要点行政手続法 36 条の 3 は、何人も法令違反の是正処分がされていないとき、権限ある行政庁に書面で処分等を求められると定める。行政庁は調査義務を負うが、応答自体は処分ではない。
Q · 役所が法令違反を放置しているとき、誰でも正式に取り締まりを求められるの?
誰でも書面で行政に是正処分を求められる制度です
行政手続法 36 条の 3 により、何人も、法令違反の事実があるのに是正の処分や行政指導(根拠が法律にあるものに限る)がされていないとき、権限を有する行政庁に申出書を提出して処分等を求めることができます。利害関係は不要です。申出を受けた行政庁は必要な調査を行い、必要があれば処分等をしなければなりません(同条 3 項)。ただし申出への応答は『処分』ではないため、無視されても審査請求や取消訴訟では争えない点に注意が必要です。
隣の空き家が半壊したまま放置され、台風のたびに屋根材が飛んでくる。役所の窓口に電話しても「検討します」で終わり、半年経っても何も動かない。多くの人はここで諦める。だが行政手続法 36条の3 を知っている人間は、別の手を打てる。この条文は「何人も」、つまり利害関係の有無を問わず誰でも、法令違反の事実があるのに是正の処分や行政指導がされていないとき、権限を持つ役所に対して「その処分をしろ」と正式に申し出る権利を与えている。口頭のクレームではなく、決まった様式の申出書を出せば、役所は必ず調査をし、必要があれば処分や行政指導をしなければならない。あなたが握っているのは、行政を法律で動かす起動スイッチだ。ただし一つだけ、玄人が黙っている落とし穴がある。この申出に対する役所の回答は「処分」ではないため、無視されても審査請求や取消訴訟では争えない。武器の射程を知らずに使うと、空振りする。
処分等の求めとは、行政手続法 36 条の 3 が定める制度で、何人も、法令違反の事実があるのに是正のための処分または行政指導がされていないと思料するとき、所定の申出書により権限を有する行政庁または行政機関に対し当該処分等をすることを求めることができる仕組みをいう。申出を受けた行政庁は必要な調査義務を負う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政手続法 36 条の 3 に基づき、何人も、法令違反が是正されていないとき、権限ある行政庁に書面で処分や行政指導を求められる制度です。利害関係は不要です。
求める処分の権限を有する行政庁、または行政指導の権限を有する行政機関に提出します。権限の所在を誤ると調査義務が発生しないため、所管官庁の特定が重要です。
申出自体に法定の期限はなく、違法状態が続く限りいつでも可能です。ただし対象の違反行為に時効や除斥期間がある場合は、その消滅前に動く必要があります。
できません。申出書には申出人の氏名・名称と住所・居所の記載が法定されています(同条 2 項)。匿名の情報提供は通常の通報扱いとなり、調査義務は生じません。
食品衛生法や風営法など根拠法律の条項を申出書に明記し、所管行政庁へ 36 条の 3 で処分を求めます。電話の苦情と違い行政は調査義務を負います。
応答は処分でないため取消訴訟は使えません。非申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法 37 条の 2)が司法ルートですが、重大な損害と原告適格の壁があります。
原則できません。36 条の 3 の対象は『根拠となる規定が法律に置かれている』処分・行政指導に限られます。条例のみが根拠の規制は対象外で、別ルートを探す必要があります。
申出自体に手数料はかかりません。書面の作成・郵送費程度で行政の調査義務を起動できます。ただし不作為後の義務付け訴訟に進むと訴訟費用や弁護士費用が必要です。
決定的に違います。電話の苦情に役所は法的な応答義務を負いませんが、36条の3 の申出書を出すと役所は『必要な調査を行い、必要があれば処分しなければならない』という調査義務を法律上負います(同条 3 項)。担当者の裁量で握りつぶせなくなる。業界裏話ヒント:実務では、根拠法令の条項を正確に特定した申出書ほど役所が動きやすい。逆に『なんとかしてほしい』という情緒的な書面は調査義務の対象になっても優先度を下げられがち。条項を特定できる人と、できない人で、行政の反応速度がまるで違う
ここが最大の落とし穴です。申出に対する役所の応答や不作為は法律上の『処分』ではないため、審査請求も取消訴訟もできません。役所が動かないときの司法ルートは、非申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法 37条の2)になりますが、『重大な損害を生ずるおそれ』と原告適格という高い要件があります。業界裏話ヒント:弁護士はこの違いを知っているから、最初から訴訟を見据えるケースでは、申出書を『将来の義務付け訴訟の証拠固め』として戦略的に使う。申出して役所が動かなかった記録そのものが、後の訴訟で行政の不作為を立証する材料になる
できます。条文は『何人も』と定めており、利害関係や原告適格を一切要求していません(同条 1 項)。これは取消訴訟や非申請型義務付け訴訟との決定的な違いです。あちらは原告適格の壁で第三者が門前払いされますが、36条の3 は誰でも入れる広い入口です。業界裏話ヒント:だからこそ、自分が訴訟では原告適格を満たせない第三者の立場のとき、まず 36条の3 で行政を動かせるか試すのが定石。訴訟という重い扉を叩く前に、誰でも押せる軽いスイッチがあることを知っているかどうかで、打てる手の数が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 起動できる主体 | 36 条の 3:何人も(利害関係・原告適格不要) | — |
| 行政・裁判所に生じる効果 | 行政庁に必要な調査義務(必要時に処分) | — |
| 応答の処分性 | 応答は処分でない(取消訴訟で争えない) | — |
| 利用のハードル | 低い(誰でも書面で起動) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。