消費税法 第57条の5(適格請求書類似書類等の交付の禁止)
クイックジャンプ
- 適格請求書発行事業者以外の者は第一号に掲げる書類及び第三号に掲げる電磁的記録(第一号に掲げる書類の記載事項に係るものに限る。)を、適格請求書発行事業者は第二号に掲げる書類及び第三号に掲げる電磁的記録(第二号に掲げる書類の記載事項に係るものに限る。)を、それぞれ他の者に対して交付し、又は提供してはならない。
- 一適格請求書発行事業者が作成した適格請求書又は適格簡易請求書であると誤認されるおそれのある表示をした書類
- 二偽りの記載をした適格請求書又は適格簡易請求書
- 三第一号に掲げる書類の記載事項又は前号に掲げる書類の記載事項に係る電磁的記録
この条文の基本情報
適格請求書類似書類等の交付の禁止とは何ですか?
定義適格請求書類似書類等の交付の禁止とは、消費税法第57条の5に定められた規定で、「適格請求書発行事業者以外の者は第一号に掲げる書類及び第三号に掲げる電磁的記録(第一号に掲げる書類の記載事項に係るものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第57条の5(適格請求書類似書類等の交付の禁止)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第57条の5の条文原文は「適格請求書発行事業者以外の者は第一号に掲げる書類及び第三号に掲げる電磁的記録(第一号に掲げる書類の記載事項に係るものに限る。」で始まります。
- 消費税法第57条の5は第五章 雑則に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第57条の5の前の条は消費税法第57条の4です。
- 消費税法第57条の5の次の条は消費税法第57条の6です。
- 消費税法第57条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第57条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第57条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/57_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法57条の5は、未登録者が適格請求書と誤認されるおそれのある書類を交付すること、登録事業者が偽りの記載をした適格請求書を交付することを禁じる。違反は刑事罰の対象。
Q · インボイス登録していないのに、それっぽい請求書を出したらどうなりますか?
登録していないのに適格請求書らしい書類を出すと違法です
消費税法57条の5は、適格請求書発行事業者以外の者が適格請求書と誤認されるおそれのある表示をした書類を交付することを禁じています。登録済みの事業者であっても、偽りの記載をした適格請求書は交付できません。書類の記載事項に係る電磁的記録の提供も同様に禁止されます。違反した場合、同法65条により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となり得ます(最新の改正状況をご確認ください)。
解説
2023年10月にインボイス制度が始まってから、あなたが副業やフリーランスで請求書を出すたびに、この一条が背後で牙を研いでいる。消費税法57条の5は、登録していない事業者(免税事業者など「適格請求書発行事業者以外の者」)が、適格請求書だと誤認されるおそれのある書類を交付することを禁じる。さらに、登録済みの事業者であっても、偽りの記載をした適格請求書を出すことを禁じる。電子データも同じだ。ここで多くの人が見落とすのは、これが単なる「やってはいけない」ではなく、刑事罰の入口だという点。65条により、違反者は1年以下の拘禁刑(旧・懲役)又は50万円以下の罰金に処されうる(最新の改正状況をご確認ください)。取引先をつなぎ止めたくて、登録していないのに「T」から始まる番号らしき文字列や、税率・税額を並べて適格請求書そっくりの体裁を整える。その一枚が、税務の話ではなく刑事事件の証拠になる。
法的な位置づけ
消費税法57条の5は、偽インボイスの交付禁止を定める規定である。適格請求書発行事業者以外の者による誤認されるおそれのある書類の交付、適格請求書発行事業者による偽りの記載をした適格請求書の交付、及びこれらの記載事項に係る電磁的記録の提供を禁止し、適格請求書等保存方式の信頼性を担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の登録状況を確定させる 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」で自社・自分の登録有無と登録年月日を確認する。登録日より前の期間に登録番号を記載できないため、日付の境界を明確にしておく
- 2.請求書テンプレを立場に合わせて作り分ける 未登録なら登録番号欄そのものを削除し、税率ごとの消費税額の独立表示を避ける。登録済みなら57条の4の記載事項を漏れなく満たす。ひとつのテンプレを使い回さず、立場別に別ファイルとして管理する
- 3.過去に交付した書類を全件点検する 登録日より前の期間に登録番号らしき記載がないか、実体のない取引の適格請求書がないかを、会計ソフトの出力と送信済みメールの双方から突き合わせる。疑わしい一枚は原本とデータを保全する
- 4.誤記が見つかったら訂正版を交付し記録化する 修正した適格請求書または訂正通知を取引先へ交付し、送付日・宛先・訂正理由を記録に残す。隠蔽せず自発的に是正した経緯こそが、故意性を否定する客観的材料になる
- 5.受領側としての照合ルーティンを固定する 仕入先から受け取ったインボイスの登録番号を受領時に公表サイトで照合し、照合日と結果をログとして保存する。控除否認や加算税の場面で、善良な取引者であったことの証拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1偽インボイスとは何ですか?
