保険業法 第102条(共同行為の認可)
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- 損害保険会社は、前条第一項各号の共同行為を行い、又はその内容を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
- 2.内閣総理大臣は、前項の認可の申請に係る共同行為の内容が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
- 一保険契約者又は被保険者の利益を不当に害さないこと。
- 二不当に差別的でないこと。
- 三加入及び脱退を不当に制限しないこと。
- 四危険の分散又は平準化その他共同行為を行う目的に照らして必要最小限度であること。
この条文の基本情報
共同行為の認可とは何ですか?
定義共同行為の認可とは、保険業法第102条に定められた規定で、「損害保険会社は、前条第一項各号の共同行為を行い、又はその内容を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第102条(共同行為の認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第102条の条文原文は「損害保険会社は、前条第一項各号の共同行為を行い、又はその内容を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。」で始まります。
- 保険業法第102条は第三章 業務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第102条の前の条は保険業法第101条です。
- 保険業法第102条の次の条は保険業法第103条です。
- 保険業法第102条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第102条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第102条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/102
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法102条は、損害保険会社の共同行為に内閣総理大臣の認可を要すると定める。認可は契約者利益の不侵害、非差別性、加入脱退の自由、必要最小限度性の四要件を満たす場合に限られる。
Q · 損害保険会社が他社と保険料を揃えるのは、どうして独占禁止法違反にならないの?
保険業法102条の認可を受けた共同行為だけが例外的に許されるから
保険業法102条により、損害保険会社は同法101条1項各号の共同行為を行う場合、内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)の認可を受けなければなりません。認可は、①契約者・被保険者の利益を不当に害さないこと、②不当に差別的でないこと、③加入及び脱退を不当に制限しないこと、④危険の分散・平準化その他の目的に照らして必要最小限度であること、の四要件に適合すると認めるときでなければ行えません。認可の範囲を超えた価格調整は、通常の不当な取引制限として独占禁止法の規律に戻ります。
解説
地震保険や自賠責保険の保険料が、どの会社で見積もっても同じ水準に並ぶことを不思議に思ったことはないだろうか。通常なら価格を揃える行為はカルテルであり、独占禁止法違反として課徴金の対象になる。ところが保険業法102条は、損害保険会社が一定の共同行為を行うことを内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)の認可制のもとで認めている。ただし認可は無条件ではない。契約者・被保険者の利益を不当に害さないこと、不当に差別的でないこと、加入・脱退を不当に制限しないこと、そして目的に照らして必要最小限度であること、この四つを全部満たさなければ認可を出してはならないと法が命じている。つまりあなたが払っている損害保険料の一部は、行政の認可という一本の綱でカルテル扱いを免れている。その綱が切れる条件が、この条文にそのまま書かれている。
法的な位置づけ
保険業法102条は、損害保険会社による共同行為の事前認可制を定める規定である。同法101条1項各号に掲げる共同行為の実施及び内容変更には内閣総理大臣の認可を要し、認可は契約者利益の不侵害、非差別性、加入脱退の自由、目的に照らした必要最小限度性という四要件への適合が認められる場合に限って行うことができる。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法の共同行為とは何ですか?
損害保険会社が複数社で保険の引受条件や料率算出などを共同で行う行為です。保険業法101条1項各号に類型が列挙され、102条の認可を受けた範囲でのみ独占禁止法の適用除外となります。
Q2共同行為の認可は誰が出しますか?
条文上は内閣総理大臣ですが、保険業法313条により権限が金融庁長官へ委任されており、実務上は金融庁が審査・認可を行います。
Q3共同行為の認可要件は何条にありますか?
保険業法102条2項の各号です。契約者・被保険者の利益を不当に害さないこと、不当に差別的でないこと、加入及び脱退を不当に制限しないこと、必要最小限度であることの四つです。
Q4共同行為の内容を変えるときも認可が必要?
必要です。102条1項は「行い、又はその内容を変更しようとするとき」と規定しており、当初認可後の内容変更も改めて認可の対象になります。
Q5認可なしで共同行為をしたらどうなりますか?
