保険業法 第240条の11(契約条件の変更に係る承認)
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- 保険会社は、第二百四十条の五第一項の決議(外国保険会社等にあっては、契約条件の変更についての決定。以下この節において同じ。)があった場合(第二百四十条の六第五項(同条第六項及び第七項において準用する場合を含む。)の規定により第二百四十条の五第一項の決議があったものとみなされる場合を含む。)には、当該決議の後、遅滞なく、当該決議に係る契約条件の変更について、内閣総理大臣の承認を求めなければならない。
- 2.内閣総理大臣は、当該保険会社において保険業の継続のために必要な措置が講じられた場合であって、かつ、第二百四十条の五第一項の決議に係る契約条件の変更が当該保険会社の保険業の継続のために必要なものであり、保険契約者等の保護の見地から適当であると認められる場合でなければ、前項の承認をしてはならない。
この条文の基本情報
契約条件の変更に係る承認とは何ですか?
定義契約条件の変更に係る承認とは、保険業法第240条の11に定められた規定で、「保険会社は、第二百四十条の五第一項の決議(外国保険会社等にあっては、契約条件の変更についての決定。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第240条の11(契約条件の変更に係る承認)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第240条の11の条文原文は「保険会社は、第二百四十条の五第一項の決議(外国保険会社等にあっては、契約条件の変更についての決定。」で始まります。
- 保険業法第240条の11は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第240条の11の前の条は保険業法第240条の10です。
- 保険業法第240条の11の次の条は保険業法第240条の12です。
- 保険業法第240条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/240_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法240条の11は、契約条件の変更の決議後、保険会社が遅滞なく内閣総理大臣の承認を求めることを義務づけ、承認は保険業の継続に必要で契約者等の保護の見地から適当な場合に限ると定める。
Q · 契約者集会で保険の条件引き下げが決議されたら、もう条件は下がってしまうの?
決議だけでは下がらない。国の承認が要る
保険業法240条の11第1項により、保険会社は240条の5第1項の決議の後、遅滞なく契約条件の変更について内閣総理大臣の承認を求めなければなりません。同条2項は、保険業の継続のために必要な措置が講じられ、かつ当該変更が継続のために必要で、保険契約者等の保護の見地から適当と認められる場合でなければ承認してはならないと定めます。つまり決議は第一関門にすぎず、行政審査という第二の関門を通らなければ条件変更は実行できません。
解説
契約者が知らないところで、自分の保険の中身が書き換えられる決議が通ることがある。破綻寸前の保険会社が、予定利率を下げたり、解約返戻金を削ったりする「契約条件の変更」だ。その決議が通った瞬間に条件が変わると思っている人が多いが、違う。保険業法240条の11は、決議の後に内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)の承認という関門をもう一つ置いている。しかも2項が厳しい。承認できるのは、会社側が保険業を続けるための措置を実際に講じていて、かつその条件変更が事業継続に必要で、しかも保険契約者等の保護の見地から適当だと認められる場合だけである。つまり、経営陣が株主や再建スポンサーの都合で契約者の取り分だけを削る案は、決議が通っても行政の段階で止まる設計になっている。あなたの証券の価値を守る最後の鍵は、決議の票数ではなく、この承認の二重条件の側にある。
法的な位置づけ
保険業法240条の11は、契約条件の変更に係る行政承認の規定である。保険会社は240条の5第1項の決議(外国保険会社等では契約条件の変更についての決定)の後、遅滞なく内閣総理大臣の承認を求める義務を負い、承認は保険業の継続に必要な措置が講じられ、変更が継続に必要かつ契約者等の保護の見地から適当と認められる場合に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.招集通知と変更計画を保存し、削減幅を数値化する 契約者集会の招集通知と添付の契約条件変更計画を保存し、予定利率・解約返戻金・保険金額が自分の証券に対してどれだけ削られるかを突き合わせて数値化する
- 2.「保険業の継続のために必要な措置」の具体性を確認する 240条の11第2項の第一要件である継続措置について、経営責任の明確化、増資やスポンサー確保、資産処分の記載が計画書にあるかを確認する。記載が抽象的なら争点として書き留める
- 3.決議前に議決権を行使し、反対意見を書面で残す 契約者集会で議決権を行使し、反対する場合は理由を書面で提出して記録に残す。決議後の承認審査で参照され得る材料を、決議前の段階で作っておく
- 4.決議後、承認手続の段階で金融庁へ意見・情報提供を行う 決議が通っても承認の関門が残る。契約者の犠牲と経営陣・株主の負担の均衡について、同種契約者と連携した意見書を金融庁に届ける
- 5.募集時の説明義務違反は別軸で検討する 販売時の説明に虚偽や重大な不備があった疑いがある場合、契約条件の変更とは別の争点として、募集時の説明義務違反を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1契約条件の変更とは何ですか?
