保険業法 第240条の12(契約条件の変更の通知及び異議申立て等)
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- 保険会社は、前条第一項の承認があった場合には、当該承認があった日から二週間以内に、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更の主要な内容を公告するとともに、契約条件の変更に係る保険契約者(以下この条において「変更対象契約者」という。)に対し、同項の決議に係る契約条件の変更の内容を、書面をもって、通知しなければならない。
- 2.前項の場合においては、契約条件の変更がやむを得ない理由を示す書類、契約条件の変更後の業務及び財産の状況の予測を示す書類、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱いに関する事項を示す書類、経営責任に関する事項を示す書類その他の内閣府令で定める書類(第二百四十条の五第四項に規定する方針がある場合にあっては、その方針の内容を示す書類を含む。)を添付し、変更対象契約者で異議がある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を、前項の書面に付記しなければならない。
- 3.前項の期間は、一月を下ってはならない。
- 4.第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数が変更対象契約者の総数の十分の一を超え、かつ、当該異議を述べた変更対象契約者の保険契約に係る債権の額に相当する金額として内閣府令で定める金額が変更対象契約者の当該金額の総額の十分の一を超えるときは、契約条件の変更をしてはならない。
- 5.第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数又はその者の前項の内閣府令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該変更対象契約者全員が当該契約条件の変更を承認したものとみなす。
この条文の基本情報
契約条件の変更の通知及び異議申立て等とは何ですか?
定義契約条件の変更の通知及び異議申立て等とは、保険業法第240条の12に定められた規定で、「保険会社は、前条第一項の承認があった場合には、当該承認があった日から二週間以内に、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更の主要な内容を公告するとともに…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第240条の12(契約条件の変更の通知及び異議申立て等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第240条の12の条文原文は「保険会社は、前条第一項の承認があった場合には、当該承認があった日から二週間以内に、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更の主要な内容を公告するとともに…」で始まります。
- 保険業法第240条の12は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第240条の12の前の条は保険業法第240条の11です。
- 保険業法第240条の12の次の条は保険業法第240条の13です。
- 保険業法第240条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/240_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法240条の12は、契約条件変更の承認後二週間以内の公告と個別通知、一月以上の異議申立期間を義務づけ、人数と債権額の双方で十分の一超の異議があれば変更を禁止する。
Q · 保険会社から「契約条件変更のお知らせ」が届いたけど、放っておいたらどうなるの?
黙っていると承認したとみなされます
保険業法240条の12第5項により、異議申立期間内に異議を述べなかった変更対象契約者は、全員が契約条件の変更を承認したものとみなされます。異議申立期間は3項により一月を下ることができず、期間と添付書類は1項・2項の通知書面に付記されます。逆に、異議を述べた契約者が人数で総数の十分の一を超え、かつ債権額でも総額の十分の一を超えれば、4項により保険会社は契約条件の変更をすることができません。封筒を開けずに期限を過ぎることは、賛成票を投じることと同じ効果をもちます。
解説
