保険業法 第308条の6(苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託)
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指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第三百八条の十三第四項及び第五項において「受託紛争解決機関」という。)以外の者に対して、苦情処理手続又は紛争解決手続の業務を委託してはならない。
この条文の基本情報
苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託とは何ですか?
定義苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託とは、保険業法第308条の6に定められた規定で、「指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第三百八条の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第308条の6(苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第308条の6の条文原文は「指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第三百八条の…」で始まります。
- 保険業法第308条の6は第二章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第308条の6の前の条は保険業法第308条の5です。
- 保険業法第308条の6の次の条は保険業法第308条の7です。
- 保険業法第308条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第308条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/308_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法308条の6は、指定紛争解決機関が苦情処理手続・紛争解決手続の業務を外部委託することを禁じる。委託先は他の指定紛争解決機関または政令で定める受託紛争解決機関に限られる。
Q · 保険のADRに申し立てたら、担当するのは下請け業者になるんですか?
なりません。保険業法308条の6が業務委託を禁じています
保険業法308条の6により、指定紛争解決機関は苦情処理手続・紛争解決手続の業務を外部委託できません。委託が許されるのは他の指定紛争解決機関か、政令で定める受託紛争解決機関だけです。したがって、申立書の検討、保険会社からの資料徴求、和解案の作成といった手続の中身が、保険会社と取引関係のある調査会社やコールセンターに流れることはありません。金融ADRの中立性と秘密保持は、理念ではなく委託先を法律で絞るという構造によって担保されています。
解説
保険金が下りない、代理店の説明と契約内容が違う。そういうとき無料で使えるのが指定紛争解決機関(金融庁が指定した保険分野のADR機関。損害保険なら「そんぽADRセンター」、生命保険なら生命保険協会の裁定審査会などがこれに当たる)だ。308条の6は、その機関に一本の鎖をかけている。苦情処理手続と紛争解決手続という本体業務を、外部に委託してはならない。例外として認められるのは、他の指定紛争解決機関か、政令で定められた同等の指定を受けた機関(受託紛争解決機関)だけである。つまり、あなたの申立書を読み、保険会社から資料を出させ、和解案を組み立てる作業を、外部のコールセンター会社や損害調査会社に流すことは法律上できない。金融ADRが無料に近い費用で動き、しかも保険会社側が手続に応じる義務を負うのは、この中立性が構造として担保されているからだ。窓口の向こうに下請けはいない。それを知っていると、担当者への話し方と要求の出し方が変わる。
法的な位置づけ
保険業法第308条の6は、指定紛争解決機関の業務委託禁止を定める規定である。同機関は、苦情処理手続または紛争解決手続の業務を、他の指定紛争解決機関または他の法律の規定による同等の指定を受けた者として政令で定める受託紛争解決機関以外の者へ委託することができない。紛争解決等業務の中立性と秘密保持を、組織構造の面から確保する趣旨に基づく。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手が社内窓口か指定紛争解決機関かを名乗りで確認 電話やメールの相手が保険会社の社内苦情窓口なのか、業法に基づく指定紛争解決機関なのかを最初に確認する。社内窓口は相手の内部手続にすぎず、応諾義務が及ぶ外部機関とは性質が違う
- 2.社内交渉の記録を時系列で固める 申し出た日付、担当者名、回答内容を時系列でメモ化し、約款の該当条項と不払い理由書を突き合わせる。どの条項のどの文言で争っているのかを1枚に落とすと、申立書の骨格がそのまま完成する
- 3.所管の指定紛争解決機関へ申立て 生命保険は生命保険協会の裁定審査会、損害保険はそんぽADRセンターなど、引受保険会社が契約している機関を特定して申立てる。申立書は事実経過、求める金額、根拠条項を明確に分けて書く
- 4.手続中に外部業者への回付を示唆されたら書面で範囲確認 手続の実施そのものの外部委託は保険業法308条の6が禁じている。委託先と委託範囲を書面で確認し、印刷・郵送等の付随事務を超えていると疑われる場合は金融庁の相談窓口へ情報提供する
- 5.不調なら時効から逆算して訴訟か再交渉かを決める 和解不成立の通知を受けた日を起算点として記録し、保険給付請求権の原則3年の時効(保険法95条)から逆算する。ADRで整理された争点と相手方提出資料は訴訟の立証の下地として残る
よくある質問 AI による整理
Q1指定紛争解決機関とは何ですか?
業法に基づき主務大臣(保険分野は金融庁)が指定した紛争解決機関です。手続実施基本契約を結んだ保険会社に手続応諾義務や資料提出義務が及ぶ点が、民間の相談窓口と決定的に違います。
Q2生命保険のトラブルはどこに申し立てますか?
生命保険分野は生命保険協会の裁定審査会、損害保険分野は日本損害保険協会のそんぽADRセンターが窓口です。商品を売った銀行や代理店ではなく、引受保険会社側の機関が入口になります。
Q3保険のADRは費用がいくらかかりますか?