破綻を避けるため、予定利率の引き下げなど既存の保険契約の内容を切り下げる手続です。保険業法240条の2以下に手続が定められ、240条の11の承認を経て初めて実行できます。
Q2予定利率の引き下げは決議だけで決まりますか?
決まりません。保険業法240条の11第1項により、決議後に内閣総理大臣の承認を求める必要があり、2項の要件を満たさなければ承認されません。
Q3内閣総理大臣の承認は実際は誰が行いますか?
保険業法313条により内閣総理大臣の権限は金融庁長官に委任されており、実務上は金融庁が審査・処分を行います。
Q4承認されなかったらどうなりますか?
契約条件の変更は実行できません。保険会社は別の再建策に戻るか、更生特例法による更生手続や破綻処理に進むことになります。
Q5外国保険会社の日本支店でも同じ手続ですか?
同じ関門があります。240条の11第1項の括弧書きにより、外国保険会社等では決議に代えて契約条件の変更についての決定が対象となり、承認は同様に必要です。
Q6承認はいつまでに申請する必要がありますか?
条文は「当該決議の後、遅滞なく」と定めるのみで日数の明示はありません。実務上は決議後速やかな申請が求められます。
Q7契約者は承認手続に関与できますか?
条文上の参加手続はありませんが、審査対象は会社の再建計画です。金融庁への意見提出や同種契約者との連携が2項の判断材料になり得ます。
Q8みなし決議でも承認は必要ですか?
必要です。240条の6第5項により決議があったとみなされる場合も、240条の11は同じく承認を要求しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約者集会で反対したのに決議が通ってしまいました。もう何もできませんか
決議が通っても契約条件の変更はまだ確定していない。240条の11第1項により会社は内閣総理大臣の承認を求めなければならず、2項の三要件を満たさない限り承認は下りない。実務のポイント:承認審査で当局が最も神経を使うのは、契約者の犠牲と経営陣・株主側の負担が釣り合っているかという点である。再建計画のうち、経営責任の記載が薄い部分こそ、意見を出すなら狙うべき場所になる
Q2外国の保険会社の日本支店で入っているのですが、同じ扱いですか
同じ関門がある。240条の11第1項は括弧書きで、外国保険会社等については契約者集会の決議に代えて契約条件の変更についての決定を対象とすると定めている。承認がなければ変更は実行できない点は変わらない。実務のポイント:支店形態か日本法人かで、破綻時にどの国の資産が引当てになるかは大きく変わる。契約前にどちらの形態かを確認しておくと、いざというときの回収可能性の見通しが違う
Q3そもそも、なんで保険だけ契約の中身を後から下げられるんですか
保険は長期の相互扶助の仕組みで、会社が破綻すると全契約者が一斉に大きな損失を受ける。240条の5以下の枠組みは、破綻より軽い損失で契約を存続させる道として設けられた。だからこそ240条の11第2項は、保険業の継続に必要で契約者等の保護の見地から適当な場合に限ると歯止めをかけている。実務のポイント:条件変更後に解約すると、削られた後の返戻金で確定する。変更手続が動き出した局面での解約は、損失を自分で確定させる行為になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約者集会で決議されたら、その瞬間に自分の保険の条件は下がる」と理解している人が多い。実際には決議は出発点にすぎず、内閣総理大臣の承認を経なければ変更は実行できない。決議の後、遅滞なく承認を求めるのは会社側の義務であり、承認の可否という第二段階が残っている
- 承認の存在自体は知っていても、その基準の厳しさを見落としている人が多い。240条の11第2項は、承認してよい場合を積極的に限定する書き方をしている。会社側が保険業継続のための措置を講じたこと、条件変更が継続に必要であること、契約者等の保護の見地から適当であること、この三つが揃わなければ承認してはならないという禁止形の規定である。行政に広い裁量があるのではなく、逆に手を縛る条文だ
- 「行政の承認なんて形式的な手続で、どうせ会社の言いなりだろう」という見方は、問いの立て方自体がずれている。この承認は会社を助けるための手続ではなく、契約者の犠牲の上に会社が生き延びることを正当化できるかを審査する場である。審査対象は会社の再建計画であって、契約者の同意の有無ではない
- 契約者から見れば「決議で多数決に負けた自分にはもう手がない」と映る。だが法律から見れば、決議は保険契約者等の保護という要件の充足を推認させる一材料にすぎない。この落差を知らないまま決議直後に諦めると、承認手続の局面で自分の声を届ける機会を丸ごと捨てることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階 | 240条の11:決議後の内閣総理大臣の承認 | 240条の5:契約者集会の決議 240条の12:承認後の効力発生 |
| 判断主体 | 内閣総理大臣(313条により金融庁長官へ委任) | 保険契約者等(集会での多数決) 法律上当然に発生(会社の公告・通知を伴う) |
