保険業法 第308条の20(業務に関する報告書の提出)
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- 指定紛争解決機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る紛争解決等業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 2.前項の報告書に関する記載事項、提出期日その他必要な事項は、内閣府令で定める。
この条文の基本情報
業務に関する報告書の提出とは何ですか?
定義業務に関する報告書の提出とは、保険業法第308条の20に定められた規定で、「指定紛争解決機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る紛争解決等業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第308条の20(業務に関する報告書の提出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第308条の20の条文原文は「指定紛争解決機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る紛争解決等業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第308条の20は第三章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第308条の20の前の条は保険業法第308条の19です。
- 保険業法第308条の20の次の条は保険業法第308条の21です。
- 保険業法第308条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/308_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法308条の20は、指定紛争解決機関が事業年度ごとに紛争解決等業務の報告書を作成し内閣総理大臣へ提出する義務を定める。記載事項と提出期日は内閣府令が定める。
Q · そんぽADRセンターみたいな機関って、誰かがちゃんと見張ってるんですか?
はい。毎年の業務報告書が金融庁に提出されます
保険業法308条の20により、指定紛争解決機関は事業年度ごとに紛争解決等業務の報告書を作成し、内閣総理大臣(実務上の権限は金融庁長官に委任)へ提出しなければなりません。記載事項と提出期日は内閣府令で定まります。この報告書には苦情・紛争の受付件数や処理状況が集約され、報告徴収や業務改善命令の判断材料になります。申立てをせず諦めた案件は、この統計に一切現れません。
解説
「保険金はお支払いできません」という一枚の通知で引き下がった経験があるなら、この条文はあなたの側に置かれた装置である。指定紛争解決機関、つまり損害保険なら そんぽADRセンター、生命保険なら生命保険協会の相談室は、金融庁の指定を受けて保険会社との紛争を無料で扱う民間機関だ。308条の20が命じているのは、その機関に対して「毎事業年度、紛争解決等業務の報告書を作り、内閣総理大臣(実務上の権限は金融庁長官に委任されている)に提出せよ」という一点だけ。地味に見えるが、意味は大きい。苦情と紛争が何件来たか、どの会社に集中しているか、和解がどれだけ成立したか、平均でどれくらい日数がかかったか。その数字が毎年行政の手元に積み上がり、監督方針や業務改善命令の材料になる。裏返せば、あなたが申立てをせず黙って諦めた案件は、この報告書のどこにも現れない。統計に載らない不満は、制度の上では「起きなかったこと」として扱われる。
法的な位置づけ
保険業法308条の20は、指定紛争解決機関の年次報告義務を定める規定である。同機関は事業年度ごとに紛争解決等業務に関する報告書を作成し内閣総理大臣に提出する義務を負い、報告書の記載事項・提出期日その他必要な事項は内閣府令に委任されている。金融ADR 制度に対する行政の継続的監視の基礎をなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支払拒否・減額の根拠を書面で確定させる 保険会社に対し、支払拒否または減額の理由と根拠となる約款条項を書面で回答するよう求める。口頭回答のままにせず、後の申立書で引用できる形に固定する
- 2.約款条項と拒否理由の対応関係を整理する 会社が挙げた拒否理由と約款の該当条項を並べ、争点を1〜3点に絞る。診断書、事故記録、通院履歴などの証拠を時系列で束ねる
- 3.社内の苦情窓口に一度正式に申し出る 指定紛争解決機関の手続は、まず事業者の苦情処理を経ることが想定される。窓口へ正式に申し出て、回答期限と担当部署を記録しておく
- 4.指定紛争解決機関へ申立てる 損害保険はそんぽADRセンター、生命保険は生命保険協会の相談室など、該当する指定紛争解決機関へ申立書を提出する。費用は原則無料、弁護士を立てなくても手続可能
- 5.和解案の受諾可否を判断する 紛争解決委員から示された和解案を検討する。納得できなければ受諾せず訴訟へ進める。申立人側に受諾義務はなく、手続利用には時効の完成猶予の効果が用意されている
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
金融庁の指定を受け、金融機関との紛争を裁判外で処理する民間機関です。損害保険はそんぽADRセンター、生命保険は生命保険協会の相談室が担います。
Q2金融ADR の利用料金はいくらですか?
