民事執行法 第86条(音声の送受信による通話の方法による配当期日)
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- 執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によつて、配当期日における手続を行うことができる。
- 2.前項の配当期日に出頭しないでその手続に関与した者は、その配当期日に出頭したものとみなす。
この条文の基本情報
音声の送受信による通話の方法による配当期日とは何ですか?
定義音声の送受信による通話の方法による配当期日とは、民事執行法第86条に定められた規定で、「執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事執行法第86条(音声の送受信による通話の方法による配当期日)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
- 民事執行法第86条の条文原文は「執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話を…」で始まります。
- 民事執行法第86条は第二目 強制競売に置かれています。
- 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
- 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 民事執行法第86条の前の条は民事執行法第85条です。
- 民事執行法第86条の次の条は民事執行法第86条の2です。
- 民事執行法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004 - 本サイト収録
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事執行法86条は、執行裁判所が相当と認めるときは音声の送受信による通話方法で配当期日の手続を行えると定める。その方法で関与した者は出頭したものとみなされる。
Q · 競売の配当期日、遠くて行けないときは電話で参加できますか?
執行裁判所が相当と認めれば音声通話で参加できます
民事執行法86条1項により、執行裁判所が相当と認めるときは、最高裁判所規則の定めるところにより、執行裁判所・債権者・債務者が音声の送受信により同時に通話できる方法で配当期日の手続を行うことができます。さらに同条2項は、その方法で手続に関与した者を「配当期日に出頭したものとみなす」と定めるため、実際には出頭していなくても、配当表に対する配当異議の申出(同法89条)ができる法的地位が保たれます。ただし実施の可否は当事者の申立権ではなく、執行裁判所の判断に委ねられています。
解説
不動産の競売が終わり、売却代金を債権者たちで分ける「配当期日」。かつては、その日に東京地裁なり大阪地裁なりの建物へ実際に足を運ばなければ、あなたは「欠席した債権者」として扱われた。民事執行法86条は、その物理的な出頭という前提を外した。執行裁判所が相当と認めれば、電話会議やウェブ会議のように、裁判所・債権者・債務者が同時に音声で通話できる方法で配当期日の手続を行える。そして2項が本当の核心だ。その方法で手続に関与した者は、出頭しなかったとしても「出頭したものとみなす」。この一文があるから、あなたは配当異議の申出(89条)ができる立場を失わない。出頭しなければ配当表への異議は原則として述べられず、その日の配当表が確定してあなたの取り分が決まる。北海道の債権者が福岡の執行裁判所の配当期日に、交通費と丸一日を捨てずに参加できるかどうか、その分岐点がこの条文にある。
法的な位置づけ
民事執行法86条は、配当期日における手続の遠隔実施を定める規定である。執行裁判所が相当と認めるときは、最高裁判所規則の定めるところにより、執行裁判所並びに債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法で手続を行うことができ、その方法で関与した者は出頭したものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.配当期日の呼出状を受け取ったらすぐ内容を確認 期日の日時・場所・担当部・書記官の連絡先、配当表の閲覧可能日を確認する。出頭の可否を判断する前に、まず「いつまでに動けるか」を把握する
- 2.執行裁判所の書記官へ音声通話方式の可否を照会 遠隔地・日程調整困難などの事情を伝え、民事執行法86条1項の音声の送受信による方法で手続を行えるかを照会する。最高裁判所規則の定める手続と、連絡先の届出方法を併せて確認する
- 3.期日前に配当表を閲覧して計算を検証 自己の債権額・順位・按分計算に誤りがないか、他の債権者の債権額が過大に計上されていないかを確認する。争点があれば根拠資料を整理しておく
- 4.配当期日に音声で関与し、必要なら異議を述べる 指定された方法で通話に参加する。配当表に誤りがあれば、その期日において配当異議の申出をする(民事執行法89条)。86条2項により出頭者として扱われる
- 5.異議が完結しなければ1週間以内に訴えを提起 配当異議が期日で完結しない場合、配当期日から1週間以内に配当異議の訴えを提起し、その証明をする。証明を怠ると異議を取り下げたものとみなされる(民事執行法90条6項)
よくある質問 AI による整理
Q1配当期日とは何ですか?
