事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第九条の五第二項の規定による申出若しくは同条第四項の同意をしなかったことその他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
要点育児・介護休業法 10 条は、育児休業の申出・取得等を理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁止する。降格や減給、不利益な配置転換、雇止めも禁止対象に含まれる。
Q · 育休から復帰したら降格されました。これって違法ですか?
違法になりえます。解雇だけでなく降格や減給も禁止対象です
育児・介護休業法 10 条は、育児休業申出等をしたこと、育児休業をしたこと、出生時育児休業中の就業の申出・同意をしなかったこと等を理由とする解雇その他の不利益な取扱いを禁止します。禁止対象は解雇に限らず、降格、減給、不利益な配置転換、昇進・昇格差別、賞与の不当査定、契約更新の拒否まで及びます。最高裁は妊娠・出産を理由とする降格を原則無効とし、例外を認めるには事業主側が特段の事情を立証する必要があるとしました(広島中央保健生協事件)。
育休から復帰したら、元の課長ポストではなく実務のない閑職に回されていた。会社は「組織再編の一環」と説明する。だが、この配置転換が育休取得と時間的に近接していれば、育児・介護休業法 10 条が禁じる「不利益な取扱い」と評価されうる。多くの人は「解雇さえされなければセーフ」と思っているが、この条文が禁じるのは解雇だけではない。降格、減給、不利益な配置転換、昇進・昇格での差別、契約更新の拒否、自宅待機の強要、これらすべてが射程に入る。さらに 2022 年に加わった部分が見落とされがちだ。出生時育児休業(産後パパ育休)の期間中、会社から「この日は働いてくれ」と就業を求められても、労働者は同意しない自由がある。そして同意しなかったことを理由に冷遇することも、この条文で禁じられている。あなたが知っておくべきは、育休を取る権利と、その後を守る盾は別物だという点だ。10 条はその盾の方である。
育児・介護休業法第 10 条は、育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止を定める規定である。事業主は、労働者が育児休業申出等をし、若しくは育児休業をしたこと、又は出生時育児休業中の就業に関する申出・同意をしなかったこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。介護休業その他の制度については、第 16 条以下で本条が準用される。
育児休業申出等や育児休業の取得、出生時育児休業中の就業に同意しなかったこと等を理由に、事業主が解雇その他の不利益な取扱いをすることを禁じる規定です。
違法になりえます。10 条の禁止対象は解雇に限られず降格も含まれます。最高裁は妊娠・出産を理由とする降格を原則無効とし、例外の立証責任を事業主に負わせています。
解雇、雇止め、降格、減給、賞与の不当査定、不利益な配置転換、昇進・昇格での差別、就業環境を害する行為(業務を与えない等)が含まれます。
第 9 条の 5 の就業の申出や同意をしなかったことを理由とする不利益取扱いは 10 条で明文で禁止されています。断る自由が法的に保障されています。
有期雇用でも要件を満たせば育休を取得でき、育休取得を実質的理由とする雇止めは 10 条違反となりえます。労働契約法 19 条の雇止め法理でも保護されます。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に相談し、紛争解決援助や調停を申し立てられます。無料・非公開で、訴訟より迅速に解決できる場合があります。
就労実態のない期間を日数按分で控除すること自体は適法とされますが、育休を取ったこと自体を理由に懲罰的に減額・低査定するのは 10 条違反となりえます。
適用されます。10 条は性別を問わず「労働者」を保護対象とし、いわゆるパタハラも女性のマタハラと同じ条文で違法とされます。
育休期間中の就労実態がない分を控除すること自体は適法ですが、育休を取ったこと自体をマイナス評価の理由として一律に低く査定するのは 10 条が禁じる不利益取扱いに当たりえます。両者の線引きが争点です。業界裏話ヒント:会社は『ノーワーク・ノーペイ』を盾にしますが、休んだ日数分の按分控除と、休んだこと自体を理由とする懲罰的減額は法的に別物です。賞与算定式に育休を懲罰的に組み込んでいないか、計算根拠の開示を求めるのが第一歩になる
育休取得を理由に昇進させないと示唆する発言は、それ自体が育児休業等に関するハラスメント(10 条・25 条の趣旨)に該当しえます。実際に昇進が見送られれば不利益取扱いの問題に発展します。業界裏話ヒント:この種の発言は録音やメモが決定的証拠になります。多くの会社は『指導の一環だった』と弁解しますが、発言の日時・文言を記録しておくだけで、後の行政相談や交渉での立場が一変する。言われた当日に残すのが鉄則です
有期雇用でも、一定の要件を満たせば育休を取得でき、育休取得を実質的な理由とする雇止めは 10 条違反となりえます。更新の合理的期待があった場合は労働契約法 19 条の雇止め法理でも保護されます。業界裏話ヒント:会社は『契約満了による自然な終了』を装いますが、過去の更新実績、更新を期待させる言動、雇止めの真の理由を時系列で示せれば覆る余地がある。育休と雇止めの時間的近さは、それ自体が強力な状況証拠になる(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 育介法 10 条:育休申出等・取得、第 9 条の 5 の不同意を理由とする不利益取扱いの禁止 | — |
| 誰を縛るか | 事業主の処遇決定権(結果を規制) | — |
| 違反したときの効果 | 解雇・降格等の私法上の無効、損害賠償責任 | — |
| 介護休業への波及 | 第 16 条により介護休業等へ準用される | — |
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