保険業法 第103条(共同行為の変更命令及び認可の取消し)
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内閣総理大臣は、前条第一項の認可に係る共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、その損害保険会社に対し、その共同行為の内容を変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。
この条文の基本情報
共同行為の変更命令及び認可の取消しとは何ですか?
定義共同行為の変更命令及び認可の取消しとは、保険業法第103条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第一項の認可に係る共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、その損害保険会社に対し、その共同行為の内容を変更す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第103条(共同行為の変更命令及び認可の取消し)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第103条の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第一項の認可に係る共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、その損害保険会社に対し、その共同行為の内容を変更す…」で始まります。
- 保険業法第103条は第三章 業務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第103条の前の条は保険業法第102条です。
- 保険業法第103条の次の条は保険業法第104条です。
- 保険業法第103条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第103条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第103条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/103
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法103条は、認可済みの損害保険共同行為が102条2項各号の要件に適合しなくなったとき、内閣総理大臣が内容の変更を命じるか認可を取り消さなければならないと定める。
Q · 損保の保険料が各社横並びなのは、ずっとこのままなんですか?
いいえ、認可要件を外れれば金融庁が取り消します
損害保険会社の共同行為は保険業法102条1項の認可により独占禁止法の適用を除外されますが、永続的な特権ではありません。同法103条は、共同行為の内容が102条2項各号(公益上の必要、目的達成に必要な限度、不当に差別的でないこと、加入脱退が不当に制限されていないこと等)に適合しなくなったと認めるとき、内閣総理大臣が内容の変更を命じ、又は認可を取り消さなければならないと定めます。裁量ではなく義務であるため、適合性が失われれば行政は動かざるを得ません。
解説
地震保険や自賠責保険の保険料が、どの会社でもほぼ同じ金額なのを不思議に思ったことはないだろうか。あれは談合ではなく、保険業法102条が特別に認めた「共同行為」の結果である。損害保険会社は本来、独占禁止法でカルテルを厳禁されているが、巨大災害のリスクは一社では引き受けきれない。だから内閣総理大臣(実務上は金融庁長官)の認可を得て、料率や再保険を共同で決めることが許されている。そして103条は、その特権に付いた解除装置だ。認可の前提条件(102条2項各号:公益上必要、目的達成に必要な限度を超えない、不当に差別的でない、加入脱退が不当に制限されていない等)を満たさなくなったと認めるとき、金融庁は変更命令か認可取消しを出す。条文は「命じ、又は取り消さなければならない」と書く。裁量ではなく義務である。あなたが払っている保険料の適法性は、この一条が生きているかどうかに懸かっている
法的な位置づけ
保険業法103条は、同法102条1項により認可された損害保険会社の共同行為について、その内容が同条2項各号の認可要件に適合しなくなったと内閣総理大臣が認めた場合における事後的な監督措置を定める規定である。措置の内容は共同行為の内容の変更命令または認可の取消しであり、条文上いずれも行政庁の義務として規定されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.認可書の記載範囲と実際の運用を逐条照合する 102条1項の認可書に記載された共同行為の対象商品・地域・料率算出方法と、現場で実際に行っている情報交換・料率調整の範囲を一行ずつ突き合わせる。認可の外にはみ出した部分が独占禁止法3条のリスク領域になる
- 2.102条2項各号の適合性を定期モニタリング項目にする 公益上の必要性、目的達成に必要な限度、不当に差別的でないこと、加入脱退が不当に制限されていないことの各号を社内モニタリング項目に落とし込み、四半期ごとに証跡付きで検証する。認可は資格ではなく継続審査中の状態である
- 3.疑義が生じたら変更命令を待たず自主的に変更認可を申請する 適合性に疑いが出た段階で、金融庁に共同行為の内容変更を自主的に申し出る。変更命令や取消しを受けた後の是正は違法状態を過去に遡って残すが、命令前の自主是正は業界全体の信用毀損を回避できる
- 4.聴聞では適合性の証跡を時系列で提出する 認可取消しの方針が示された場合、行政手続法13条の聴聞において、各号適合性を裏付ける記録を時系列で提出する。口頭の説明ではなく、日付入りの意思決定記録が効く
- 5.処分を受けたら不服申立て期限と独禁法リスクを同時に走らせる 変更命令または取消処分を受けた場合、審査請求3か月・取消訴訟6か月の期限を押さえつつ、認可を失った期間の行為について独占禁止法上の評価と課徴金減免制度の適用可否を並行検討する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法103条とは何ですか?