| 要件の性質 | 継続措置・継続の必要性・契約者等の保護の見地からの適当性の三要件(禁止形) | 法定の議決要件の充足 承認という先行要件の充足 |
| 不成立時の帰結 | 変更は実行できず、別の再建策または更生・破綻処理へ | 240条の6第5項のみなし決議ルートを経る場合がある 効力が生じず従前の契約条件が存続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では主管機関が経営不善の保険会社に対し監督・接管・清理を命じる枠組みを置くが、既契約条件の切り下げを契約者集会決議+行政承認で行う日本型の手続は独自色が強い
韓国は保険契約の移転・整理について金融委員会の認可を要求する構造で、行政審査を通じた契約者保護という設計思想は日本と近い
ドイツは監督官庁(BaFin)が支払停止や給付の引き下げを命じ得る規定を置き、契約者集会の決議を介さず監督処分として行う点が日本と異なる
米国は州の保険監督官が更生手続の管財人となり、更生計画は州裁判所の承認を受ける。行政ではなく裁判所が最終関門となる点が日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 20年前に予定利率5.5% で入った個人年金。契約している生保が経営難に陥り、予定利率を3% に引き下げる契約条件の変更が決議されたと通知が届いた。決議が通った時点で諦める人が大半だが、条件変更が効力を持つには内閣総理大臣の承認が要る。承認申請の内容と、会社側が本当に経営責任を含む「保険業の継続のために必要な措置」を講じたかは、契約者集会の資料と金融庁の公表情報から追える
- もし、承認が下りなかったらどうなる? 決議はあっても契約条件の変更は実行できない。会社側は別の再建策に戻るか、更生手続や破綻処理に進む。承認は単なる事後の押印ではなく、再建シナリオそのものの分岐点になっている
- 外国保険会社等の日本支店に加入している場合。この条文は括弧書きで、外国保険会社等では「決議」の代わりに契約条件の変更についての決定が対象だと明示している。日本法人のような契約者集会の決議がなくても、承認の関門は同じように働く
- 保険会社の経営企画部にいるあなたの側から見ると、話は逆になる。決議を取りに行く前の段階で、経営責任の明確化・資産売却・スポンサー確保といった継続措置の絵を完成させていないと、決議を勝ち取っても2項で承認が出ない。決議獲得に全リソースを注ぐ設計は、順序を間違えている
- 契約者集会の決議が成立せず、240条の6第5項のみなし決議ルートで処理された案件。この場合も本条は同じく承認を要求する。契約者の意思表示が薄いルートを通ったからこそ、行政審査の重みは相対的に増す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約者集会の招集通知と添付の変更計画を保存し、予定利率・解約返戻金・保険金額のどこがどれだけ削られるか自分の証券と突き合わせて数値化する2. 会社側が示す「保険業の継続のために必要な措置」の具体性、特に経営責任・増資やスポンサー・資産処分の記載を確認する3. 決議前に議決権を行使し、反対意見は書面で残す4. 決議後も承認の段階が残るので、金融庁への意見・情報提供や同種契約者との連携を続ける5. 販売時の説明に虚偽や重大な不備があった疑いがあれば、条件変更とは別軸で募集時の説明義務違反として争う余地を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 保険会社側に立つ場合、決議の獲得より先に2項の三要件を満たす立証資料を組み上げる。継続措置の実施実績、変更の必要性を示す収支シミュレーション、契約者間の公平性の説明が柱になる2. 契約者の負担と経営陣・株主の負担のバランスが取れていない案は承認されないという前提で計画を設計する3. 決議後は遅滞なく承認を求める義務があるので、申請書類は決議前から並行して準備する4. みなし決議ルートを使った案件ほど、契約者保護の疎明を厚くする
時効(請求できる期限):本条は承認申請の時期を「当該決議の後、遅滞なく」と定めるのみで、日数の明示はない。実務上は決議後速やかに申請することが求められる。承認処分に不服がある場合の争い方は行政不服審査法または行政事件訴訟法の期間制限に服し、処分を知った日の翌日から審査請求は3か月、取消訴訟は6か月が一般的な上限となる(最新の改正状況をご確認ください)
- 保険業法 第240条の2契約条件の変更手続の開始申出
- 保険業法 第240条の5承認の前提となる契約者集会の決議
- 保険業法 第240条の6決議があったものとみなす場合の定め
- 保険業法 第240条の12承認後の契約条件変更の効力発生
- 保険業法 第313条内閣総理大臣の権限の金融庁長官への委任
- 行政手続法 第5条承認の審査基準の設定・公表義務
- 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第1条承認不能時に移行しうる更生手続の枠組み
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