契約している生命保険の予定利率が下がる、解約返戻金が減る。そんな通知が突然届いたとき、あなたが「黙って受け入れるしかない」と思ったら、それは誤りである。保険業法240条の12は、保険会社が契約条件を変更する際、承認から二週間以内に公告し、対象となる契約者一人ひとりに書面で通知することを義務づける。そしてその書面には、一か月以上の異議申立期間が必ず付記されていなければならない。決定的なのは4項だ。異議を述べた契約者が「人数で10分の1超」かつ「債権額で10分の1超」の二つを同時に満たせば、保険会社は契約条件を変更できない。逆に言えば、5項により、期間内に異議を述べなければ、あなたは変更を承認したものとみなされる。沈黙は同意として法的に処理される。届いた封筒を開けないまま一か月が過ぎることの意味は、そこにある。
法的な位置づけ
保険業法240条の12は、保険会社が契約条件の変更について承認を受けた後の公告・通知および異議申立手続を定める規定である。承認日から二週間以内の公告と個別の書面通知、一月以上の異議申立期間、人数および債権額の双方が十分の一を超える異議による変更禁止、期間徒過による承認擬制の四点を内容とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書面の付記から読み、異議申立期間の末日を確定する 分厚い書類の冒頭から読むのではなく、2項に基づく付記部分(異議がある者は一定の期間内に異議を述べるべき旨)を先に探す。3項により一月を下ることはないが、起算点と末日は書面記載によるため、カレンダーに末日を入れてから本文に戻る
- 2.2項の添付書類を精読し、異議の理由に使える不備を拾う 「契約条件の変更がやむを得ない理由を示す書類」と「経営責任に関する事項を示す書類」を重点的に読む。役員報酬の返上や退任の記載が薄い、変更後の財産状況の予測に前提の開示がないといった点は、そのまま異議の理由書に引用でき、後に手続の瑕疵を主張する土台にもなる
- 3.債権額要件を満たすため、同一商品の契約者と連携する 4項は人数と債権額の二重要件であるため、小口契約者だけが集まっても変更は止まらない。同一商品・同一時期の契約者と情報を共有し、契約高の大きい契約者や契約者団体・消費者団体に働きかけて、債権額でも十分の一を超える構成をつくる
- 4.期間内に書面で異議を述べ、控えと発送記録を保全する 4項は「異議を述べた変更対象契約者の数」を基準とし、理由の当否を審査する規定を置いていない。形式が整っていれば一行でも数に算入されるため、自己検閲して出さないことが最大の損失になる。特定記録郵便や簡易書留で発送し、控えと受領記録を保存する
- 5.手続の瑕疵が疑われる場合は監督当局への情報提供と法律相談を並行させる 公告が承認日から二週間を超えている、個別通知が届いていない、異議申立期間が一月未満である、2項の添付書類が欠けているといった事情があれば、金融庁への情報提供と弁護士相談を同時に進める。集計結果の開示を求める照会も記録として残す
よくある質問 AI による整理
Q1契約条件の変更とは何ですか?
保険会社が破綻する前に、予定利率や保険金額などの契約条件を引き下げて事業継続を図る制度です。保険業法240条の2以下が手続を定め、240条の12が契約者への通知と異議申立てを規律します。
Q2異議申立期間はいつまでですか?
保険会社が定めますが、保険業法240条の12第3項により一月を下ることはできません。起算点と末日は通知書面の付記部分に記載されるため、まずその日付を確認してください。
Q3異議を述べないとどうなりますか?
5項により、期間内に異議を述べなかった変更対象契約者は、全員が変更を承認したものとみなされます。沈黙は中立ではなく賛成として集計される点が最大の落とし穴です。
Q4十分の一の要件は人数だけですか?
いいえ。4項は異議者の人数が総数の十分の一を超えることに加え、その保険契約に係る債権額が総額の十分の一を超えることも要求します。両方を満たさなければ変更は止まりません。
Q5通知はどんな方法で届きますか?
1項により、変更の主要な内容の公告と、変更対象契約者に対する書面による個別通知の両方が必要です。公告のみ、ウェブ掲載のみでは条文の要件を満たしません。
Q6通知には何が添付されますか?
2項により、変更がやむを得ない理由、変更後の業務・財産の状況の予測、基金および保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱い、経営責任に関する事項など、内閣府令で定める書類が添付されます。
Q7異議を出した人だけ不利に扱われませんか?
4項・5項は、異議の有無によって個別の契約内容に差を設ける規定を置いていません。異議は変更の可否を決める票として集計されるだけで、個別に不利益な扱いを受ける仕組みにはなっていません。
Q8予定利率の引下げは違法ではないのですか?
保険業法240条の2以下の手続と内閣総理大臣の承認を経れば適法です。ただし240条の12の公告・通知・異議申立手続を欠けば手続の瑕疵となり、変更の効力自体が争われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異議を出すとき、理由をちゃんと書かないとカウントされないんですか?
