保険業法 第308条の19(手続実施基本契約の締結等の届出)
クイックジャンプ
- 指定紛争解決機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
- 一保険業関係業者と手続実施基本契約を締結したとき、又は当該手続実施基本契約を終了したとき。
- 二前号に掲げるもののほか、内閣府令で定めるとき。
この条文の基本情報
手続実施基本契約の締結等の届出とは何ですか?
定義手続実施基本契約の締結等の届出とは、保険業法第308条の19に定められた規定で、「指定紛争解決機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第308条の19(手続実施基本契約の締結等の届出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第308条の19の条文原文は「指定紛争解決機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。」で始まります。
- 保険業法第308条の19は第三章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第308条の19の前の条は保険業法第308条の18です。
- 保険業法第308条の19の次の条は保険業法第308条の20です。
- 保険業法第308条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/308_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法308条の19は、指定紛争解決機関が保険業関係業者と手続実施基本契約を締結・終了したときの内閣総理大臣への届出義務を定める。金融 ADR を使えるかはこの契約の有無で決まる。
Q · 保険金の不払いで揉めたとき、無料で使える金融 ADR は誰でも使えるんですか?
相手の会社が手続実施基本契約を結んでいれば使える
金融 ADR(指定紛争解決機関への申立て)が使えるかどうかは、相手の保険業関係業者が指定紛争解決機関と手続実施基本契約を結んでいるかで決まります。保険業法308条の19は、この契約の締結と終了を指定機関が内閣総理大臣(実務は金融庁)へ届け出る義務を定めており、届出を経た加入状況は公表情報として確認できます。契約が生きている業者は、手続への応諾、資料提出、特別調停案の受諾を一定の例外を除いて拒めない立場に置かれます。申立て手数料は原則無料です。
解説
保険金の支払いを拒まれたとき、多くの人が思い浮かべる出口は裁判だけである。だが保険業界には、申立て手数料が原則無料の別ルートがある。生命保険協会や日本損害保険協会(そんぽADRセンター)といった指定紛争解決機関だ。その威力の源は法律の条文そのものではなく、機関と各保険会社の間で結ばれる「手続実施基本契約」という一本の契約にある。この契約の下にいる会社は、手続への応諾、資料の提出、さらに紛争解決委員が提示する特別調停案の受諾まで、一定の例外を除いて拒めない立場に置かれる。あなたは調停案が不満なら蹴って訴訟へ進めるが、会社側は原則そうできない。この片面的な縛りが、交渉の力関係を反転させる。308条の19が命じているのは、その契約を結んだとき、そして終了したときに、指定機関が内閣総理大臣(実務は金融庁)へ届け出ることだ。どの会社がこの縛りの中にいるのか、その名簿は届出を通じて行政に集まり、公表情報になる。あなたが最初に確かめるべきは、自分の保険会社の名前がそこにあるかどうかである。
法的な位置づけ
保険業法308条の19は、指定紛争解決機関の届出義務を定める規定である。指定紛争解決機関は、保険業関係業者と手続実施基本契約を締結したとき、又は当該手続実施基本契約を終了したとき、及び内閣府令で定めるときに該当する場合、内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣へ届け出なければならない。届出は、金融 ADR の適用範囲を行政が把握する基礎資料となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不払いの経緯を時系列で一本化する 支払不可の通知書、保険約款の該当条項、担当者との電話・メールの記録を、日付順に一つのファイルにまとめる。争点が「事実関係」なのか「約款解釈」なのかを先に切り分けておくと、後の申立書が短く強くなる
- 2.相手の社名で指定紛争解決機関の加入状況を確認する 保険業法308条の19の届出を経た加入状況は公表情報になる。生命保険は生命保険協会、損害保険はそんぽ ADR センター、少額短期は該当する協会の窓口で、自分の契約先の社名が加入業者一覧にあるかを確認する。ここで無料ルートの有無が確定する
- 3.会社の相談窓口へ書面で再申入れし、ADR 利用の検討を明記する 電話ではなく書面で、支払を求める根拠と回答期限を示す。末尾に「指定紛争解決機関への申立ても検討している」と一行加える。応諾義務を負う側では、この一行で案件が決裁権のある部署に上がることが多い
- 4.解決しなければ指定紛争解決機関へ申し立てる 各機関の様式に従って申立書を提出する。手数料は原則無料。申立書の段階で争点を絞り、約款のどの文言の解釈が争われているかを明示しておくと、紛争解決委員が踏み込んだ案を書きやすくなる
- 5.保険法95条の三年時効を逆算し、訴訟の最終期限を先に確定させる ADR と並行して、保険給付を請求する権利の消滅時効(三年)から逆算した訴訟提起のデッドラインをカレンダーに置く。加入先が終了の届出済みで無料ルートが閉じている場合は、この逆算がそのまま行動計画になる
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
内閣総理大臣の指定を受け、金融分野の苦情処理と紛争解決手続を行う機関です。保険では生命保険協会やそんぽ ADR センター(日本損害保険協会)が代表的な窓口とされています。
Q2手続実施基本契約とは何ですか?
