保険業法 第240条の6(契約条件の変更における株主総会等の特別決議等に関する特例)
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- 株式会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。)から第五号まで、第九号、第十一号若しくは第十二号(株主総会の決議)若しくは第三百二十四条第二項第一号若しくは第四号(種類株主総会の決議)に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議若しくは第六十九条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百六十五条の三第二項若しくは第百六十五条の十第二項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 2.株式会社である保険会社における前条第一項の決議とともにする会社法第三百九条第三項各号若しくは第三百二十四条第三項各号に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は同法第三百二十三条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)の規定若しくは第百六十五条の三第四項若しくは第六項若しくは第百六十五条の十第六項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 3.相互会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする第五十七条第二項、第六十条第二項、第六十二条第二項、第六十二条の二第二項、第八十六条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百五十六条又は第百六十五条の十六第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した社員(総代会を設けているときは、総代)の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 4.第一項の規定により仮にした決議(以下この条において「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
- 5.前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
- 6.前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
- 7.第四項及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、第四項中「各株主」とあるのは「各社員(総代会を設けているときは、各総代)」と、同項及び第五項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同項中「第一項」とあるのは「第三項」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
契約条件の変更における株主総会等の特別決議等に関する特例とは何ですか?
定義契約条件の変更における株主総会等の特別決議等に関する特例とは、保険業法第240条の6に定められた規定で、「株式会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第240条の6(契約条件の変更における株主総会等の特別決議等に関する特例)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第240条の6の条文原文は「株式会社である保険会社における前条第一項の決議又はこれとともにする会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。」で始まります。
- 保険業法第240条の6は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第240条の6の前の条は保険業法第240条の5です。
- 保険業法第240条の6の次の条は保険業法第240条の7です。
- 保険業法第240条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/240_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法240条の6は、契約条件の変更の決議について定足数を外し、出席株主の議決権の三分の二(相互会社は出席社員の四分の三)で仮決議を認め、一月以内の再決議で本決議とみなす。
Q · 保険会社の契約条件変更って、株主が全然集まらなくても決議できちゃうの?
できる。定足数を外した仮決議+一月以内の再決議で成立する
保険業法240条の6は、契約条件の変更(240条の5第1項)の決議について通常の特別決議の定足数要件を適用せず、出席した株主の議決権の三分の二以上(相互会社では出席社員・総代の議決権の四分の三以上)で「仮決議」を成立させることを認めます。仮決議後は各株主に趣旨を通知し、仮決議の日から一月以内に再度の総会を招集する義務があり(4項)、その総会で同じ多数の承認を得た時に本決議があったものとみなされます(5項)。出席者が少なくても決議は成立しうる一方、手続は二段階になります。
解説
契約条件の変更、つまり保険会社が破綻しかけたときに、あなたの保険の予定利率を下げたり、解約返戻金を削ったりする決議。これを保険会社が通そうとするとき、通常なら株主総会の定足数(議決権の過半数の株主が出席)を満たす必要がある。だが240条の6は、その定足数を事実上外す。出席した株主の議決権の三分の二(相互会社なら出席社員の四分の三)さえあれば、たとえ出席がごくわずかでも「仮決議」として成立させられる。仮決議の後、一か月以内に再度総会を招集し、そこで同じ多数で承認されれば、その瞬間に本決議があったものとみなされる。あなたが契約者として知るべきは、この二段階構造そのものが「時間との競争」の設計だという点だ。破綻寸前の保険会社で株主が集まらないという理由だけで再建手続が止まれば、契約者全員が保険金ゼロの清算に落ちる。定足数を捨ててでも決議を成立させるという立法判断が、この条文の正体である。
法的な位置づけ
保険業法240条の6は、契約条件の変更に係る決議の特例を定める規定である。株式会社である保険会社では出席株主の議決権の三分の二以上、相互会社では出席社員(総代会設置時は総代)の議決権の四分の三以上の多数により仮決議をすることを認め、仮決議の日から一月以内に招集された再度の総会で同一の多数による承認があった時に、当該事項に係る決議があったものとみなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.適用条項を1項・2項・3項から特定する 契約条件の変更決議と併せて行う決議の種類を洗い出し、株式会社なら1項(議決権の三分の二)か2項(頭数の半数以上+議決権の三分の二)か、相互会社なら3項(四分の三)かを個別に判定する。要件を取り違えると決議全体が瑕疵を帯びる
- 2.総会を招集し仮決議を成立させる 定足数を満たさない見込みでも総会を開催し、出席者の所定の多数で仮決議を行う。議事録に仮決議である旨と各議案の賛成議決権数・頭数を明記する
- 3.各株主・各社員に仮決議の趣旨を通知する 4項(相互会社は7項の読替え)に基づき、各株主または各社員(総代会設置時は各総代)に仮決議の趣旨を通知する。通知を欠くと後続の決議が無効化されうるため、発送記録を保存する
- 4.一月以内に再度の総会を招集する 仮決議の日から一月以内に再度の株主総会(相互会社では社員総会または総代会)を招集する。招集通知の発送期間を逆算し、期限を徒過しないよう日程を組む
- 5.再度の総会で承認を得て本決議とみなす 再度の総会で仮決議と同じ多数により承認を得る。承認があった時に、仮決議をした事項に係る決議があったものとみなされる(5項)。議事録に承認時刻を記録し、後続の契約者への通知・公告手続へ進む
よくある質問 AI による整理
Q1仮決議とは何ですか?