申立人側は原則無料です。弁護士を立てずに本人で申し立てることもでき、費用面のハードルが訴訟より大幅に低い点が制度の特徴です。
Q3保険金が払われないとき、どこに相談できますか?
まず保険会社の苦情窓口、平行線になれば指定紛争解決機関へ申立てます。通知書の末尾に連絡先が記載されているのが通常です。
Q4業務報告書は誰でも見られますか?
報告書そのものは行政への提出書類ですが、これを源流とする苦情・紛争件数の統計は各機関や業界団体が公表しており、会社別の数値を確認できます。
Q5指定紛争解決機関が報告を怠るとどうなりますか?
報告徴収や立入検査の対象となり、状況によっては業務改善命令、さらに重大な場合は指定の取消し等の処分に至る可能性があります。
Q6保険金の請求はいつまでにすべきですか?
保険給付を請求する権利は3年で時効消滅します(保険法95条)。社内交渉を続けている間も時効は進行するため、長期化は不利に働きます。
Q7ADR の和解案は拒否できますか?
申立人側は拒否して訴訟へ進めます。事業者側は手続実施基本契約により特別調停案を原則受諾する義務を負う、非対称な構造です。
Q8団体保険でも ADR に申し立てできますか?
契約者が会社や銀行であっても、被保険者・受益者の立場で申立ての余地があります。契約者名だけを理由に諦める必要はありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ADR って結局は保険業界の身内でしょ、公平に見てくれるんですか?
母体が業界団体であるのは事実ですが、金融庁の指定を受け、本条の業務報告書提出や報告徴収・業務改善命令という形で行政の監視下に置かれています。紛争解決委員は弁護士や消費生活相談の専門家など外部の中立者が務めます。実務のポイント:この報告書を基にした公表統計では、和解成立率や平均所要日数まで開示されます。申立て前に自分の会社の欄を見ておくと、交渉の落としどころが読めます
Q2申し立てたら裁判はもうできなくなりますか?
なりません。和解が成立しなければそのまま訴訟へ進めますし、手続の利用には時効の完成猶予の効果が用意されています。費用は原則無料で、弁護士を立てずに申し立てる人も多数です。実務のポイント:保険会社側は特別調停案を原則受諾する義務を負い(訴訟提起など一定の例外あり)、契約者側にはその義務がありません。この非対称性を理解している人ほど、ゼロ回答のまま終わらせずに申立てへ踏み切ります
間違えやすい点 AI による整理
- 「行政への報告義務なんて自分と関係ない」と問いを立てた時点で、方向がずれている。問うべきは「自分が泣き寝入りした一件は、どこかに数字として残るのか」であり、答えは残らない、である。報告書に載るのは申立てられた件数だけで、諦めた不満は制度上ゼロとして処理される
- 金融ADR が無料であることは比較的知られている。だが深刻さを取り違えている人が多い。ここでの和解案は単なる「話し合いの提案」ではなく、指定紛争解決機関が保険会社と結ぶ手続実施基本契約により、事業者側は特別調停案を原則として受諾する義務を負う(訴訟提起など一定の例外あり)。契約者側は拒否して訴訟に進める。片側だけが縛られる非対称な仕組みである
- 「ADR を使うと裁判する権利を失う」と思われているが、逆である。手続の利用には時効の完成猶予の効果が用意されており、和解が不成立でもそのまま訴訟へ進める。放棄されるのは権利ではなく、社内交渉で消耗する時間の方だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 308条の20:指定紛争解決機関の年次報告義務 | 308条の2:指定紛争解決機関の指定要件 308条の22:報告徴収・立入検査(現行効力を要確認) |
| 発動のタイミング | 事業年度ごとに定期的・自動的 | 指定の申請時および指定要件の充足審査時 行政が必要と認めたときに個別・随時 |
| 契約者への直接の効果 | 間接的(統計が監督方針に反映される) | 間接的(利用できる機関の存在が担保される) 間接的(不適切な運営の是正につながる) |
