保険業法 第311条の2(財務大臣への協議)
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- 内閣総理大臣は、保険会社等、外国保険会社等又は免許特定法人に対し次に掲げる処分をすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
- 一第百三十二条第一項、第百三十三条、第二百四条第一項、第二百五条、第二百三十条第一項、第二百三十一条、第二百四十一条第一項、第二百七十一条の三十第一項若しくは第四項(第二百七十二条の四十第二項において準用する場合を含む。)又は第二百七十二条の二十六第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令
- 二第二百四十条の三の規定による業務の停止の命令
- 三第百三十三条、第百三十四条、第二百五条、第二百六条、第二百三十一条、第二百三十二条、第二百七十二条の二十六第一項又は第二百七十二条の二十七の規定による第三条第一項、第百八十五条第一項若しくは第二百十九条第一項の免許又は第二百七十二条第一項の登録の取消し
- 四第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分
- 2.内閣総理大臣は、その行おうとする次の各号に掲げる処分により当該各号に定める機構の業務が行われたならば、機構の利用可能な資金の状況が著しく悪化し保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
- 一第二百六十八条第一項、第二百七十条第一項、第二百七十条の三の十二第一項若しくは第二百七十条の六の三第一項の認定又は第二百六十九条第一項、第二百七十条の三の十三第三項若しくは第二百七十条の六の四第三項の付記保険契約の移転等(第二百六十条第一項に規定する保険契約の移転等をいう。)、保険契約の承継(同条第七項に規定する保険契約の承継をいう。)、保険契約の再承継(同条第八項に規定する保険契約の再承継をいう。)又は保険契約の再移転(同条第十一項に規定する保険契約の再移転をいう。)のための第二百六十五条の二十八第一項第三号に規定する資金援助
- 二第二百七十条第一項の認定第二百六十五条の二十八第一項第五号に規定する保険契約の引受け
この条文の基本情報
財務大臣への協議とは何ですか?
定義財務大臣への協議とは、保険業法第311条の2に定められた規定で、「内閣総理大臣は、保険会社等、外国保険会社等又は免許特定法人に対し次に掲げる処分をすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第311条の2(財務大臣への協議)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第311条の2の条文原文は「内閣総理大臣は、保険会社等、外国保険会社等又は免許特定法人に対し次に掲げる処分をすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき…」で始まります。
- 保険業法第311条の2は第五編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第311条の2の前の条は保険業法第311条です。
- 保険業法第311条の2の次の条は保険業法第311条の3です。
- 保険業法第311条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第311条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/311_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法311条の2は、業務停止命令や免許取消しが保険業の信頼性維持に重大な影響を与えるおそれがあるとき、内閣総理大臣に対し事前の財務大臣協議を義務づける。
Q · 保険会社に業務停止命令を出すかどうか、金融庁だけで決められるんですか?
決められません。事前に財務大臣との協議が必要です
決められません。保険業法311条の2により、内閣総理大臣(実務を担うのは金融庁)が業務停止命令、免許・登録の取消し、保険管理人による管理命令を行おうとする際、それが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ財務大臣に協議しなければなりません。2項では、保険契約者保護機構の利用可能な資金の状況が著しく悪化するおそれがある場合も協議の対象となります。破綻処理には公的な資金枠組みの判断が絡むため、処分は省庁間の事前調整を経てから表に出ます。
解説
保険会社に業務停止命令を出す、免許を取り消す、保険管理人を送り込む。この三つは金融行政の最終兵器だが、内閣総理大臣(実務を担うのは金融庁)はそれを自分の判断だけでは抜けない。311条の2は、その処分が「保険業に対する信頼性の維持」に重大な影響を与えるおそれがあるとき、あらかじめ財務大臣に協議しなければならないと定める。なぜ財務省なのか。破綻処理には公的な資金枠組みの判断が絡むからだ。さらに2項では、保険契約者保護機構の使える資金が著しく悪化しそうな場合も協議が必要になる。つまり、あなたの契約が乗っている船が沈むかどうかは、機構の財布の残高と、二つの役所の事前調整で決まっている。破綻報道が出た日は、霞が関ですでに何週間も議論が終わった後の日である。
法的な位置づけ
保険業法311条の2は、保険監督処分に係る省庁間の事前協議義務を定める規定である。内閣総理大臣が業務停止命令、免許・登録の取消し、保険管理人による管理命令を行う際、保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがある場合、および保険契約者保護機構の利用可能な資金の状況が著しく悪化するおそれがある場合に、財務大臣との事前協議を要求する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公開情報で健全性の段階を把握する 加入先のソルベンシー・マージン比率(200% 割れが早期是正措置の目安)、格付け、四半期開示を確認する。監督処分より先に動く唯一の公開シグナルがここにある
- 2.報告徴求・業務改善命令の報道段階で判断する 金融庁の報告徴求や業務改善命令(132条)が報じられた段階が、乗り換えを実行できる最後の実効的タイミング。業務停止命令や保険管理人の選任後は解約自体が制限される
- 3.乗り換えコストと削減リスクを並べて試算する 予定利率が高い古い契約ほど破綻時の削減幅が大きい一方、乗り換えれば現在の低い予定利率に切り替わる。両者を数字で並べてから判断し、感情で決めない
- 4.事業者側は処分ラインと受け皿を同時に準備する コンプライアンス部門は、報告徴求の段階で132条より先の処分ラインに乗っていないかを経営陣と共有し、契約移転の受け皿候補と増資の目処を先に確保する
- 5.破綻後は通知を必ず開封し異議申述期間内に動く 保護機構と保険管理人からの通知には、契約条件の変更や保険契約の移転に対する異議申述の期間(保険業法137条等、原則1か月以上)が記載される。放置は同意とみなされる
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法311条の2とは何ですか?
