保険業法 第311条(検査職員の証票の携帯及び提示等)
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- 第百二十二条の二第四項、第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百一条(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百二十七条(第二百三十五条第五項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百六十五条の四十六、第二百七十一条の九、第二百七十一条の十三(第二百七十二条の三十四第一項において準用する場合を含む。)、第二百七十一条の二十八(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十二条の二十三(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第三百五条又は第三百八条の二十一の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
- 2.前項に規定する各規定による立入り、質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
検査職員の証票の携帯及び提示等とは何ですか?
定義検査職員の証票の携帯及び提示等とは、保険業法第311条に定められた規定で、「第百二十二条の二第四項、第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第311条(検査職員の証票の携帯及び提示等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第311条の条文原文は「第百二十二条の二第四項、第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 保険業法第311条は第五編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第311条の前の条は保険業法第310条です。
- 保険業法第311条の次の条は保険業法第311条の2です。
- 保険業法第311条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/311
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法311条は、立入検査を行う職員に証票の携帯と関係人の請求に応じた提示を義務づけ、その権限を犯罪捜査のために用いてはならないと定める規定である。
Q · 金融庁の検査官は、こちらが何も言わなくても身分証を見せてくれるんですか?
請求して初めて提示義務が動きます。まず求めるのが先です。
保険業法311条1項は、立入り・質問・検査を行う職員に身分を示す証票の携帯を義務づけたうえで、提示義務は「関係人の請求があったとき」に生じると定めます。つまり請求しなければ提示は義務になりません。同条2項は、これらの権限を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと規定し、令状なしの立入りが許される前提として行政監督目的への限定を置いています。検査の射程を後から争う場面では、証票提示を求めて氏名・所属・根拠条文を記録したかどうかが分岐点になります。
解説
金融庁の職員が事務所の入口に立った日、条文が職員に課しているのは二つだけである。身分を示す証票を携帯していること、そして関係人から請求があったときはそれを提示すること。読み飛ばされるのは「請求があったときは」の一句だ。請求しなければ提示義務は動かない。名乗られるまま帳簿を差し出し、後から誰が何の権限で来ていたのか分からなくなる現場は珍しくない。さらに重いのが第2項である。立入り・質問・検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。令状なしに事務所へ入ってこられるのは、この目的限定と引き換えだからだ。裏返せば、検査を実力で拒めば罰則のリスクを負う一方で、答えた内容が刑事手続で無制限に使われる前提でもない。この二つを同時に握っているかどうかで、検査初日の立ち回りは変わる。
法的な位置づけ
保険業法第311条は、金融庁等の職員が同法各条の規定に基づき立入り・質問・検査を行う際の手続的規律を定める規定である。第1項は当該職員に身分を示す証票の携帯を義務づけ、関係人の請求があったときの提示を求める。第2項は当該権限が犯罪捜査のために認められたものではない旨を明示し、権限行使の目的を行政監督に限定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.扉が開いた最初の三分で証票を請求する 書類を探す前に、身分を示す証票の提示を請求する。氏名・所属部署・根拠条文(129条か305条か272条の23か)を手書きで控え、提示を受けた時刻も併記する。311条1項の提示義務は請求によって初めて起動する
- 2.根拠条文から検査の射程を確定させる 保険会社本体なら129条、保険募集人等なら305条と、根拠条文によって及ぶ範囲が変わる。自社がどの条文の対象かをその場で確定し、要求された資料が射程内かを社内で判断できる状態にする
- 3.回答窓口を一本化し、推測で答えない 応対者と回答窓口を一人に絞り、現場担当者が個別に回答しない運用にする。即答できない事項は確認のうえ後日回答とし、その旨も記録に残す。回答拒否ではなく回答時期の管理として処理する
- 4.射程外の疑いがある要求は「確認」の形で記録に残す 根拠条文の範囲を超えると感じた要求には、拒否ではなく「これは犯罪捜査のためのものではないという理解でよいか」と311条2項を挙げて一度だけ確認する。争う形をとらず、記録だけを残す
- 5.当日中に記録を確定し、弁護士へ共有する 検査終了後、その日のうちに応対記録を確定させて社内で保全する。記憶が新しいうちに固定した記録だけが、後の範囲の争いで機能する。顧問弁護士がいれば同日中に共有する
- 6.行政処分が出たら期限から逆算して争うか決める 検査を踏まえて業務改善命令等が出た場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。期限から逆算して方針を決める
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法311条とは何ですか?