独占禁止法の適用除外を受けられず、不当な取引制限として排除措置命令や課徴金の対象になりえます。あわせて保険業法上の監督処分も問題となります。
Q6参考純率と共同行為の認可は同じですか?
別物です。参考純率は損害保険料率算出団体に関する法律に基づき損害保険料率算出機構が算出する仕組みで、保険業法102条の共同行為認可とは根拠法も審査主体も異なります。
Q7共同行為に入れてもらえない場合はどうする?
102条2項3号が加入及び脱退の不当な制限を認可要件で禁じています。不当な加入拒否は認可の前提を欠く事情として金融庁へ申し入れる根拠になります。
Q8共同行為の認可は取り消されることがありますか?
あります。認可要件を欠くに至った場合、保険業法上の監督措置(105条等)により変更命令や取消しの対象となりえます。認可は永久の免罪符ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が他社と料率を相談したら、それだけで違法なんですか?
原則として独占禁止法上の不当な取引制限に当たりうる。保険業法101条各号に列挙された共同行為に該当し、かつ102条の認可を受けている場合に限って適用除外となる。実務のポイント:実務で問題になるのは、認可された共同行為の会議体の場で、認可対象外の話題まで議論が及ぶケース。同じ会議室、同じ出席者でも議題が一行違えば適用除外の外に出る。議事録の管理粒度が処分の有無を分ける
Q2認可を取れば、共同行為は永久に安全なんですか?
安全ではない。認可の要件は102条2項の四つで、事情が変われば要件を欠くことになり、監督当局は変更命令等で介入できる。内容を変更しようとするときも改めて認可が必要(102条1項)。実務のポイント:長年続いている共同行為ほど、当初の認可時の目的と現在の運用がずれていることが多い。定期的に認可書の文言と実際の運用を突き合わせる社内点検を持っている会社と、持っていない会社で、当局検査の結果が大きく分かれる
Q3新しく参入したいのに、既存の共同行為に入れてもらえません。打つ手はありますか?
102条2項3号が「加入及び脱退を不当に制限しないこと」を認可の要件としているため、不当な加入拒否は認可の前提を欠く事情として監督当局へ申し入れる根拠になる。並行して独占禁止法上の問題としても構成できる。実務のポイント:認可要件の不充足を指摘するルートは、当局が自ら是正に動く動機を持つため、当事者間の交渉より速く動くことがある。最初から訴訟を構えるより、要件不充足の指摘から入る方が費用対効果が高い
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が料率を揃えるのは業界の慣行として当然許されている」と思われがちだが、法律の構造は逆である。原則は独占禁止法違反であり、102条の認可を受けた共同行為だけが例外として許される。認可の範囲を一歩でも超えれば、そこは通常のカルテルとして課徴金・刑事罰の領域に戻る
- 共同行為の認可は「金融庁が業界の便宜を図る手続」だと理解している人が多いが、条文を読むと2項は「適合すると認めるときでなければ、認可をしてはならない」という禁止形で書かれている。行政に裁量的な許可権限を与えたのではなく、四要件を満たさない限り認可を出す権限自体がないと縛っている。方向が真逆である
- 「必要最小限度」という4号の要件を、行政の努力目標のようなものと軽く見る向きがあるが、これは認可の効力を左右する法定要件である。危険の分散や平準化という目的に対して過大な共同行為であれば、それは認可すべきでないものが認可された状態となり、後に取消や変更命令(保険業法105条)の対象になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の中身 | 保険業法102条:共同行為の事前認可と四つの認可要件 | 保険業法101条:認可の対象となる共同行為の類型を列挙 保険業法105条:認可後の監督上の措置(変更命令・取消し等) |
| 行為の時点 | 共同行為の開始前・内容変更前(事前) | 共同行為の該当性判断の前提(定義段階) 認可後に要件を欠くに至った段階(事後) |
| 主たる名宛人 | 損害保険会社(申請者)と認可権者である内閣総理大臣 | 共同行為を検討する損害保険会社 監督当局(認可の見直しを行う側) |