指定紛争解決機関と保険業関係業者の間で結ばれる契約です。この契約により業者は手続への応諾、資料提出、特別調停案の受諾を一定の例外を除いて拒めない立場に置かれます。
Q3金融 ADR の申立て費用はいくらですか?
申立て手数料は原則として無料とされています。ただし資料の取り寄せ費用や弁護士に相談する場合の費用は別途かかります。最新の運用は各機関の案内でご確認ください。
Q4保険会社が指定紛争解決機関に加入しているか調べる方法は?
308条の19の届出を経た加入状況は公表情報になります。金融庁の公表資料や各指定機関(生命保険協会、そんぽ ADR センター等)が示す加入業者一覧で社名を確認してください。
Q5少額短期保険でも金融 ADR は使えますか?
少額短期保険業者も保険業関係業者ですが、どの指定機関と手続実施基本契約を結んでいるかは会社ごとに異なります。加入の有無を先に確認することが出発点になります。
Q6金融 ADR を使うと時効は止まりますか?
金融 ADR の手続については、各業法に時効の取扱いに関する規律が置かれています。適用の可否は事案ごとに確認が必要で、保険法95条の三年時効を逆算した訴訟準備の並行が安全です。
Q7308条の19の届出はいつまでにするのですか?
条文上は固有の期限を定めず、内閣府令で定めるところによるとされています。実務上は遅滞なく行われ、届出義務を負うのは保険会社ではなく指定紛争解決機関の側です。
Q8手続実施基本契約が終了したら保険会社はどうなりますか?
終了は本条により届け出られます。代替となる紛争解決措置を講じない限り、保険業法105条の2が求める体制を欠く方向へ傾き、監督上の問題として指摘されうる状態になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社と揉めたとき、結局どこに言えばいいんですか?
まず会社のお客様相談窓口、それで動かなければ指定紛争解決機関です。生命保険は生命保険協会、損害保険はそんぽADRセンターが代表格で、申立て手数料は原則無料。相手が手続実施基本契約の中にいるかは、308条の19の届出を経た公表情報で確認できます。実務のポイント:申立て前に会社宛の書面へ「ADRの利用も検討している」と一行書くだけで、決裁権のない担当者から権限のある部署へ案件が上がることが多い
Q2調停案が出たら、保険会社は必ず従うんですか?
通常の和解案は双方が拒めますが、紛争解決委員が特別調停案を提示した場合、業者側は訴訟係属中などの例外を除き原則として受諾を拒めません。あなたは不服なら蹴って訴訟へ進めます。その土台が手続実施基本契約であり、締結と終了は本条で届け出られます。実務のポイント:特別調停案が出るかは事案次第で、実務上の運用は分かれています。申立書の段階で争点を絞り証拠を揃える方が、委員は踏み込んだ案を書きやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 金融ADRが無料で使えることを知っている人は多い。だが本当の威力は費用ではなく、拘束が片側にしかかかっていない点にある。特別調停案が提示されれば、業者側は訴訟係属中など一定の例外を除いて受諾を拒めず、あなたは不服なら蹴って訴訟へ進める。この非対称を知らないまま、単なる話し合いの場だと考えて申立てを見送る人が多い
- 「どの紛争解決機関に申し立てるか自分で選べるのか」という問いの立て方自体がずれている。決めるのはあなたではなく、相手の会社がどの指定機関と手続実施基本契約を結んでいるかである。だから最初に調べるべきは機関の評判ではなく、相手の加入先だ
- 届出など役所向けの形式手続で消費者には無関係に見えるかもしれない。法律の側から見れば逆で、届出は行政が「この会社は紛争解決措置を備えている」と把握する入口である。終了の届出が出た会社は、代替措置を講じない限り保険業法105条の2が求める体制を欠く方向へ傾く。紙一枚が会社の監督上の立場を動かす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が命じている中身 | 308条の19:手続実施基本契約の締結・終了等を内閣総理大臣へ届け出る | 308条の2:紛争解決等業務を行う者を内閣総理大臣が指定する 105条の2:保険会社側に苦情処理措置・紛争解決措置を求める(現行効力を要確認) |
| 義務を負う主体 | 指定紛争解決機関 | 指定を申請する者/指定する行政庁 保険会社(保険業関係業者) |
| 契約者から見た意味 | 自分の保険会社が無料 ADR の枠内にいるかを公表情報で確認できる | そもそもどの機関が正式な受け皿かが決まる 会社側に窓口と体制があることが制度的に担保される |
