要点育児・介護休業法 25 条は、事業主に育休・介護休業の制度利用に関するハラスメントを防ぐ相談体制の整備等を義務づけ、2 項で相談者への不利益取扱いを禁じる。企業規模による例外はない。
Q · 育休を申請したら職場で嫌がらせを受けています。会社に責任を問えますか?
問えます。相談体制の整備は事業主の法的義務です
育児・介護休業法 25 条 1 項は、育児休業・介護休業等の制度利用に関する言動で労働者の就業環境が害されないよう、事業主に相談体制の整備その他雇用管理上必要な措置を義務づけています。企業規模による例外はなく、窓口未設置のままハラスメントが起きれば措置義務違反として労働局の指導対象になります。さらに 2 項は、相談したことや調査で事実を述べたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止しており、声を上げた後の報復は独立した違法行為となります。
育休を取りたいと上司に切り出した翌週から、会議で発言を遮られ、担当を外され、「今は人が足りないんだ」と遠回しの圧力が始まった。この空気は気のせいではない。育児・介護休業法 25 条は、事業主に対し、育休・介護休業など子の養育や家族介護に関する制度の利用をめぐる言動で労働者の就業環境が害されないよう、相談に応じる体制の整備その他雇用管理上必要な措置を講じることを義務づけている。つまりケアハラ(育休・介護休業に関する嫌がらせ)への対策は、会社の「やってもやらなくてもよい配慮」ではなく、法律上の義務だ。さらに 2 項では、あなたが相談したこと、または事実を述べて調査に協力したことを理由に、解雇や不利益な配置転換をすることを正面から禁じている。声を上げた後の報復こそ、この条文が最も強く封じている部分だ。
育児・介護休業法 25 条は、いわゆるケアハラスメント防止措置義務を定める規定であり、事業主に対し、育児休業・介護休業等の制度利用に関する言動によって労働者の就業環境が害されることのないよう、相談に応じ適切に対応するための体制の整備その他雇用管理上必要な措置を講じることを義務づける。第 2 項は、相談又は調査協力を理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止する。
育児休業・介護休業など子の養育や家族介護に関する制度の利用をめぐる言動で、労働者の就業環境が害されることをいいます。育児・介護休業法 25 条が事業主に防止措置を義務づけています。
違法の可能性が高いです。25 条は企業規模を問わず相談に応じる体制の整備を義務づけており、窓口未設置のままケアハラが起きれば措置義務違反として労働局の指導対象になります。
まず社内の相談窓口へ書面で申し入れます。会社が動かない場合は都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ相談し、紛争解決の援助や調停を申し立てることができます。
違法です。25 条 2 項は、相談したことや調査に協力して事実を述べたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いを正面から禁じており、報復人事は無効を主張できます。
守られます。25 条は性別を問わず制度利用に関する言動を対象としており、男性の育休取得をめぐる嫌がらせも事業主の措置義務違反になります。
日時・場所・発言内容・目撃者をメモやメールで残し、録音も有効です。相談を書面で申し入れた日時の記録は、後に報復を立証する時系列証拠になります。
労働局の助言・指導・勧告の対象となり、是正勧告に従わない場合は企業名が公表されます。民事上も職場環境配慮義務違反として損害賠償責任を負う可能性があります。
10 条は育児休業の申出等を理由とする不利益取扱いそのものを禁じる規定、25 条は就業環境が害されないよう事業主に体制整備を義務づける規定です。両者は併せて主張できます。
違法の可能性が高い。25 条は企業規模を問わず、相談に応じる体制の整備を義務づけている。窓口未設置のままケアハラが起きれば、措置義務違反として労働局の指導対象になる。業界裏話ヒント:会社が「窓口はある」と言い張っても、就業規則や社内周知に明記されていなければ「整備されていない」と評価されやすい。相談する前に就業規則のハラスメント関連条項と社内掲示を確認しておくと、会社の不備を先に押さえられる
25 条が事業主に措置義務を課しているからだ。個人の言動でも、会社が防止・対応を怠れば組織としての責任を問われ、使用者責任(民法 715 条)や職場環境配慮義務違反でも追及できる。業界裏話ヒント:個人を相手にするより、資力のある会社を相手にした方が賠償の回収可能性は段違いに上がる。弁護士はまず会社の責任構成を組み立てる、標的を会社に定めるのが交渉の定石
それこそ 25 条 2 項が正面から禁じる行為だ。相談したこと、調査で事実を述べたことを理由とする解雇・不利益取扱いは違法で、無効を主張できる。業界裏話ヒント:報復人事は、元のケアハラより立証しやすいことが多い。相談の前後で待遇が変わったという時系列が証拠になるからだ。相談を申し入れた日時を必ず記録に残しておくと、後で報復を立証する決定的な材料になる
守られる。25 条は性別を問わず、育児休業など制度の利用に関する言動を対象にしており、いわゆるパタハラ(父親への育休ハラスメント)も射程内だ。業界裏話ヒント:男性の育休取得をめぐる嫌がらせは「言われた側も我慢が当然」という空気で見逃されがちだが、法的には女性のマタハラと完全に同じ扱い。性別を理由に対応を渋る会社は、それ自体が均等法上の別問題も抱えることになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 25 条:就業環境が害されないための体制整備(措置義務)+ 相談者への不利益取扱い禁止 | — |
| 義務の性質 | 手続的義務(体制整備)+ 絶対的禁止(2 項の報復禁止) | — |
| 違反の効果 | 労働局の助言・指導・勧告、企業名公表、民事上の損害賠償 | — |
| 主張のタイミング | 嫌がらせ発生時点から。窓口未設置ならその時点で違反 | — |
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