法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
要点育児・介護休業法 65 条は両罰規定を定め、従業者が業務に関し前三条に違反すると、行為者に加え法人にも各本条の罰金刑を科す。判例は事業主の過失を推定する。
Q · 社員が育休がらみで法律違反をしたら、罰金は本人だけ?会社も払うの?
行為者と別枠で会社にも罰金が科される
育児・介護休業法 65 条の両罰規定により、法人の代表者や従業者が業務に関して前三条(62〜64 条)の違反をすると、行為者を罰するほか、法人(または個人事業主)にも各本条の罰金刑が科されます。行為者の罰金と法人の罰金は別枠の二重構造です。判例は法人処罰の根拠を事業主の選任・監督上の過失に求め、しかもその過失を推定します。したがって「社長は知らなかった」では足りず、研修・就業規則・通報体制などで注意を尽くしたことを会社側が立証しない限り、法人は罰金を免れにくい構造です。
社員が育児休業の取得を妨害し、行政の報告要求に虚偽の回答をした。罰せられるのはその社員個人だけだと思っていないか。65条はそこに一行で釘を刺す。法人の代表者や従業者が、会社の業務に関して前三条(62条から64条)の違反をしたとき、行為者を罰するほか、会社そのものにも各条の罰金刑が科される。これが両罰規定だ。怖いのは構造である。社長が知らなくても、指示していなくても、会社は罰金を免れにくい。なぜなら判例は、事業主が従業員の選任・監督を怠った過失を推定するからだ。逆に言えば、平時から研修・就業規則・通報体制を整え「注意を尽くした」と立証できれば、その推定を覆す余地が残る。あなたが守るべきは行為者一人ではなく、会社の財布と前科そのものである。
両罰規定とは、従業者等が業務に関して一定の違反行為をした場合に、行為者本人を罰するほか、その事業主である法人または個人に対しても各本条所定の罰金刑を併せて科す規定である。育児・介護休業法 65 条がこれにあたり、判例は事業主の選任・監督上の過失を推定し、注意を尽くしたことの立証がない限り法人の免責を認めない。
従業者等が業務に関し違反行為をした場合に、行為者本人だけでなく事業主である法人または個人にも罰金刑を併せて科す規定です。育児・介護休業法では 65 条が該当します。
金額は違反の根拠となる各本条(62〜64 条)の法定刑によります。65 条は罰金額を独自に定めず、行為者に科される各本条の罰金刑をそのまま法人にも科す仕組みです。
研修記録、就業規則、内部通報体制、点検履歴など、選任・監督上の注意を尽くしたことを示す平時からの記録を提示します。事件後に作成しても推定は覆せません。
罰金にあたる罪の公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、行為者と法人は別個に時効が進行します。
科されます。65 条の「その他の従業者」には非正規雇用も含まれ、正社員かどうかで法人の罰金責任は変わりません。
安易に応じず、過失推定を覆す材料があるなら正式裁判での争いも検討します。罰金額より前科と取引上の信用毀損のダメージを比較して判断すべきです。
法人格が継続する限り、買収前に生じた両罰規定上の罰金責任が買収後の会社に残りうります。デューデリジェンスで見落とされやすい簿外リスクです。
あります。労働基準法 121 条をはじめ、行政規制を伴うほぼすべての法律に同型の両罰規定が置かれており、育児・介護休業法 65 条もその一つです。
両罰規定(本条65条)は、従業者が業務に関して前三条の違反をすれば、行為者とは別に法人にも罰金刑を科すと定めるからです。判例は、法人処罰の根拠を事業主の選任・監督上の過失に求め、しかもその過失を推定します。業界裏話ヒント:弁護士は会社を守るとき「社長は知らなかった」を主張しません。それは推定を覆せないからです。代わりに研修記録や内部規程を積み上げて「監督義務は尽くしていた」と立証する。平時の書類管理が、事件後の唯一の防壁になります
いいえ、両方に科されます。本条は「行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する」と明記しており、行為者の罰金と法人の罰金は別枠の二重構造です。一方が払えば他方が免除される、という関係ではありません。業界裏話ヒント:実務では行為者個人が略式罰金に先に応じてしまい、その確定が会社の過失認定を後押しする展開がよくあります。社員と会社で利害がずれる局面があるので、初動で弁護士を分けるかどうかは慎重に判断すべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰の名宛人 | 65 条:行為者+法人・個人事業主(両罰) | — |
| 法人処罰の根拠 | 選任・監督上の過失(判例上推定される) | — |
| 免責の可否 | 注意を尽くしたことを法人が立証すれば免責の余地 | — |
| 対象違反 | 前三条(62〜64 条)の違反行為 | — |
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