民事執行法 第19条の2(電子情報処理組織による申立て等)
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- 民事執行の手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によつて認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。次項及び第四項において同じ。)をもつてするものとされているものであつて、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。
- 2.前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもつてするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもつてされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。
- 3.第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。
- 4.第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。
- 5.第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。
- 6.第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律その他の法令の規定による事件の記録の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付は、前項の書面をもつてするものとする。当該申立て等に係る書類の送達又は送付も、同様とする。
この条文の基本情報
電子情報処理組織による申立て等とは何ですか?
定義電子情報処理組織による申立て等とは、民事執行法第19条の2に定められた規定で、「民事執行の手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第19条の2(電子情報処理組織による申立て等)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第19条の2の条文原文は「民事執行の手続における申立てその他の申述(以下この条において「申立て等」という。」で始まります。
- 民事執行法第19条の2は第一章 総則に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第19条の2の前の条は民事執行法第19条です。
- 民事執行法第19条の2の次の条は民事執行法第19条の3です。
- 民事執行法第19条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第19条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第19条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/19_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法19条の2は、最高裁判所の定める裁判所に対する執行手続の申立て等を電子情報処理組織で行えると定める。オンライン申立ては裁判所のファイルに記録された時に到達したものとみなされる。
Q · 差押えの申立て、ネットで出せるの?出した瞬間に届いたことになる?
指定裁判所ならオンライン可。到達は記録された時
民事執行法19条の2第1項により、最高裁判所の定める裁判所に対する申立て等は、最高裁判所規則の定めるところにより電子情報処理組織を用いて行えます。第2項でその申立ては書面等でされたものとみなされ、第3項で裁判所の電子計算機のファイルに記録された時に到達したものとみなされます。送信ボタンを押した時刻ではなく記録時が基準です。第4項により署名押印に代えて氏名を明らかにする措置で足ります。ただし第5項・第6項により、記録された内容は裁判所が書面に出力し、閲覧・謄写・送達はその書面で行われます。
解説
差押えや競売の申立て、これまでは紙の書類を裁判所の窓口に持ち込むか郵送するしかなかった。民事執行法19条の2は、その常識に穴を開ける条文である。最高裁判所が指定した裁判所に対しては、電子情報処理組織(裁判所のコンピュータと申立人のコンピュータを通信回線でつないだ仕組み)を使ってオンラインで申立てができる。しかも第2項が重要で、オンラインで出した申立ては「書面で出したもの」とみなされる。つまり他の条文が「書面をもって」と要求していても、それを満たしたことになる。第3項はもっと実務的だ。到達時点は、裁判所のファイルに記録された瞬間。郵便の消印でも、窓口の受付印でもない。期間の末日ぎりぎりで動くとき、この一行があなたの申立てが間に合ったかどうかを決める。第4項では押印の代わりに氏名を明らかにする措置で足りる。あなたが今も実印を探して家中をひっくり返しているなら、それは制度が変わったことを知らないからだ。
法的な位置づけ
民事執行法19条の2は、民事執行手続における申立て等の電子情報処理組織による方式を定める規定である。最高裁判所の定める裁判所に対する書面等による申立て等について、オンラインでの提出を認め、当該申立てを書面等によるものとみなし、到達時期を裁判所の電子計算機のファイルへの記録時と定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立て先裁判所が最高裁の指定対象かを確認する 第1項は「最高裁判所の定める裁判所に対してするもの」に限定している。管轄執行裁判所がオンライン対象かを最高裁判所規則および当該裁判所の案内で確認する。対象外なら従来どおり書面で準備する
- 2.規則所定の氏名明示措置を準備する 第4項により署名等に代えて氏名または名称を明らかにする措置が必要となる。利用登録や認証手段の取得には日数がかかるため、締切から逆算して先に準備を終える
- 3.締切前に記録完了までの所要時間を実測する 到達時期は第3項によりファイルへの記録時である。送信から記録完了までの時間、システムの受付時間帯・保守時間帯を事前に把握し、期間の末日に余裕をもって送信できる段取りを組む
- 4.申立てを送信し、記録完了の記録を保存する 送信後、ファイルへの記録が完了したことを示す受信通知等を必ず保存する。到達時期を争われた場合の立証資料となる。期間計算の起点はこの記録時点である
- 5.出力書面での閲覧・謄写・送達を前提に段取りを組む 第5項により裁判所は記録内容を書面に出力し、第6項により閲覧・謄写・交付・送達はその書面で行われる。控えの取得日数や謄写費用は紙の手続と同様と見込み、依頼者への説明もその前提で行う
よくある質問 AI による整理
Q1電子情報処理組織とは何ですか?