定足数を満たさなくても、出席者の特別多数だけで暫定的に成立させる決議です。保険業法240条の6では、一月以内の再度の総会で承認されて初めて本決議とみなされます。
Q2保険会社の契約条件の変更とは何ですか?
破綻を回避するため、予定利率や解約返戻金など既存契約の条件を引き下げる手続です。保険業法240条の5の決議を経て行われ、240条の6がその決議要件の特例を定めます。
Q3仮決議の後はいつまでに再度の総会を開く必要がありますか?
仮決議の日から一月以内です(4項)。各株主に仮決議の趣旨を通知したうえで再度の株主総会を招集する義務があり、相互会社では社員総会または総代会となります(7項)。
Q4定足数がないとはどういう意味ですか?
通常の特別決議で必要な「議決権の過半数を有する株主の出席」という要件を外すことです。分母が出席者だけになるため、出席が少なくても三分の二を満たせば決議が成立します。
Q5相互会社の場合の決議要件は違うのですか?
違います。3項により、出席した社員(総代会設置時は総代)の議決権の四分の三以上が必要で、株式会社の三分の二より高い多数が求められます。
Q6総代会とは何ですか?
相互会社で社員総会に代わって設置される機関です。社員数が膨大なため総代が議決権を行使し、240条の6第3項の四分の三はこの総代の議決権で計算されます。
Q7仮決議が承認されないとどうなりますか?
5項の承認がない以上、決議があったものとはみなされません。契約条件の変更は効力を生じず、保険会社は手続を改めて検討する必要があります。
Q82項の「出席した株主の半数以上」とは何ですか?
会社法309条3項などの特殊決議に対応する加重要件です。議決権の三分の二に加えて頭数でも出席株主の半数以上の賛成が必要となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約条件の変更って、契約者の同意なしに勝手にできるんですか?
個別契約者の同意は要件ではない。240条の5の決議と本条の要件を満たし、内閣総理大臣の承認(240条の11参照)を経れば、契約全体に効力が及ぶ。ただし手続の中で契約者に異議を述べる機会は設けられている。実務のポイント:実務家が最初に見るのは決議の成否ではなく、変更対象から除外される契約類型(既に支払事由が発生した保険金など)の線引きだ。自分の契約がどちら側にあるかで、影響額が桁で変わる
Q2相互会社の「総代」って何ですか、選挙したおぼえがないんですが
相互会社では契約者が社員となるが、社員数が膨大なため、社員総会に代わる機関として総代会を設置できる(保険業法42条以下)。総代は会社の定める手続で選出され、3項の四分の三の議決権を行使する。実務のポイント:総代の氏名と選出方法はディスクロージャー資料に記載義務がある。自分の保険会社の総代候補者選考委員会の構成を確認すれば、誰が実質的に議決権を握っているかが見える
Q3仮決議が通ったら、もう決まったも同然ですか?
