保険業法 第128条(報告又は資料の提出)
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- 内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、保険会社に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
- 2.内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険会社の子法人等(子会社その他保険会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項並びに次条第二項及び第三項において同じ。)又は当該保険会社から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。次項並びに同条第二項及び第三項において同じ。)に対し、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
- 3.保険会社の子法人等又は当該保険会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。
この条文の基本情報
報告又は資料の提出とは何ですか?
定義報告又は資料の提出とは、保険業法第128条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、保険会社に対し、その業務又は財産の状況に関し報…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第128条(報告又は資料の提出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第128条の条文原文は「内閣総理大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、保険会社に対し、その業務又は財産の状況に関し報…」で始まります。
- 保険業法第128条は第六章 監督に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第128条の前の条は保険業法第127条です。
- 保険業法第128条の次の条は保険業法第129条です。
- 保険業法第128条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第128条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第128条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/128
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法128条は、金融庁が保険会社に報告・資料提出を求める権限を定める。2項は子法人等と委託先(再委託先を含む)も対象とし、3項は正当な理由があれば拒否できると定める。
Q · 保険会社の下請けなんですが、金融庁から資料を出せと言われたら従うしかないんですか?
原則対象になるが、3項の拒否権と「必要の限度」で範囲を絞れる
保険業法128条2項は、保険会社の子法人等および業務の委託を受けた者(二以上の段階にわたる再委託を含む)を報告徴求の対象としています。したがって孫請けベンダーも射程内です。ただし2項は「特に必要があると認めるとき」「その必要の限度において」と要件を加重しており、さらに3項が「正当な理由があるとき」の拒否権を認めています。この拒否権は保険会社本体には与えられていません。実務では全面拒否ではなく、提出範囲の交渉が現実解になります。
解説
保険会社に金融庁から一通の文書が届く。表題は「報告徴求命令」。根拠条文が保険業法128条だ。ここで多くの人が見落とすのは、この矢印が保険会社本体だけに向いていないという点である。2項は「子法人等」と「業務の委託を受けた者」にも報告徴求を及ぼす。あなたがコールセンター運営会社、保険代理店、システムベンダー、あるいは事務代行の BPO 事業者として保険会社から仕事を受けているなら、金融庁はあなたの会社に直接、報告と資料の提出を求めることができる。しかもその委託は「二以上の段階にわたる委託を含む」。孫請け、ひ孫請けまで射程に入る。ただし3項があなたの盾になる。委託先と子法人等には「正当な理由があるときは拒むことができる」という拒否権が明文で与えられている。保険会社本体にはこの拒否権がない。この非対称こそ、128条の設計の核心である。
法的な位置づけ
保険業法128条は監督当局による報告徴求権限を定める規定であり、1項が保険会社本体を、2項が子法人等および業務の委託を受けた者(再委託先を含む)を対象とする。2項の権限行使には「特に必要」かつ「必要の限度」という加重要件が課され、3項は2項の名宛人に正当な理由に基づく拒否権を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受領文書の根拠条文と名宛人を特定する 文書の表題と本文から、根拠が128条1項(保険会社本体)か2項(子法人等・委託先)かを確認する。2項なら3項の拒否権と「必要の限度」の制約が使える。保険会社経由の転送依頼なら、法律上の報告徴求か社内要請かを書面で明示させる
- 2.提出範囲を切り分けて書面で照会する 求められた資料のうち、当該保険会社の業務・財産と関係のない部分(他社案件のソースコード、無関係な従業員の個人情報等)を洗い出し、回答提出前に範囲確認を書面で照会する。いったん広く出すと後から回収できない
- 3.提出データの裏取りと検証記録を残す 数字・ログ・日付を一次資料と突合し、誰がいつ検証し誰が決裁したかを記録に残す。後日129条の立入検査で帳簿と突合された際、矛盾がないことの立証手段になる
- 4.期限管理と延長申入れを行う 文書記載の提出期限を起点に逆算スケジュールを組む。間に合わない場合は期限到来前に、理由と代替提出日を付した延長申入れを書面で行う
- 5.対応工数・費用の負担を保険会社と確認する 委託先の立場なら、報告徴求対応に要した工数と費用の扱いを保険会社と書面で確認し、次回の契約改定で「監督官庁対応の費用・工数負担条項」を挿入する材料として保存する
よくある質問 AI による整理
Q1報告徴求とは何ですか?
監督当局が事業者に業務・財産の状況について報告や資料の提出を求める行政上の情報収集権限です。保険業法では128条が根拠で、処分そのものではありません。
Q2保険業法128条の対象は誰ですか?
