保険業法 第271条の5(保険議決権保有届出書等に関する特例)
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- 銀行、金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。)、信託会社その他の内閣府令で定める者のうち基準日を内閣総理大臣に届け出た者が保有する議決権で当該議決権に係る株式の発行者である保険会社又は保険持株会社の事業活動を支配することを保有の目的としないもの(議決権保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合及び保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。以下この条において「特例対象議決権」という。)に係る保険議決権保有届出書は、第二百七十一条の三第一項の規定にかかわらず、議決権保有割合が初めて百分の五を超える数となった基準日における当該議決権の保有状況に関する事項であって、内閣府令で定めるものを記載したものを、内閣府令で定めるところにより、当該基準日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 2.特例対象議決権に係る変更報告書(当該議決権が特例対象議決権以外の議決権になる場合の変更に係るものを除く。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 一前項の保険議決権保有届出書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該保険議決権保有届出書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の同項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があった場合当該後の基準日の属する月の翌月十五日
- 二当該保険議決権保有届出書に係る基準日の属する月の後の月の末日において議決権保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準に該当することとなった場合当該末日の属する月の翌月十五日
- 三変更報告書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該変更報告書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の前項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があった場合当該後の基準日の属する月の翌月十五日
- 四前三号に準ずる場合として内閣府令で定める場合内閣府令で定める日
- 3.前二項の基準日とは、第一項に規定する内閣府令で定める者が内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に届出をした三月ごとの月の末日をいう。
- 4.第二条第十五項の規定は、第一項及び第二項の場合において保険議決権大量保有者が保有する特例対象議決権について準用する。
この条文の基本情報
保険議決権保有届出書等に関する特例とは何ですか?
定義保険議決権保有届出書等に関する特例とは、保険業法第271条の5に定められた規定で、「銀行、金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の5(保険議決権保有届出書等に関する特例)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の5の条文原文は「銀行、金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。」で始まります。
- 保険業法第271条の5は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の5の前の条は保険業法第271条の4です。
- 保険業法第271条の5の次の条は保険業法第271条の6です。
- 保険業法第271条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の5は、基準日を届け出た銀行・金融商品取引業者・信託会社等が支配目的なく保有する議決権について、届出書の提出期限を基準日の属する月の翌月15日までとする特例を定める。
Q · 銀行や運用会社が保険会社の株を5% 超えたら、いつまでに届出を出すんですか?
特例対象なら基準日の属する月の翌月15日まで
保険業法271条の5により、銀行・有価証券関連業を行う金融商品取引業者・信託会社その他内閣府令で定める者のうち、基準日を内閣総理大臣に届け出た者が、支配目的なく保有する議決権(特例対象議決権)については、議決権保有割合が初めて5% を超えた基準日の属する月の翌月15日までに保険議決権保有届出書を提出すれば足ります。基準日は事前に届け出た三月ごとの月の末日です。支配目的がある場合や府令の割合・態様に該当する場合は特例から外れ、271条の3第1項の5日以内ルートに戻ります。
解説
保険会社の株式を5% 超まで買い集めた者は、原則として5日以内に金融庁へ届出書を出さなければならない(271条の3第1項)。ところが銀行、有価証券関連業を行う金融商品取引業者、信託会社など内閣府令が列挙する機関投資家だけは、この時計が止まる。あらかじめ三月ごとの月末を「基準日」として内閣総理大臣に届け出ておけば、5% 超が判明した基準日の属する月の翌月15日まで提出を待てる。代わりに条件が一つ。その議決権が、発行会社である保険会社または保険持株会社の事業活動を支配する目的で保有されていないこと。ここが本条の心臓部だ。あなたの会社の運用部門が純投資として積んだ持分でも、社内の誰かが経営へ関与する方向へ舵を切った瞬間、その議決権は特例対象から外れ、緩やかな月次サイクルから5日以内の厳格ルートへ強制的に移される。保有目的という無形のものが、提出期限という有形の数字を書き換える構造になっている。
法的な位置づけ
保険業法271条の5の特例報告制度とは、内閣府令で定める金融機関等のうち基準日を届け出た者が、保険会社または保険持株会社の事業活動を支配する目的なく保有する議決権について、保険議決権保有届出書および変更報告書の提出期限を基準日の属する月の翌月15日までとする制度をいう。原則の5日以内ルート(271条の3第1項)に対する期限の特則である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が特例の対象者かを確認する 銀行、有価証券関連業を行う金融商品取引業者、信託会社その他内閣府令で定める者に該当するかを確認する。該当しなければ特例は一切使えず、271条の3第1項の5日以内ルートで運用する必要がある
- 2.基準日を選定し内閣総理大臣に事前届出 三月ごとの月の末日のうち、決算期や議決権行使基準日と噛み合うサイクルを選び、内閣府令で定めるところにより届け出る。この届出がない限り特例は発動しない
- 3.保有目的を平時から文書化する 純投資であることの根拠を投資委員会議事録・運用方針書に日付付きで残す。あわせて内閣府令が定める議決権保有割合の上限と保有態様の要件に抵触していないかを定期確認する
- 4.基準日ごとに保有割合を判定する 各基準日時点で議決権保有割合が初めて5% を超えたか、前回届出比で1% 以上増減したかを判定し、該当すれば翌月15日までに保険議決権保有届出書または変更報告書を提出する
- 5.目的変更を検知したら原則ルートへ切り替える 議決権行使方針の変更等により支配目的へ転じた場合、特例対象外の議決権となるため月次サイクルから外れる。目的変更が社内で確定した日を起算点として271条の4の期限で変更報告書を組み直す
よくある質問 AI による整理
Q1特例報告制度とは何ですか?