4項は「異議を述べた変更対象契約者の数」としか書いておらず、理由の当否を審査する規定はない。形式的に期間内に異議を述べれば数に算入される。実務のポイント:だからこそ保険会社側は、異議を出しにくい書式設計や、変更の必要性を強調する説明会運営で心理的ハードルを上げる。「理由が書けないから出せない」と自己検閲する契約者が多いことを見込んだ設計になっている。一行でも書いて出すことに意味がある
Q210分の1を超えて変更が止まったら、その保険会社はどうなるんですか?
契約条件の変更(240条の5以下の手続)は破綻前に自主的に立て直すための制度である。これが否決されれば、より重い更生手続や保険契約者保護機構による対応に進む可能性が高い。実務のポイント:つまり異議が通ることが契約者にとって常に有利とは限らない。変更を拒めば予定利率は守られるが、会社が破綻すれば保護機構による補償は責任準備金の90% が原則で、高予定利率契約はさらに削減されうる。異議を出すか否かは、変更後の条件と破綻時の補償水準を比較して判断する話である
Q3通知が家族宛に来たけど、本人が入院中で意思表示できません。どうすれば?
異議申立は契約者本人の行為なので、任意代理なら委任状、判断能力を欠く場合は成年後見人等による代理が原則となる。期間は一か月以上あるが後見申立は通常それより時間がかかる。実務のポイント:保険会社の窓口に事情を説明して記録を残しておくと、後に手続の適正さを争う際の材料になる。通知の到達自体を争える場面もあるため、封筒と消印は必ず保存する
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約条件の変更は保険会社が一方的に決めるもので、契約者に止める手段はない」と思われている。実際は逆で、10分の1という極めて低いハードルで契約者側が拒否権を行使できる。会社法の株主総会決議が過半数や3分の2を要求するのと比べれば、この10分の1がいかに契約者寄りかが分かる
- 異議申立制度があることは知っていても、「異議を述べなければ何も起きない」と理解している人が多い。5項の効果はその真逆で、沈黙は承認とみなされる。無反応は中立ではなく、賛成側に算入される。この一点を知らないまま封筒を放置することの重大性が、通常の DM を無視するのとは桁違いである
- 「10分の1の反対があれば変更は止まる」という理解も不正確である。4項は人数要件と債権額要件の両方を要求する。あなたから見れば「10人に1人が反対すれば勝ち」だが、法律から見れば「反対者の保有する債権額も総額の10分の1を超えなければ意味がない」。小口契約者ばかりが反対しても、この落差が異議を空振りさせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 240条の12:承認後の公告・通知と異議申立手続 | 240条の5:契約条件の変更を決議する社内手続 240条の13:異議手続を経た後の変更の効力発生 |
| 主たる行為者 | 保険会社(公告・通知)と変更対象契約者(異議) | 保険会社(株主総会・社員総会等の決議) 保険会社(変更内容の確定・実行) |
| 契約者の関与 | 異議を述べることで変更を阻止できる(人数・債権額とも十分の一超) | 決議段階では契約者に直接の議決権はない 効力発生段階では個別の阻止手段はない |
| 欠けた場合の効果 | 公告・通知・期間・添付書類の不備は手続の瑕疵となり変更の効力が争われる | 決議を欠けば承認申請の前提を欠く 先行手続に瑕疵があれば効力発生自体が争われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では接管人が保険契約の変更・移転を行う際に主管機関の認可を要する構成であり、契約者側の十分の一の否決権という投票型の設計は採られていない
韓国は保険契約の移転について公告・通知と一月以上の異議申立期間を定め、異議者の人数と保険金額の双方が十分の一を超えると移転できないとする。日本の本条と要件構造が最も近い
ドイツは生命保険会社の給付の引下げを監督当局の処分として行う構成であり、契約者の集団的な異議による否決という枠組みは持たない
