保険業法 第271条の19
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- 内閣総理大臣は、前条第一項又は第三項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一当該認可の申請をした会社又は当該認可を受けて設立される会社(以下この条において「申請者等」という。)及びその子会社(子会社となる会社を含む。第三号において同じ。)の収支の見込みが良好であること。
- 二申請者等が、その人的構成等に照らして、その子会社であり、又はその子会社となる保険会社の経営管理を的確かつ公正に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
- 三申請者等の子会社の業務の内容が第二百七十一条の二十二第三項各号のいずれにも該当しないものであること。
- 2.保険持株会社(外国の法令に準拠して設立されたものを除く。)は、株式会社であって次に掲げる機関を置くものでなければならない。
- 一取締役会
- 二監査役会、監査等委員会又は指名委員会等
- 三会計監査人
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の19は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の19の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項又は第三項ただし書の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第271条の19は第一款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の19の前の条は保険業法第271条の18です。
- 保険業法第271条の19の次の条は保険業法第271条の19の2です。
- 保険業法第271条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の19は、保険持株会社の認可基準として収支見込み・人的構成と社会的信用・子会社の業務内容の三点を定め、保険持株会社を株式会社に限定する。
Q · 保険会社を買う持株会社って、お金さえあれば作れるんですか?
作れません。審査基準は三つ、器も株式会社限定です。
保険業法271条の19第1項は、保険持株会社の認可審査基準として、①申請者等とその子会社の収支見込みが良好であること、②人的構成等に照らして保険会社の経営管理を的確かつ公正に遂行できる知識・経験と十分な社会的信用を有すること、③子会社の業務内容が271条の22第3項各号に該当しないこと、の三点を掲げます。第2項は、外国法準拠の会社を除き、保険持株会社は株式会社であって取締役会・監査役会等・会計監査人を置くことを要求します。
解説
保険会社を子会社として傘下に持つ「保険持株会社」を作りたいとき、内閣総理大臣の認可が要る。その認可のハードルを具体的に書いたのがこの条文だ。あなたが投資家、あるいは保険会社の社員、あるいは買収される側の経営陣だとして、押さえるべき核心は二つある。第一項は審査基準を三つに限定列挙している。収支見込みが良好であること、人的構成に照らして保険会社の経営管理を的確かつ公正に遂行できる知識・経験と十分な社会的信用があること、子会社の業務内容が271条の22第3項各号に触れないこと。つまり「金を持っているか」だけでは通らない。誰が経営陣にいるか、その人物の社会的信用まで審査対象になる。第二項はさらに直接的だ。保険持株会社は株式会社でなければならず、取締役会・監査役会(または監査等委員会もしくは指名委員会等)・会計監査人の三点セットの設置が義務づけられる。合同会社では保険持株会社になれない、という一行が、M&A のストラクチャー設計を根本から縛る
法的な位置づけ
保険業法271条の19は、保険持株会社の認可について内閣総理大臣が審査すべき基準を定める規定である。収支見込みの良好性、人的構成に照らした経営管理の的確性と社会的信用、子会社の業務内容の適合性という三基準を掲げ、さらに保険持株会社を株式会社に限定し、取締役会・監査役会等・会計監査人の設置を義務づける。
手順
- 1.グループ全体の業務内容を棚卸しする 持株会社の下にぶら下がる予定の全子会社について、業務内容を一覧化し、271条の22第3項各号に該当する業務がないかを確認する。該当業務があれば、申請前に整理・譲渡・停止の方針を決める
- 2.器の形式と機関設計を確定する 保険持株会社となる会社が株式会社であること、取締役会・監査役会等・会計監査人の三点セットを備えることを確認する。合同会社 SPC を想定していた場合はこの時点でストラクチャーを組み直す
- 3.役員候補を人的構成・社会的信用の観点で事前スクリーニング 役員候補について、保険会社の経営管理に必要な知識・経験の有無と、行政処分歴・反社会的勢力との関係などの社会的信用面を公開情報と外部調査で確認する。疑義のある候補は差し替えを検討する
- 4.収支見込みを保守シナリオで作成する 申請者等とその子会社の収支見込みを、楽観値ではなく保守シナリオで作成する。後から下方修正すると数字の問題ではなく信頼性の問題に転化し、審査が長期化する
- 5.当局への事前相談を開始する 正式申請の前に当局への事前相談を行い、第1項各号の疑義を先に潰す。事前相談を省いて正式申請すると、補正のやり取りが往復し数か月が消える
- 6.認可取得をクロージング条件に据えて契約を締結する 買収契約では認可取得をクロージング条件(CP)とし、一定期日までに認可が下りない場合の解除権と費用負担を明記する。時間設計を誤ると、法的には何も悪くないのに違約金が飛ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1保険持株会社とは何ですか?