同然ではない。仮決議は4項の通知と一か月以内の再度招集を経て、5項で改めて所定の多数の承認を得た時点で初めて本決議とみなされる。再度の総会で要件を満たさなければ効力は生じない。実務のポイント:この二段階構造は、一回目に集まらなかった株主・社員に「次は来なければ通ってしまう」という警告を与える装置でもある。一回目の欠席者が二回目に動くかどうかが、実際の分水嶺になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「定足数がないなら手続保障がない」と考えるのは、問いの立て方が違う。本条が捨てたのは定足数という一つの装置だけで、代わりに仮決議の通知義務(4項)、一か月以内の再度招集義務(4項)、再度の総会での承認要件(5項)という三重の配線を入れている。保障の総量ではなく、保障の形式が組み替えられている
- 契約条件の変更=株主総会だけの話、と多くの契約者は思っている。だが相互会社の保険会社では契約者自身が社員であり、3項の四分の三の議決権はあなたの側にある。あなたから見れば「保険を買った客」だが、法律から見れば「会社の構成員」。この落差に気付かない契約者は、自分に与えられた投票権を一度も使わないまま条件を切り下げられる
- 「三分の二」という数字を知っている人は多いが、その分母が何かを知る人は少ない。通常の特別決議は「議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の三分の二以上」。本条は前段の定足数を外すので、分母は出席者だけになる。同じ三分の二でも、実質的なハードルは桁違いに下がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決議の主体と要件 | 240条の6:定足数なし、出席株主の議決権の三分の二(相互会社は出席社員・総代の四分の三)で仮決議 | 会社法309条2項:議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の三分の二以上 保険業法62条2項:相互会社の社員総会の特別決議要件 |
| 手続の段階 | 仮決議 → 通知 → 一月以内の再招集 → 承認で本決議とみなす(二段階) | 一回の総会で決議が確定(一段階) 一回の社員総会・総代会で決議が確定(一段階) |
| 位置づけ | 240条の5の契約条件変更決議の成立可能性を確保する特例 | 株式会社一般の特別決議の原則規定 相互会社の決議の原則規定 |
| 争う手段 | 通知義務違反・一月徒過など手続瑕疵を決議取消しの訴えで主張 | 会社法831条:決議の日から三か月以内の取消しの訴え 保険業法上の準用規定を通じた決議の瑕疵の主張 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関(金管会)による接管・清理を中心とする構成で、総会決議の定足数特例という形ではなく行政処分主導の点が日本と異なる
韓国も保険契約の移転・整理手続を保険業法内に置き、社員総会・株主総会の決議を要する点で構造が近い
ドイツは監督官庁 BaFin の命令により給付を引き下げる構成で、会社の総会決議を介さない点が日本と大きく異なる
米国は州の保険監督官が rehabilitation / liquidation を裁判所の監督下で行う枠組みで、株主総会決議の特例という発想はとらない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが契約している生命保険会社が経営危機に陥り、「契約条件の変更」の案内が届いた。予定利率が3% から1% に下がる。そんな重大な変更が、株主総会に株主の一割しか出席していなくても、その一割の三分の二の賛成で仮決議として通る。定足数がないとはそういうことだ
- 相互会社の保険に入っているあなたは、実は「社員」であり議決権を持っている。総代会が設けられていれば、あなたの代わりに総代が投票する。総代が誰なのか、どう選ばれたのか、あなたは知っているだろうか。四分の三の壁を越えるかどうかは、その総代たちの手にある
- もし仮決議が成立したのに、一か月以内の再度の総会が招集されなかったとしたら? 5項の承認がない以上、決議があったものとはみなされない。契約条件の変更は宙に浮く。あなたが契約者として異議を述べるなら、この一か月が最も声が届く窓だ
- 保険会社の株主として招集通知を受け取った。議案は契約条件の変更。あと14日で総会。あなたが欠席すれば、出席者だけで三分の二が計算される。欠席は反対票ではなく、可決を助ける行為になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約条件変更の案内または仮決議の通知が届いたら、日付を確認。仮決議の日から一か月が再度の総会の期限(4項) 2. 変更内容が予定利率・保険金額・解約返戻金のどこに及ぶか、書面の該当箇所を特定3. 相互会社なら自分が社員として議決権を持つか、総代会方式かを確認、総代会方式なら誰が総代かを会社に照会4. 反対するなら、再度の総会の前に他の契約者・株主と意思を共有、承認要件(三分の二または四分の三)を割らせるのが唯一の実効的な手段5. 手続の適法性に疑義があれば、決議取消しの訴え(会社法831条)の提訴期間が決議日から三か月であることを前提に弁護士へ
訴えられた側:1. 保険会社側として本条を用いる場合、仮決議の趣旨を各株主・各社員(総代)に通知する義務は法定であり、これを欠くと後続の決議全体が無効化されうる2. 一か月以内の再度招集は厳格な期間制限、日程を逆算して招集通知の発送スケジュールを組む3. 相互会社の場合は7項の読替え(株主→社員、株主総会→社員総会または総代会)を招集手続の書面すべてに反映4. 併せて行う決議の種類ごとに1項・2項・3項のどれが適用されるかを個別に判定、要件を取り違えると決議全体が瑕疵を帯びる
時効(請求できる期限):仮決議の日から一か月以内に再度の株主総会(相互会社では社員総会または総代会)を招集しなければならない(4項、7項)。この期間を徒過すれば仮決議は本決議とみなされない。決議自体を争う場合、株主総会決議取消しの訴えは決議の日から三か月以内(会社法831条1項)
- 保険業法 第240条契約条件の変更手続の開始要件
- 保険業法 第240条の5本条が特例を設ける対象となる契約条件変更の決議
- 保険業法 第240条の7決議後の契約者への通知・公告手続
- 保険業法 第42条相互会社の総代会、3項の議決権行使主体の根拠
- 保険業法 第62条相互会社の社員総会の特別決議要件、3項が特例を設ける対象
- 会社法 第309条株主総会の特別決議の定足数と多数決要件の原則
- 会社法 第324条種類株主総会の決議要件の原則
- 会社法 第831条株主総会決議取消しの訴え、三か月の提訴期間
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