保険業法 第308条の21(報告徴収及び立入検査)
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- 内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるときは、指定紛争解決機関に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、指定紛争解決機関の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、指定紛争解決機関の加入保険業関係業者若しくは当該指定紛争解決機関から業務の委託を受けた者に対し、当該指定紛争解決機関の業務に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、これらの者の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくはこれらの者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
この条文の基本情報
報告徴収及び立入検査とは何ですか?
定義報告徴収及び立入検査とは、保険業法第308条の21に定められた規定で、「内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるときは、指定紛争解決機関に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第308条の21(報告徴収及び立入検査)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第308条の21の条文原文は「内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるときは、指定紛争解決機関に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職…」で始まります。
- 保険業法第308条の21は第三章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第308条の21の前の条は保険業法第308条の20です。
- 保険業法第308条の21の次の条は保険業法第308条の22です。
- 保険業法第308条の21には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の21 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の21(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/308_21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法308条の20は、内閣総理大臣が指定紛争解決機関に報告徴収・立入検査を行える旨を定める。第2項では加入保険業関係業者と業務受託者にも必要の限度で権限が及ぶ。
Q · 金融ADR の機関って、誰かがちゃんと監督しているんですか?
内閣総理大臣(金融庁)が報告徴収と立入検査をできます
保険業法308条の20第1項により、内閣総理大臣は紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるとき、指定紛争解決機関に報告・資料提出を命じ、職員に営業所等へ立ち入らせて質問・帳簿書類の検査をさせることができます。第2項では、特に必要があると認めるとき、その必要の限度において、加入保険業関係業者(加入保険会社等)や業務の委託を受けた者にも報告命令と立入検査が及びます。ADR 機関は民間主体ですが、指定を受けた準公的インフラとして行政監督の対象です。
解説
保険会社と揉めて「金融ADR(指定紛争解決機関)に持ち込めば中立に裁いてくれる」と聞かされる。だがその中立機関自体を誰が見張っているのか、考えたことがあるだろうか。保険業法308条の20がその答えだ。内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に委任)は、指定紛争解決機関に報告・資料提出を命じ、職員を営業所に立ち入らせ、帳簿書類を検査できる。さらに2項が効く。検査の手は、その機関に加入している保険会社(加入保険業関係業者)や、機関から業務委託を受けた外部事業者にまで伸びる。つまりあなたが申し立てた紛争手続で、保険会社が裏で資料を出し渋っていたり、手続が不自然に放置されていたりする状況は、金融庁への情報提供を通じて検査の端緒になりうる。ADR は密室ではない。その外側にもう一枚、行政の監視レイヤーがある。
法的な位置づけ
保険業法308条の20は、指定紛争解決機関に対する監督規定であり、内閣総理大臣が紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要と認める場合に、報告徴収・資料提出命令・立入検査・質問の権限を有する旨を定める。第2項は、特に必要がある場合に限り、その必要の限度で加入保険業関係業者及び業務受託者を名宛人とする同様の権限を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検査・報告命令の根拠条項を特定する 通知書面で308条の20第1項(機関自身への検査)か第2項(加入保険業関係業者・業務受託者への検査)かを確認する。第2項なら目的は当該指定紛争解決機関の業務状況であり、自社の一般業務検査(保険業法128条等)とは別枠であることを社内に共有する
- 2.「必要の限度」に照らして提出範囲を擦り合わせる 第2項の二重の絞り(「特に必要があると認めるとき」「その必要の限度において」)を前提に、検査官と提出資料の範囲・形式・期限を書面で確認する。目的外の広範な開示を避けつつ、協力姿勢は明確にする
- 3.帳簿書類の所在と保管責任者を整理する ADR 手続に関連する記録(申立て受付、回答書、期日記録、委託業務のログ)について原本の所在、電子データの保存場所、保管責任者を一覧化する。提出物はすべて控えを保存し、提出日と受領者を記録する
- 4.委託関係にある当事者と情報共有・守秘整合を図る 業務受託者の場合は委託元の指定紛争解決機関と、加入業者の場合は機関側と検査対応状況を共有し、守秘義務条項と検査協力義務の整合を事前に確認する。受託契約に検査協力条項がない場合は改定を検討する
- 5.検査結果を踏まえた是正と不服申立ての判断 検査後に監督上の処分(保険業法133条等)が想定される場合、行政手続法14条の理由提示を確認し、是正対応と不服申立て(審査請求3か月・取消訴訟6か月)のいずれを選ぶか法務部門と弁護士で判断する
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
内閣総理大臣の指定を受け、裁判外で金融紛争を解決する機関です。保険分野では損害保険協会や生命保険協会等の相談・紛争解決部門が担い、保険業法上の監督対象になります。
Q2金融ADR の運営に問題があるとき、どこに言えばいいですか?
