保険業法 第271条の18(保険持株会社に係る認可等)
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- 次に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になろうとする会社又は保険会社を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
- 一当該会社又はその子会社による保険会社の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
- 二当該会社の子会社による第三条第一項の免許の取得
- 三その他政令で定める取引又は行為
- 2.前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により保険会社を子会社とする持株会社になった会社(以下「特定持株会社」という。)は、当該事由の生じた日の属する事業年度終了後三月以内に、当該会社が保険会社を子会社とする持株会社になった旨その他の内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
- 3.特定持株会社は、前項の事由の生じた日の属する事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第五項において「猶予期限日」という。)までに保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定持株会社が、猶予期限日後も引き続き保険会社を子会社とする持株会社であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
- 4.特定持株会社は、前項の規定による措置により保険会社を子会社とする持株会社でなくなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく保険会社を子会社とする持株会社でなくなったときも、同様とする。
- 5.内閣総理大臣は、第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になった会社若しくは保険会社を子会社とする持株会社として設立された会社又は第三項ただし書の認可を受けることなく猶予期限日後も保険会社を子会社とする持株会社である会社に対し、保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。
この条文の基本情報
保険持株会社に係る認可等とは何ですか?
定義保険持株会社に係る認可等とは、保険業法第271条の18に定められた規定で、「次に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になろうとする会社又は保険会社を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の18(保険持株会社に係る認可等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の18の条文原文は「次に掲げる取引若しくは行為により保険会社を子会社とする持株会社になろうとする会社又は保険会社を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理…」で始まります。
- 保険業法第271条の18は第一款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の18の前の条は保険業法第271条の17です。
- 保険業法第271条の18の次の条は保険業法第271条の19です。
- 保険業法第271条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の18 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の18は、保険会社を子会社とする持株会社になるには内閣総理大臣の事前認可が必要と定める。取引以外の事由でなった会社は届出と1年以内の解消義務を負う。
Q · 保険会社の株を一株も買っていないのに、規制の対象になることがあるんですか?
あります。取引がなくても持株会社になれば届出と解消義務が生じます
保険業法271条の18第1項により、議決権の取得や子会社による免許取得などで保険会社を子会社とする持株会社になろうとする会社は、あらかじめ内閣総理大臣の認可を受ける必要があります。これに対し、合併や相続など取引以外の事由で持株会社になった会社は特定持株会社と呼ばれ、事業年度終了後3か月以内の届出義務と、事業年度終了の日から1年を経過する日までに持株会社でなくなる措置を講じる義務を負います。認可なく猶予期限日を過ぎれば、第5項の措置命令の対象になります。
解説
生命保険会社を買収したいと考えたとき、多くの経営者は「株を買えばいい」と思う。保険業法271条の18はそこに立ちはだかる。保険会社を子会社とする持株会社になるには、議決権を取得する前に内閣総理大臣(実務上は金融庁)の認可が要る。事後報告ではなく事前認可である。ここまでは想定内だろう。あなたが知っておくべきは第2項以下だ。取引を一切していなくても、相続や他社の合併、自社の株式保有比率が相対的に上がったといった「その他の事由」で、気付かないうちに保険持株会社になってしまうことがある。そうなると決算期末から3か月以内に届出、そして事業年度末から1年以内に保険会社を子会社でなくす、つまり株を手放す義務が発生する。認可を取らずに猶予期限日を過ぎれば、金融庁は「持株会社でなくなれ」と命令できる。資産を強制的に切り離せという行政の命令が、取引をしていない会社にも降りてくる構造である。
法的な位置づけ
保険業法271条の18は、保険会社を子会社とする持株会社の設立および当該持株会社への移行について、内閣総理大臣の事前認可を要する旨を定める規定である。議決権の取得、子会社による免許取得、政令で定める取引または行為が認可の対象となる。これら以外の事由により持株会社となった会社は特定持株会社と定義され、届出義務および猶予期限日までの解消義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象会社が3条1項の免許保険会社かを最初に確認 買収対象のグループ内に保険業法3条1項の免許を持つ保険会社があるかを洗い出す。登録制の少額短期保険業者のみであれば本条の事前認可は不要となり、スケジュールの前提が大きく変わる
- 2.議決権取得の実行前に金融庁へ事前相談 第1項の認可は事前認可であり、クロージング後の申請では間に合わない。正式申請の前に金融庁へ事前相談を行い、審査上の論点と想定審査期間を確認する。申請書提出が当局との初接触になると審査期間を自ら延ばす結果になる
- 3.認可取得をクロージングの前提条件として契約に明記 株式譲渡契約に「内閣総理大臣の認可取得」を停止条件として明記し、認可が下りない場合の解除権と費用負担を定める。認可なしにクロージングすると第5項の措置命令の対象となり、取得したばかりの株式の処分を命じられる
- 4.意図せず該当した場合は期限を確定して二択を並行 合併・相続・相手方の自己株式取得などで特定持株会社になった場合、事由発生日と事業年度末を特定して届出期限(事業年度終了後3か月)と猶予期限日(事業年度終了の日から1年)を確定する。そのうえで売却スキームの設計と第3項ただし書の認可申請を並行で進める
よくある質問 AI による整理
Q1保険持株会社とは何ですか?
