保険業法 第240条の8(保険調査人)
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- 内閣総理大臣は、第二百四十条の二第三項の承認をした場合において、必要があると認めるときは、保険調査人を選任し、保険調査人をして、契約条件の変更の内容その他の事項を調査させることができる。
- 2.前項の場合においては、内閣総理大臣は、保険調査人が調査すべき事項及び内閣総理大臣に対して調査の結果の報告をすべき期限を定めなければならない。
- 3.内閣総理大臣は、保険調査人が調査を適切に行っていないと認めるときは、保険調査人を解任することができる。
- 4.会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十条及び第八十一条第一項(管財人の注意義務並びに費用の前払及び報酬)の規定は、保険調査人について準用する。この場合において、同項中「裁判所」とあるのは「内閣総理大臣」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 5.前項において準用する会社更生法第八十一条第一項に規定する費用及び報酬は、第二百四十条の二第一項の保険会社(次条及び第三百十八条の二において「被調査会社」という。)の負担とする。
この条文の基本情報
保険調査人とは何ですか?
定義保険調査人とは、保険業法第240条の8に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第二百四十条の二第三項の承認をした場合において、必要があると認めるときは、保険調査人を選任し、保険調査人をして、契約条件の変更の内容その他の事項…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第240条の8(保険調査人)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第240条の8の条文原文は「内閣総理大臣は、第二百四十条の二第三項の承認をした場合において、必要があると認めるときは、保険調査人を選任し、保険調査人をして、契約条件の変更の内容その他の事項…」で始まります。
- 保険業法第240条の8は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第240条の8の前の条は保険業法第240条の7です。
- 保険業法第240条の8の次の条は保険業法第240条の9です。
- 保険業法第240条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/240_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法240条の8は、内閣総理大臣が契約条件の変更を承認した場合に保険調査人を選任し、変更内容を調査させる制度を定める。費用と報酬は被調査会社が負担する。
Q · 保険調査人って誰が選ぶの? 費用は誰が払うの?
内閣総理大臣が選任し、費用は保険会社の負担です
保険業法240条の8第1項により、内閣総理大臣は契約条件の変更を承認した場合に必要があると認めるときは保険調査人を選任し、変更の内容その他の事項を調査させることができます。調査すべき事項と報告期限を定めるのも内閣総理大臣(2項)、適切に調査していないと認めるときの解任も内閣総理大臣(3項)です。会社更生法80条及び81条1項が準用され(4項)、調査人は善管注意義務を負いますが、その費用及び報酬は調査される側である被調査会社が負担します(5項)。
解説
保険会社が「予定利率を引き下げます」と言い出せる制度が、平成15年(2003年)から日本に存在する。保険業法240条の2以下の契約条件の変更であり、破綻させずに契約者の取り分を削って会社を生かす仕組みだ。そこで内閣総理大臣が選ぶのが保険調査人である。変更内容が本当に妥当かを調べ、内閣総理大臣に報告する役回りで、会社更生法80条の準用により善管注意義務(プロとして当然払うべき注意の水準)を負う。ただし本条を一行ずつ読むと別の絵が見えてくる。調べる項目と報告期限を決めるのは内閣総理大臣(2項)、適切に調査していないと判断されれば解任される(3項)、そして費用と報酬を払うのは調べられる側の保険会社(5項)だ。あなたの契約が削られてよいかを審査する人の財布は、削りたい側が握っている。
法的な位置づけ
保険業法240条の8は、保険調査人の選任、調査事項及び報告期限の設定、解任並びに費用及び報酬の負担を定める規定である。内閣総理大臣は、同法240条の2第3項の承認をした場合において必要があると認めるときに調査人を選任でき、会社更生法80条及び81条1項が準用され、費用及び報酬は被調査会社の負担となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約条件の変更の承認申請かどうかを切り分ける 報道や会社の開示資料を見て、保険業法240条の2の契約条件の変更の手続に乗った話なのか、新規契約向けの予定利率改定の話なのかを最初に切り分ける。本条の調査は前者の場合にのみ登場する
- 2.自分の契約の前提数値を書き出す 保険証券と設計書から、予定利率、満期または年金の受取額、解約返戻金の推移を数字で書き出す。変更後の試算と並べられる形にしておかないと、議案が届いても判断ができない
- 3.総会または総代会の招集通知と議案を読む 招集通知が届いたら、変更後の予定利率、対象となる契約の範囲、変更後の受取額の試算、議決権行使の期限を確認する。調査人の調査は内閣総理大臣への報告であり、契約者が読めるのは会社側の開示資料と議案である
- 4.意見表明と議決権行使の期限内に動く 意見表明の機会と議決権行使の期限を押さえ、期限内に行使する。解約は最後の選択肢とし、古い高予定利率契約を手放す損失と変更後の受取額を並べて試算してから決める
よくある質問 AI による整理
Q1保険調査人とは何ですか?