| 外れた場合の帰結 | 認可外の協調は独占禁止法の原則(適用除外なし)に戻る | 類型に当たらなければそもそも認可制度の対象外 変更命令・取消しにより共同行為の継続が不可能になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も業法による料率規制と競争法上の聯合行為例外許可を組み合わせる。許可は主管機関の事前審査によるが、保険業に特化した包括的な共同行為認可条文の形は日本と異なる
韓国も保険会社間の協定について金融当局の認可を要求し、競争当局との協議構造を持つ点で日本と近い設計
ドイツは EU 競争法の枠組みに服し、保険分野の一括適用除外規則が共同統計や共同引受プールを対象としていた。事前認可ではなく自己評価型である点が日本と決定的に異なる
米国は州の保険規制が及ぶ限りで連邦反トラスト法の適用を外す。行為ごとの事前認可ではなく、規制管轄による包括的な適用除外という構造をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地震保険の見積もりを3社で取ったら、保険料が1円単位まで同じだった。おかしいと思って公正取引委員会に相談すべきか迷う。実は地震保険は再保険特別会計を伴う政策保険で、共同行為の認可の枠内にある。ただし「認可を受けた共同行為の範囲内か」は別問題で、認可外の範囲まで足並みを揃えていればそれは通常のカルテルだ
- あなたが中堅の損害保険会社の商品企画にいるとする。業界団体の会合で他社と料率算定の方法をすり合わせようという話が出た。前条(101条)の各号に列挙された共同行為に当たり、かつ認可を受けているか。ここを確認せずに議事録に残った一行が、後の課徴金と刑事告発の証拠になる
- 外資系の損保が日本市場に参入し、既存の共同行為への加入を求めたが業界側が渋った。102条2項3号は「加入及び脱退を不当に制限しないこと」を認可要件にしている。参入障壁として使われた瞬間、その共同行為の認可の前提が崩れる
- 共同行為の認可申請を出したが、金融庁から補正を求められて3か月が経過。新商品の発売予定日まであと30日。認可なしで先行して足並みを揃えれば独占禁止法の適用除外を外れる。待つか、共同行為部分を切り離して単独で出すか、判断は今週中
- 自動車保険の保険料が一斉に上がったニュースを見て、友人から「これって談合じゃないの」と聞かれたとしたら? 参考純率の改定(損害保険料率算出機構)と、102条の共同行為の認可と、各社独自の付加保険料の三つは別物である。どこまでが合法でどこからが違法かの線引きが、この条文にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約者・被保険者として不利益を感じた場合、その料率や約款が認可を受けた共同行為に基づくものかを保険会社に照会し、根拠となる共同行為の内容を確認する2. 金融庁への情報提供と、公正取引委員会への申告は別ルートなので両方を検討する3. 認可の範囲外での価格調整が疑われるなら、独占禁止法上の私的独占・不当な取引制限として公正取引委員会へ、認可要件(2項各号)の不充足なら金融庁へ4. 損害が具体化していれば民法709条または独占禁止法25条の損害賠償を並行して検討する
訴えられた側:1. まず認可書と申請書の原本を確保し、問題とされている行為が認可された共同行為の文言の内側にあるかを法務で確定させる2. 範囲外であれば、独占禁止法の課徴金減免制度(リニエンシー)の申請順位が結果を大きく左右するため、社内調査と申請判断を同時並行で進める3. 範囲内であると主張する場合は、2項4号の必要最小限度性を裏付ける危険分散・平準化のデータを整える4. 金融庁対応と公正取引委員会対応は目的も時間軸も違うため、窓口と説明ロジックを分けて管理する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。認可を受けずに共同行為を行った場合、独占禁止法上の課徴金の対象期間や排除措置命令の除斥期間(違反行為終了日から7年)が実質的な時間軸となる。私法上の損害賠償は民法166条または724条の消滅時効による(最新の改正状況をご確認ください)
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