| 違反時の帰結 | 報告徴収・業務改善命令の入口 | 指定を受けられない/要件喪失 検査忌避等は処分・罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は単一の評議中心が全金融分野を横断して担当し、主管機関へ業務状況を報告する。日本のように業種別に複数の指定機関が並立する構造とは異なる
韓国は金融監督院(FSS)内部に紛争調停委員会を置く官設型で、日本の民間機関指定型と根本的に設計が異なる。報告は組織内部の監督系統で行われる
ドイツの保険オンブズマンは登録社団として運営され、年次報告書を公表する。EU の ADR 指令の枠組みに接続している点が日本と異なる
米国は統一の ADR 機関ではなく、各州保険庁が保険会社から直接に苦情統計を収集し、NAIC が全国集計して公表する。監督単位が州である点が最大の相違
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、保険会社の支払拒否通知を受け取ってから3か月、同じ担当者と同じ押し問答を繰り返しているとしたら? ADR に申し立てた瞬間、案件を握る部署が支社の担当者から本社の紛争対応部門へ移る。判断する人間が変わることが、金額以上に効く。保険金請求権の時効は3年なので、社内交渉だけで一年以上を溶かすのが最悪の選択になる
- あなたは指定紛争解決機関の事務局で報告書を担当している。提出期日と記載事項は内閣府令で決まっており、自社判断で様式を変える裁量はない。遅延や記載漏れは報告徴収、さらには業務改善命令の入口になる
- 母親から電話が来る。入院給付金を断られた、告知義務違反だと言われた、と。あなたが知っておくべきは、その通知書に「不服がある場合は指定紛争解決機関へ」という案内が小さく載っていることと、そこが無料で、弁護士を立てなくても使える窓口だということだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支払拒否や減額の通知は必ず書面でもらう、口頭回答のままにしない2. 約款の該当条項と、会社が挙げた拒否理由の対応関係をメモ化、診断書や事故記録など根拠資料を時系列で束ねる3. 社内の苦情窓口に一度出したうえで、平行線になった時点で指定紛争解決機関へ申立て、費用は原則無料4. 和解案に納得できなければ受諾せず訴訟へ進める、契約者側に受諾義務はない
訴えられた側:1. 機関側なら、報告書の記載事項と提出期日は内閣府令が定める事項であり、様式の自己判断は不可、期日管理を年度カレンダーに固定する2. 苦情と紛争の計上基準を社内で統一、年度途中の基準変更は数値の不連続として説明責任が生じる3. 保険会社側なら、自社に関する件数が報告書経由で行政に集約される前提で、社内の苦情分類と是正記録を整備しておく
時効(請求できる期限):報告書の提出期日は本条2項により内閣府令で定まる(事業年度経過後の一定期間内、最新の内閣府令をご確認ください)。契約者側の時間制限は別軸で、保険給付を請求する権利は3年で時効消滅する(保険法95条)。起算点は請求権を行使できる時であり、社内交渉を続けている間も進行し続ける
学説
通説:金融ADR は民間機関の自律性を前提としつつ、指定制と本条の年次報告義務によって行政の継続監視下に置かれる「監督付き自主規制」型の制度であり、個別事件への行政介入を避けながら制度全体の実効性を担保する設計と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)改正、平成22年(2010年)施行 金融ADR 制度の創設に伴い新設。指定紛争解決機関という枠組み自体がこのとき導入され、その業務実態を毎事業年度行政へ報告させる仕組みが同時に置かれた
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:金融ADR 制度の創設を内容とする改正により新設。指定紛争解決機関という枠組みの導入と同時に、その業務実態を毎事業年度行政へ報告させる仕組みが置かれた(平成22年〈2010年〉施行)
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