要点育児・介護休業法6条は、事業主が労働者の育児休業申出を拒むことを禁止する。例外は労使協定で勤続1年未満等を除外した場合のみで、会社にできるのは開始日を1月以内で指定することにとどまる。
Q · 上司に「育休は無理」と言われたら、もう育児休業は取れないんですか?
拒めません。会社に育休の拒否権は原則ありません
育児・介護休業法6条1項は、事業主は労働者からの育児休業申出を拒むことができないと明記しています。例外は、過半数労働組合または過半数代表者との書面による労使協定で、勤続1年未満の労働者や厚生労働省令で定める労働者を除外している場合だけです。就業規則に育休の記載がないこと、繁忙期であること、前例がないことは、いずれも拒否の根拠になりません。3項により会社は開始予定日を申出日の翌日から1月以内の範囲で指定できますが、これは時期の調整であって拒否ではありません。
育休を取りたいと上司に切り出したら、「今は人手が足りない」「前例がないから」と渋い顔をされた。その瞬間、多くの人は言葉を飲み込む。だが育介法6条1項は冒頭でこう言い切る。事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、これを拒むことができない。原則として、会社に拒否権は存在しない。上司の渋面も、就業規則の不備も、長年の慣行も、あなたの権利を消す力を持たない。例外はたった二つ。労使協定(会社と労働者代表が書面で結ぶ約束)で、勤続1年未満の人などをあらかじめ除外している場合に限られる。逆に言えば、その書面がなければ、あなたを拒める根拠は会社側に一つも残らない。3項で会社が開始予定日を最大1月後ろにずらせるとあるが、これは取得そのものを止める力ではなく、あくまで時期の調整にすぎない。拒否と先延ばしは、法的にまったく別物だ。
育児・介護休業法6条は、育児休業申出に対する事業主の拒否を原則として禁止する規定である。例外は、事業所の労働者の過半数代表との書面による労使協定において、勤続1年未満の労働者および厚生労働省令で定める合理的理由のある労働者を育児休業できない者と定めた場合に限られる。3項は事業主の開始予定日指定権を、4項は出生時育児休業への適用除外を定める。
原則できません。育児・介護休業法6条1項が拒否を禁じています。書面の労使協定で勤続1年未満等として除外されている場合だけが例外です。
過半数労働組合、なければ過半数代表者と事業主が書面で結ぶ協定です。これがあって初めて勤続1年未満等の労働者を育休対象から除外できます。口頭では無効です。
開始予定日の1月前までが原則です。遅れると会社は6条3項により、申出日の翌日から1月以内の日に開始日を指定できます。拒否ではなく繰下げです。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談窓口です。助言・指導・勧告や紛争調停の申立てができます。申出と拒否の記録を残しておくことが重要です。
6条違反そのものに直接の刑事罰はありませんが、行政指導・勧告・企業名公表の対象となり得ます。拒否に伴う降格等は10条の不利益取扱いとして違法です。
拒めません。6条1項は性別を問わず適用されます。出生時育児休業(産後パパ育休)については4項により、労使協定除外も時期指定も適用されません。
子の出生後8週間以内に取得できる出生時育児休業です。前条7項の申出にあたり、6条4項によって1項ただし書の除外も3項の時期指定も適用されません。
取れます。育児休業の権利は法律から直接生じるため、就業規則の記載の有無は関係ありません。記載がないのは会社の整備不足にすぎません。
取れる。育休の権利は就業規則ではなく育介法そのものから生じ、6条1項が会社の拒否を禁じている。規則に記載が無いのは会社の整備不足にすぎず、あなたの権利には影響しない。業界裏話ヒント:規則に書いていない会社ほど、申出を「前例がない」と渋りがちだが、それは拒否の理由にならない。書面で申し出て記録を残せば、後から労働局に相談したとき会社の対応がそのまま証拠になる
まず協定が書面で存在するかを確認すること。口頭の「決まり」は無効。仮に協定があっても、除外できるのは1項1号の勤続1年未満か、2号の省令で定める限定された労働者だけ。あなたがそこに当たらなければ拒否は違法だ。業界裏話ヒント:会社が「協定がある」と口で言うだけで実物を見せないケースは少なくない。協定書の写しと、自分が除外対象に該当する具体的根拠の提示を書面で求めると、根拠が無い場合は会社が引くことが多い
原則違法ではない。3項は、申出日の翌日から1月以内に始めようとした場合、会社が開始日をその範囲内の日に指定できると定める。ただし拒否ではなく時期調整であり、取得権自体は生きている。業界裏話ヒント:会社の指定が「1月を超える先延ばし」だったらそれは違法。指定できるのは申出日の翌日から起算して1月以内まで。産後パパ育休(前条7項の申出)には4項でこの時期指定すら使えないので、制度を選ぶだけで先延ばしを封じられる
取れる。2022年4月の改正で有期雇用の「勤続1年以上」要件は撤廃された。労使協定で勤続1年未満等が除外されていない限り、6条1項の拒否禁止はパート・契約社員にも等しく及ぶ。業界裏話ヒント:週の所定労働日数が極端に少ない人は省令(2号)で労使協定により除外されうるが、これも協定があって初めての話。協定が無ければ非正規でも正社員と同じく拒まれない。雇用保険の育児休業給付の受給要件とは別の話なので、給付と取得権は分けて考える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 会社ができること | 6条:拒否は不可。労使協定で除外された者のみ拒否可 | — |
| 労働者が失う権利 | 労使協定で除外された場合、2項により育児休業をすることができない | — |
| 時期の調整 | 3項:申出日の翌日から1月以内(一定の申出は2週間)で開始日を指定可能 | — |
| 出生時育児休業(産後パパ育休) | 4項:1項ただし書の除外も3項の時期指定も適用されない | — |
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