適格請求書発行事業者でない者が適格請求書と誤認されるおそれのある表示をした書類、及び登録事業者が偽りの記載をした適格請求書のことです。いずれも消費税法57条の5で交付が禁止されています。
Q2インボイスの登録番号はどこで確認できますか?
国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号を検索し、氏名・名称と登録年月日を照合できます。該当なしや名義違いの場合は、その時点でスクリーンショット等の記録を残してください。
Q3免税事業者が請求書に消費税額を記載するのは違法ですか?
記載自体が直ちに違法とは限りませんが、税率ごとの区分や登録番号欄まで適格請求書そっくりに整えると、57条の5第1号の誤認されるおそれのある表示に当たり得ます。似せない書式運用が安全です。
Q4インボイス偽造の罰則はどれくらいですか?
消費税法65条により、57条の5違反は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となり得ます。追徴課税とは別軌道で刑事責任が問われる点が重要です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q5適格簡易請求書(簡易インボイス)も57条の5の対象ですか?
対象です。条文は「適格請求書又は適格簡易請求書」と明記しており、小売業や飲食業が交付するレシート型の簡易インボイスも、誤認表示・偽り記載の禁止が同様に及びます。
Q6電子インボイスも罰則の対象ですか?
対象です。57条の5第3号は、第1号・第2号の書類の記載事項に係る電磁的記録の提供を禁じています。PDF やメール送信、EDI データでも紙と同じ扱いになります。
Q7交付した適格請求書に誤りがあったらどうすればいいですか?
適格請求書発行事業者は、修正した適格請求書を改めて交付する必要があります。放置せず速やかに訂正し、いつ・どの取引先へ訂正版を交付したかの記録を残すことが重要です。
Q8インボイス登録番号を取引先に求められたら断れますか?
登録していなければ番号は存在しないため、断るしかありません。むしろ「登録していないのに番号らしき記載をすると57条の5違反になる」と説明し、経過措置や価格調整の交渉へ切り替えるのが実務的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1免税事業者のままだと、もう請求書は一切出しちゃいけないんですか?
そんなことはない。免税事業者でも通常の請求書・領収書は自由に出せる。禁じられるのは、あなたが登録していないのに「適格請求書だと誤認されるおそれのある表示」をすること、つまり登録番号らしき記載や税率・税額を適格請求書そっくりに並べる行為だ(57条の5第1号)。実務のポイント:実務では、免税事業者の請求書に登録番号欄そのものを設けない、税額を独立表示しない、という「あえて適格請求書に似せない」書式運用が安全策として使われる。似せないことが自衛になるという逆説を、知っている経理担当だけが徹底している
Q2うっかり登録前の期間に番号を書いちゃった請求書が過去にあるかも。これってもう犯罪確定ですか?
直ちに犯罪確定ではない。57条の5違反や65条の刑事罰は、基本的に「偽り」や誤認させる表示を伴う一定の悪質性を前提に運用される。単なる記載ミスをすぐ訂正すれば、通常は行政上の是正で処理される。実務のポイント:分かれ目は「気付いた後にどう動いたか」。誤記を放置・隠蔽すると悪質性を疑われ、自発的に訂正書類を出して記録を残すと故意否定の材料になる。同じミスでも、その後の一手で税務の話に留まるか刑事の入口に近づくかが変わる
Q3取引先が偽のインボイス番号を出していて、それを信じて控除しちゃいました。私が損するんですか?
残念ながら、仕入税額控除は「適格請求書等の保存」が要件で、番号が架空なら控除が否認され、あなたの納税負担が増える(消費税法30条)。ただし公表サイトで照合し正当な理由があった等の事情は、加算税の判断で考慮される余地がある。実務のポイント:番号照合をルーティン化している会社としていない会社で、否認された時の言い訳の説得力が段違い。受領時に照合ログを残す運用は、面倒でも「善良な取引者だった」ことの証拠になり、加算税の軽減交渉で効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録していないだけなら請求書は自由に書ける」と思い込んでいる人が多いが、実は逆。登録していないからこそ、適格請求書だと誤認される体裁の書類を出すこと自体が禁じられ、しかも刑罰付きだ。免税事業者は「適格請求書を出せない」のではなく「それらしい書類を出すと犯罪になる」立場に置かれている
- 「税金の話だから、最悪でも追徴課税で済む」と考えている人は、深刻度を読み違えている。57条の5違反は65条により拘禁刑を含む刑事罰の対象で、追徴課税(行政上の負担)とは別軌道で刑事責任が問われうる。同じ一枚の偽インボイスが、お金の問題と前科の問題を同時に起こす
- あなたが「うちは免税事業者だから、そもそもインボイスと無関係」と問いを立てているなら、その問い自体が半分ずれている。無関係なのは「適格請求書を交付する義務」だけ。「適格請求書に見える書類を交付してはならない禁止」は、免税事業者にこそ最も強く向けられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 57条の5:偽インボイス等の交付・提供の禁止規定 | 57条の4:適格請求書の交付義務と記載事項 65条:57条の5違反に対する罰則規定 |
| 名宛人 | 未登録者(誤認表示)と登録事業者(偽り記載)の双方 | 適格請求書発行事業者のみ 57条の5に違反した者 |