立入検査を行う職員の証票携帯・提示義務(1項)と、その権限を犯罪捜査のために用いない旨(2項)を定める手続規定です。検査権限そのものは129条・305条等が定めます。
Q2金融庁の立入検査は拒否できますか?
事実上できません。検査忌避は保険業法の罰則の対象になりうるため、争点は「断るか否か」ではなく「どの条文に基づく、どの範囲の検査か」に置くのが実務です。
Q3立入検査に事前通知はありますか?
条文上、事前通知は要件とされていません。運用上、通知が先行する場合もありますが、通知なく実施されうる前提で応対窓口と記録手順を平時から決めておく必要があります。
Q4保険代理店も立入検査の対象ですか?
対象になります。305条は保険募集人等への立入検査を定め、311条1項はこれを引用しています。従業員数名の代理店でも制度上は検査が及びます。
Q5検査官の証票はいつ請求すべきですか?
検査官が最初の要求を出す前です。氏名・所属・根拠条文を控えた時点で検査の射程が文書上固定されます。帳簿を出した後では範囲の議論が実質的に終わっています。
Q6少額短期保険業者も検査対象になりますか?
なります。272条の23が少額短期保険業者への立入検査を定め、311条1項が引用しています。アプリで保険を売る事業者も創業初日から対象です。
Q7検査で答えた内容は刑事事件に使われますか?
311条2項は初めから刑事立件を目的に行政調査権限を用いることを禁じます。ただし検査で判明した事実が告発の端緒になること自体は否定されておらず、利用範囲は解釈が分かれています。
Q8検査で虚偽の報告をしたらどうなりますか?
虚偽答弁・虚偽報告や検査忌避は保険業法上の罰則の対象になりうるほか、業務改善命令等の行政処分の評価にも直結します。推測で答えず後日回答する運用が安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査官が身分証を見せてくれなかったら、追い返していいんですか?
311条1項の提示義務は関係人の請求があって初めて動くので、まず求めるのが先です。求めても出てこない場合でも、検査自体を実力で拒めば検査忌避として保険業法の罰則の対象になりうるため、追い返すのは危険です(条番号と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:提示を受けたその場で氏名・所属・根拠条文を書き取る。後で検査範囲を争うとき、この手書きメモだけが物証になる
Q2検査で正直に答えたら、それがそのまま刑事事件の証拠にされませんか?
311条2項は、この権限を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと定めます。初めから刑事立件を狙って行政検査を使うことは許されません。ただし検査で判明した事実が告発の端緒になること自体は否定されておらず、得た資料の刑事手続での利用範囲は実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:出発点は税務調査を巡る川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)。金融検査の議論もこの憲法35条・38条の枠組みを土台にしている
間違えやすい点 AI による整理
- 「検査を断れるのか」という問いの立て方そのものが誤っている。本条は拒否権の条文ではなく、検査忌避は保険業法の罰則の対象になりうるため、断る選択肢は事実上ない。問うべきは「どの条文に基づく、どの範囲の検査か」であり、範囲外の要求にどう線を引くかである
- 第2項を「検査の内容は刑事事件に使われない」と読むのは踏み込み不足である。禁じられているのは、初めから刑事立件を目的として行政調査権限を使うこと。検査で判明した事実が告発の端緒になること自体は否定されておらず、行政調査で得た資料を刑事手続でどこまで使えるかは実務上、解釈が分かれている
- 証票の提示は見せてもらう儀式だと受け取られがちだ。だがあなたから見れば礼儀の問題でも、法律から見れば、誰が・どの条文の権限で・どこまで立ち入っているかを特定する唯一の入口である。記録しなかった側が、後になって範囲外の要求を争えなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 311条:検査を行う職員側の手続規律(証票携帯・提示、目的限定) | 129条:保険会社等に対する立入検査権の本体規定 305条:保険募集人等に対する立入検査権の根拠 |
| 対象となる相手方 | 上記各条の検査を受ける関係人すべてに共通して適用 | 保険会社・保険持株会社等(準用を含む) 保険募集人・保険仲立人等の募集関係者 |
| 検査の射程 | 射程は定めない。射程は引用先の各条が決める | 業務・財産の状況全般に及びうる 保険募集に関する業務に照準が置かれる |
