保険業法 第332条の2(虚偽届出等の罪)
クイックジャンプ
第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この条において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
虚偽届出等の罪とは何ですか?
定義虚偽届出等の罪とは、保険業法第332条の2に定められた規定で、「第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第332条の2(虚偽届出等の罪)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第332条の2の条文原文は「第六十七条の二又は第二百十七条第三項において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。」で始まります。
- 保険業法第332条の2は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第332条の2の前の条は保険業法第332条です。
- 保険業法第332条の2の次の条は保険業法第332条の3です。
- 保険業法第332条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第332条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第332条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/332_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法332条の2は、電子公告調査機関が調査記録簿等に所定事項を記載せず、虚偽記載をし、又は保存しなかった場合に三十万円以下の罰金を科す罰則規定である。
Q · 保険会社の電子公告をチェックする機関が記録を書き忘れたら、どうなるんですか?
三十万円以下の罰金。前科の残る刑事罰です
保険業法332条の2により、電子公告調査を行う登録調査機関が調査記録簿等に法務省令で定める事項を記載・記録せず、虚偽の記載・記録をし、又は保存しなかった場合、三十万円以下の罰金に処せられます。過料ではなく罰金であるため刑事罰であり前科が残ります。さらに登録の取消しや業務停止といった行政上の処分にも直結します。契約者の側から見れば、この記録簿は公告が実在したかを後日検証できる事実上唯一の物証です。
解説
保険会社が契約を他社へ移す、相互会社が社員に重要事項を知らせる。その告知が官報や新聞ではなくウェブサイトで行われる場合(電子公告)、本当に所定の期間ずっと画面に出ていたのかを、法務大臣の登録を受けた第三者機関が機械的に監視している。本条が罰するのは、その監視役が調査記録簿等に法務省令で定める事項を記載・記録しない、虚偽を書く、あるいは定められた期間保存しない行為だ。「三十万円以下の罰金」と聞くと軽く見えるが、ここが誤解の分かれ目である。過料(行政上の秩序罰で前科は残らない)ではなく罰金、つまり刑事罰だ。前科が付き、監督官庁による登録の取消しや業務停止にも直結する。そしてあなたの側から見れば、この記録簿は「公告は確かにあった/なかった」を後日争うときの、事実上唯一の物証である。
法的な位置づけ
保険業法332条の2は、電子公告調査に係る記録義務違反の罰則を定める規定である。保険業法67条の2又は217条3項が準用する会社法955条1項に違反し、調査記録簿等への不記載・不記録、虚偽の記載・記録、又は保存義務違反があった場合に、三十万円以下の罰金を科す。名宛人は登録電子公告調査機関である。
よくある質問 AI による整理
Q1調査記録簿等とは何ですか?
電子公告調査を行った登録調査機関が、会社法955条1項に基づき作成・保存する調査の記録です。公告が所定期間画面に表示されていたかを事後に検証できる唯一の公的記録にあたります。
Q2電子公告調査機関はどこに登録するのですか?
会社法942条に基づく登録制度で、法務大臣の登録を受けた者が電子公告調査を行います。登録を受けていない者は電子公告調査を業として行えません。
Q3保険業法332条の2の罰則は誰に科されますか?
公告をした保険会社ではなく、調査記録簿等の記載・記録・保存義務を負う登録電子公告調査機関の側です。名宛人を取り違えると責任追及の相手を誤ります。
Q4三十万円以下の罰金は過料と違うのですか?
違います。過料は行政上の秩序罰で前科が残りませんが、罰金は刑事罰であり前科が残ります。金額は小さくても法的性質はまったく別物です。
Q5電子公告の調査記録はいつまで保存されますか?
会社法955条1項および法務省令が定める期間です。期間経過後は適法な廃棄と義務違反の区別が外部からできなくなるため、検証は期間内に行う必要があります。
Q6保険契約が他社に移転されるとき公告は必要ですか?
保険業法217条により契約移転には公告等の手続が求められ、異議申立ての機会が与えられます。公告方法が電子公告なら本条の調査・記録の仕組みが働きます。
Q7記載漏れは故意がなくても罰せられますか?
罰則である以上、原則として故意が必要です(刑法38条1項)。過失による記載漏れは故意の有無を争う余地がありますが、不保存類型は認識を認定されやすい構造です。
Q8電子公告調査の記録を契約者が見ることはできますか?
契約者に直接の閲覧請求権が当然に認められるわけではありません。まず保険会社に調査機関名と調査結果の提示を求めるのが実務的な順路です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1三十万円の罰金って、会社が払って終わりじゃないんですか?
終わりません。罰金は刑事罰なので、実際に記載・保存を担当した自然人に前科が残ります。法人に科されるかは両罰規定の有無次第で、個人の責任が消えるわけではありません。実務のポイント:略式命令で終わっても前科は前科として記録に残り、士業登録や役員就任の欠格事由の判断、調査機関としての登録審査に影響します。金額の大小ではなく、記録が残るかどうかで判断すべき局面です
Q2自分の保険が他社に移されるとき、公告がちゃんと出ていたか確認できますか?
