雇用保険法 第1条(目的)
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雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合並びに労働者が子を養育するための休業及び所定労働時間を短縮することによる就業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、雇用保険法第1条に定められた規定で、「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合並び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第1条(目的)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第1条の条文原文は「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合並び…」で始まります。
- 雇用保険法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第1条の次の条は雇用保険法第2条です。
- 雇用保険法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法1条は、失業・雇用継続困難・教育訓練・育児休業および育児時短就業の四類型に給付を行い、労働者の生活と雇用の安定、就職促進、失業の予防を図ることを目的と定める。
Q · 雇用保険って、失業したときの手当だけの制度ですか?
違います。育児・介護・教育訓練の給付も同じ制度です
雇用保険法1条は、雇用保険が四つの場面で給付を行うと定めています。失業したとき、雇用の継続が困難になったとき(60歳以降の賃金低下や家族の介護)、自ら職業に関する教育訓練を受けたとき、そして子を養育するために休業または所定労働時間を短縮して就業したときです。さらに同条後段は、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大、労働者の能力の開発および向上を掲げ、事業主が受け取る助成金(雇用保険二事業、法62条)の法的な出発点にもなっています。
解説
毎月の給与から天引きされている雇用保険料。その見返りを「クビになったときの失業手当」だと理解しているなら、受け取れるはずの給付を取り逃がしている。第1条が並べる柱は四本ある。失業したときの給付、雇用の継続が困難になったとき(60歳以降の賃金低下、家族の介護)の給付、自分の意思で教育訓練を受けたときの給付、そして子を育てるために休業した、あるいは所定労働時間を短縮して働いたときの給付。最後の「所定労働時間を短縮することによる就業」は令和6年(2024年)改正で書き加えられ、令和7年(2025年)4月に育児時短就業給付として動き出したばかりの新しい柱だ。さらに条文後段は「失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大」を掲げる。ここがあなたの勤務先が受け取る雇用調整助成金やキャリアアップ助成金の法的な出発点である。あなたが払った保険料は、あなたが失業した後だけでなく、あなたを失業させないために会社側へも流れている。
法的な位置づけ
雇用保険法1条は同法の目的規定であり、失業、雇用継続の困難、自発的な教育訓練の受講、育児のための休業および所定労働時間を短縮した就業という四つの事由に対する給付を定めるとともに、労働者の生活および雇用の安定、就職の促進、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大、労働者の能力の開発および向上を法の目的として列挙する。
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険法1条は何を定めていますか?
雇用保険の目的規定です。失業、雇用継続困難、教育訓練、育児のための休業・時短就業という四類型への給付と、失業の予防や雇用機会の増大を目的として掲げています。
Q2雇用保険の給付には何種類ありますか?
1条が掲げる柱は失業関係、雇用継続関係、教育訓練関係、育児関係の四つです。具体的な給付の種類は法10条以下に列挙され、育児休業給付は失業等給付から独立しています。
Q3育児時短就業給付とは何ですか?
子を養育するため所定労働時間を短縮して働いた場合の給付です。令和6年(2024年)改正で1条の目的に書き加えられ、令和7年(2025年)4月から運用されています。
Q4雇用保険は自己都合退職でももらえますか?
もらえます。受給資格を満たせば自己都合でも基本手当は支給されます。ただし給付制限の期間が付き、所定給付日数も会社都合より短くなるのが一般です。
Q5雇用保険の時効は何年ですか?
失業等給付を受ける権利は2年で時効消滅します(法74条)。基本手当の受給期間は離職日の翌日から原則1年で、延長事由があれば申請により延長できます(法20条)。
Q6教育訓練給付は誰が使えますか?
支給要件期間を満たす被保険者および離職後一定期間内の人が対象です。在職中でも使え、離職日の翌日から1年以内に受講を開始すれば独立した人でも利用できる場合があります。
Q7雇用調整助成金は雇用保険と関係ありますか?
関係します。1条後段の「失業の予防」を受けた雇用保険二事業(法62条)が法的根拠で、財源は事業主のみが負担する保険料です。労働者向け給付とは別会計で動きます。
Q8雇用保険料は何に使われていますか?
労働者と事業主が負担する分は失業等給付や育児休業給付などの給付に、事業主のみが負担する分は雇用安定事業・能力開発事業の助成金に充てられます。根拠は1条の目的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1パートでも雇用保険って入れるんですか?