1項は保険会社本体、2項は子法人等と業務の委託を受けた者です。2項は「二以上の段階にわたる委託」も含むため、再委託先・孫請けも対象になります。
Q3報告徴求は拒否できますか?
2項の名宛人(子法人等・委託先)は3項により正当な理由があれば拒めます。1項の名宛人である保険会社本体にはこの拒否権がありません。
Q4報告徴求の提出期限はいつまでですか?
条文に固有の期限はなく、個別の報告徴求文書で指定された日付が実質的な期限です。延長を求めるなら期限到来前に書面で理由を付して申し入れます。
Q5報告徴求と立入検査の違いは?
128条の報告徴求は書面ベースの情報提出要求、129条の立入検査は職員が事業所に入り帳簿・現物を確認する権限です。報告の質が検査移行の判断材料になります。
Q6報告徴求に虚偽の報告をしたらどうなりますか?
虚偽報告は罰則規定の射程に入りうるほか、業務改善命令(132条)の検討材料になります。社内の検証・決裁記録を残すことが防御になります。
Q7子法人等の範囲はどう決まりますか?
子会社その他保険会社が経営を支配している法人として内閣府令が定めます。資本関係だけでなく役員派遣や資金依存も判定要素とされています。
Q8保険代理店への報告徴求は128条ですか?
保険募集人・代理店に対しては305条という別ルートがあります。根拠条文によって拒否権の有無や罰則の扱いが変わるため、依頼文書の根拠確認が先です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは保険会社の下請けの下請けなんですが、それでも金融庁に資料を出す義務があるんですか?
あります。128条2項は「二以上の段階にわたる委託を含む」と明記しており、再委託の連鎖の先まで対象です。ただし同条3項で「正当な理由があるとき」は拒否できます。実務のポイント:実務では金融庁が直接下請けに文書を送るより、元請けの保険会社経由で依頼が来る形が圧倒的に多い。この場合、法律上の報告徴求なのか保険会社の社内要請なのかが曖昧になる。根拠条文の明示を求めるだけで、要求範囲がぐっと絞られることがある
Q2報告徴求って、何か悪いことをした会社にしか来ないんですよね?
違います。1項の要件は「業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるとき」で、違反の嫌疑は要件になっていません。業界全体の実態把握や新商品の動向調査でも一斉に発出されます。実務のポイント:一斉調査型か個別追及型かは、質問項目の粒度で判別できる。他社と同じ定型フォーマットなら一斉調査、自社固有の取引や特定日付を名指ししていれば個別追及。この見分けがつくと、社内の動員規模を正しく決められる
Q3資料を出したあと、そのまま立入検査に来られることはありますか?
あります。128条の報告徴求と129条の立入検査は別々の権限ですが、実務上は連続します。報告内容に不整合があったり、回答が不十分だと、次の段階に進む判断材料になります。実務のポイント:報告徴求への回答は、後の立入検査で職員が手元に持ってくる資料になる。その場で帳簿と突合されるため、回答時点で社内の一次資料と完全に一致させておくことが、半年後の自分を救う
間違えやすい点 AI による整理
- 「金融庁の監督は保険会社だけが受けるもの」と信じて委託契約を結ぶ事業者は多い。だが2項は委託先を明示的に対象にし、しかも再委託の連鎖まで含む。あなたの会社が保険会社の名前を知らない孫請けでも、契約の連鎖を遡れば金融庁の視野に入っている
- 128条の報告徴求と129条の立入検査を「どちらも金融庁の調査」と一括りにしている人が多いが、この二つは深刻度が違う。報告徴求は書面ベースで在宅対応が可能、立入検査は職員が社内に入り帳簿と現物を突合する。報告徴求への回答の質が悪いと立入検査に移行する確率が上がる。つまり最初の一通への対応が、その後の半年の負荷を決める
- 「正当な理由があるから拒める」と3項を読んで安心する委託先がいるが、問われるべきは拒否権の有無ではない。実務上、この拒否権を実際に行使する事業者はほとんどいない。なぜなら保険会社との取引関係が続く限り、拒否は事実上の取引終了を意味するからだ。法律上の権利と、それを行使できる立場かどうかは別問題である。守るべきは「拒否」ではなく「範囲の交渉」という現実解
- 報告徴求は不祥事があった会社にだけ来ると思われがちだが、1項の要件は「業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるとき」であり、違反の嫌疑を必要としない。業界全体の実態把握のための一斉報告徴求も日常的に行われている。通知が来た=疑われている、ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限の内容 | 128条:報告・資料提出の要求(書面ベース) | 129条:立入検査(職員が事業所に臨場し帳簿・現物を確認) 132条:業務改善命令(是正措置の命令) |