手がかりはあります。保険業法217条3項が準用する会社法955条1項により、電子公告の調査を行った登録調査機関は調査記録簿等を作成・保存する義務を負っています。まず保険会社に調査機関名と調査結果の提示を求めるのが実務的な順路です。実務のポイント:この記録は法務省令の定める期間しか保存されません。異議申立期間を過ぎてから動くと、記録が既に廃棄されていて検証不能ということが起こります。通知を受け取った日にURLと画面を自分で保存しておくのが最も確実です
Q3うっかり記載を忘れただけでも犯罪になるんですか?
刑罰である以上、原則として故意(罪を犯す意思)が必要です(刑法38条1項)。単なる過失による記載漏れは、故意の有無を争う余地があります。ただし「保存しなかった」類型は、廃棄や放置の認識があったと評価されやすい構造です。実務のポイント:故意を否認できるかどうかは、事後の弁解ではなく、事前に存在した運用手順書・チェックリスト・引き継ぎ記録で決まります。体制が紙の上に存在しない組織は、同じ事実関係でも不利になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金三十万円なら軽微」と金額だけで判断するのは、深刻度の読み違いである。罰金は刑事罰であり前科が残る。加えて登録調査機関にとって本当に効くのは、監督官庁による登録の取消しや業務停止という行政上の帰結であり、刑罰はその入口にすぎない。法人の売上に対する三十万円の話ではなく、事業継続の可否の話だ
- 「誰が罰せられるのか、保険会社だろう」という問いの立て方自体がずれている。本条の名宛人は公告をした保険会社ではなく、その公告を調査し記録簿への記載・保存義務を負う第三者機関の側である。監視する者を監視するための条文であり、名宛人を取り違えると、責任追及の相手も、開示を求める相手も間違える
- 契約者から見れば調査記録簿は事務書類にすぎないが、法律から見れば公告の存否を立証する証拠そのものである。この落差は、異議申立期間が終わり、保存期間も過ぎてから気付くと取り返しがつかない。証拠が存在しないことと、証拠が適法に廃棄されたことは、後からは区別できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の中身 | 保険業法332条の2:記録義務違反への罰則(三十万円以下の罰金) | 会社法955条:調査記録簿等の作成・保存義務そのもの 会社法941条:電子公告調査を受ける義務 |
| 名宛人 | 登録電子公告調査機関(およびその担当者) | 登録電子公告調査機関 電子公告により公告をする会社・相互会社 |
| 違反の効果 | 刑事罰(罰金)+登録取消し・業務停止の行政処分に連動 | 義務違反が本条の構成要件に取り込まれる 調査未実施は公告の適法性自体を揺るがす |
| 契約者から見た意味 | 記録の正確性を刑罰で担保=公告存否の立証可能性の最後の留め金 | 公告存否を立証する証拠の作成根拠 そもそも第三者検証が入るかどうかの入口 |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの生命保険契約が他社へ移転される公告が、実際には一日も画面に表示されていなかったとしたら? 異議を述べる機会は形式上与えられたことになっているのに、あなたは知りようがない。その真偽を後から検証できる資料は、調査機関が残した記録簿しか存在しない
- 電子公告調査機関の実務担当者として、前任者の退職に伴う引き継ぎ漏れで、数件分の調査記録が入力されていないことに気付いた。保存期間の満了までは時間があるが、記載すべき時点はとうに過ぎている。今から遡って入力すれば「虚偽の記載」になりかねず、放置すれば「記載せず」になる。どちらを選んでも本条の射程に入る
- 相互会社の社員総代会。総代の一人が公告の履行を質した。事務局は「登録調査機関の記録で確認済み」と一行だけ答えた
- 保険会社の買収を検討する側の法務担当として、過去の組織再編や契約移転の手続的瑕疵を洗う。公告が適法になされたかは、調査機関の記録簿が保存期間内に現存するかどうかで検証の可否が変わる。保存期間が切れた案件は、瑕疵の有無を永久に確定できないリスクとして値付けに反映される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書と公告の掲載URLを確認し、表示画面と日付をその場で保存する。自分の手元の記録が最も早く作れる証拠である2. 公告の存否に疑いがあれば、保険会社に対し調査を委託した登録調査機関名と調査結果の提示を書面で求める3. 並行して、調査記録簿等の保存期間が満了する前に動く。期間経過後は検証不能になる4. 記載漏れや虚偽が疑われる場合、調査機関を登録・監督する官庁への情報提供と、刑事告発の可否を弁護士に相談する
訴えられた側:1. まず未記載・未保存の範囲と時点を事実として確定する。遡って入力する行為は「虚偽の記載」に転化しうるため、単独判断で埋めない2. 罰則は刑罰であり、原則として故意が必要(刑法38条1項)。引き継ぎ記録、システムログ、運用手順書など、認識がなかったことを示す資料を先に確保する3. 法人にも罰金が科される両罰規定の適用があるか、保険業法の罰則章を条文で確認する4. 刑事手続と並行して進む登録の取消し・業務停止という行政上の処分(役所が事業者に直接下す決定)への対応を、同時に設計する
時効(請求できる期限):罰金のみに当たる罪であるため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項。長期5年未満の自由刑または罰金に当たる罪。2025年6月1日施行の拘禁刑への統合に伴う条文整理があるため、最新の改正状況をご確認ください)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条1項)。記載義務違反は記載すべき時点、保存義務違反は保存期間中に記録が失われた時点が基準となるが、保存義務違反をいつ終了した犯罪と評価するかは実務上、解釈が分かれている
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める