| 受ける側の実務ポイント | 証票提示を請求し、氏名・所属・根拠条文を記録する | 経営資料の提出範囲を社内で事前に整理しておく 募集記録・顧客対応記録の保存体制を整えておく |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関(金融監督管理委員会)に保険業の業務・財務検査権を認める。検査職員の証件出示は行政調査一般の法理により処理され、日本のように検査根拠条文を一括して掲げる独立条文の形はとらない
韓国は行政調査の一般法である行政調査基本法が現場調査における証票提示を横断的に規律し、保険業法が個別の検査権限を定める二層構造をとる。日本は一般法を持たず個別法に散在する点が異なる
ドイツは BaFin に保険監督上の立入・検査権限を与え、行政手続法(VwVfG)が調査手続の一般規律を担う。犯罪捜査目的の禁止は Nemo-tenetur 原則として憲法・刑訴レベルで処理される傾向が強い
米国は保険監督が州単位であり、州保険庁が examination 権限を行使する。行政 examination と刑事捜査の切り分けは、州法と連邦憲法修正4条・5条の判例法理により個別に処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 来週月曜に立入検査が入ると通知が届いたら、残された週末の二日で何をする? 証票確認の手順と回答窓口の一本化を決められるのはこの二日しかない。検査が始まってから社内ルールを作り始めること自体が、印象を悪くする
- あなたが従業員三名の保険代理店の代表で、平日の午後に二人組が訪ねてくる。名刺は差し出されたが、証票は出ていない。請求して初めて提示義務が動くという一句を知っているかどうかで、その日に残る記録の質が変わる。知らなければ、誰が来たのかすら後で特定できない
- 検査官が帳簿の写しを求めてきた。根拠は305条、対象は保険募集に関する業務。保険会社本体の経営資料まで出す義務があるのか、その場で線を引けるか
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検査が始まったその場で証票の提示を請求し、氏名・所属・根拠条文を書き取る2. 射程を超える資料を求められたと感じたら、拒否ではなく「どの条文の権限に基づく要求か」を確認し、やり取りを時刻入りで記録する3. その日のうちに社内で応対記録を確定させ、弁護士に共有する4. 検査を踏まえて業務改善命令等の行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)が出た場合は、審査請求と取消訴訟の期限から逆算して争うかを決める
訴えられた側:1. 検査は事前の通知なく入りうる前提で、応対者と回答窓口を平時から一本化しておく2. 保険会社本体か募集人かで根拠条文が129条と305条に分かれ、及ぶ範囲も変わるため、自社がどの条文の対象かを先に確定させる3. 当日は推測で答えず、確認のうえ後日回答する運用を徹底する4. 回答拒否は罰則リスクを伴うため、争点を「答えるか否か」ではなく「範囲と記録」に置く
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。検査は事前通知なく行われうるため、証票請求と記録開始に使える時間は検査官が扉を開けてからの数分単位である。検査を踏まえた行政処分を争う場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:311条2項は行政調査権限の目的限定を宣言した規定であり、初めから刑事立件を企図した権限行使を違法とする趣旨と解される。他方、調査で判明した事実が告発の端緒となることまでは禁じていないと理解されている。
有力説:行政調査で得た資料の刑事手続における利用については、憲法38条の潜脱を避けるため、供述に係る部分と客観的資料とを区別して利用可能性を検討すべきとする見解が有力に主張されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 現行保険業法の制定に伴い、立入検査を行う職員の証票携帯・提示義務と、権限を犯罪捜査のために用いない旨の規定が置かれた
- 監督対象拡大に伴う引用条文の逐次追加 少額短期保険業者制度、保険持株会社・主要株主規制、指定紛争解決機関(金融ADR)など監督対象の拡大にあわせて、本条が列挙する立入検査根拠条文が繰り返し追加されてきた。個別の改正年次と回数は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正に伴い、立入検査を行う職員の証票携帯・提示義務と、権限を犯罪捜査のために用いない旨の規定が置かれた
- 2.監督対象拡大に伴う逐次改正 改正:少額短期保険業者制度、保険持株会社・主要株主規制、保険契約者保護機構、指定紛争解決機関(金融ADR)など監督対象の拡大にあわせ、本条1項が列挙する検査根拠条文が繰り返し追加されてきた。個別の改正年次と回数は人的検証を要する
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