認可された損害保険の共同行為が102条2項各号の要件を満たさなくなったとき、内閣総理大臣が内容の変更命令または認可取消しを行うことを義務づける規定です。
Q2共同行為の認可が取り消されるとどうなりますか?
保険業法101条による独占禁止法の適用除外が消え、その共同行為は独占禁止法3条の不当な取引制限として公正取引委員会の審査対象に戻ります。課徴金リスクが生じます。
Q3変更命令に不服がある場合はどうすればいいですか?
変更命令も取消処分も行政処分です。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内に提起します。処分通知書の教示欄を確認してください。
Q4認可取消しの前に聴聞はありますか?
認可の取消しは不利益処分にあたるため、行政手続法13条により原則として聴聞が行われます。聴聞では会社側が証拠を提出し意見を述べる機会が保障されます。
Q5自賠責保険の料率は誰が決めていますか?
自賠責の基準料率は損害保険料率算出機構が算出し金融庁の審査を経る仕組みで、保険業法102条の共同行為認可とは別枠組みです。料率が同じ理由を混同しないことが重要です。
Q6共同行為の認可を受けているか調べる方法は?
金融庁が公表する認可・監督関連資料や、保険会社向けの総合的な監督指針の記載を確認します。認可の有無が分からないまま「業界慣行」という説明を受け入れないでください。
Q7生命保険会社にも共同行為の認可はありますか?
保険業法101条・102条の共同行為は損害保険会社を対象とする制度です。生命保険分野の料率調整は同じ適用除外の枠には入らず、独占禁止法の原則が及びます。
Q8保険業法103条の処分は公表されますか?
金融庁は行政処分を報道発表や処分事例として公表する運用です。ただし処分に至る前の行政指導は公表されにくく、処分件数がゼロでも監督が働いていないとは限りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1損保各社の保険料が同じなのって、そもそも違法じゃないんですか?
共同行為が保険業法102条1項の認可を受けていれば適法である。同法101条が独占禁止法の適用除外を定めており、認可された範囲内の料率共同決定はカルテルにあたらない。実務のポイント:認可の対象は主に再保険や特定分野に限られ、一般の企業向け保険の見積もり調整は認可の外である。近年の損保業界に対する公正取引委員会の処分は、まさにこの認可外の領域で起きている。「業界慣行だから」という説明は、認可の有無を確認するまで信用しない
Q2金融庁が変更命令を出すって、実際どのくらい起きているんですか?
本条に基づく発動は公表事例が乏しい。ただし発動が少ないことは条文が死んでいることを意味しない。認可の適合性が疑われる段階で当局と会社の間の行政指導により事実上の是正が先行するためである。実務のポイント:行政指導(法的な強制力を持たない役所からの働きかけ)は処分ではないため取消訴訟の対象にならず、記録も表に出にくい。処分件数のゼロを「規制が緩い」と読むのは、日本の行政実務の理解として誤りである
間違えやすい点 AI による整理
- 損保の料率が横並びなのは業界の談合体質だ、と多くの人が思っている。だが実態は逆で、法律が明示的に認可した例外である。問題にすべきは「同じであること」ではなく「認可の範囲内で同じか」。批判の照準がずれていると、本当に違法な部分を見逃す
- 「一度認可を取れば安泰」という理解は、条文の後半を読み落としている。103条は変更命令と取消しを金融庁の義務として定めており、裁量的な選択肢ではない。適合性を失った状態が認められれば、行政は動かなければならない。認可は資格ではなく、継続審査中の状態である
- この条文を読む人の多くは「どうすれば認可を取れるか」を問うが、実務で効くのは「どうすれば取り消されないか」である。認可取得は一度きりの手続だが、適合性の維持は毎日の運用の問題だ。問いの立て方を変えた瞬間、社内の管理体制の設計図が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法103条:認可後の変更命令・認可取消し(出口の遮断器) | 保険業法102条:共同行為の認可要件(入口の許可) 保険業法101条:認可された共同行為への独占禁止法の適用除外 |