保険業法271条の5が定める、金融機関等の非支配目的の議決権保有について、届出期限を基準日の翌月15日まで緩和する制度です。原則の5日以内ルートの特則にあたります。
Q2保険議決権保有届出書はいつまでに提出しますか?
特例対象議決権なら、議決権保有割合が初めて5% を超えた基準日の属する月の翌月15日までです。特例に乗れない場合は271条の3第1項により5日以内となります。
Q3基準日はどうやって決めるのですか?
内閣府令で定めるところにより、三月ごとの月の末日を自ら選んで内閣総理大臣に届け出ます(271条の5第3項)。届出をしていなければ特例は使えません。
Q4特例報告制度は誰が使えますか?
銀行、有価証券関連業を行う金融商品取引業者、信託会社その他内閣府令で定める者のうち、基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限られます。一般の事業会社は対象外です。
Q5変更報告書の提出期限はいつですか?
後の基準日で保有割合が1% 以上増減した場合など、271条の5第2項各号に応じ、当該基準日または末日の属する月の翌月15日までです。
Q6保有目的が支配目的に変わったらどうなりますか?
特例対象議決権でなくなる変更は2項の括弧書で月次サイクルから除外され、271条の4の原則ルートで変更報告書を提出することになります。
Q7純投資なら必ず特例が使えますか?
使えるとは限りません。議決権保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合や、保有の態様その他の事情から府令で定める場合は、目的が純投資でも特例対象から外れます。
Q8大量保有報告書とは別に出す必要がありますか?
上場保険会社の株式なら、金融商品取引法27条の23以下の大量保有報告と保険業法の議決権保有届出が並行して問題になります。制度が異なるため別個に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは普通の事業会社なんですが、この特例は使えますか?
使えない。対象は銀行、有価証券関連業を行う金融商品取引業者、信託会社その他の内閣府令で定める者のうち、基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限られる。届出をしていなければ、たとえ銀行でも271条の3第1項の原則、5日以内で走ることになる。実務のポイント:特例の本当の入口は基準日の事前届出である。現場は目的要件ばかり議論し、基準日を届け出ていない事実に5% を超えた後で気付く。平時に一枚出しておくかどうかが、緊急時の5日を翌月15日に変える
Q2保有目的が途中で変わったら、前に出した届出書はどうなりますか?