保険会社を子会社として支配することを主たる事業とする持株会社です。設立・移行には内閣総理大臣の認可が必要で、審査基準を定めるのが保険業法271条の19です。
Q2保険持株会社の認可基準は何条ですか?
保険業法271条の19第1項です。収支見込みの良好性、人的構成と社会的信用、子会社の業務内容の適合性という三つの基準が限定列挙されています。
Q3合同会社で保険持株会社は作れますか?
作れません。271条の19第2項が株式会社であることを要求しています。SPC を合同会社で組む節税スキームはこの段階で使えなくなります。
Q4保険持株会社に必要な機関は?
取締役会、監査役会・監査等委員会・指名委員会等のいずれか、会計監査人の三点セットです。会社法上は選べる機関設計が本条で強制されます。
Q5認可の審査期間はどれくらいですか?
本条に期間の定めはありません。行政手続法上の標準処理期間が設定されていますが、実務では事前相談を含め半年から一年を見込むのが通例です。
Q6社会的信用の審査って何を見られますか?
271条の19第1項第2号の基準です。役員候補の知識・経験に加え、過去の行政処分歴や反社会的勢力との関係の疑いなど、主体の適格性が審査対象になります。
Q7子会社の業務が保険と無関係でも問題ですか?
問題になり得ます。第1項第3号が子会社の業務内容を審査対象とし、271条の22第3項各号に該当する業務があると認可が下りない可能性があります。
Q8銀行持株会社の認可基準と違いますか?
構造はほぼ並行しています。銀行法52条の18が対応規定で、収支見込み・人的構成・子会社業務という審査軸は共通ですが、根拠法と監督指針が別系統です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可が下りない一番多い理由って何なんですか?
公表される事例は限られるが、実務で最も詰まるのは第一項第二号の人的構成と社会的信用、そして第三号の子会社の業務範囲である。収支見込み(第一号)は数字で補正できるが、ヒトとグループ構成は差し替えに時間がかかる。実務のポイント:認可が「否認」として表に出ることはほとんどない。当局は事前相談の段階で難色を示し、申請者が正式申請を見送る形で決着する。だから統計上の否認件数は実態を映さない
Q2持株会社が外国企業の場合も、この機関設計の縛りがかかりますか?
第二項は括弧書きで「外国の法令に準拠して設立されたものを除く」と明示しており、外国法準拠の会社は株式会社・三点セットの要件から外れる。ただし外国会社が日本の保険会社を子会社化する場合、第一項の審査基準は当然に及ぶ。実務のポイント:この除外規定は外資への優遇ではなく、外国法で作られた会社に日本の会社法上の機関設置を要求できないという技術的理由による。代わりに第一項の人的構成・社会的信用の審査が実質的な関門として機能する
Q3監査等委員会設置会社でも大丈夫と書いてありますが、どれを選ぶのが実務では多いんですか?
第二項第二号は監査役会、監査等委員会、指名委員会等の三択を認めており、どれを選んでも要件は満たす。近年は社外取締役の活用と機関の簡素化を理由に監査等委員会設置会社を選ぶ例が増えている。実務のポイント:どれを選ぶかは認可の可否には直結しないが、選んだ後の社外取締役の確保コストが大きく違う。指名委員会等設置会社は三委員会すべてに社外取締役の過半数が要り、人材市場での調達難度が跳ね上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可というのは要するに財務健全性の審査だろう」と考えるのが典型的な誤解だが、第一項第二号は明確に「人的構成等」と「十分な社会的信用」を独立の基準として掲げている。資本が潤沢でも、経営陣の顔ぶれが保険事業の経営管理に耐えないと判断されれば通らない。カネの審査とヒトの審査は別々の関門として並んでいる
- この条文を「保険持株会社にだけ関係する特殊ルール」と捉えている人は多いが、深刻なのはその射程だ。子会社の業務内容(第一項第三号)が審査対象になるため、持株会社の下にぶら下がる全事業会社が審査の視野に入る。あなたが保険と無関係の子会社を経営していても、親が保険持株会社になる瞬間、あなたの事業内容が認可の可否を左右する変数になる
- 「株式会社であること」という第二項の要件を単なる形式要件だと読むと、判断を誤る。取締役会・監査役会等・会計監査人の三点セットは、機関設計の自由度を認めた会社法の原則を保険持株会社について正面から制限するものだ。会社法上は選べるはずの機関設計が、この条文で選べなくなる。会社法の教科書の知識だけでスキームを組むと、ここで必ず事故る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法271条の19:保険持株会社の認可審査基準と機関設計 | 保険業法5条:保険会社本体の免許審査基準 保険業法271条の22:保険持株会社の子会社の業務範囲規制 |
| 審査される主体 | 持株会社となる会社とその子会社(グループ全体) | 保険業を営もうとする会社本体 持株会社の傘下に入る子会社 |
| 審査の中心 | 収支見込み・人的構成と社会的信用・子会社業務の適合性 | 事業の健全性、保険数理上の合理性、保険契約者保護 業務の種類が許容範囲に収まるか |