| 名宛人 | 1項=保険会社/2項=子法人等・委託先(再委託先含む) | 保険会社および子法人等・委託先(2項・3項) 保険会社 |
| 拒否権の有無 | 3項:子法人等・委託先は正当な理由があれば拒否可(本体は不可) | 検査についても子法人等・委託先に正当理由による拒否の余地 命令であり拒否の枠組みではない(争うなら行政不服申立て・訴訟) |
| 実務上の位置づけ | 情報収集の入口。回答の質が次段階を左右する | 報告内容の裏取り段階。負荷が最も重い 問題が確認された後の出口。公表対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)が保険業に財務・業務報告および資料の提出を命じうる。委託先への直接の情報取得は日本ほど条文上明示的でない点が対照ポイント
韓国も金融委員会・金融監督院が保険会社に資料提出を求める権限を持ち、日本と類似の監督構造。子会社・委託先への射程は関連規定と併せて確認が必要
ドイツは BaFin が保険監督法上の一般的監督権限として広範な情報請求権を持つ。EU のソルベンシー II 指令が上位規範として各国監督権限を平準化している点が日本との構造差
米国は州ごとの保険監督(州保険長官)が基本単位で、連邦一元監督ではない。委託先(third-party administrator)への規律は別途 TPA 関連法で行う構成
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社は保険会社のシステム保守を請け負う20人規模のベンダー。ある日、保険会社の担当者から「金融庁から報告徴求が来た、御社の障害対応ログを全部出してほしい」と連絡が入る。128条2項の対象は確かにあなただ。だが3項の拒否権があり、無関係な他社案件のソースコードや従業員の個人情報まで出す義務はない。「必要の限度において」という2項の文言が、提出範囲を切る刃になる
- 保険代理店を営むあなたのもとに、保険会社経由で募集記録の提出依頼。実は128条2項ではなく、代理店に対しては305条(保険募集人等に対する報告徴求)という別ルートもある。どちらの条文を根拠にした依頼かで、拒否権の有無も罰則の有無も変わる。依頼文書に書かれた根拠条文を最初に確認する
- もし金融庁への提出資料に不正確な数字が混じっていたら、どうなる? 保険会社が虚偽の報告をした場合、317条の2等の罰則規定の射程に入りうる。「うっかりミス」と「虚偽」の境界線は、社内の検証プロセスを記録に残していたかどうかで判定される。あと5営業日で提出期限、という状況で最も危険なのは、裏取りせずに数字を出すことだ
- 保険会社の経理担当のあなたに、上司が「128条の報告だから急ぎで」と資料作成を命じる。ここで確認すべきは1項か2項かではなく、これが単発の報告徴求なのか、それとも129条の立入検査の予兆なのかである。報告徴求の内容が特定分野に集中し始めたら、検査の準備が始まっているサインだ
- 海外の再保険会社の日本子会社で働くあなた。親会社は海外だが、あなたの会社が「子法人等」に該当すれば2項の対象になる。どの法人が「経営を支配している法人」に当たるかは内閣府令が決めており、資本関係だけでなく役員派遣や資金調達依存も判定要素に入る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受領文書の根拠条文を確認、128条1項(自社が保険会社)か2項(子法人等・委託先)かで拒否権の有無が変わる2. 求められた資料のうち、当該保険会社の業務・財産と関係のない部分を洗い出す、2項の「必要の限度」が範囲交渉の根拠になる3. 提出前に社内で数字の裏取りプロセスを記録、後日「虚偽報告」の疑義が出たときの防御になる4. 委託先の立場なら、対応工数と費用の扱いを保険会社と書面で確認、次回契約改定の材料として保存する
訴えられた側:1. 報告徴求は処分ではなく情報収集であり、この段階では制裁を受けているわけではない、社内をパニックにさせない2. 回答は事実ベースで、推測や希望的観測を混ぜない、後の129条立入検査で帳簿と突合されたときに矛盾が出ると心証が悪化する3. 提出内容が不正確だと業務改善命令(132条)や罰則の議論に発展しうるため、社内の検証と決裁の記録を残す4. 弁護士は「金融規制」を扱う人を選ぶ、一般民事の弁護士では監督当局との実務作法が分からない
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。提出期限は個別の報告徴求文書で指定されるため、その日付が実質的な期限になる。行政上の一般的な消滅時効の議論とは別枠であり、期限延長を求める場合は期限到来前に書面で理由を付して申し入れるのが実務
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