消費税法 第57条の6(任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止)
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- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項(定義)に規定する投資事業有限責任組合若しくは有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条(定義)に規定する有限責任事業組合又は外国の法令に基づいて設立された団体であつてこれらの組合に類似するもの(以下この条において「任意組合等」という。)の組合員である適格請求書発行事業者は、第五十七条の四第一項本文、第二項又は第五項の規定にかかわらず、当該任意組合等の事業として国内において行つた課税資産の譲渡等につき適格請求書若しくは適格簡易請求書を交付し、又はこれらの書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を提供してはならない。ただし、当該任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である場合において、その旨を記載した届出書を当該任意組合等の業務を執行する政令で定める者(次項において「業務執行組合員」という。)が、政令で定めるところにより、当該業務執行組合員の納税地を所轄する税務署長に提出したときは、当該提出があつた日以後に行う当該課税資産の譲渡等については、この限りでない。
- 2.前項ただし書の規定による届出書を提出した任意組合等が次に掲げる場合に該当することとなつたときは、当該該当することとなつた日以後に行う課税資産の譲渡等については、同項ただし書の規定は、適用しない。この場合において、当該任意組合等の業務執行組合員は、当該該当することとなつた旨を記載した届出書を、速やかに、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
- 一適格請求書発行事業者以外の事業者を新たに組合員として加入させた場合
- 二当該任意組合等の組合員のいずれかが適格請求書発行事業者でなくなつた場合
- 3.前二項に定めるもののほか、任意組合等に係る第五十七条の四の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止とは何ですか?
定義任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止とは、消費税法第57条の6に定められた規定で、「民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費税法第57条の6(任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止)は、日本の消費税法に含まれる条文です。
- 消費税法第57条の6の条文原文は「民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項(組合契約)に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九…」で始まります。
- 消費税法第57条の6は第五章 雑則に置かれています。
- 消費税法の公布日は昭和63年12月30日です。
- 消費税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 消費税法第57条の6の前の条は消費税法第57条の5です。
- 消費税法第57条の6の次の条は消費税法第58条です。
- 消費税法第57条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第57条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108 - 本サイト収録
消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第57条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/363AC0000000108/57_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費税法57条の6は、任意組合等の組合員が組合事業についてインボイスを交付することを原則禁止し、組合員全員が適格請求書発行事業者で業務執行組合員が届出をした場合に限り交付を認める。
Q · 共同でやっている事業の請求書、組合の名前でインボイスを出せるんですか?
全員が適格で届出をしたときだけ組合名で出せます
消費税法57条の6第1項本文は、任意組合等の組合員である適格請求書発行事業者が、その組合の事業として国内で行った課税資産の譲渡等について適格請求書・適格簡易請求書を交付し、または電磁的記録を提供することを禁止しています。例外は同項ただし書のみで、組合員の全員が適格請求書発行事業者であることを記載した届出書を業務執行組合員が納税地の所轄税務署長に提出したときに限り、提出日以後の取引について交付できます。さらに非適格者の加入や組合員の登録失効があれば、その日以後は特例が外れます(同条第2項)。
解説
アニメの製作委員会、建設業のJV、不動産の共同投資。これらの多くは法律上『任意組合』という器で動いている。そして消費税法57条の6は、その組合の事業について、組合員が自分の登録番号で勝手にインボイス(適格請求書)を出すことを原則禁止している。あなたが組合員として自社の番号で請求書を出しても、それは無効。取引先は仕入税額控除を受けられず、実質10%割高な相手だと見なされる。抜け道は一つだけ。組合員全員が適格請求書発行事業者であり、業務執行組合員が税務署に届出を出したときに限り、組合としてインボイスを出せる。逆に言えば、後から免税事業者を一人でも加えた瞬間、あるいは仲間の誰か一人が登録をやめた瞬間、組合全体のインボイス発行資格が消える。あなた一人が完璧でも、仲間の状態に運命を握られている。
法的な位置づけ
消費税法57条の6は、任意組合等の組合員が組合事業として行う課税資産の譲渡等について、適格請求書および適格簡易請求書の交付を原則として禁止する規定である。組合員全員が適格請求書発行事業者であり、業務執行組合員が所轄税務署長に届出書を提出した場合に限り、提出日以後の取引につき交付が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.組合員全員の登録状況を洗い出す 組合契約書の当事者一覧を基に、全組合員の登録番号を国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで照会し、有効性と名義の一致を確認する。一人でも免税事業者がいれば、その時点で組合名義のインボイスは出せない
- 2.業務執行組合員を特定する 届出を提出できるのは政令で定める業務執行組合員に限られる。組合契約書で業務執行組合員が誰か明記されているかを確認し、不明確なら組合員全員の合意で明記する変更契約を締結する
- 3.全員適格である旨の届出書を提出する 業務執行組合員が、組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨を記載した届出書を、その納税地を所轄する税務署長に提出する。提出日以後に行う課税資産の譲渡等から組合名義の適格請求書を交付できる
- 4.構成変更を検知したら速やかに届出する 非適格事業者の新規加入、または組合員のいずれかが適格請求書発行事業者でなくなった場合、その日以後の取引は特例の対象外となる。業務執行組合員は該当した旨の届出書を速やかに提出し、同時に組合名義でのインボイス交付を停止する
よくある質問 AI による整理
Q1任意組合等とは?