競売の売却代金を債権者に分配するため、執行裁判所が配当表を確定させる期日です。民事執行法85条で配当表が作成され、異議はこの期日に述べる必要があります。
Q2配当期日に欠席するとどうなりますか?
配当表に対する異議を述べる機会を失い、配当表がそのまま確定します。計算違いや順位の誤りがあっても、後から争うことは原則できません。
Q3配当期日は電話会議でできますか?
民事執行法86条1項により、執行裁判所が相当と認めれば音声の送受信による同時通話の方法で手続を行えます。当事者の申立権ではなく裁判所の判断です。
Q4電話で参加した場合、出頭扱いになりますか?
なります。民事執行法86条2項が、その方法で手続に関与した者は配当期日に出頭したものとみなすと定めています。
Q5配当異議の申出はいつまでにできますか?
配当期日において述べる必要があります(民事執行法89条)。期日を過ぎてからの異議は認められず、配当表が確定します。
Q6配当異議の訴えの期限は?
異議を述べた者は、配当期日から1週間以内に訴え提起の証明をしなければ、異議を取り下げたものとみなされます(民事執行法90条6項)。
Q7音声通話方式はどこに申し出ますか?
執行裁判所の担当書記官に照会します。条文上の申立て手続ではないため、呼出しを受けた直後の早期照会が実務上有効です。
Q8債務者も音声通話で参加できますか?
できます。86条1項は執行裁判所・債権者・債務者が同時通話できる方法と定めており、債務者も対象に含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電話で参加した場合でも、その場で配当表に文句を言えるんですか?
言える。86条2項が「出頭したものとみなす」と定めているため、配当期日に出頭した債権者・債務者として、民事執行法89条の配当異議の申出ができる立場が保たれる。実務のポイント:単に欠席した場合と音声で関与した場合とでは、その後に配当異議の訴え(90条)へ進めるかどうかが分かれる。実務では「行けないから諦める」で処理されている事案が相当数あるが、諦める前に方式の照会をするだけで結果が変わりうる
Q2音声通話でやってくださいと申し立てたら、必ず認めてもらえますか?
必ずではない。86条1項は「執行裁判所は、相当と認めるときは」と定めており、判断権は裁判所側にある。当事者の申立権を定めた規定ではなく、具体的な実施方法は最高裁判所規則に委ねられている。実務のポイント:裁判所ごと・事件ごとに運用の幅がある領域なので、一般論を調べるより担当書記官に直接聞くほうが早い。書記官は運用の実情を最もよく知っている立場にあり、この照会自体は費用がかからない
間違えやすい点 AI による整理
- 「電話で参加できるなら気軽でいい」と思われがちだが、条文が言っているのは利便性の話ではない。2項の「出頭したものとみなす」がなければ、音声で話しても法的には欠席者のままで、配当異議の申出ができない。この一文が、単なる便利機能を法的地位の保全装置に変えている
- 「音声通話でやりたいと申し出れば認められる」と考えるのは、問いの立て方が違う。86条1項の主語は執行裁判所であって、当事者ではない。当事者にあるのは申請権ではなく、裁判所の職権発動を促す事実上の上申にすぎない。争点は「認めてもらえるか」ではなく「相当と判断される材料を、いつ、どう提供するか」だ
- 配当期日は「お金を受け取る日」だと思っている人が多いが、法的な本質は配当表の内容を確定させる日である。あなたから見れば入金の事務手続でも、法律から見れば異議を述べる唯一のタイミング。この落差に気付かないまま欠席すると、計算違いのある配当表がそのまま確定する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民執86条:配当期日の手続を音声通話で実施し、関与者を出頭とみなす | 民執85条:配当表の作成と債権者・債務者の審尋 民執89条:配当期日における配当異議の申出 |
| 誰が主導するか | 執行裁判所が「相当と認めるとき」に職権で実施(当事者に申立権なし) | 執行裁判所が配当表を作成 債権者・債務者が期日において異議を申し出る |
| 欠席したときの帰結 | 音声で関与すれば出頭扱い、単なる欠席は出頭者にならない | 審尋の機会を事実上失う 異議を述べられず配当表が確定する |