金融庁の金融サービス利用者相談室に「業務運営への懸念」として情報提供します。個別紛争の結論は覆せませんが、308条の20第1項の報告徴収の端緒になりえます。
Q3立入検査は保険会社にも来ますか?
来ます。308条の20第2項により、加入保険業関係業者は当該 ADR 機関の業務状況に関する報告命令・立入検査の名宛人になります。自社の一般検査とは根拠条文が別です。
Q4ADR 機関の業務委託先も検査対象ですか?
対象です。第2項は「業務の委託を受けた者」を明示しており、システムベンダーや事務受託会社の事務所にも職員が立ち入り、帳簿書類を検査できます。
Q5報告命令に応じないとどうなりますか?
正当な理由なく報告・資料提出を拒み、又は検査を拒み妨げた場合は、保険業法の罰則規定の対象となりえます。個別の命令書に記載された期限の管理が必要です。
Q6「必要の限度において」とはどういう制約ですか?
第2項の権限行使を当該 ADR 機関の業務状況の把握に必要な範囲へ絞る文言です。目的外の広範な資料提出を求められた場合、範囲の限定を求める根拠になります。
Q7検査で紛争の中身まで調べられるのですか?
本条の目的は業務の公正かつ的確な遂行という運営面の確認です。個別紛争の判断内容を行政が是正する制度ではなく、手続運営の適正性が検査対象になります。
Q8検査に不服があるときの手段は?
報告命令等の処分に不服なら、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)が可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ADR の担当者の対応がひどいんですが、金融庁に言えば何か変わりますか?
個別紛争の結論を金融庁が覆すことはできないが、業務運営の適正性については308条の20第1項の報告徴収・立入検査の端緒になりうる。実務のポイント:監督当局が動くのは個別の不満ではなく、同種の申告が複数積み上がったときだ。だから「私の件を解決してほしい」ではなく「手続のこの運用に問題がある」と、再現性のある事実として書く方が届く
Q2うちは保険会社なんですが、ADR 機関への検査でなぜ当社に報告命令が来るんですか?
308条の20第2項が加入保険業関係業者を直接の名宛人としているためだ。目的はあくまで当該指定紛争解決機関の業務状況の把握であり、自社の業務一般の検査(保険業法128条等)とは根拠条文が異なる。実務のポイント:根拠条文が違えば、提出範囲の合理性を議論する土俵も違う。初動で根拠条項を書面確認しておくと、後の範囲交渉が格段にやりやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「金融庁の検査は保険会社に入るもので、ADR 機関は中立だから検査対象外」という前提そのものが誤っている。指定紛争解決機関は内閣総理大臣の指定を受けて公的機能を担う存在であり、だからこそ報告徴収・立入検査の対象になる。中立性は監督されることで担保されている
- 1項の検査対象が機関だけだと理解している実務者は多いが、深刻なのは2項の射程だ。加入保険会社と業務受託者にまで及ぶ。しかも2項の目的は「当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し」であり、自社の業務検査とは別枠で来る。監督指針上の検査想定リストに2項を載せていない会社は、検査対応の初動で確実に出遅れる
- 利用者から見れば ADR は「保険会社と自分の私的な話し合いの場」だが、法律から見れば ADR 機関は内閣総理大臣の指定と監督を受けた準公的インフラである。この落差が利用者を潰す。手続に不審があっても「民間同士のことだから」と諦めてしまい、監督当局という選択肢を使わずに終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の名宛人 | 308条の20:指定紛争解決機関(1項)+加入保険業関係業者・業務受託者(2項) | 128条:保険会社等(自社の業務一般) 133条:処分対象としての保険会社等 |
| 権限の目的 | 紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行の確保 | 保険会社の業務・財産の状況把握 検査結果等を踏まえた監督上の処分 |
