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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

水質汚濁防止法 第20条

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前条第一項に規定する損害が二以上の事業者の有害物質の汚水又は廃液に含まれた状態での排出又は地下への浸透により生じ、当該損害賠償の責任について民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条第一項の規定の適用がある場合において、当該損害の発生に関しその原因となつた程度が著しく小さいと認められる事業者があるときは、裁判所は、その者の損害賠償の額を定めるについて、その事情をしんしやくすることができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 水質汚濁防止法第20条は、日本の水質汚濁防止法に含まれる条文です。
  2. 水質汚濁防止法第20条の条文原文は「前条第一項に規定する損害が二以上の事業者の有害物質の汚水又は廃液に含まれた状態での排出又は地下への浸透により生じ、当該損害賠償の責任について民法(明治二十九年法…」で始まります。
  3. 水質汚濁防止法第20条は第四章 損害賠償に置かれています。
  4. 水質汚濁防止法の公布日は昭和45年12月25日です。
  5. 水質汚濁防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 水質汚濁防止法第20条の前の条は水質汚濁防止法第19条です。
  7. 水質汚濁防止法第20条の次の条は水質汚濁防止法第20条の2です。
  8. 水質汚濁防止法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第20条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138
  • 本サイト収録水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000138/20

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点水質汚濁防止法20条は、複数事業者の排水等で健康被害が生じ民法719条の連帯責任が及ぶ場合に、原因への寄与が著しく小さい事業者の賠償額を裁判所がしんしゃくできると定める。

Q · 汚染への関与がごくわずかな会社でも、全額を賠償しないといけないの?

原則は連帯で全額。ただし裁判所が減額を考慮できる

水質汚濁防止法19条の健康被害が複数事業者の排出・地下浸透で生じた場合、民法719条1項により各事業者は損害全額について連帯責任を負うのが原則です。同法20条は、原因となった程度が「著しく小さい」事業者について、裁判所が賠償額を定める際にその事情をしんしゃくできると定めます。減額するかどうかは裁判所の裁量で、責任がゼロになるわけではなく、他の事業者の連帯責任はそのまま残ります。

解説

工場の排水で健康被害が出たとき、被害者は民法709条の「過失の立証」をしなくてよい。水質汚濁防止法19条が、有害物質の排出や地下浸透で人の生命・身体を害した事業者に無過失責任(落ち度がなくても賠償する責任)を課しているからだ。原因が複数の工場にまたがる場合は、民法719条1項の共同不法行為(複数の加害者が一緒に全額を負う仕組み)により、各社が損害全額について連帯して責任を負うのが原則になる。本条はその原則に一つだけ調整を加える。原因への関与の程度が「著しく小さい」事業者については、裁判所が賠償額を決める際にその事情を考慮できる。ここで押さえておきたいのは三点だ。考慮するかどうかは裁判所の裁量で、減額は自動ではない。考慮されても責任が消えるわけではない。そして減額されるのはその小口事業者の負担だけで、主な原因者に全額を請求する道は残る。被害者は請求の順番を、事業者は証拠の準備を、この条文を前提に組み立てることになる。

法的な位置づけ

水質汚濁防止法20条は、事業者の無過失責任(同法19条)による人の生命・身体の損害が複数事業者の有害物質の排出又は地下浸透により生じ、民法719条1項が適用される場合において、原因となった程度が著しく小さい事業者の損害賠償額の算定に際し、裁判所がその事情をしんしゃくすることを認める規定である。

よくある質問 AI による整理

Q1水質汚濁防止法20条とは?

複数の事業者が原因の健康被害で、寄与が著しく小さい事業者の賠償額を裁判所が考慮して調整できると定めた規定です。免責ではなく、減額の余地を認めるものです。

Q2共同不法行為で寄与度減責はできる?

民法719条だけでは原則として各自が全額の連帯責任です。水質汚濁防止法20条や大気汚染防止法25条の2のように、特別法で寄与度の考慮を明文化した例があります。

Q3しんしゃくとはどういう意味?

事情を考慮して加減することです。本条では、裁判所が事業者の関与の小ささを考慮して賠償額を定められるという意味で、必ず減額される義務ではありません。

Q4水質汚濁防止法の無過失責任 誰が対象?

有害物質を含む汚水や廃液を排出し、または地下に浸透させた事業者です(19条)。工場だけでなく、有害物質を扱うクリーニング店やメッキ業者なども対象になりえます。

Q5著しく小さいとはどの程度?

条文に数値基準はなく、事案ごとの裁判所の判断です。単に被告の中で一番小さいというだけでは足りず、他の事業者と比べて明らかに小さいことを示す必要があります。

Q6地下水汚染 健康被害 誰に請求できる?

有害物質を排出・地下浸透させた事業者に、19条の無過失責任で請求できます。原因者が複数なら連帯責任となるため、資力のある事業者を含めて請求するのが基本です。

Q7寄与度減額されたら被害者の賠償はどうなる?

減るのは寄与が小さい事業者の負担分だけです。他の事業者は引き続き損害全額について連帯して責任を負うため、被害者はそちらから回収を図れます。

Q8工場の排水記録は何年保存すべき?

法令上の保存義務とは別に、健康被害は潜伏期間が長く訴訟が数十年後になることもあります。寄与度を立証する材料になるため、長期保存を検討する価値があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちの排出量が全体の5% だったら、賠償も5% で済むんですか?

そうはならない。本条は裁判所が「しんしゃくすることができる」と定めるだけで、寄与率に比例して機械的に割り付ける仕組みではない。しかも要件は寄与が「著しく小さい」ことで、どこからがそれに当たるかは事案ごとの判断になる。実務のポイント:寄与度の議論は鑑定結果に大きく左右される。どの物質を、どの期間、どう比較するかという鑑定の設計に早い段階から関われたかどうかで、結論が変わることがある

Q2工場の排水で魚が全滅しました。この条文の枠組みで請求できますか?

