派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する派遣労働者(第三十条の三第二項の派遣労働者及び前条第一項の協定で定めるところによる待遇とされる派遣労働者(以下「協定対象派遣労働者」という。)を除く。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めなければならない。
要点労働者派遣法 30 条の 5 は、派遣元が派遣先の正社員との均衡を考慮し、職務内容や経験などを勘案して派遣労働者の賃金を決定する努力義務を定める。協定対象者は適用除外となる。
Q · 派遣先の正社員より時給が低いのは、法律的に問題ないの?
努力義務だが、説明請求や 30 条の 3 と組み合わせれば争える
労働者派遣法 30 条の 5 は、派遣元に対し派遣先の正社員との均衡を考慮し、職務内容・成果・経験などを勘案して賃金を決めるよう求めますが、これは努力義務です。本条単体で差額を請求するのは難しい一方、30 条の 3 の均衡・均等待遇違反なら待遇差の不合理性を民事で争えます。また 31 条の 2 の説明義務は法的義務であり、賃金決定の根拠を会社に説明させる手段になります。まず自分の待遇が派遣先均衡方式か労使協定方式(30 条の 4)かを確認することが出発点です。
派遣先の正社員と隣り合って同じ作業をしているのに、自分の時給だけが数百円低い。多くの派遣労働者がこの現実を「派遣なんだから仕方ない」と飲み込んでいる。だが労働者派遣法 30 条の 5 は、派遣元事業主に対し、派遣先の通常の労働者との均衡を考慮し、職務の内容、成果、意欲、能力、経験その他の就業実態を勘案して、あなたの賃金を決定するよう「努めなければならない」と命じている。ここで二つ知っておくべきことがある。第一に、これは努力義務であり、これ単体であなたが差額を請求するのは難しい。第二に、本条が適用されるのは、より強い法的義務である 30 条の 3 第 2 項(均等待遇)や 30 条の 4 の労使協定方式の対象外となる派遣労働者だ。つまり自分がどの仕組みで待遇が決まっているかを知らないと、主張すべき土俵すら間違える。あなたの時給は「相場」ではなく、会社が果たすべき考慮義務の上に乗っている。
労働者派遣法 30 条の 5 は、派遣労働者の賃金決定における均衡考慮の努力義務を定める規定である。派遣元事業主は、派遣先の通常の労働者との均衡を考慮しつつ、職務の内容、成果、意欲、能力、経験その他の就業実態を勘案して賃金を決定するよう努めなければならない。30 条の 3 第 2 項の対象者および 30 条の 4 の協定対象派遣労働者は本条の適用から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
派遣元が派遣先の正社員との均衡を考慮し、職務内容・成果・経験などを勘案して派遣労働者の賃金を決めるよう努める努力義務を定めた規定です。
均衡待遇は待遇差を不合理にしてはならない(30 条の 3 第 1 項)、均等待遇は同視すべき場合に差別を禁止する(同 2 項)規律です。30 条の 5 はその枠外の努力義務です。
派遣元が過半数代表と協定を結び、地域の一般賃金水準以上を保証する方式(30 条の 4)です。この対象者は 30 条の 5 の適用から除外されます。
30 条の 5 自体に直接の罰則はありません。ただし 31 条の 2 の説明義務違反や行政指導(48 条)の対象となることはあります。
31 条の 2 に基づき、待遇決定の理由の説明を書面で求めます。説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。
労使協定方式(30 条の 4)を採っていない派遣労働者です。雇入れ時に交付される待遇説明書面で自分の方式を確認できます。
労使協定方式の場合、毎年の厚生労働省告示(職業安定局長通知)で地域・職種別の一般賃金水準が公表されます。
30 条の 3 は不合理な待遇差を禁じる法的義務、30 条の 5 はその枠外の賃金決定に係る努力義務です。争う土俵が異なります。
「派遣だから安い」が当然とは限りません。30 条の 5 は派遣先の正社員との均衡を考慮して賃金を決めるよう派遣元に求め、30 条の 3 では不合理な待遇差を禁じています。業界裏話ヒント:派遣の多くは労使協定方式で、地域ごとの一般賃金水準(毎年の厚生労働省告示)以上が保証されます。自分の時給がその水準を下回っていれば違法の可能性があり、まずどちらの方式かを確認するのが第一歩です
聞けます。31 条の 2 により、派遣労働者から求めがあれば派遣元は待遇決定の理由を説明する法的義務を負います。しかも説明を求めたことを理由にした不利益取扱いは禁止されています。業界裏話ヒント:この説明請求は単なる質問ではなく、会社に勘案義務を果たした記録を出させる圧力になります。根拠が薄い時給設定ほど、説明を求められた会社は対応を変えざるをえなくなります
30 条の 5 は努力義務のため、これ単体を根拠に差額を請求するのは難しいのが実情です。争うなら 30 条の 3 の均衡待遇に照らした待遇差の不合理性が土俵になります。業界裏話ヒント:派遣の同一労働同一賃金をめぐる裁判例はまだ蓄積が浅く、パート・有期労働者の最高裁判決(ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件など)の判断枠組みが参照されます。手当ごとに不合理性を個別判断する点が鍵です(最新の判例状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の強さ | 30 条の 5:賃金決定の努力義務(罰則なし) | — |
| 対象者 | 30 条の 3 第 2 項・協定対象者を除く派遣労働者 | — |
| 判断基準 | 派遣先正社員との均衡 + 就業実態の勘案 | — |
| 争い方 | 単体での差額請求は困難、説明請求(31 条の 2)で補強 | — |
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