保険会社を子会社とする持株会社のうち、保険業法271条の18の認可を受けたものをいいます。持株会社かどうかは独占禁止法9条の基準(子会社株式の取得価額が総資産の50%超)で判定されます。
Q2保険持株会社の認可は誰に申請しますか?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されており、実務の窓口は金融庁です。正式申請の前に事前相談を行うのが運用上の標準です。
Q3少額短期保険業者の親会社も認可が必要ですか?
本条が対象とするのは保険業法3条1項の免許を受けた保険会社を子会社とする場合です。登録制の少額短期保険業者は、本条の事前認可の射程外と整理されます。
Q4特定持株会社の届出期限はいつまでですか?
事由が生じた日の属する事業年度の終了後3か月以内です(第2項)。起算点が事由発生日ではなく事業年度の終了日である点に注意が必要です。
Q5猶予期限日はどう計算しますか?
事由が生じた日の属する事業年度の終了の日から1年を経過する日です。期首に事由が生じれば実質2年近く、期末直前なら約1年しか残りません。
Q6担保権の実行で保険会社株を取得した場合も認可が必要ですか?
第1項1号は担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由を除外しています。除外に当たるかは内閣府令の具体的要件で判断します。
Q7保険持株会社でなくなったときも届出は必要ですか?
必要です。第4項は、措置により持株会社でなくなったときも、措置によらずに該当しなくなったときも、遅滞なく内閣総理大臣へ届け出ることを求めています。
Q8外国企業が日本の保険会社を買収する場合はどうなりますか?
本条の認可に加え、外国為替及び外国貿易法の対内直接投資に関する事前届出が別線で必要になります。保険業は事前届出業種に該当し、審査期間も別に進行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可を取らずに買っちゃったら、どうなるんですか?
第5項により、内閣総理大臣は保険会社を子会社とする持株会社でなくなるよう措置を講ずることを命令できる。つまり取得した保険会社株を手放せという命令である。買収資金を投じた後で命令が出ると、売却時期を当局のペースで握られる。実務のポイント:金融庁は正式な申請の前に事前相談を受け付ける運用をしており、実務では申請前の相談段階で論点の大半が詰まる。申請書を出してから初めて接触するのは、審査期間を自ら伸ばす行為である
Q2株を一株も買ってないのに規制対象って、どういう状況ですか?
第2項が想定するのは、合併や相続、対象会社の自己株式取得による議決権比率の相対的上昇など、能動的な取得を伴わずに親会社になってしまう場合である。これらは「特定持株会社」として届出義務と猶予期限の対象になる。実務のポイント:保険会社が資本政策として自己株式を取得すると、既存の大株主の議決権比率は自動的に上がる。保険会社側の資本政策が、大株主を規制の網に入れることがある
Q31年の猶予って、必ず売らなきゃいけないんですか?
第3項本文は猶予期限日までに持株会社でなくなる措置を義務付けるが、ただし書で内閣総理大臣の認可を受ければ継続して持株会社であり続けられる。売却か認可継続かの二択である。実務のポイント:猶予期限日は「事由が生じた日から1年」ではなく「事由が生じた日の属する事業年度の終了の日から1年」である。事業年度の初めに事由が生じれば実質2年近く、期末直前なら約1年しかない。同じ1年でも起算点で使える時間がまるで違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可が必要なのは知っている」という段階で止まっている人が多いが、本当の落とし穴は深刻度の方にある。認可を取り損ねた場合の制裁は過料や罰金だけではなく、第5項の措置命令、つまり買収した保険子会社を手放せという命令である。投じた買収資金そのものが規制でひっくり返される
- 「株を買わなければ規制は関係ない」という前提そのものが誤っている。第2項は取引以外の事由で持株会社になった会社を「特定持株会社」と呼んで別枠で捕捉する。相続、合併、他社の自己株取得による相対的比率上昇、これらはいずれも能動的な取得行為ではないが、届出義務と猶予期限が発生する
- 経営者の視点では「うちのグループ内の資本構成の話」に見えるが、監督当局の視点では「保険契約者の資金を誰が最終的に支配しているか」の問題である。この落差が、社内の法務チェックリストから保険業法を抜け落とさせる。保険会社は契約者から預かった責任準備金を運用しており、その支配権が誰に渡るかは契約者保護の中核である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 保険業法271条の18:保険会社を子会社とする持株会社になる会社・設立者 | 保険業法271条の10:保険会社の主要株主(基準値超の議決権保有者) 保険業法271条の30:既に保険持株会社となった会社に対する監督 |
| 発動のタイミング | 議決権取得・免許取得等の実行前(事前認可) | 基準値を超える議決権保有の前(事前認可) 保険持株会社となった後の継続的監督 |
| 取引以外の事由への手当て | 特定持株会社として届出+猶予期限日までの解消義務(第2項・第3項) | 基準値超の議決権保有者にも同様の届出・猶予の仕組みが置かれる 該当なし(対象は既に規制下にある持株会社) |