週の所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば、パート・アルバイトでも加入は義務である(法第6条)。本人が希望しなくても事業主に届出義務がある。実務のポイント:令和6年(2024年)改正で、令和10年(2028年)10月から週10時間以上へ適用が拡大される予定である。今は対象外の短時間勤務者も、数年後には給付の対象になる(最新の改正状況をご確認ください)
Q2会社が雇用保険に入れてくれてなかったみたいなんですが、もう手遅れですか?
手遅れではない。本人はいつでもハローワークに被保険者資格の確認を請求できる(法第8条)。遡及は原則2年前までだが、給与明細に雇用保険料の控除記録があれば2年を超えて遡って加入が認められる。実務のポイント:この2年超えの遡及は給与明細や賃金台帳の存在が生死を分ける。退職時に明細を全部捨てた人が、証拠不足で数十万円分の被保険者期間を失っている
Q3失業手当をもらいながら資格の勉強をしてもいいんですか?
問題ない。自費で受ける講座への教育訓練給付は失業等給付とは別枠であり(法第60条の2)、基本手当と並行して受けられる。ハローワークの指示による公共職業訓練を受講する場合は、給付制限が解除され訓練期間中は給付が延長される(法第24条)。実務のポイント:厚生労働省が公開している雇用保険に関する業務取扱要領には、窓口職員が実際に使う判断基準がそのまま載っている。誰でも読めるのに、ほぼ誰も読まない
間違えやすい点 AI による整理
- 自己都合退職だと給付開始が遅れることは知られている。だが、その遅れを自分の手で消せることまでは知られていない。令和7年(2025年)4月以降、離職期間中または離職日前1年以内に自ら教育訓練を受けた者は、自己都合でも給付制限が解除される。制度を知っている人だけが、待たずに受け取る(最新の改正状況をご確認ください)
- 「雇用保険はいくらもらえるのか」という問いの立て方そのものがずれている。もらえる額ではなく、どの給付かで要件も窓口も時効も別物になる。基本手当は離職前2年間に被保険者期間12か月以上(法第13条)、教育訓練給付は支給要件期間が原則3年以上、育児休業給付はさらに別ルール。ひとつの表で判定できると思った瞬間、間違った窓口に並ぶことになる
- あなたから見れば「会社が雇用保険に入れてくれなかった」だが、法律から見れば被保険者資格は要件を満たした時点で当然に発生しており、事業主の届出は確認手続にすぎない。この落差を知らないまま、本来受け取れた給付を諦める人がいる。本人はいつでも資格の確認を請求できる(法第8条)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 1条:雇用保険の目的を宣言し、どの給付が存在するかを列挙する | 10条:失業等給付の種類を具体的に定める 13条:基本手当の受給資格要件(離職前2年間に被保険者期間12か月以上)を定める |
| 個人の権利との距離 | 直接に給付請求権を生じさせず、解釈と制度設計の指針として働く | どの給付を名指しで請求できるかを確定する 個別の受給資格の有無を判定する |
| 実務での使いどころ | 窓口で「失業手当以外に該当する給付はないか」を洗い出す起点 | 使える給付メニューの一覧確認 被保険者期間の計算と離職票の確認 |
| 改正時の動き方 | 新しい給付が生まれるたびに文言が伸びる(令和6年に育児時短就業を追加) | 給付の追加・再編に応じて種類が入れ替わる 要件の緩和・厳格化として改正される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2002年に労工保険から就業保険を分離独立させ、失業給付・職業訓練生活手当・育嬰留職停薪津貼などを一本の法律に束ねた。給付と雇用政策を同一法に置く構造は日本の雇用保険法に近い
韓国は1993年制定・1995年施行。失業給付に加え雇用安定事業・職業能力開発事業を持つ三本柱構造で、日本の雇用保険二事業に相当する枠組みを明確に条文化している
ドイツは失業保険を社会法典第3編の労働促進法制に組み込み、給付より先に就労促進と失業の回避を目的として掲げる。1927年の失業保険法が日本の失業保険法の源流にあたる
米国は連邦が税制と最低基準を定め、給付の要件・水準・期間は各州法が決める分権型。育児休業給付や教育訓練給付を同一制度に含めない点で日本と構造が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし今日、上司から退職勧奨を受けたとしたら? 自分から辞表を書くか、会社都合として離職票を書いてもらうかで、無収入期間の長さが変わる。令和7年(2025年)4月から自己都合の給付制限は原則1か月に短縮されたが、会社都合ならゼロである(最新の改正状況をご確認ください)。退職届の文言を決める数日間が、そのまま数十万円の差になる
- 育休から復帰して時短勤務に切り替えた。手取りは2割落ちた。その落ち込みを埋める給付が令和7年(2025年)4月から動いている
- あなたが小さな会社の経営者で、週20時間以上働くパートの加入手続を「本人が要らないと言ったから」と省略していた。被保険者資格は本人の同意ではなく要件充足で発生する。本人がハローワークに確認請求をすれば、遡って加入させられ、未納保険料をまとめて請求される側に立つのはあなたである