| 違反・不適合の帰結 | 認可が下りず、持株会社化・買収スキームが成立しない | 免許が下りず、保険業を営めない 271条の19第1項第3号を通じて認可の障害になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は銀行・保険・証券を横断する単一の金融控股公司法で許可制を採り、日本のように業法ごとに持株会社規定を置く方式とは立法技術が異なる。適格性と財務健全性を審査する点は共通
韓国も金融持株会社を一本の法律で規律し、金融委員会の認可を要する。株式会社形態と一定の機関設置を求める点で日本と近い構造
ドイツは EU の Solvency II に基づくグループ監督の枠組みで保険持株会社を捉える。設立認可という入口規制よりも、グループ単位のソルベンシー監督に重心がある
米国は州保険庁が Form A 手続で支配権取得を審査する。取得者の適格性・財務状態・経営陣の能力と誠実性を見る点は日本の三基準と発想が近いが、州ごとに運用が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが PE ファンドの担当者で、中堅生命保険会社の買収スキームを組んでいる。節税効果を狙って SPC を合同会社で設計していたら、法務から待ったがかかる。271条の19第2項は株式会社であることを要求する。スキーム全体を組み直すことになり、クロージング予定日が三か月後ろにずれる
- 保険会社の経営統合が報道され、あなたはその会社の社員だ。統合の成否を決めるのは株主総会の決議だけではない。認可審査で「人的構成」に引っかかれば、決議が通っても統合は動かない。新持株会社の役員候補に過去の行政処分歴や反社会的勢力との関係の疑いがある人物がいれば、それだけで審査は止まる
- もし、あなたの会社が保険会社を買収して事業の柱にしようとしたとき、傘下の別会社が保険業と無関係の一般事業(不動産開発や飲食チェーンなど)を大きく営んでいたら? 271条の22第3項各号の業務範囲規制に抵触し、認可が下りない可能性が出てくる。買収前にグループ全体の業務を棚卸しする必要がある
- 認可申請から結論まで、標準処理期間の目安は設定されているが、実務では事前相談を含めると半年から一年を見込む。あと90日でクロージング、という契約を先に結んでしまうと、認可が間に合わず表明保証違反や違約金の問題が発生する。時間設計を誤ると、法的には何も悪くないのに金が飛ぶ
取るべき行動
被害を受けた側:買収・統合の対象側や少数株主の立場であれば、1. 新持株会社の機関設計が第二項の三点セットを満たすか確認、満たさないスキームは認可段階で崩れる2. 役員候補の人的構成・社会的信用に疑義がないか、公開情報と過去の行政処分歴で裏を取る3. 自社グループの業務内容が271条の22第3項各号に触れないか棚卸しする4. 認可が下りなかった場合の契約上の帰結(解除・違約金の負担者)を契約書で確認する
訴えられた側:認可申請をする側であれば、1. 正式申請の前に当局への事前相談を開始、論点を先に潰す2. 収支見込みは楽観値ではなく保守シナリオで作る、後から下方修正すると信頼性の問題に転化する3. 役員候補について社会的信用の観点から事前スクリーニングを実施、疑義のある候補は差し替えを検討4. グループ各社の業務内容を一覧化し、業務範囲規制への抵触を潰したうえで申請する
時効(請求できる期限):本条自体に申請期限や時効の定めはない。ただし認可申請には行政手続法上の標準処理期間が設定されており(審査の状況により変動、最新の運用をご確認ください)、実務では事前相談を含め半年から一年を見込む。買収契約のクロージング期限を先に確定させると、認可が間に合わないリスクが契約上の債務不履行に転化する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 改正:独占禁止法9条の改正により純粋持株会社が解禁され、金融分野で持株会社形態を採用する前提条件が整った。保険持株会社制度の立法的な出発点にあたる
- 2.平成10年(1998年) 新設:金融システム改革に伴う保険業法改正により、保険持株会社に関する章が新設され、認可制と審査基準、機関設計の強制が導入された
- 3.平成26-27年(2014-2015年) 改正:会社法改正による監査等委員会設置会社の創設に伴い、第2項第2号の選択肢に監査等委員会が追加された。監査役会・監査等委員会・指名委員会等の三択構造が確立
- 保険業法 第271条の18本条が審査基準を定める対象の認可申請規定
- 保険業法 第271条の22第一項第三号が参照する子会社の業務範囲規制
- 保険業法 第271条の21保険持株会社の業務範囲の制限
- 保険業法 第5条保険会社本体の免許審査基準との対応関係
- 会社法 第326条機関設計の原則、第二項が制限する対象
- 銀行法 第52条の18銀行持株会社の認可審査基準の並行規定
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第9条持株会社設立の競争法上の別軌道規制
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