消費税法57条の6でいう任意組合等は、民法667条1項の組合契約による組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合、および外国法令に基づくこれらに類似する団体を指します。
Q2組合のインボイスはいつから出せる?
業務執行組合員が全員適格である旨の届出書を所轄税務署長に提出した日以後に行う課税資産の譲渡等から交付できます。提出前にさかのぼって有効になることはありません。
Q3LLP や投資事業有限責任組合も対象?
対象です。有限責任事業組合契約に関する法律2条のLLP、投資事業有限責任組合契約に関する法律2条2項のLPSも、条文上「任意組合等」に明記されています。
Q4製作委員会はインボイスをどう出す?
製作委員会が民法上の任意組合であれば57条の6が適用されます。参加各社が全員適格であることを確認し、業務執行組合員が届出を出して初めて委員会名義の適格請求書が有効になります。
Q5組合員が脱退したらインボイスはどうなる?
第2項が列挙するのは非適格者の新規加入と組合員の登録失効の2事由です。脱退自体は列挙されていませんが、構成変更のたびに全員の登録状況を確認し直す実務が安全です。
Q6無届で組合名のインボイスを出したらどうなる?
交付資格がない状態での交付にあたり、取引先は仕入税額控除ができません。加えて適格請求書類似書類等の交付禁止(57条の5)に触れるおそれがあり、罰則の対象となる可能性もあります。
Q7取引先は組合のインボイスをどう確認する?
記載された登録番号を国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで照会し、有効性と名義の一致を確認します。組合名義と登録名義がずれている場合は再交付を求めてください。
Q8組合の事業でない自社取引ならインボイスは出せる?
出せます。57条の6が禁止するのは「当該任意組合等の事業として」行った課税資産の譲渡等に限られ、自社単独の取引は通常どおり自社の登録番号で交付できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共同でやってる事業のインボイス、自分の登録番号で出しちゃダメなんですか?
組合の事業については原則ダメです(消費税法57条の6第1項)。あなた個人が適格請求書発行事業者でも、組合として行った取引では交付できません。抜け道は、組合員全員が適格で、業務執行組合員が税務署に届出を出したときだけ。実務のポイント:届出をしないまま組合名で『適格請求書』を出すと、57条の5の類似書類の交付禁止に触れるおそれがある。届出済みかどうかは契約時に必ず確認する。
Q2組合員の一人が免税事業者に戻ったら、うちの分のインボイスまで無効になるんですか?
はい、その日以後の組合事業の取引について、組合全体で特例が失われます(消費税法57条の6第2項)。あなた一人が登録を維持していても関係ありません。実務のポイント:怖いのは、資格が消えるのが『届出を出した日』ではなく『組合員でなくなった日』だという点。届出を忘れていた期間の請求書もさかのぼって問題になりうる。メンバーの登録状況を相互確認する仕組みを組合契約に入れておく。
Q3その届出って、自分で勝手に出せばいいんですか?