| 発動の主体と性質 | 内閣総理大臣(実務上は金融庁長官)の義務的処分 | 内閣総理大臣の認可(申請に対する応答) 処分ではなく適用除外という法律効果 |
| 適合性を失ったときの帰結 | 変更命令または認可取消しが義務として発動される | 認可申請が拒否される(そもそも傘が開かない) 適用除外が消滅し独占禁止法3条に復帰する |
| 会社側の対応手段 | 自主的な変更認可申請、聴聞での反論、審査請求・取消訴訟 | 認可要件を満たす協定設計と申請書の精緻化 認可範囲の逸脱防止と課徴金減免制度の検討 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も聯合行為を原則禁止としつつ例外許可を認め、許可後に要件を欠いた場合は公平交易委員会が許可の撤銷・変更を行う。事後撤回型の構造は日本の102条・103条と対応する
韓国は保険会社間の相互協定を金融委員会の認可事項とし、必要に応じて協定の変更・廃止を命じることができる。監督官庁が事後的に介入する点で日本と同型
ドイツでは保険分野の共同行為は EU 競争法の枠内で扱われ、個別の国内認可制ではなく一括適用免除と事後的な排除措置命令で統制される。事前認可型の日本と設計思想が異なる
米国は州による保険業規制が及ぶ限りで反トラスト法の適用を除外する。連邦の個別認可ではなく「州が規制しているか」を条件とする点で、日本の認可・取消し構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 損害保険会社の企画部門で、業界の共同料率算出に関わる資料を作成している。他社との会合で「この特約は共同行為の認可範囲外では」という議論が出た。認可範囲を外れた共同行為は102条の傘を失い、独占禁止法の不当な取引制限としてそのまま公正取引委員会の審査対象になる。カルテルの課徴金は売上高に比例するため、単位は億である
- 企業の保険担当者として、複数の損保から見積もりを取ったが金額が横並びだった。これは適法な共同行為の結果かもしれないし、認可を逸脱した価格協定かもしれない。区別する手がかりは、その商品分野に102条の認可が現に存在するか。認可の有無は金融庁の公表資料で確認できる
- もし、あなたが加入している共済的な保険で、契約者間の扱いが露骨に不平等だと気付いたらどうなる? 共同行為が「不当に差別的」であることは102条2項の適合性を失わせる事由になりうる。金融庁への情報提供は、変更命令の端緒になる
- 損保の代理店として、共同行為に基づく料率で契約を大量に締結してきた。ある日、その共同行為に変更命令が出て料率が改定される。既存契約と新規契約で条件が食い違い、顧客説明に追われる。移行期間はしばしば数か月しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 共同行為が不当に差別的、または加入脱退を不当に制限していると感じたら、契約条件・料率表・他社比較資料を時系列で保全する2. 金融庁への情報提供窓口に事実を整理して申し出る。103条の変更命令は行政の義務なので、適合性喪失の事実が示されれば行政は動かざるを得ない3. 認可の範囲外の調整行為が疑われる場合は、公正取引委員会への申告(独占禁止法45条)が別軌道で使える。金融庁ルートと公取ルートは併走可能である
訴えられた側:1. まず当該共同行為が102条の認可を現に受けているか、認可書の記載範囲と実際の運用が一致しているかを逐条で照合する2. 逸脱部分があれば、変更命令を待たず認可内容の変更申請を先に出す3. 変更命令または取消処分を受けた場合、行政不服審査法による審査請求または行政事件訴訟法3条の取消訴訟が使える。処分通知書の教示欄に期間と宛先が書かれている4. 並行して独占禁止法上のリスク評価を行い、課徴金減免制度の適用可否を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間規定はない。ただし変更命令・認可取消しはいずれも行政処分(役所があなたの会社に直接下す具体的な決定)であり、不服申立ては審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、損害保険会社の共同行為に関する適用除外・認可・事後監督の一連の規定が整備され、その一環として本条が置かれた
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