申立人の費用負担は無料または極めて低額に設計されています。運営費は業界拠出で賄われますが、保険業法308条の6の委託禁止など複数の規律で中立性が担保されています。
Q4保険のADRはどれくらいの期間かかりますか?
事案の複雑さで大きく変わります。各指定紛争解決機関が受付件数・処理期間・和解成立率を年次で公表しているため、申立て前に自分の類型の統計を確認するのが確実です。
Q5ADRに申し立てると時効は止まりますか?
和解が不成立となった場合、一定期間内に訴えを提起すれば時効の完成が猶予される仕組みがあります。保険給付請求権は原則3年(保険法95条)なので、不調通知の受領日を必ず記録してください。
Q6特別調停案とは何ですか?
紛争解決委員が示す調停案のうち、事業者側に原則として受諾義務が及ぶ類型です。通常の和解案とは重みが違うため、適用範囲と例外を各機関の業務規程で確認してから求めるのが有効です。
Q7指定紛争解決機関が委託禁止に違反したらどうなりますか?
業務規程違反として監督上の措置の対象となり、程度によっては業務改善命令や指定の取消しまで射程に入ります。コスト削減目的の外注が組織の存立を削る構造です。
Q8訴訟中の案件もADRに申し立てられますか?
既に訴訟が係属している案件などは、各機関の業務規程で受付対象から外されていることが多いです。ADRから訴訟か、訴訟から先かという順序設計が結果を左右します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険のADRって、結局その業界がお金を出してる組織ですよね。中立なんて建前じゃないんですか
運営費が業界拠出なのは事実である。だからこそ法は理念ではなく禁止で縛った。本条の委託禁止に加え、秘密保持や差別的取扱いの禁止が重ねられ、手続の中身を外部に流せない構造になっている。実務のポイント:各機関は受付件数と和解成立率を年次で公表している。申立て前にその数字を読むと、自分の類型がどの程度で決着しているかが事前に分かる
Q2ADRに申し立てたら、保険会社は必ず出てくるんですか。無視されて終わりでは
手続実施基本契約を締結した保険会社には手続応諾義務と資料提出義務が課される。正当な理由なく拒めば、その事実が公表され得る仕組みになっている。実務のポイント:実務上、この公表が最大の圧力装置として機能している。相手が応じないときは、拒否の理由を書面で求めるだけで態度が変わることがある
Q3弁護士に頼むのとADR、どっちが得なんですか
費用面ではADRが圧倒的に軽く、紛争解決委員には弁護士等の専門家が就く。ただし提示される和解水準は、訴訟基準より抑えめに着地する傾向がある。実務のポイント:不調に終わっても、そこで整理された争点と相手が出した資料は残る。訴訟に切り替えたとき、この記録が立証の下地になる。ADRは負けても手ぶらでは終わらない
Q4委託禁止って、郵送や通訳まで全部自前でやれという意味ですか
禁止されるのは苦情処理手続・紛争解決手続の業務そのものであり、印刷や郵送、システム保守のような純然たる付随事務まで一律に禁じる趣旨ではないと解されている。ただしどこまでが本体業務かは実務上、解釈に幅がある。実務のポイント:判断に迷う類型は業務規程の認可と監督上のやり取りの中で詰められる。組織側なら事前相談の記録を残しておくことが防御になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「どこに苦情を言えば一番効くか」という問いの立て方自体がずれている。保険会社の社内苦情窓口と指定紛争解決機関は、性質の違う二つの装置だ。前者は相手の内部手続にすぎないが、後者は手続実施基本契約を通じて保険会社側に手続応諾義務・資料提出義務を負わせる外部装置である。どちらに何を言うかではなく、いつ社内からの外へ出るかが本当の分岐点になる
- 「ADRは中立だ」と知っている人は多いが、その中立性が何本の条文で支えられているかまでは知らない。委託禁止(本条)に加え、秘密保持、差別的取扱いの禁止といった規律が束になっている。深刻なのはこの点だ。仮に手続の中身が保険会社と取引関係のある調査会社に流れれば、中立性は理屈ではなく事実として崩れる。だからこそ立法は理念ではなく禁止で書いた
- 指定紛争解決機関を、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)の認証紛争解決事業者と同じものだと考えている人が多いが、別制度である。金融ADRは業法(保険業法)に基づく金融庁の指定で、事業者側に手続応諾義務が及ぶ点が決定的に違う。名前が似ているというだけで窓口を選ぶと、相手が出てこない手続に時間を使うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法308条の6:業務委託の禁止(中立性の構造的担保) | 保険業法308条の2:紛争解決等業務を行う者の指定の根拠 保険業法308条の13:受託紛争解決機関の定義を置く条文 |
| 規律の向き | 指定を受けた後の機関に対する禁止規範 | 指定を受ける前の要件審査(入口の規律) 例外的に委託先となり得る者の範囲画定 |
| 利用者への効果 | 申立書・資料徴求・和解案作成が外部業者へ流れない | どの機関が業法上の窓口かを特定できる 委託が示唆された際に適法性を照合できる |
