保険業法 第105条(公正取引委員会との関係)
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、第百二条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。
- 2.内閣総理大臣は、第百三条の規定による処分をしたとき、又は前条の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
- 3.公正取引委員会は、第百二条第一項の認可を受けた共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、内閣総理大臣に対し、第百三条の規定による処分をすべきことを請求することができる。
- 4.公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
この条文の基本情報
公正取引委員会との関係とは何ですか?
定義公正取引委員会との関係とは、保険業法第105条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第百二条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第105条(公正取引委員会との関係)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第105条の条文原文は「内閣総理大臣は、第百二条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。」で始まります。
- 保険業法第105条は第三章 業務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第105条の前の条は保険業法第104条です。
- 保険業法第105条の次の条は保険業法第105条の2です。
- 保険業法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法105条は、共同行為の認可に公正取引委員会の同意を必要とし、公取委には認可要件を満たさなくなった共同行為について処分を請求する権限を与える規定である。
Q · 保険会社どうしで料率をそろえる共同行為の認可は、金融庁だけで出せるのですか?
いいえ、公正取引委員会の同意が必要です
保険業法105条1項は、内閣総理大臣が102条1項の共同行為の認可をしようとするときは、あらかじめ公正取引委員会の同意を得なければならないと定めます。さらに2項は103条の処分および104条の届出受理を公取委へ遅滞なく通知させ、3項は公取委に処分請求権を与え、4項はその請求を官報に公示させます。独占禁止法の適用除外は金融行政の一存では動かせず、競争当局が入口と出口の双方に関与する構造です。
解説
保険会社どうしが料率や再保険の条件をそろえる「共同行為」は、本来なら独占禁止法が真っ先に潰しにかかるカルテルそのものである。それでも保険業法102条はこれを認可制で許す。ではその認可を、金融庁(内閣総理大臣)が独禁法の番人に黙って出せるのか。105条の答えは「出せない」。1項は認可の前に公正取引委員会の同意を義務づけ、2項は認可の取消し等の処分や届出を受理したら遅滞なく通知させ、3項は逆に公取委の側から「もう要件を満たしていないから処分せよ」と請求する権限を与え、4項でその請求を官報に公示させる。つまりこの条文は、金融行政の内側に競争当局の拒否権と発議権を差し込むための配線図である。あなたが保険代理店・共済・損保の実務にいるなら、業界の共同行為が突然終わるとき、その引き金は金融庁ではなく公取委だったという可能性を知っておくべきだ。
法的な位置づけ
保険業法105条は、共同行為に関する独占禁止法の適用除外を運用する際の、内閣総理大臣と公正取引委員会との手続関係を定める規定である。102条1項の認可には公取委の同意を要し、103条の処分および104条の届出受理は公取委へ通知される。公取委は認可を受けた共同行為が102条2項各号に適合しなくなったと認めるときは処分を請求し、その旨を官報に公示する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.共同行為が102条2項各号の要件を満たすか整理 計画している協調行為について、対象となるリスクの性質、参加事業者の範囲、期間、料率や条件の決定方法を文書化し、102条2項各号の認可要件に照らして一つずつ適合性を確認する。要件に対応しない部分は設計段階で削る
- 2.競争政策の言葉で説明する資料を別途用意 金融庁向けの保険監督上の説明資料とは別に、競争制限の程度、代替手段の不存在、期間・範囲の限定性を示す資料を作る。105条1項の同意手続で公正取引委員会が見るのはこの観点であり、ここが認可の実質的な関門になる
- 3.102条1項の認可申請を提出し、同意手続の進行を把握 内閣総理大臣(金融庁)へ認可申請を行う。申請後、105条1項に基づき公取委の同意手続が進むため、追加照会に備えて説明担当者と資料の更新体制を決めておく
- 4.認可後は要件適合性を定期点検し、変更は104条の届出へ 運用の中で対象範囲や条件が少しずつ動くと、102条2項各号の要件から外れる。年次で適合性を点検し、変更・廃止は104条の届出を行う。届出受理は105条2項で公取委へ通知される前提で内容を整える
- 5.官報で105条4項の公示を監視し、猶予期間に備える 公取委の処分請求は官報に公示される。公示は103条の処分が下る前の段階であるため、公示を検知したら、共同行為に依存した商品設計・料率・顧客説明の代替案を直ちに起動できるよう、監視と初動手順を定めておく
よくある質問 AI による整理
Q1共同行為の認可とは何ですか?
保険業法102条1項に基づき、保険会社が再保険や共同引受けなどで協調するために受ける認可です。認可があれば独占禁止法の適用が除外されますが、105条1項により公正取引委員会の同意が前提となります。
Q2保険業法105条の公取委の同意は誰が求めるのですか?
認可権者である内閣総理大臣が、認可に先立って公正取引委員会に同意を求めます。事業者が直接公取委へ申請する手続ではなく、行政機関どうしの内部手続として進みます。
Q3公取委の処分請求はどこで確認できますか?
保険業法105条4項により官報に公示されます。誰でも確認でき、業界紙や報道の端緒にもなります。実際の処分が下される前の段階で公示される点が実務上重要です。
Q4保険業法105条2項の通知はいつ行われますか?
内閣総理大臣が103条の規定による処分をしたとき、または104条の規定による届出を受理したときに、遅滞なく公正取引委員会へ通知されます。
Q5認可を受けていない保険会社間の料率の申合せは違法ですか?
102条の認可がない横並びは105条の枠組みの外にあり、独占禁止法3条の不当な取引制限に該当しうる行為です。適用除外は認可を受けた共同行為の範囲に限られます。
Q6共同行為の内容を変えたらどうなりますか?
