要点借地借家法 11 条は、地代が租税や地価の変動で不相当になったとき、当事者が将来に向けて地代の増減を請求できると定める。借地人に不利な減額しない特約は無効である。
Q · 地主から地代の値上げ通知が来たら、その額を払わないといけないの?
いいえ。従来額を払い続ければ滞納にならず、額は協議・裁判で決まります
借地借家法 11 条により、地代の増減は「請求」した時点から将来に向かって効力が生じる形成権で、相手の同意は不要です。増額に納得できなければ、あなたが相当と認める額(通常は従来の地代)を払い続ければ滞納にはならず、増額を正当とする裁判が確定して初めて差額に年一割の利息を付けて払えば足ります(11 条 2 項)。逆に地価が下落すれば減額を請求でき、「減額しない特約」は強行規定により無効です。
地主から内容証明で「来月から地代を五割上げる」と通知が届く。あるいは逆に、不景気で土地の価格は下がったのに地代だけ十年前のまま高止まり。借地借家法 11 条を知らない人は、地主の言い値を飲むか、感情的に拒んでこじれるかの二択に追い込まれる。だがこの条文があなたに握らせる武器はもっと精密だ。第一に、地代の増減は「請求」した時点から将来に向かって効力が生じる形成権であり、相手の同意は要らない。第二に、増額に納得できなければ、あなたが「相当と認める額」(通常は従来の地代)を払い続けるだけで滞納にはならず、裁判で増額が確定して初めて差額に年一割の利息を付けて払えばいい。第三に、ここが玄人の分岐点だが、「増額しない特約」は有効でも「減額しない特約」は無効になる。地主に有利な不減額条項にサインしていても、土地価格が暴落すれば減額を請求できる。通知は決定ではない。交渉の開始合図にすぎない。
借地借家法 11 条は地代等増減請求権を定める規定であり、地代又は土地の借賃が租税・公課の増減、土地価格の変動、近傍類似の地代との比較により不相当となった場合に、当事者が契約条件にかかわらず将来に向かって地代等の増減を請求できる形成権を規定する。増額しない特約は有効だが、不減額特約は無効とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
拒否しても、相当と認める額(通常は従来の地代)を払い続ければ滞納にはなりません。増額が裁判で確定するまでは従来額で足ります(11 条 2 項)。
租税・地価・近傍相場の変動で地代が不相当になったとき、当事者が将来に向けて増減を請求できる権利です。相手の同意は不要な形成権です。
地価下落や近傍相場下落のデータを揃え、内容証明等で請求します。協議が調わなければ簡易裁判所に調停を申し立てます(調停前置)。
訴訟の前にまず簡易裁判所の調停を経る必要がある仕組みです。調停を飛ばして訴訟を起こしても原則として調停に回されます(民事調停法 24 条の 2)。
租税・公課の増減、土地価格の変動、近傍類似の地代との比較で不相当となったことです。相続や代替わりは増額理由になりません。
借主が誠実に相当と判断する額で、通常は従来の地代です。ゼロや極端に低い額にすると誠実に払っていないと評価され不利になります。
増額確定なら不足額に、減額確定なら過払額に年一割の利息が付きます(11 条 2 項・3 項)。
できます。最高裁は自動増額特約があっても増減額請求権を排除しないと判断しました(最判平成 15.10.21)。
追い出されません。協議が調わない間は、あなたが相当と認める額(通常は従来の地代)を払い続ければ債務不履行になりません(11 条 2 項)。ただし増額を正当とする裁判が確定したら、不足分に年一割の利息を付けて払う必要があります。業界裏話ヒント:「相当と認める額」をゼロや極端に低い額にすると、後で誠実に払っていないと評価され不利になる。従来額をきっちり払い続けるのが鉄則。
できます。借地借家法 11 条の減額請求権は強行規定で、これに反して借地人に不利な不減額特約は無効です(サブリース判例、最判平成 15.10.21)。逆に「一定期間増額しない」特約は有効です(11 条 1 項ただし書)。業界裏話ヒント:契約書に不減額条項があっても諦めないこと。地主や仲介業者はこの条項が無効になりうると積極的には教えない。土地価格が下がった局面では専門家に相談する価値がある。
起こせません。地代増減請求の訴訟は調停前置主義で、まず簡易裁判所に調停を申し立てる必要があります(民事調停法 24 条の 2)。調停を飛ばして訴訟を提起すると、原則として調停に付されます。業界裏話ヒント:調停は非公開で柔軟、不動産鑑定士の評価も活用される。いきなり訴訟より時間も費用も抑えられることが多い。調停を面倒な前段階と侮らず、ここで決着させるのが実務の定石。
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|---|---|---|
| 対象 | 借地借家法 11 条:地代・土地の借賃(借地) | — |
| 増減の根拠 | 租税公課の増減・地価変動・近傍類似地代との不相当 | — |
| 不減額特約 | 強行規定により無効(借地人に不利な特約は効力なし) | — |
| 係争中の支払い | 相当と認める額の支払いで足り、確定後に年一割の利息で精算 | — |
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