19条の無過失責任は人の生命・身体の被害に限られるので、漁業被害のような財産被害には使えない。原則どおり民法709条・719条で、事業者の過失から立証することになる。実務のポイント:同じ汚染でも健康被害と財産被害とで請求の土台が分かれる。被害者側の代理人は、健康被害者の訴訟で得られた原因調査の成果を財産被害の立証に転用する組み立てを考える

間違えやすい点 AI による整理

  • 「関与がわずかなら責任はゼロになる」と考えるのは誤りだ。本条が認めているのは賠償額を定めるときの「しんしゃく」(考慮して加減すること)であって、免責ではない。しかも「著しく小さい」ことが要件で、単に一番小さいだけでは足りない
  • 本条があると被害者の取り分が削られる、と心配する被害者は多い。見方を変えると、減額されるのは寄与の小さい事業者の負担だけだ。他の事業者は引き続き全額について連帯責任を負うので、資力のある主な原因者を被告に入れておけば回収額は実質的に守られる
  • 「うちは一番排出量が少ないから大丈夫」と構える事業者は、この条文の厳しさを見くびっている。前提になる19条は過失が要らない無過失責任で、落ち度がないという言い分は最初から通らない。残る防御は寄与度を数字で示すことくらいで、その記録を捨てていれば主張する材料がない
  • 漁場の被害や農作物の被害でもこの枠組みが使えるという前提で考えると、そこで道を誤る。19条の無過失責任は人の生命・身体への被害に限られる。財産被害は原則どおり民法709条・719条で過失の立証から始めることになる
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割20条:寄与が著しく小さい事業者の賠償額をしんしゃく19条:有害物質による健康被害の無過失責任
20条の2:天災等の不可抗力が競合した場合のしんしゃく
適用される場面二以上の事業者が原因で民法719条1項が適用される場合事業者の排出・地下浸透で人の生命・身体が害された場合
損害の発生に天災その他の不可抗力が競合した場合
効果裁判所の裁量で減額の余地。免責ではない過失の立証なしに賠償責任が成立
裁判所の裁量で賠償額の算定に考慮

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
民法第185条

台湾は共同不法行為で連帯責任を負うのが原則で、環境汚染について寄与度による減額を明文化した一般規定は確認できていない

韓国
환경정책기본법 제44조

韓国は環境汚染被害について原因者の無過失責任を定め、原因者が複数の場合の連帯責任を規定する

中国
民法典 第1231条

中国は二人以上の汚染者の責任の大きさを、汚染物の種類・濃度・排出量等で確定する方式を採る

アメリカ
CERCLA 42 U.S.C. § 9607

米国は浄化費用について連帯責任を原則とし、損害が可分であることを立証すれば責任の配分を求める余地がある

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 工業団地の井戸水からトリクロロエチレンが検出され、住民に健康被害が出た。団地内の五社に排出歴がある。被害者側は五社をまとめて訴え、うち一社が「うちの排出量は全体の1% 未満だ」と本条を主張してきた。この主張で請求額全体が減るわけではない。資力のある大口排出者を被告に残しておけば回収の道は閉ざされない
  • もし、あなたの会社が30年前に小さなメッキ工程で少量の廃液を地下浸透させていて、今になって周辺住民の健康被害訴訟の被告に名を連ねたら? 連帯責任のまま全額を背負うか、寄与の小ささを立証して減額を狙うか。勝負を分けるのは、当時の排出量を示す記録が社内に残っているかどうかだ
  • 町のクリーニング店の二代目。先代の頃のテトラクロロエチレンの扱いを巡り、近くの化学工場と一緒に訴えられた。店の資料は倉庫の段ボールにしかない
  • 第一回口頭弁論まであと三週間。被告事業者の法務担当として、排水記録、行政への届出、水質測定データを集めなければならない。寄与度の主張は数字で裏付けられなければ、裁判所が考慮する材料にならない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 健康被害の医療記録と、井戸水・河川水の検査結果を確保する2. 保健所や自治体に水質調査の記録を照会し、排出の可能性がある事業者をすべて洗い出す3. 19条の無過失責任を使えば過失の立証は不要。争点は因果関係と損害に絞られる4. 資力のある主な原因者を必ず被告に含める。小口事業者が本条で減額されても、他の被告に全額を請求できる

訴えられた側:1. 過去の排水記録、届出書類、水質測定データ、有害物質の購入量・使用量を即座に保全する2. 19条は無過失責任なので、落ち度がないという反論に頼らない3. 他社と比べて自社の寄与が「著しく小さい」ことを数値で示す鑑定を検討する4. 減額されても責任はゼロにならない前提で、他の被告への求償と和解の案を同時に練る

時効(請求できる期限):消滅時効は民法の規定による。人の生命・身体の侵害は損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)、不法行為の時から20年(同724条2号)。潜伏期間の長い健康被害では、20年の起算点を損害発生時とした判例(最判平成16.4.27)がある。水質汚濁防止法上の時効の特則の有無と現行文言は要確認(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 昭和47年(1972年) 大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部改正で、無過失責任(19条)とあわせて設けられたと考えられる。その後の地下浸透規制の導入に伴う文言改正の有無と時期は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.昭和45年(1970年) 新設:水質汚濁防止法制定(昭和45年法律第138号)。工場・事業場からの排水規制を中心とする法律として成立
  2. 2.昭和47年(1972年) 改正:大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部改正により、健康被害の無過失責任(19条)とあわせて損害賠償に関する規定が整備されたとされる。現行文言の確定時期は要確認

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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