| 違反・不適合の帰結 | 業務規程違反・監督処分・指定の取消しの射程 | 指定を受けられない/指定基準の不適合 該当しない相手への委託は本条違反となる |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は2011年に金融消費者保護法を制定し、単一の評議機構が銀行・保険・証券を横断して処理する。日本のように業法ごとに複数の指定機関を置く設計とは異なる
韓国は金融監督院の内部に紛争調停委員会を置く行政型。日本の民間機関を指定する方式とは主体が異なるが、事業者側に応諾を促す設計思想は共通する
中国は監督当局による投訴処理と調解を中心とし、業法上の指定紛争解決機関という独立機関制度は採用していない
ドイツは保険オンブズマンを法律上の承認枠組みに乗せる方式。日本の委託禁止に相当する明文よりも、機関の独立性要件と手続規則で中立性を確保する構成をとる
フランスは消費者調停の一般法制の下に保険分野の調停機関を位置づける。調停人の独立性・公平性要件が中立性担保の中心となる
米国は連邦統一の指定ADR機関制度を持たず、州保険庁への苦情申立てと州法上の手続が中心。中立性は行政機関性そのものに依拠する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で壊れた屋根の火災保険請求が「一部損」止まりで、修理見積との差が百万円近い。保険会社の苦情窓口は同じ回答を繰り返すだけ。ここで初めて、無料で使える外部の裁定機関が存在することを知る
- もし申立ての電話口で「詳しい事実確認は提携している調査会社に回します」と言われたら、どうなる? 苦情処理手続そのものの外部委託は308条の6が正面から禁じている。相手が指定紛争解決機関なのか、保険会社の社内窓口なのか、名乗りをその場で確認すべき局面だ
- あなたが指定紛争解決機関の運営側にいて、申立件数が急増し、事務処理をBPO会社に切り出す案が会議に出た。付随事務とは違い、手続の実施そのものを委託すれば本条違反となり、業務規程違反から指定の取消しまで射程に入る。コスト削減案が組織の存立を削る場面
- 保険給付請求権の消滅時効は原則3年(保険法95条)。事故から2年半が過ぎ、社内交渉で引き延ばされ続けている。残り半年でADRに持ち込むか、訴訟に切り替えるかを決めなければならない。ADRの和解不成立後に一定期間内の提訴で時効の完成が猶予される仕組みもあるため、順序の設計が結果を分ける
- 飲み会で友人が「どうせ保険会社の下請けが苦情を処理してるんだろ」と言い切った。事実は逆で、法律が下請け構造そのものを禁じている。友人は翌週、放置していた医療保険の不払い案件を動かし始める
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず相手が保険会社の社内窓口か指定紛争解決機関かを名乗りで確認する2. 社内苦情として申し出た日付、担当者名、回答内容を時系列でメモ化し、約款の該当条項と不払い理由書を突き合わせる3. 社内回答が固まったら指定紛争解決機関へ申立て。申立書には事実経過、求める金額、根拠条項を分けて書く4. 手続中に「外部業者が処理する」と言われたら、委託の範囲を書面で確認し、必要なら金融庁の相談窓口に情報提供する
訴えられた側:指定紛争解決機関側の立場なら、1. 委託しようとしている作業が手続そのものか付随事務かを業務規程と照らして切り分ける2. 相手方が受託紛争解決機関に該当するかを政令で確認し、該当しないなら断念する3. 処理能力が不足するなら委託ではなく増員・他機関との連携で対応する。保険会社側の立場なら、手続応諾と資料提出を正当な理由なく拒めば公表等の不利益が及びうる点を前提に、初動で社内の事実関係を固める
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限はない。ただし前提となる保険給付請求権は原則3年で時効消滅する(保険法95条、最新の改正状況をご確認ください)。ADR申立てそのものに法定期限はないが、各機関の業務規程で受付対象(既に訴訟係属中の案件など)が限定される。和解不成立の場合、一定期間内に訴えを提起すれば時効の完成が猶予される仕組みがあるため、不調通知を受け取った日を起算点として記録しておくこと
学説
通説:本条が禁じるのは苦情処理手続・紛争解決手続の業務そのものであり、印刷・郵送・システム保守等の純然たる付随事務まで一律に禁じる趣旨ではないと解されている。もっとも本体業務と付随事務の境界には実務上の幅があり、業務規程の認可や監督上のやり取りの中で具体化される
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)金融ADR制度創設 金融商品取引法等の一部を改正する法律により、保険業法に指定紛争解決機関の章が新設され、本条も新設された。施行は平成22年(2010年)10月1日。業界横断で同型の制度が銀行法等にも同時に導入された
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:金融商品取引法等の一部を改正する法律により保険業法に指定紛争解決機関の章が新設され、本条も新設。施行は平成22年(2010年)10月1日。銀行法等にも同型の制度が同時導入された
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