契約条件の変更が承認された場合に、内閣総理大臣が選任して変更内容その他の事項を調査させる者です(保険業法240条の8第1項)。契約者の代理人ではありません。
Q2保険調査人は誰が選ぶのですか?
内閣総理大臣です。選任(1項)、調査事項と報告期限の設定(2項)、解任(3項)のすべてが内閣総理大臣の権限とされています。
Q3保険調査人の報酬は誰が払うのですか?
調査される側の保険会社(被調査会社)の負担です(5項)。会社更生法81条1項が準用され、費用の前払と報酬が定められます。
Q4保険調査人の調査結果は契約者に届きますか?
本条が定める報告先は内閣総理大臣です(2項)。調査報告そのものが契約者に交付されることを保証する文言は本条にありません。
Q5保険調査人はいつまでに報告するのですか?
法定の一律期限はありません。内閣総理大臣が事案ごとに報告期限を定めます(2項)ため、期限は個別の事案で異なります。
Q6保険調査人は解任されることがありますか?
あります。内閣総理大臣が調査を適切に行っていないと認めるときは解任できます(3項)。解任権も行政の側にあります。
Q7保険調査人はどんな義務を負いますか?
会社更生法80条の準用により、善良な管理者の注意義務を負います(4項)。注意を怠った場合の利害関係人に対する責任規定も準用の射程に入ります。
Q8契約条件の変更は違法ではないのですか?
保険業法240条の2以下が定める法定の手続です。会社の決定、内閣総理大臣の承認、契約者の意思を問う手続を経る設計で、本条の調査はその過程に置かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの保険、予定利率を勝手に下げられることってあるんですか?
制度としてはありえる。保険業法240条の2以下の契約条件の変更であり、会社の決定、内閣総理大臣の承認、保険契約者の意思を問う手続を経る設計だ。その過程で内閣総理大臣が保険調査人を選び、変更内容を調べさせるのが本条である。引下げには下限が設けられており、具体の率は最新の改正状況をご確認ください。実務のポイント:平成15年(2003年)の導入以来、この制度が実際に発動された例は公表されていない。使われていない制度ほど、発動した週に手続の細部を読んでいる人だけが先に動ける
Q2保険調査人って、契約者の味方なんですか?
契約者の代理人ではない。選任、調査項目と報告期限の設定(2項)、解任(3項)のすべてが内閣総理大臣の権限であり、報告先も内閣総理大臣だ。他方で会社更生法80条の準用により善管注意義務を負い、注意を怠った場合の利害関係人に対する責任規定も準用される。実務のポイント:費用と報酬は被調査会社の負担(5項)。誰が払っているかを先に押さえると、報告の結論を読むときの目線が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れたら保護機構が助けてくれるのか」という問いの立て方が、この制度では最初から外れている。契約条件の変更は破綻させないために契約の中身を削る設計であり、破綻を前提とした保護機構の枠組みが作動する場面ではない。問うべきは「潰れたらどうなるか」ではなく「潰れないために何を削られるか」だ
- 保険調査人という役職が置かれること自体は知っていても、その権限の薄さを知らない人が多い。調査項目も報告期限も内閣総理大臣が定め(2項)、適切に調査していないと判断されれば解任される(3項)。契約者が選んだ独立第三者委員会ではなく、行政の手元に置かれた調査装置である
- 調査結果が出れば契約者に示されると考えられがちだが、本条が定める報告の相手は内閣総理大臣である(2項)。調査報告そのものが契約者に届くことを保証する文言は本条にない。契約者が実際に読めるのは会社側の開示資料と総会の議案であり、そこから逆算して判断する必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 介入の強さ | 240条の8:調査のみ。業務や財産の管理権は移らない | 242条:保険管理人が業務及び財産の管理を行う 241条:業務停止等の行政処分 |
| 発動の前提 | 240条の2第3項の承認をした場合で、必要があると認めるとき | 業務又は財産の状況に照らし保険業の継続が困難な場合等 監督上必要があると認めるとき |
| 選任・解任の権限者 | 内閣総理大臣(1項・3項) | 内閣総理大臣 内閣総理大臣(処分権者) |
| 費用の負担者 | 被調査会社(5項、会社更生法81条1項準用) | 対象保険会社 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は財務悪化時に主管機関が監管人・接管人を選任する構成で、経営権に踏み込む点が日本の保険管理人(242条)に近い。調査のみを行う保険調査人に相当する中間段階の装置は明確でない