米国は州の保険監督官が rehabilitation の receiver となり裁判所の監督下で契約の修正を行う。契約者の関与は裁判所手続への参加という形をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 20年前に契約した予定利率5.5% の個人年金保険。保険会社から「契約条件変更のお知らせ」という分厚い封筒が届く。中には変更がやむを得ない理由書、変更後の財産予測、経営責任に関する書類が同封されている。読まずに置いておくと、一か月後にあなたは変更を承認した契約者としてカウントされる
- もし異議を述べた契約者が全体の9% しかいなかったら、どうなる? 4項は人数10分の1超「かつ」債権額10分の1超という二重の関門を置いている。片方だけ超えても変更は止まらない。つまり、少額契約者が大量に反対しても、大口契約者が動かなければ阻止できない設計になっている
- あなたが保険会社の実務担当者側だったとする。二週間の公告期限、一か月以上の異議期間、内閣府令で定める添付書類一式。一つでも欠ければ手続の瑕疵になり、変更全体の効力が争われる。スケジュールは承認日から逆算して組む
- 親が加入していた保険について、認知症の親宛に通知が届いた。異議申立期間はあと20日。成年後見の申立ては間に合わない。家族としてどう動くか、任意代理か、保険会社への照会か。時間圧の中で判断が要る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書面の付記部分から先に読み、異議申立期間の末日を確認する。一か月以上あるはずだが、起算点は通知日ではなく書面記載の期間による2. 添付書類のうち「変更がやむを得ない理由」と「経営責任に関する事項」を精読、内容が薄ければそれ自体を異議の理由にする3. 同一商品の契約者と情報を共有、契約高の大きい契約者に声をかけて債権額要件を満たしにいく4. 異議は期間内に書面で述べる。内容の当否は問われず、述べたこと自体がカウントされる5. 手続に瑕疵があると考える場合は、金融庁への情報提供と弁護士相談を並行させる
訴えられた側:1. 承認日から二週間以内の公告と個別通知を確実に履行、起算日を承認書面の日付で確定させる2. 2項の添付書類は内閣府令の定めを一つずつ潰す。理由書、財産状況予測、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱い、経営責任、方針がある場合はその内容3. 異議申立期間は一か月を下回れない(3項)。余裕を持って設定し、通知到達の遅れによる争いを避ける4. 異議数の集計は人数と債権額の両軸で管理、内閣府令で定める金額の算定方法を事前に確定させておく5. 集計結果と手続の履行記録は、後の効力争訟に備えて保全する
時効(請求できる期限):保険会社の公告・通知義務は承認日から二週間以内(1項)。契約者の異議申立期間は保険会社が定めるが一か月を下れない(3項)。この期間を徒過すると5項により承認擬制が働き、異議の機会は失われる。承認擬制後に変更の効力自体を争う場合、特定の時効規定はないが、一般消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される
学説
通説:契約条件の変更は契約内容の一方的な切下げであり契約自由の原則の重大な例外であるため、その正当化根拠は手続保障の厚さに求められると解されている。公告・個別通知・一月以上の異議期間・詳細な添付書類・十分の一の否決権が一体として機能してはじめて変更が適法となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により現行法が制定され、保険会社の監督・破綻処理の枠組みが整備された
- 2.平成15年(2003年) 新設:破綻前に予定利率等を引き下げる契約条件の変更手続(240条の2以下)が新設され、その一環として公告・通知と異議申立てを定める本条が置かれた
- 保険業法 第240条の5契約条件の変更を決議する手続の根拠規定
- 保険業法 第240条の11本条の前提となる内閣総理大臣の承認
- 保険業法 第240条の2契約条件変更の申出の要件と手続の開始
- 保険業法 第240条の13異議申立手続を経た後の契約条件変更の効力発生
- 保険業法 第270条破綻時の保険契約者保護機構による資金援助との比較軸
- 会社更生法 第196条更生計画の可決要件との対比、債権者の議決権行使の一般法理
- 保険法 第2条保険契約の定義、変更対象となる契約の外延
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