| 後続手続への影響 | 出頭者としての地位が保たれ、89条・90条へ進める | 配当表の内容が争いの対象となる 民執90条の配当異議の訴え(1週間以内の証明)へ接続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行裁判所が分配表を作成し期日で異議を扱う構造は同じ。遠隔審理は民事訴訟法の視訊規定を執行手続に及ぼす運用で、出頭擬制を執行法上明文化した日本86条2項のような条文は置かれていない
韓国も配当期日で配当表に対する異議を述べる構造を採る。遠隔参加は手続一般の電子化・映像裁判の運用に依拠し、執行法固有の出頭擬制規定の有無は要確認
ドイツは強制競売法に配当期日を置き、映像・音声伝送による手続参加は ZPO 128a が一般規定として機能する。出頭擬制の効果構成は日本と異なる
米国では売却代金の分配は州法と裁判所の運用に委ねられ、遠隔参加は各裁判所の telephonic / video appearance ルールで扱われる。連邦統一の配当期日規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の倒産で、あなたの会社は担保不動産の競売に配当要求をした。配当期日は相手方本店所在地の地裁、日程は平日の午前。売却代金は思ったより低く、あなたの順位では按分になりそうだ。出頭しなければ配当表に異議を述べる機会を失う。ここで音声通話による期日を執行裁判所に上申できるかどうかで、往復の出張費と一日分の人件費が変わる
- もし、配当期日の通知が届いたのが期日の10日前で、あなたはその週すでに別件の予定で埋まっていたとしたら? 音声の送受信による方法を使うには、執行裁判所が「相当と認める」判断をし、規則の定める手続を踏む必要がある。期日直前の申出では準備が間に合わないことがある。通知を開封した日が、実質的なリミットだ
- 債務者側の視点。あなたは自宅を競売にかけられた側で、配当期日への出頭は精神的に重い。だが配当表の計算に誤りがあれば、余剰金があなたに戻るはずが戻らない事態も起こる。音声通話での関与なら、法廷に立たずに手続に参加でき、しかも「出頭したもの」として扱われる
- 顧問先から「配当期日、行かなくても大丈夫ですよね?」と聞かれた。答えは、単に欠席するのと86条の方法で関与するのとでは法的地位が全く違う、である。前者は異議の機会を失い、後者は出頭者として扱われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 配当期日の呼出しを受けたら、日程・場所・配当表閲覧の可否をまず確認する2. 遠隔地・日程調整困難であれば、執行裁判所の担当書記官へ音声の送受信による方法(86条1項)の可否を早期に照会し、最高裁判所規則の定める手続と必要な連絡先の届出を確認する3. 期日前に配当表を閲覧し、自己の債権額・順位・按分計算を検証する4. 誤りがあれば期日で異議を述べる。音声で関与すれば2項により出頭者として扱われる
訴えられた側:債務者・他の債権者の立場でも取るべき行動は同じ方向を向く。1配当表の内容を期日前に確認し、自己に不利な計上(過大な債権額、優先順位の誤り)がないか検証する2出頭困難であれば音声方式の可否を照会する3単なる欠席は、異議を述べないまま配当表を確定させることを意味すると理解しておく4争点が複雑なら、期日前に弁護士へ配当表を持ち込む
時効(請求できる期限):配当期日そのものが実質的な期限である。配当表に対する異議は配当期日において述べる必要があり(民事執行法89条)、異議が完結しない場合の配当異議の訴えは、異議を述べた者が配当期日から1週間以内に提起の証明をしなければ、異議を取り下げたものとみなされる(同90条6項)。音声方式の照会は呼出しを受けた直後に行うべきで、条文上の期限はないが期日直前では事実上間に合わない
- 民事執行法 第85条配当期日における配当表作成と債権者・債務者の審尋
- 民事執行法 第87条配当を受けるべき債権者の範囲
- 民事執行法 第89条配当期日における配当異議の申出
- 民事執行法 第90条配当異議の訴えと1週間の証明期間
- 民事訴訟法 第170条音声の送受信による弁論準備手続、同方式の一般法上の先例
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