- 退職から11か月。転職活動が長引き、そろそろ諦めかけている。受給期間は離職日の翌日から1年で切れる(法第20条)。残り1か月を切ったら、所定給付日数が残っていても支給は止まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 離職票が届いたら離職理由欄を真っ先に確認し、実態と違えば本人記入欄に異議を明記して提出する2. 給与明細を最低2年分保管、雇用保険料の控除欄が加入の証拠になる3. 加入漏れが疑われるなら、ハローワークに被保険者資格の確認請求(法第8条)を出す4. 失業給付だけでなく、教育訓練給付・育児休業給付・介護休業給付・高年齢雇用継続給付のどれに該当するかを窓口で名指しで確認する
訴えられた側:1. 事業主側なら、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みという加入要件(法第6条)で全従業員を洗い直す。本人の同意不同意は要件ではない2. 未加入が判明したら自主的に遡及届出を行う。指摘されてからでは追徴の扱いが重くなる3. 離職理由の記載は事実に基づいて行う。虚偽記載は不正受給への関与と評価されうる4. 助成金申請中の場合、未加入の発覚は不支給や返還につながるため、順序として加入是正を先に行う
時効(請求できる期限):失業等給付を受ける権利は2年で時効消滅する(法第74条)。基本手当の受給期間は離職日の翌日から1年(法第20条、所定給付日数330日以上の者は加算あり、病気・出産・育児等の事情があれば最大4年まで延長申請可)。被保険者資格の確認請求自体はいつでも可能だが、遡及加入は原則2年前まで。ただし給与から雇用保険料が控除されていた事実を確認できる場合は2年を超えて遡及しうる
学説
通説:目的規定である1条は、それ自体が具体的な給付請求権を生じさせるものではないが、個別の給付規定や施行規則・行政実務の解釈にあたり、給付が再就職の促進および雇用の安定という目的に資するかという指針として機能すると解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和49年(1974年)制定 失業保険法を全面的に改め、失業後の給付だけでなく失業の予防・雇用機会の増大・能力開発を目的に取り込んだ雇用保険法として新設された
- 平成6年(1994年)改正 雇用継続給付(高年齢雇用継続給付・育児休業給付)の創設に伴い、「雇用の継続が困難となる事由が生じた場合」の給付が目的に加わった
- 平成10年(1998年)改正 教育訓練給付の創設に伴い、「労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合」の給付が目的に書き込まれた
- 令和2年(2020年)改正 育児休業給付を失業等給付から独立させ、「子を養育するための休業」をした場合の給付を目的規定上も独立の柱として明記した
- 令和6年(2024年)改正、令和7年(2025年)4月1日施行 育児時短就業給付の創設に伴い、「所定労働時間を短縮することによる就業をした場合」の給付が目的に追加された。同時期に自己都合離職者の給付制限短縮、教育訓練による給付制限解除も導入されている
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:失業保険法を全面的に改め、失業後の給付だけでなく失業の予防・雇用機会の増大・能力開発を目的に取り込んだ雇用保険法として制定された
- 2.平成6年(1994年) 改正:雇用継続給付(高年齢雇用継続給付・育児休業給付)の創設に伴い、雇用の継続が困難となる事由が生じた場合の給付が目的に加わった
- 3.平成10年(1998年) 改正:教育訓練給付の創設に伴い、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合の給付が目的に書き込まれた
- 4.令和2年(2020年) 改正:育児休業給付を失業等給付から独立させ、子を養育するための休業をした場合の給付を目的規定上も独立の柱として明記した
- 5.令和6年(2024年) 改正:育児時短就業給付の創設に伴い、所定労働時間を短縮することによる就業をした場合の給付が目的に追加された(令和7年4月1日施行)
- 雇用保険法 第4条失業・被保険者・賃金の定義規定
- 雇用保険法 第10条失業等給付の種類の具体的列挙
- 雇用保険法 第13条基本手当の受給資格要件
- 雇用保険法 第62条雇用安定事業、助成金の法的根拠
- 雇用保険法 第74条給付請求権の2年時効
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第1条保険料の徴収手続を一元的に規律
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第5条育児休業の権利本体、給付は本法が担う
- 職業安定法 第1条職業紹介と求職活動支援の基盤法
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