| 違反時の効果 | 禁止規範そのもの。違反すると65条の刑事罰の入口になる | 交付義務違反として是正・指導、記載不備は控除否認につながる 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 受領側への影響 | 架空番号の書類は控除の根拠にならず、受領側の控除が否認される | 記載事項を満たす保存が30条の控除要件 受領側は原則として罰則の対象外だが、通謀すれば別論 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は1950年代から統一発票制度を運用し、虚偽発票の発行は逃漏税の幇助として刑事罰の対象。政府が発票番号を一元管理する点で、事業者登録番号方式の日本とは統制の入口が異なる
韓国は1977年の付加価値税導入時から税金計算書方式を採用し、虚偽の税金計算書の発給・受領を独立の罪として処罰。電子税金計算書の義務化により番号照合が自動化されている
ドイツは EU 付加価値税指令に基づき、誤った税額表示・無権限の税額表示をした者はその税額の納税義務を負う。日本のような独立の禁止規定+刑事罰ではなく、納税義務の発生という民事的・行政的サンクションが主軸
米国には連邦レベルの付加価値税がなく、州の売上税は小売段階課税のためインボイス連鎖による控除の仕組み自体が存在しない。対応する規定を置く余地がない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが免税事業者のまま、取引先から「インボイス出せないなら取引減らす」と言われたらどうする? 焦って請求書に登録番号らしき「T1234…」を書き足した瞬間、それは57条の5が禁じる誤認書類になる。売上を守るつもりの一手が、1年以下の拘禁刑の構成要件を踏む
- あなたは登録済みの適格請求書発行事業者で、期末の利益調整のため、実際には行っていない外注取引の適格請求書を一枚だけ「偽りの記載」で作った。仕入税額控除を水増しする狙いだが、これは57条の5第2号に真正面から当たる。税務調査で足がつけば、追徴課税だけでなく刑事告発の対象になる
- 建設現場の一人親方。元請けから渡された請求書テンプレに、自分では意味も分からず登録番号欄を埋めて提出していた。番号が架空なら、それは誤認書類の交付だ
- あなたが受け取る側だったら? 仕入先から届いた適格請求書の登録番号を、国税庁の公表サイトで照合したら該当なし。あなたはその番号を信じて仕入税額控除を組んでいた。控除は否認され、あなたの納税額が跳ね上がる
- 税務調査の予告通知が届いてから本番まで、残り約2週間。過去に出した請求書の中に、登録前の期間なのに登録番号らしき記載が混じっていないか、今夜のうちに全件洗い出さないと、調査官の前で説明できない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受け取った請求書の登録番号を、国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」で必ず照合、該当なし・名義違いはその場でスクショ保存2. 疑わしい書類は原本(紙・電子データ)を破棄せず保全、いつ受領したかの記録も残す3. すでに仕入税額控除に使っていたら、税理士に相談して修正申告の要否を確認、放置すると過少申告加算税が乗る4. 相手が意図的に偽インボイスを出していた疑いが濃ければ、税務署への情報提供や刑事告発(65条違反)も選択肢に入る
訴えられた側:1. まず事実確認、その書類が「適格請求書と誤認されるおそれ」を客観的に持つか、記載が「偽り」に当たるかを冷静に切り分ける2. 登録前の一時期に誤って番号を記載しただけなら、直ちに取引先へ訂正書類を出し、経緯を記録化して故意性がないことを示す3. 税理士・弁護士に早期相談、税務調査段階なのか刑事に発展しうるのかで対応が全く変わる4. 調査官への供述は正確に、憶測で「わざとではない」と繰り返すより、いつ・誰の指示で・どう作成したかの客観記録で語る
時効(請求できる期限):57条の5違反(65条)は1年以下の拘禁刑を含む罪で、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項、長期5年未満の拘禁刑に当たる罪)、起算点は犯罪行為が終わった時。加えて税務上の是正(修正申告・更正)は別途、法定申告期限からの除斥期間(通常5年、偽りその他不正の行為があれば7年)が動く(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)税制改正(令和5年・2023年10月1日施行) 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入に伴い新設。登録していない者による誤認書類の交付、登録事業者による偽り記載の適格請求書の交付、及びそれらの電磁的記録の提供を禁止した
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 新設:税制改正により適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入が決定され、その一環として本条が新設された。登録していない者による誤認書類の交付、登録事業者による偽り記載の適格請求書の交付、及びこれらに係る電磁的記録の提供を禁止する構成が定まった
- 2.令和5年(2023年) 改正:2023年10月1日、適格請求書等保存方式の施行に伴い本条が現実に稼働。免税事業者を含む全事業者が、書類の体裁を整える行為そのものが刑事罰の構成要件になり得る局面に置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める