| 違反・不遵守の効果 | 第5項の措置命令(保険会社を子会社とする持株会社でなくなれ) | 主要株主でなくなる措置を命じられうる 業務改善命令・業務停止命令等の行政処分 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は金融持株会社を単独の法律で規律し、設立・持分変更ともに主管機関の事前許可を要する。保険会社の大株主に対しては保険法側でも持分比率に応じた申報・核准の階段が置かれ、日本の主要株主規制と持株会社規制の二層構造に近い
韓国も金融持株会社法という単独法で設立・転換の認可を規律する。業態横断の金融持株会社を一本の法律で扱う点が、業法ごとに規定を置く日本との構造上の違いである
中国は2020年に金融持株会社の設立許可制度を整備した。保険法側でも5%以上の株主の変更に監督機関の認可を要求しており、支配権移転を許可にかける発想は共通する
ドイツは EU 指令を受けた重要持分取得の届出・審査制度を採り、監督当局が一定期間内に取得を禁止できる仕組み。事前『認可』ではなく届出+異議型である点が日本と異なる
米国は州保険庁への Form A 申請とヒアリングを経た事前承認制で、規律の単位が連邦ではなく州である。保険契約者保護を理由に支配権取得を審査する発想は日本と同じ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 投資ファンドが中堅損害保険会社の株式を買い増し、気付けば議決権の過半数に届く。買い増しの実行前に金融庁の認可申請が必要で、審査には数か月かかる。認可なしにクロージングすれば271条の18第5項の措置命令の対象になり、買ったばかりの株を手放せと命じられる
- 事業会社が保険子会社を持つグループ会社を吸収合併した。合併の結果、自社が保険会社の親会社になっていた。取引で議決権を取得したわけではないが、第2項の「その他の事由」に当たる可能性が高い。決算期末から3か月以内に届け出なければ、届出義務違反として行政対応の対象になる
- もし、保険会社が自己株式を大量に取得して発行済株式総数が減り、あなたの会社の議決権比率が相対的に跳ね上がったとしたら? 一株も買っていないのに持株会社になりうる。この類型こそ第2項が想定する典型である
- 特定持株会社になってしまった会社の財務担当者。事業年度終了から1年の猶予期限日まであと4か月。保険子会社株の売却先探しと、認可申請による継続保有の両にらみで進めなければならない。売却先が決まらないまま期限を迎えれば措置命令が待っている
取るべき行動
被害を受けた側:保険会社を子会社化しようとする側であれば、1. 対象の保険会社が保険業法3条1項の免許を持つかを確認、少額短期保険業者なら本条の射程外2. 議決権取得の実行前に金融庁へ事前相談、認可申請の想定審査期間を確認3. 株式譲渡契約に認可取得をクロージングの前提条件として明記4. 担保権の実行による取得など内閣府令上の除外事由に当たるかも併せて検討する
訴えられた側:意図せず特定持株会社になった、あるいは金融庁から指摘を受けた場合、1. 該当事由が生じた日と事業年度末を特定、届出期限(事業年度終了後3か月以内)と猶予期限日(事業年度終了の日から1年)を確定2. 期限内に届出を済ませる3. 継続保有したいなら第3項ただし書の認可申請、手放すなら売却スキームの設計を並行4. 措置命令が出る前に自主的な対応計画を当局へ示す
時効(請求できる期限):第1項は事前認可であり、取引・行為の実行前に受けていなければならない。第2項の届出は事由が生じた日の属する事業年度終了後3か月以内。第3項の猶予期限日は同事業年度終了の日から1年を経過する日。この1年を過ぎて認可なく持株会社であり続ければ、第5項の措置命令の対象になる
学説
通説:本条の事前認可は、保険会社が契約者から預かった責任準備金の運用主体であることに鑑み、その最終的な支配権の移転を当局の審査に通すための入口規制と理解される。取得行為自体を禁じるのではなく、支配株主の適格性とグループ経営管理体制を審査する点に制度の眼目がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:独占禁止法9条の改正による持株会社解禁に伴う金融関連法の整備の中で、保険業法に保険持株会社に関する規定が追加され、保険会社を子会社とする持株会社への事前認可制と、取引以外の事由で持株会社になった会社への届出・解消義務の枠組みが導入された
- 保険業法 第3条本条が前提とする保険業の免許制度
- 保険業法 第271条の18の2認可の審査基準を定める規定(現行効力を要確認)
- 保険業法 第271条の19保険持株会社の子会社の業務範囲制限
- 保険業法 第271条の10保険主要株主に対する認可規制との対比
- 保険業法 第271条の30保険持株会社に対する業務改善命令等の監督権限
- 銀行法 第52条の17銀行持株会社の事前認可、並行する業態別規制
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第10条株式取得の競争法審査、別軌道の届出義務(通称 独占禁止法)
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