裁判所の使用に係る電子計算機と申立人の使用に係る電子計算機を電気通信回線で接続した仕組みのことです。民事執行法19条の2第1項が定義しています。
Q2執行の申立てはどの裁判所でもオンラインでできますか?
できません。第1項は「最高裁判所の定める裁判所に対してするもの」に限定しています。申立て先が指定裁判所かを事前に確認する必要があります。
Q3オンライン申立ての到達時期はいつですか?
第3項により、裁判所の電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時です。送信時刻でも窓口受付時刻でもありません。
Q4オンライン申立てに押印は必要ですか?
不要です。第4項により、署名・記名・押印に代えて、最高裁判所規則の定めるところにより氏名または名称を明らかにする措置を講じます。
Q5オンラインで出した申立ては書面として扱われますか?
扱われます。第2項により、書面等をもってするものと規定された申立て等については、書面等でされたものとみなして法令が適用されます。
Q6オンライン申立ての記録は閲覧できますか?
できます。第5項で裁判所が内容を書面に出力し、第6項でその書面により閲覧・謄写・正本謄本抄本の交付が行われます。
Q7オンライン申立ての場合、送達も電子で行われますか?
行われません。第6項後段により、当該申立て等に係る書類の送達または送付も、第5項の出力書面をもって行われます。
Q8民事執行法19条の2は民事保全にも使えますか?
民事保全手続には民事保全法7条により民事執行法の規定が準用される部分があります。個別の準用範囲は条文と規則で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1深夜にオンラインで申立てを送っても、その日のうちに到達したことになりますか?
第3項により、裁判所の電子計算機のファイルに記録された時に到達したものとみなされます。窓口の受付時間とは切り離された基準です。実務のポイント:ただし記録が完了した時刻が基準であり、送信ボタンを押した時刻ではありません。システムの受付時間帯や保守時間が別途定められていることがあるため、締切前日に一度テスト送信して自分の環境で記録完了まで何分かかるかを把握しておく実務家は多い
Q2印鑑を押さなくて本当に大丈夫なんですか?
第4項により、他の法令が署名・記名・押印を求めていても、最高裁判所規則の定める方法で氏名または名称を明らかにする措置を講じれば足ります。押印そのものは不要になります。実務のポイント:この措置の具体的方法は規則で定まっており、電子署名や識別符号による本人確認など運用が決まっています。押印が不要になっただけで本人確認が緩んだわけではないため、事前の利用登録や認証手段の準備に時間がかかる点は見落とされやすい
Q3オンラインで出した申立ての控えは、どうやってもらえますか?
第5項で裁判所がファイルの内容を書面に出力し、第6項でその書面をもって閲覧・謄写・正本や謄本の交付を行うと定めています。紙の控えは従来どおり取得できます。実務のポイント:入口は電子でも記録は書面に出力される二重構造のため、謄写費用や交付までの日数は紙の手続と変わりません。電子化されたから即時に取れると想定して依頼者に説明すると齟齬が生じる
間違えやすい点 AI による整理
- 「オンライン申立てはどの裁判所でも使える」と思い込むと足元をすくわれる。第1項の要件は「最高裁判所の定める裁判所に対してするもの」。指定を受けた裁判所に限られる。動き出す前に、その裁判所が対象かどうかを確認しないと、書類を作り直す時間を失う
- オンライン化の議論は「便利になる」という話として語られがちだが、本当の争点はそこではない。第3項が到達時期を「ファイルへの記録がされた時」と定めた点にある。執行手続では、抗告期間・執行停止・配当要求の終期など、一日の差で結果が反転する場面が連続する。利便性の条文ではなく、期間計算の起点を書き換えた条文として読むべきだ
- 「電子データで出したのだから、裁判所の記録も全部電子で処理される」と考えるのは、この条文の構造を誤読している。第5項は、記録されたら裁判所が書面に出力しなければならないと定め、第6項は閲覧・謄写・送達もその書面で行うとする。入口だけが電子化され、その先は紙に戻る設計である。完全なデジタル手続を想定して段取りを組むと、想定が外れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 民事執行法19条の2:申立て等の電子情報処理組織による方式 | 民事執行法20条:民事訴訟法の準用による一般規律 民事執行法17条:事件記録の閲覧等 |
