条一般補佐人は裁判所の許可が必要
- 税理士法 第2条の2税理士の補佐人制度、同型の先行例
- 弁理士法 第5条弁理士の補佐人制度、同型規定
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