保険会社への重大な監督処分を行う前に、内閣総理大臣が財務大臣へ協議することを義務づける規定です。業務停止命令、免許・登録の取消し、保険管理人による管理命令が対象になります。
Q2保険管理人が選任されるとどうなりますか?
保険業法241条1項により、会社の業務および財産の管理権が保険管理人に移ります。管理期間中は解約や契約者貸付が制限され、契約条件の変更や契約移転の検討が進みます。
Q3少額短期保険は保護機構の対象ですか?
対象外です。少額短期保険業者への業務停止命令(272条の26)は311条の2の協議対象ですが、破綻時の受け皿は供託金と移転先探しに限られ、保護機構の補償は及びません。
Q4業務停止命令が出た保険会社を解約できますか?
原則としてできません。業務の全部または一部の停止、さらに保険管理人の管理下に入ると、解約や契約者貸付の手続自体が止まります。動けるのは命令が出る前の期間だけです。
Q5ソルベンシー・マージン比率はどこで確認できますか?
各保険会社のディスクロージャー資料と四半期開示で公表されています。200% を下回ると早期是正措置の目安とされ、監督処分の段階に進む前の公開シグナルになります。
Q6財務大臣への協議を欠いた処分は無効になりますか?
本条は行政機関相互の事前調整を定める規定であり、協議を欠いた処分の私人に対する効力については実務上、解釈が分かれています。個別事案では弁護士の検討が必要です。
Q7外国保険会社への処分も財務大臣協議が必要ですか?
必要です。本条1項は保険会社等に加え、外国保険会社等および免許特定法人(ロイズ)への処分も協議対象としています。海外引受先でも同じ回路を通ります。
Q8保険契約の移転に異議を出せますか?
出せます。保険業法137条等により異議申述期間(原則1か月以上)が設けられ、期間内に異議を述べなければ同意したものとして扱われます。通知の開封が分岐点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、払った保険料は全部戻ってくるんですか?
戻りません。生命保険で保護機構が補償するのは責任準備金の原則90% までで、これは保険金額の90% ではありません(保険業法270条の3、同法施行令。最新の改正状況をご確認ください)。さらに予定利率の引下げや早期解約控除も課されうる。実務のポイント:契約年が古く予定利率が高い契約ほど削減幅が大きくなる設計です。高予定利率の古い契約を持っている人ほど、破綻時の目減りは大きい
Q2金融庁は危ない保険会社を、なぜ早く処分しないんですか?
処分そのものが引き金になるからです。311条の2は、業務停止命令や免許取消しが「保険業に対する信頼性の維持」に重大な影響を与えるおそれがあるとき、事前に財務大臣へ協議せよと定めます。処分は救済策であると同時に解約殺到の導火線でもある。実務のポイント:当局が報告徴求、業務改善命令(132条)と段階を踏むのは形式ではなく、協議と受け皿づくりの時間である場合が多い。段階が一つ進むたび、契約者に残された時間は短くなっています
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れても保護機構が契約を守る」。ここまでは多くの人が知っている。知られていないのは、その保護が全額ではないという深刻さだ。生命保険で補償されるのは原則として責任準備金の90% までで、これは保険金額の90% ではない。加えて予定利率が引き下げられれば、将来受け取る額はさらに下がる(保険業法270条の3、同法施行令。最新の改正状況をご確認ください)
- 「権限があるのに、金融庁はなぜ危ない会社をさっさと処分しないのか」という問いの立て方自体がずれている。311条の2が示しているのは権限の有無ではなく、発動それ自体が持つ副作用の大きさだ。一社への停止命令が他社への解約殺到を呼ぶなら、その処分は救済ではなく引き金になる。当局が動いていないように見える期間は、無能の証拠ではなく協議と受け皿づくりの時間であることが多い
- 契約者から見れば論点は「自分の保険が守られるか」だが、条文から見れば守る対象は「保険業に対する信頼性」という業界全体の資産である。この落差が効いてくるのは破綻処理の場面だ。全体の信認を守るために、予定利率の引下げや早期解約控除という形で、個別の契約者がコストを負担する構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の重さ | 311条の2:処分そのものではなく、重大処分の前段に置かれた省庁間の事前協議義務 | 132条:業務改善命令。業務は継続し、改善計画の提出を求める段階 241条:保険管理人による業務・財産の管理命令。経営権が管理人に移る最終段階 |
| 契約者への影響 | 直接の効果はない。ただし協議が始まっている=処分が近いことを意味する | 契約の継続に直接の制限はなく、解約・乗り換えはまだ可能 解約・契約者貸付が制限され、予定利率引下げ等の契約条件変更が検討される |