| 欠けたときの帰結 | 回路の切り替わりが行政に見えなくなる(監督の端緒が失われる) | 指定機関が存在しない分野では代替措置に依存する 代替措置がなければ体制不備として監督上の問題になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は金融消費評議センターを法律で設置し、一定金額以下の評議決定には金融業者側のみが拘束されるという片面的構造をとる。日本の特別調停案に近い発想だが、台湾は加入を業者ごとの契約ではなく法律上の当然適用に近い形で設計している点が異なる
韓国は金融監督院に分쟁조정위원회を置く行政型の紛争調停。業界団体と業者の契約を媒介としない点で、日本の手続実施基本契約モデルとは接続の仕方が異なる
ドイツは保険オンブズマン等の紛争解決機関を法律上位置づけ、EU の ADR 指令を受けた VSBG が横断的な枠組みを与える。業者の参加は任意だが、参加表明の有無を消費者に開示する義務が制度の要となる
米国は連邦統一の指定 ADR 機関を持たず、州保険局への苦情申立てと不公正な支払査定実務に対する州法規制、さらに bad faith 訴訟が機能的な代替となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、入院給付金の不払いを通知された日から二年半が経過していたら? 保険給付を請求する権利の時効は三年(保険法95条)。残り時間は半年しかない。相手の会社が指定紛争解決機関と手続実施基本契約を結んでいるか、その確認を今週中に終えなければ、無料ルートを使う前に実体的な期限が先に来る
- あなたが中堅の少額短期保険業者のコンプライアンス担当だとする。加入している指定機関との手続実施基本契約を年度末で終了させる方針が上から降りてきた。機関側は本条に基づき終了を金融庁へ届け出る。その日から自社の紛争解決措置が空白になれば、次の検査で真っ先に突かれるのはあなたの部署だ
- 友人が自動車保険で免責を主張され、電話口で押し切られかけていた。そんぽADRセンターへの申立ても検討していると書面に一行だけ加えた。翌週、会社側の担当窓口が変わった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不払い通知、約款、担当者とのやり取りを時系列で一本化する2. 相手の社名で指定紛争解決機関の加入状況を確認する(生命保険は生命保険協会、損害保険はそんぽADRセンター、少額短期は日本少額短期保険協会が代表的な窓口) 3. 会社の相談窓口へ書面で再度申し入れ、ADR利用の検討を明記する4. 解決しなければ申立て、手数料は原則無料5. 並行して保険法95条の三年時効を逆算し、訴訟の最終期限を先に確定させる
訴えられた側:1. 手続実施基本契約の締結・終了を届け出るのは機関側だが、終了で自社の紛争解決措置が空白になれば保険業法105条の2の体制問題に直結する。代替措置の確保を終了日より前に決着させる2. 内閣府令が定める届出事由に触れる変更(商号、業務範囲等)は機関へ直ちに連絡する3. 申立てを受けたら応諾義務と資料提出義務を前提に、初動で事実関係と支払査定の根拠書面を整える
時効(請求できる期限):本条の届出自体に固有の期限は条文上なく、内閣府令の定めるところによる(実務上は遅滞なく)。紛争の実体面では、保険給付を請求する権利および保険料返還請求権の消滅時効は三年(保険法95条)、起算点は権利を行使できる時から(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)金融ADR制度の創設 金融商品取引法等の一部改正により保険業法へ指定紛争解決機関に関する規定群が新設され、本条もその一部として新設された。施行は平成22年(2010年)10月1日。以後の改正の有無および内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:金融商品取引法等の一部改正により、保険業法へ指定紛争解決機関に関する規定群が新設され、本条もその一部として設けられた。施行は平成22年(2010年)10月1日。以後の改正の有無および内容は人的検証が必要
- 保険業法 第308条の2紛争解決等業務を行う者の指定、本条の名宛人の根拠
- 保険業法 第308条の7手続実施基本契約の締結と内容に関する規律(現行効力を要確認)
- 保険業法 第105条の2保険会社側の苦情処理措置・紛争解決措置義務、契約終了時の直撃点(現行効力を要確認)
- 保険法 第95条保険給付請求権の三年時効、ADRと並走する実体的期限
- 金融商品取引法 第156条の38他業態における同型の指定紛争解決機関制度(現行効力を要確認)
- 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 第25条認証ADR利用時の時効の取扱い、指定ADRとの比較軸(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める