104条の届出対象となり、その受理は105条2項で公取委へ通知されます。内容が102条2項各号の要件から外れれば、公取委は3項で処分を請求できます。
Q7保険業法105条の手続にはどの行政機関が関わりますか?
認可権者は内閣総理大臣で、金融行政は金融庁が担います。同意権と処分請求権を持つのは公正取引委員会で、二つの行政機関が一つの認可をはさむ構造です。
Q8自賠責保険や地震保険も保険業法102条の共同行為ですか?
これらは自動車損害賠償保障法、地震保険に関する法律、損害保険料率算出団体に関する法律という個別法に基づく仕組みで、根拠は保険業法102条とは異なります。共同引受けの必要性という発想は共通します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が料金をそろえるのって、普通に考えたら談合ですよね。なんで許されるんですか?
保険は多数の契約で危険を分散する仕組みで、再保険や航空・原子力のような巨大リスクは一社で引き受けられない。そこで保険業法102条1項が認可制で共同行為を許し、同条2項各号の要件を課す。ただし105条1項で公正取引委員会の同意が必須である。実務のポイント:認可の可否を実質的に握るのは同意権を持つ公取委側であり、金融庁との事前調整だけで話を進める申請は同意段階で止まる。どちらの官庁を先に説得すべきかで所要期間が大きく変わる
Q2公取委が「処分しろ」と請求したら、金融庁は必ず処分するんですか?
3項は公取委に請求権を与えるが、内閣総理大臣に処分を義務づける文言ではない。処分の実施は103条に基づく判断となる。ただし4項で請求は官報に公示されるため、放置すれば競争政策上の対立が公開の形で残る。実務のポイント:この公示は認可取消し等の処分が下る前の段階で出る。公示から処分までの時間差が、共同行為に依存した商品設計を組み替えられる最後の猶予になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険業法で認可されたのだから独占禁止法は関係ない」と整理されがちだが、問いの立て方が逆である。102条の適用除外は独禁法が及ばない世界を作ったのではなく、独禁法の番人に同意権と発議権を残したまま例外を切り出したにすぎない。適用除外の中に競争当局が常駐している
- 1項の「同意」を、形式的な事前協議や意見照会と同レベルに考えている実務家は少なくない。同意は協議ではない。公取委が同意しなければ、内閣総理大臣は認可そのものを出せない。実質的な拒否権であり、認可審査の本当の難所がどちらにあるかを見誤ると、申請戦略を組み間違える
- 「行政どうしの手続だから民間には見えない」と思われがちだが、4項が官報公示を義務づけている。公取委の処分請求は公開情報として外部に出る。業界の外にいる競合他社も、報道機関も、この公示を追える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 105条:認可をめぐる内閣総理大臣と公取委の手続関係(同意・通知・請求・公示) | 102条:共同行為の認可そのものと実体要件 103条:認可の取消し等の処分 |
| 主体 | 内閣総理大臣と公正取引委員会の双方 | 内閣総理大臣(申請者は保険会社) 内閣総理大臣 |
| 事業者から見た効果 | 認可の可否が公取委の同意に左右され、運用中も処分請求のリスクが残る | 認可を得れば独占禁止法の適用が除外される 認可が取り消されれば適用除外の基礎を失う |
| 外部からの可視性 | 4項の官報公示により処分請求が公開される | 認可の事実は公表されるが審査過程は非公開 処分の事実として公表される |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では聯合行為の例外許可を公平交易委員会が自ら行うため、日本のように主務官庁の認可に競争当局の同意を接続する二段構造を取らない
韓国も相互協定の認可について金融委員会と公正取引委員会の関与を定めており、日本の105条と同型の設計が見られる
ドイツは業種別の恒常的な適用除外ではなく、個別の大臣認可に競争機関・独占委員会の意見を介在させる方式を採る
フランスは適用除外をデクレで定める際に競争委員会の avis conforme(拘束力ある同意)を要求しており、105条1項の同意権と機能的に近い
米国は保険業を州規制に委ねて反トラスト法の適用を広く除外するため、連邦競争当局が個別認可に同意する仕組みは持たない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 損保各社が参加する共同行為に基づいた料率で顧客に見積もりを出している。ある朝、官報に公取委の処分請求の公示が載る。認可はまだ生きているが、この公示は「この共同行為はもう長くない」という業界向けの予告状である。契約更改の設計を今から組み替えられるかどうかで、翌年度の収益計画が変わる
- 地震保険や自賠責のような、そもそも一社では引き受けきれないリスクを複数社で分担する仕組み。この裏側には102条の認可があり、その認可には公取委の同意という関門があった。あなたが払っている保険料の水準は、金融庁と公取委の二重チェックを通った価格である
- もし、保険会社の企画部門にいるあなたが共同行為の内容を実務上少しずつ変えていったら? 認可時の102条2項各号の要件から外れた瞬間、公取委は3項で処分請求を発動できる。金融庁と話がついているから大丈夫、という感覚が一番危ない
- 公取委が処分請求をした。官報公示から先、金融庁がどう動くかを業界紙が追い始める。あなたの会社の法務部に問い合わせが来るまで数日。その間に、自社の共同行為参加状況と認可要件の適合性を洗い出せるか
学説
通説:保険業法101条以下の適用除外は、危険の大量分散と巨大リスクの共同引受けという保険事業固有の必要から認められた限定的な例外であり、105条の同意・通知・請求・公示は、その例外が産業保護に転化しないよう競争当局の関与を制度内に確保する手続的担保と理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、共同行為に関する独占禁止法の適用除外と、認可手続における公正取引委員会の関与を定める規定として整備された
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める