| 誰が判断するか | 内閣総理大臣(実務は金融庁)+財務大臣の事前協議 | 内閣総理大臣(金融庁)の単独判断で発動可能 内閣総理大臣の処分だが、311条の2により事前協議の対象 |
| 受け皿の有無 | 協議の目的が「信頼性の維持に必要な措置」=受け皿づくりそのもの | 受け皿は不要。自力再建が前提 保護機構の資金援助(265条の28)と契約移転先が前提となる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は主務官庁(金管會)が勒令停業・派員接管・許可廃止を行い、保險安定基金が受け皿となる。日本のような他省庁との法定事前協議は条文上明示されず、金管會内部の判断で完結する点が異なる
韓国は金融委員会・金融監督院が制裁措置を担い、保険契約者の保護は預金保険公社(KDIC)の枠組みで行われる。保険専用の保護機構を置く日本と受け皿の設計が異なる
中国は国務院保険監督管理機構が接管を決定し、保険保障基金が資金援助を行う。安邦保険への接管のように、監督当局主導で受け皿が同時に組成される運用が特徴
ドイツは BaFin が許可取消しや支払停止命令を行い、生命保険は Protektor、医療保険は Medicator が Sicherungsfonds として契約を引き継ぐ。EU 指令(Solvency II)が上位の枠組みを規定する点が日本と大きく異なる
米国は保険監督が州単位で、州保険長官が receivership を申し立て、州の guaranty association が契約を引き継ぐ。連邦と州の調整はあるが、日本の省庁間事前協議のような単一条文の回路は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社に業務停止命令が出たら、明日から解約できるのか? 原則としてできない。保険管理人の管理下に入れば解約や契約者貸付が制限され、その期間に予定利率の引下げなど契約条件の変更が検討される。あなたに残されているのは、命令が出る前の時間だけだ
- 保険会社のコンプライアンス担当として、当局から報告徴求を受けた。その先に業務停止命令があるなら、当局側では財務大臣協議の検討がすでに始まっている。社内の危機対応計画を開くのは、命令が届いてからでは遅い
- 少額短期保険(ミニ保険)で自転車保険やペット保険に入っている。運営会社が登録取消しを受けても、保険契約者保護機構の補償は及ばない。受け皿は供託金と移転先探しだけで、契約そのものが消える可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加入先のソルベンシー・マージン比率と格付けを確認、200% 割れは早期是正措置の目安2. 不安があるなら業務停止命令が出る前に解約や乗り換えを判断、命令後は解約制限と早期解約控除がかかる3. 予定利率が高い古い契約ほど破綻時の削減幅が大きいので、乗り換えコストと削減リスクを並べて試算4. 破綻後は保護機構と保険管理人からの通知を必ず開封、契約条件の変更や保険契約の移転には異議申述の期間が設けられる(保険業法137条等)
訴えられた側:1. 報告徴求や立入検査の段階で、業務改善命令(132条)より先の処分ラインに乗っていないかを経営陣で共有2. 業務停止・免許取消し・保険管理人の三つは財務大臣協議の対象で、当局内の調整が始まれば時間軸は当局が握る3. 契約移転の受け皿候補や増資の目処を先に確保、受け皿がある案件ほど処分の選択肢は広がる4. 契約者向け広報は窓口を一本化、解約殺到は処分より先に会社を止める
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。協議は処分の「あらかじめ」行われる必要があるが、事前協議を欠いた処分の私人に対する効力については、実務上、解釈が分かれている。契約者側の実際の期限は、契約条件の変更や保険契約の移転に伴う異議申述期間(保険業法137条等、原則1か月以上)であり、これを逃すと同意したものとして扱われる
学説
行政手続の瑕疵に関する一般的理解:本条の協議は行政機関相互の内部調整であり、私人の権利義務を直接規律するものではない。そのため協議を欠いた処分の私人に対する効力については、内部手続規定の瑕疵をどう評価するかという枠組みで議論が分かれており、確立した最高裁判例は確認できない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号、1996年4月1日施行)。本条を含む監督処分および破綻処理の現行体系は、この全部改正とその後の金融システム改革を基礎とする。本条自体の新設・改正時期は e-Gov の改正履歴で要確認
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