いいえ、届出を出せるのは政令で定める『業務執行組合員』だけです(消費税法57条の6第1項ただし書・第2項)。一般の組合員が個別に出しても効力はありません。実務のポイント:業務執行組合員が誰かを組合契約で明確にしておかないと、いざ届出が必要なときに『誰が出すのか』で止まる。加入・脱退のたびに速やかな届出義務があるので、この役割と手続を最初に決めておくのが実務の要。
間違えやすい点 AI による整理
- 『自分は適格請求書発行事業者なのだから、自分の登録番号でインボイスを出せる』と思い込んでいる。だが組合の事業として行った取引では、あなた個人の資格があっても交付できない(57条の6第1項)。個の適格性と、組合としての交付資格は別物だ
- 『全員適格だと確認して届出を出したから、もう安心』と考えている人は、この条文の深刻さを半分しか知らない。本当の勝負は届出の後だ。加入・脱退・登録失効のたびに資格は揺らぎ、業務執行組合員は変化のたびに届出義務を負い続ける。一度の届出は入場券であって、永久パスではない
- あなたから見れば『自分は登録を維持している優良な事業者』だ。だが取引先から見れば、組合が届出を怠っていれば『控除できない相手』でしかない。あなたの真面目さは相手の帳簿に一円も反映されない。この落差が、あなたを共同事業の座組から静かに外していく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の向き | 57条の6:組合事業では交付を原則禁止し、届出で例外的に解禁 | 57条の4:適格請求書発行事業者に交付義務を課す原則規定 57条の5:交付資格のない者による類似書類の交付を禁止 |
| 名宛人 | 任意組合等の組合員(届出を出せるのは業務執行組合員のみ) | 適格請求書発行事業者(登録済みの事業者本人) 適格請求書発行事業者以外の者、および資格なく交付する者 |
| 効力の起点 | 届出書の提出日以後の取引。該当事由発生日以後は特例が外れる | 登録の効力が生じた日以後の課税資産の譲渡等 交付または提供という行為の時点で判断 |
| 外した場合の帰結 | 組合名義のインボイスが無効となり、取引先が仕入税額控除を受けられない | 求められたのに交付しない場合、交付義務違反となる 禁止規定に触れ、罰則の対象となるおそれがある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は統一發票と統一編號による制度設計で、事業者登録番号を用いた適格請求書の可否という論点自体が生じにくい。共同承攬・合夥では發票の開立主体をどう定めるかが実務論点となる
韓国は세금계산서制度を採り、공동사업者は共同名義で사업자등록を行う運用がある。日本のように組合員全員の適格性を届出で担保する明文の特例構造とは設計が異なる
ドイツではGbR(民法上の組合)自体がUnternehmerとして扱われ、組合名義で請求書を発行できる。組合員個々の登録状況が組合全体の発行資格を左右する日本型の連鎖構造は生じにくい
米国は連邦レベルの付加価値税を持たず、インボイスによる仕入税額控除の仕組み自体が存在しない。パートナーシップ課税はpass-throughで所得課税側に論点が集中する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが参加するアニメ製作委員会は、法律上『任意組合』であることが多い。委員会名義で放送局や配信会社に請求書を出すが、委員会が届出をしていなければ、その適格請求書は無効。放送局は仕入税額控除を受けられず、次の座組からあなたの会社が外される理由になりかねない
- もし、共同事業のパートナーが『来期からインボイス登録をやめて免税に戻る』と言い出したら、どうなる? その日以後、組合全体のインボイス発行資格が消える。あなたがどれだけ真面目に登録を続けていても、巻き添えになる
- 新しいメンバーが免税事業者のまま加入した。その加入日から組合のインボイスは無効になり、業務執行組合員は『速やかに』該当届出を税務署に出す義務を負う(57条の6第2項)。放置すれば取引先からの信頼と控除の両方を失う
- 建設JVの経理担当。取引先から『御社のインボイス、番号が有効ではないようです』と連絡が来た。届出を出し忘れていた
- あなたが業務執行組合員だとして、届出を出さないまま組合名で適格請求書を交付し続けていたら、それは適格請求書類似書類等の交付禁止(57条の5)に触れるおそれがある。善意でも、制度上はアウトになりうる
取るべき行動
被害を受けた側:取引先として組合事業のインボイスを受け取る側なら、1. その組合が届出済みか、記載の登録番号が国税庁の公表サイトで有効かを確認2. 無効なら仕入税額控除ができないため、正しい適格請求書の再交付を求める3. 応じない場合、控除できない分を価格交渉に反映するか取引条件を見直す4. 自社が組合員なら、業務執行組合員に届出状況とメンバー全員の登録状況を書面で確認し、記録を残す
訴えられた側:あなたが業務執行組合員で届出を怠っていた、またはメンバー変更後の届出を忘れていた場合、1. まず現時点の全組合員の登録状況を確認し、全員適格かを確定2. 全員適格なら速やかに届出を提出(資格喪失中に交付した書類は類似書類の交付禁止=57条の5に触れるおそれがある点を認識) 3. 免税事業者が混在するなら、組合名でのインボイス交付を直ちに停止4. 既に交付済みの無効なインボイスについて取引先へ通知し、修正・再交付や税務処理の是正を検討
時効(請求できる期限):申告期限型の時効はないが、時間圧は逆方向に働く。免税事業者の新規加入、または組合員の登録失効が生じた『その日』以後の課税資産の譲渡等については、届出の有無にかかわらず特例(インボイス発行資格)が失われる(57条の6第2項)。業務執行組合員は該当した旨の届出を『速やかに』提出する義務を負う。更正の請求・修正申告の期限は別途、国税通則法23条・19条による(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)改正で新設、令和5年(2023年10月1日)施行 適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入に伴い新設。任意組合等の組合員による適格請求書等の交付を原則禁止し、全員が適格請求書発行事業者である場合に業務執行組合員の届出を条件として交付を認める特例を定めた
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 新設:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入に伴い新設され、令和5年(2023年)10月1日から施行。任意組合等の組合員による適格請求書等の交付を原則禁止したうえで、組合員全員が適格請求書発行事業者である場合に業務執行組合員の届出を条件として交付を認める特例を定めた
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