前の届出書が無効になるわけではない。ただし特例対象議決権が特例対象外の議決権になる変更は、本条2項の括弧で月次サイクルから明示的に除外されており、271条の4の原則ルートに戻る。実務のポイント:この場面で唯一の争点になるのは、目的変更が社内でいつ確定したかという日付である。投資委員会の議事録や決裁日が、そのまま期限の起算点として読まれる。日付をぼかした記録は、遅延認定の側に働く
間違えやすい点 AI による整理
- 「5% を超えた日から何日以内か」という問いの立て方そのものが、この特例では成立しない。起算点は超えた日ではなく、超えたことが判明した基準日である。日数を数える発想でカレンダーを引くと、期限を過度に早く見積もるか、逆に基準日をまたいで丸ごと落とす
- 特例の要件が「支配目的でないこと」だと知っている実務家は多い。だがその判定が、内閣府令の定める議決権保有割合の上限と、保有の態様その他の事情という二重の絞りで縛られていること、つまり目的が純投資でも割合が府令の数を超えれば特例から落ちることまで押さえている人は少ない
- あなたから見れば「運用方針の微修正」でも、法律から見れば「特例対象議決権が特例対象外の議決権になった」という地位の変動である。この落差の中で、月次サイクルのつもりで過ぎていった日数が、そのまま届出遅延の日数として積み上がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 提出期限 | 271条の5:基準日の属する月の翌月15日まで | 271条の3第1項:5% 超の日から5日以内 271条の4:変更事由の発生から5日以内(原則ルート) |
| 適用対象者 | 銀行・有価証券関連業を行う金融商品取引業者・信託会社等で基準日を届け出た者 | 保険議決権大量保有者一般 既に届出書を提出した保険議決権大量保有者一般 |
| 保有目的の要否 | 発行会社の事業活動を支配する目的でないことが必須 | 保有目的を問わず義務が発生 保有目的を問わず変更報告義務が発生 |
| 規制の性質 | 届出(期限の特則) | 届出(原則) 271条の10:主要株主基準値以上は認可制へ移行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険会社の持株規制と証券法上の大量持股申報が並行する二層構造をとる。金融機関向けの基準日方式による期限緩和という形の特例は、日本ほど明確な形では条文化されていない
韓国も機関投資家について経営参加目的でない保有には報告期限・様式を緩和する特例を設けており、経営参加目的の有無で区分する発想は日本と共通する
ドイツは保険監督法上の重要持分(bedeutende Beteiligung)取得について事前届出・審査手続を課す一方、証券法上の議決権通知は別建て。EU 指令(Solvency II)に基づく統一的枠組を持つ点が日本と異なる
米国は州保険規制として10% 以上の取得に Form A の事前承認を要求し、支配の推定(presumption of control)を割合で定型化する。支配目的の有無を報告期限の分岐に使う日本の設計とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 基準日の三日後に保有割合が5% を超えたら、いつまでに何を出す? 答えは「次の基準日まで報告義務が発生しない」。ただしその間に運用方針が変わって支配目的に転じれば、その瞬間から271条の4の5日以内ルートへ切り替わる。社内で目的変更を認識してから期限まで、実質5日しか残らない
- 信託会社であるあなたの会社は保険会社株を5.3% 保有し、特例で月次サイクルに乗っている。議決権行使助言会社の推奨に従い、取締役選任議案に反対票を投じた。それが「支配することを保有の目的とする」への転換に当たるのか、単なる純投資家の権利行使にとどまるのかは、実務上、解釈が分かれている
- 保険会社の総務部にいるあなたが、株主名簿で見慣れない資産運用会社の持分が急増していることに気付く。金融庁への届出書はまだ出ていない。それは違法ではなく、相手が特例報告の基準日を待っているだけの可能性がある。次の基準日と、その翌月15日をカレンダーに入れて待つのが、この局面で唯一正確な動きだ
取るべき行動
被害を受けた側:保険会社側または他の株主として持分の急増を察知した場合、1. 相手が本条1項の対象者(銀行、有価証券関連業を行う金融商品取引業者、信託会社等)かを確認し、特例ルートの可能性を織り込む2. 上場保険会社の株式なら金融商品取引法の大量保有報告書(27条の23)を並行して確認、こちらの方が早く表に出ることが多い3. 議案への投票行動や面談要求など、支配目的を示す兆候を日付付きで記録4. 兆候が揃えば、特例対象外への転換として厳格ルートの報告時期を相手に問う材料になる
訴えられた側:届出義務者側としては、1. 基準日の事前届出が現に有効かを最初に確認、これがないと特例は使えず原則の5日以内ルートで走る2. 保有目的の判定基準と、内閣府令が定める割合・態様の上限を社内規程に明文化3. 運用部門の議決権行使方針変更を法務・コンプラへ即日エスカレーションする経路を作る4. 特例対象外へ転じた場合は本条2項の月次サイクルから外れるため、271条の4の期限で変更報告書を組み直す
時効(請求できる期限):特例対象議決権:議決権保有割合が初めて5% を超える数となった基準日の属する月の翌月15日まで(本条1項)。変更報告書:前回記載比で1% 以上の増減その他の重要な変更があった基準日の属する月の翌月15日まで(本条2項各号)。基準日は事前に届け出た三月ごとの月の末日(同3項)。特例を使えない場合の原則は、5% を超えた日から5日以内(271条の3第1項、日曜日その他の休日は算入しない。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)証券取引法から金融商品取引法への移行に伴う整備 本条1項の対象者の文言が、旧証券取引法下の証券会社から「金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。)」へ改められた。制度の骨格(基準日方式、翌月15日期限、支配目的除外)は維持されている。新設年および改正回数の総数は未検証のため、人的確認が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:証券取引法から金融商品取引法への移行に伴う整備により、第1項の対象者の文言が旧法下の証券会社から「金融商品取引業者(有価証券関連業を行う者に限る。)」へ改められた。基準日方式・翌月15日期限・支配目的除外という制度の骨格は維持されている。新設年および改正回数の総数は未検証
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