| 発動要件の絞り | 1項は「必要があると認めるとき」、2項は「特に必要」+「必要の限度において」の二重の絞り | 業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があるとき 法令違反等の該当事由があるとき |
| 実務上の初動 | 1項/2項の区別確認と提出範囲の限定交渉 | 自社の業務全般の資料準備 処分理由の確認と不服申立て期間の管理 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も金融紛争の裁判外解決機関を法定し、主管機関である金融監督管理委員会の監督下に置く構造。日本の指定紛争解決機関と機能的に対応する
韓国は金融監督院に金融紛争調停委員会を置く官設型で、日本の民間機関指定型とは組織形態が異なるが、監督主体が金融監督当局である点は共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険金不払いで金融ADRに申立てたが、半年経っても手続が進まない。担当者は「相手方の回答待ち」と繰り返すばかり。この状況は、指定紛争解決機関の業務の適正性そのものの問題として、金融庁の監督部局に情報提供できる。308条の20第1項の報告徴収は、こうした外部からの申告が端緒になることがある
- あなたが保険会社のコンプライアンス担当だとする。所属する指定紛争解決機関に金融庁の検査が入った。1項は機関への検査だが、2項であなたの会社にも報告命令と立入検査が及びうる。「うちは検査対象じゃない」という前提で資料管理を怠っていると、当日になって慌てることになる
- 指定紛争解決機関から手続進行の事務やシステム運用を受託している外部ベンダー。委託先であるあなたの会社の事務所にも、308条の20第2項に基づき職員が立ち入り、帳簿書類を検査できる。受託契約を結ぶ前に、検査協力義務と費用負担の取り決めを契約書に入れておくべき理由がここにある
- もし、検査官から「明日、報告書の提出を」と連絡が来たら? 2項の報告命令は「必要の限度において」という縛りがあるが、その限度を判断するのは第一次的には行政庁だ。範囲が広すぎると感じたときに、どの条文を根拠に限定を求めるかを知っている担当者と、知らない担当者で、提出する資料の量が桁違いになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. ADR 手続の経過を日付・担当者名・回答内容で時系列記録、これが後のすべての土台2. 手続の停滞や不公正を感じたら、まず機関の苦情窓口に書面で申し入れ、回答を保存3. 改善がなければ金融庁金融サービス利用者相談室へ、個別結論の不服ではなく「業務運営への懸念」として整理して情報提供4. 並行して、紛争の中身については訴訟提起の時効(保険金請求権は3年、保険法95条)を別途管理、ADR 中でも時間は進む
訴えられた側:1. 検査通知を受けたら根拠条項が1項か2項かを確認、2項なら目的は当該 ADR 機関の業務状況であり自社の一般業務検査ではない2. 「必要の限度において」の縛りを踏まえ、提出範囲を検査官と書面で擦り合わせ3. 帳簿書類は原本の所在と保管責任者を整理、提出物はすべて控えを保存4. 業務受託者の場合、委託元の ADR 機関と情報共有し、守秘義務との整合を事前に確認
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限の定めはない。報告命令に付された提出期限は個別の命令書に記載され、正当な理由なく応じない場合は罰則の対象となりうる。行政処分に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、または6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)
- 保険業法 第308条指定紛争解決機関の指定要件、本条の監督対象の前提
- 保険業法 第128条保険会社自体への報告徴収・立入検査、根拠条文の区別
- 保険業法 第133条監督上の処分、検査結果を受けた行政処分の根拠
- 行政手続法 第14条不利益処分の理由提示、検査後の処分の手続的統制
- 行政不服審査法 第18条報告命令等に対する審査請求の期間制限
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