| 到達・期間への影響 | 第3項でファイルへの記録時を到達時期と定め、期間計算の起点となる | 準用先の民事訴訟法規定に従い判断される 到達時期そのものは規律しない |
| 適用の前提 | 最高裁判所の定める裁判所であること+最高裁判所規則所定の方式 | 民事執行の手続一般(性質に反しない限り) 利害関係を有する者による請求 |
| 紙との関係 | 第5項で書面出力義務、第6項で閲覧・謄写・送達は出力書面による | 準用される訴訟法規定の方式による 第19条の2第6項により出力書面が対象となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行手続に訴訟法規定を準用する構造で、線上提出と電子文書の到達時点を別途規律する。条文本体ではなく司法行政上の要点で運用を定める点が日本の最高裁判所規則委任と近い
韓国は電子訴訟を独立の法律で包括的に規律し、執行手続にも及ぼす。日本のように執行法典内に一箇条を置く方式とは立法技術が異なる
ドイツは訴訟法の電子文書規定を強制執行にも準用する構造。弁護士等には電子提出が義務化されており、任意利用にとどまる段階の日本より進んだ段階にある
米国連邦裁判所は CM-ECF による電子提出が代理人について原則義務であり、提出時刻がそのまま記録される。到達時期を条文で擬制する日本の方式と異なり運用規則で完結する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 債務者の預金が動く気配があり、差押命令の申立てを一日でも早く出したい。窓口の受付時間は17時、しかしあなたの手元で書類が揃ったのは18時半。オンライン申立てが使える裁判所なら、その夜のうちにファイル記録され、到達したものとみなされる。半日の差が、口座の残高がゼロになる前か後かを分ける
- 執行停止や執行抗告の期間が迫っている。あと2日。郵送だと到達日が読めず、書留の追跡画面を何度も更新することになる。オンラインなら記録された時刻が到達時刻、証拠も送信記録として残る。期間計算の不安が消える
- 申立てを受けた側、つまり債務者として記録を見たいとき、どうなる? 第6項が答えを持っている。オンラインで出された申立ても、裁判所が書面に出力し、閲覧・謄写・正本交付はその書面で行う。オンラインだから見られないということはない
- 司法書士事務所で、押印のためだけに依頼者と日程調整していた。第4項により、署名押印に代えて氏名を明らかにする措置で足りる。移動と待ち時間がまるごと消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申立て先の裁判所が最高裁の指定を受けているか確認する(最高裁判所規則および裁判所の案内で確認、最新の指定状況をご確認ください) 2. 対象であれば、規則が定める方式に従って電子申立てを準備し、押印の代わりに氏名を明らかにする措置を第4項に従って講じる3. 送信後、ファイルへの記録が完了したことを示す受信通知等の記録を必ず保存する。到達時期の立証はこれで行う4. 対象外の裁判所なら従来どおり書面で、郵便到達日を逆算して余裕を持って発送する
訴えられた側:1. 相手方の申立てがオンラインでなされていても、第5項により裁判所は書面に出力する義務を負う。記録の閲覧・謄写は第6項によりその書面で請求できる2. 執行抗告や執行異議を検討する際、申立ての到達時点は第3項の記録時点である。期間計算の起点を誤らないよう記録上の日時を確認する3. 送達・送付も出力書面で行われるため、受け取る側の手続に不利益は生じない構造になっている
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間はない。ただし本条は執行手続における各種期間の起算に直結する。執行抗告は裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間(民事執行法10条2項)であり、申立ての到達時期は第3項によりファイルへの記録時点で判定される
- 民事執行法 第2条執行手続の申立てによる開始原則
- 民事執行法 第10条執行抗告の期間、到達時期判定が直結
- 民事執行法 第20条民事訴訟法の準用、手続の一般規律
- 民事執行法 第21条最高裁判所規則への委任の一般規定
- 民事執行法 第17条事件記録の閲覧等、第6項の適用対象
- 民事訴訟法 第132条訴訟手続におけるオンライン申立ての対応規定(現行効力を要確認)
- 民事保全法 第7条保全手続への民事執行法の準用関係
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