保険監督管理機構による接管を定める。契約条件を将来に向けて変更する手続を独立に置く構成ではなく、監督介入は接管・譲渡を中心に組み立てられている
ドイツは監督官庁が Sonderbeauftragter を置く枠組みに加え、生命保険の給付の引下げを監督権限として定める構成をとる。給付削減が監督処分として位置づけられる点が日本と異なる
米国は州の保険監督官が裁判所の関与の下で rehabilitator となり、契約の変更を含む再建計画を実行する。司法の関与が残る点で、行政に選任・解任権を集中させた本条と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし加入している生命保険会社が契約条件の変更の承認申請をしたと報じられたら、あなたに残された判断期間は何日だ? 実質的な勝負は、総会または総代会の招集通知が届いてから議案が固まるまでの数週間に集約される。保険証券を探すところから始めると、それだけで数日が溶ける
- あなたが保険会社の企画部門にいて、契約条件の変更を検討する側に立ったとする。保険調査人の費用と報酬は自社負担(5項)だが、調査項目と期限は内閣総理大臣が決める(2項)。コストを払う側が、調べられる範囲を選べない構造に入る
- 親が三十年前に入った個人年金の予定利率が下がると聞いて、あなたに相談してきた。最初に切り分けるべきは、それが本条の手続に乗った契約条件の変更なのか、それとも新規契約向けの利率改定の話なのかという点だ。混同して慌てて解約すると、今では手に入らない高い予定利率の契約を、自分の手で捨てることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と当初の設計書を出し、予定利率と満期受取額の前提を数字で確認する2. 会社の開示資料で、契約条件の変更の承認申請(240条の2)に当たるのか、新規契約向けの利率改定の話なのかを切り分ける3. 総会または総代会の招集通知が届いたら議案と変更後の試算を読み、意見表明と議決権行使の期限を押さえる4. 解約は最後の選択肢。古い高予定利率契約を手放す損失と、変更後の受取額を並べて試算してから決める
訴えられた側:1. 調査項目と報告期限は内閣総理大臣が定める(2項)ため、まず範囲を書面で確認し、資料提出体制を期限から逆算して組む2. 調査人の費用と報酬は自社負担(5項)なので、想定コストを変更計画の前提に織り込む3. 被調査会社に関する罰則規定(318条の2)が置かれており、回答の遅延や不正確な資料提出は避ける4. 調査人は善管注意義務(会社更生法80条準用)の下で判断するため、認定の根拠となる資料を時系列で整理して残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。調査の期限は内閣総理大臣が事案ごとに定めるため(2項)、法定の一律期限は存在しない。行政の処分に不服がある場合の審査請求は処分を知った日の翌日から起算して3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。私法上の金銭請求には一般消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年) 契約条件の変更制度(240条の2以下)の創設に伴い新設された条文と解されるが、その後の形式的整備の有無を含め人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:契約条件の変更制度(240条の2以下)の創設に伴い設けられた条文と解される。その後の形式的整備の有無を含め、具体の改正経過は e-Gov 沿革で要確認
- 保険業法 第240条の2契約条件の変更の決定と承認申請、本条の発動前提
- 保険業法 第240条の9保険調査人の調査権限と被調査会社の対応
- 保険業法 第242条保険管理人による業務財産の管理、より強い介入手段
- 保険業法 第241条業務停止等の行政処分、監督手段の接続先
- 保険業法 第318条の2被調査会社に関する罰則、調査の実効性担保
- 会社更生法 第80条管財人の善管注意義務の準用元
- 会社更生法 第81条費用の前払及び報酬の準用元
- 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 第1条保険会社の更生手続の特例、代替経路
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